川崎市会その2
平成16年 決算審査特別委員会−09月29日-04号
◆佐々木由美子
続きまして、ホームレス対策事業費に関連して、また健康福祉局長へ伺います。2003年度に支出をし、今年度5月に開所いたしました愛生寮について何点か伺います。開所して4カ月が過ぎました。どのような自立に向けた支援が行われているのか、また、地域との共同作業としてどのようなことが行われているのか、伺います。また、周辺にお住まいの市民の皆さんからの評価についても伺います。
◎井野久明 健康福祉局長
愛生寮におけるホームレスの自立支援についての御質問でございますが、愛生寮では、宿泊場所や食事の提供による健康の回復とともに、洗濯、シャワー、理容など身ぎれいになるためのサービスの提供を行い、また、医療や福祉施策等の個別の福祉相談を実施するなどにより、自立に向けた支援をしております。さらに、利用者のうち約50名のパートナー登録者につきましては、施設内作業、周辺地域清掃とともに、町内会などの依頼に応じて、納涼大会の後片づけ、電柱の美化を行うなど、社会参加、地域貢献活動を進めております。近隣住民からは愛生寮に対する厳しい見方も続いておりますが、これら地域清掃などに対する感謝の言葉や、愛生寮利用者に対する古着の提供、施設修繕のための資材の提供、洗濯干しハンガーなどの提供がふえてきております。愛生寮がさらに地域に親しまれる施設としていくために今後もさらに工夫し、ホームレスが社会参加し、貢献する機会を多様につくってまいりたいと考えております。以上でございます。
◆佐々木由美子 委員
愛生寮は、少しずつでも地域の中で共存するよう工夫をしている様子です。地域の一員となることは、とても重要と考えております。今策定中の支援行動計画にも、野宿生活者の方が道路の清掃をしていて、その地域の市民の方から「御苦労さま」と声をかけられてうれしかった、と書かれているくだりがあります。お礼を言われ、自尊心が生まれ、再度社会へ復帰する気持ちとなるその第一歩です。決して強制にせず、みずからの行動が自然に自立への行動につながるよう、段階的な支援を続けていただきますよう要望いたします。
続いて、庁内での野宿生活者対策関係局長会議及び同検討会について伺います。局長会議は1994年から、検討委員会は1998年から開催されていますが、現在の座長と検討内容、また、経過について伺います。
◎井野久明 健康福祉局長
ホームレス自立支援対策関係局長会議及び同検討委員会についての御質問でございますが、関係局長会議につきましては、東山副市長を座長とし、総合企画局、健康福祉局など関係9局長と川崎・幸区長で構成し、平成6年度の第1回から本年度の第21回会議まで、年に2回程度開催しております。議題は、ホームレス対策についての関係局間の連携、調整に関する事項で、当初は食料品支給事業や越年対策などの緊急援護事業の実施について、ここ数年は自立支援対策の計画策定と実施方策等について、協議をしております。検討委員会は、関係局長会議のもとで、ホームレス対策にかかわる関係課長で構成し、おおむね1〜2カ月に1回程度開催し、緊急援護施策の連携や実態調査の実施、自立支援計画の策定、川崎駅周辺や公園の環境改善にかかわる協力体制の構築などを協議しております。以上でございます。
◆佐々木由美子 委員
それぞれの会議にて、自立支援計画について検討されてきたとのことです。計画では今後、就労自立支援センターの建設を予定しています。就労自立へ向けた支援がなされていくと期待しております。しかし、経済が底を打ったとの見方もありますけれども、まだまだ失業率が高く、野宿生活をしていた人たちが自立支援センターを経て、すぐ就労自立するには厳しい状況です。
そこで、局長会議の座長でもあります東山副市長に伺います。就労の場を確保するためにも、現在庁内で行っている、また委託している事業で、専門性を持たなくてもできる業務があると推測します。例えば、建設局で行っている道路清掃事業の一部や環境局の公園清掃事業など、多くの市民の皆様からも見えやすく、また、声をかけてもらえる業務であると思います。先ほど愛生寮の自立への一歩として、地域の一員となるような支援のあり方を要望いたしましたが、多くの市民の皆さんとの距離を縮めるためにも、まずは庁内から、自立へ向けた就労の場の提供をしていくことの検討をしていくことが必要ではないでしょうか。市長も、防犯や清掃活動などで人材として活用し、自立のお手伝いをしたいと、先日述べられております。ぜひ局長会議などで今から検討を始めることが必要と考えますが、伺います。
また、住宅の確保などについては、計画内でもまちづくり局と連携していくことが書かれていますが、局長会議のメンバーにはまちづくり局長は入っていないと聞いています。この会議が設置されたときから時代背景も大きく変わり、メンバーの再検討について見解を伺います。
◎東山芳孝 副市長
ホームレスの自立支援についての御質問でございますけれども、ホームレスが就労する場の確保につきましては重要な課題と存じますので、現在、本市が委託をしておりますいろんな事業等を活用することについて、既に検討にも入っておりますけれども、そのあり方を関係局の会議などで検討してまいりたいと考えております。
また、関係局長会議のメンバーにつきましては、ホームレスの住宅の確保は自立のための重要な課題でもございますので、関係局の拡充につきましては、局間連携をスムーズに進める観点からも必要なことと考えておりますので、早急に対応してまいりたいと存じます。以上でございます
◆佐々木由美子 委員
ありがとうございます。ぜひ前向きな検討をお願いしたく思います。
市が行っている事業には景気に左右されないものも多くあります。愛生寮など一時宿泊所などでシャワーや理容を済ませ身ぎれいになり、自立に向け就労相談をし、訓練をする。これだけでも、社会的弱者として野宿生活を余儀なくされてきた人たちにとってはとても大きな前進と考えています。しかし、ここまで頑張っても就労の場がなかなか決まらない、決まっても景気に左右され、またすぐに野宿生活に戻ってしまうことも安易に想像できます。ぜひ前向きな検討、就労の場の創出を要望いたします。
そして、私どもも以前代表質問でも提案をし、今委員会でも他の委員からもありましたけれども、業務委託に関しまして政策入札などを導入すると、野宿生活者自立支援を行っている、そんな企業が受託されやすくなるということも考えられます。ぜひこの入札のあり方について、また、業務の活用について前向きな検討を要望させていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。
平成16年 決算審査特別委員会−09月30日-05号
◎北條秀衛 総合企画局長
富士見周辺地区整備基本計画素案についての御質問でございますが、この計画につきましては、平成7年度に策定し、この間、富士見中学校の改築、隣接する富士見球場の整備、川崎球場のスタンド撤去など、緊急性を要するものについての整備をしてまいりましたが、まだまだいろんな課題が山積しています。例えば先ほどの富士見中学校の、特に校地の運動場を含めた敷地の狭隘ということでは、構想素案では南側に用地を求めたい、全市平均からもかなり敷地全体が狭いので、ということでしたけれども、残念ながら校舎が古いということで改築が先になりまして、課題として校地の狭隘が今も残されていると。
その後、川崎球場はアメフトで今多く使っていますけれども、そういう利用の問題、あるいはホームレスの課題、競輪場の移転先のいろんな諸条件がなかなかハードルが高くなってきたものでございますので、そういう意味では、今後の総合計画、実施計画3年間の中では、きちっと再度この素案の見直しを、関係庁内会議をまず早急に開きまして、先ほども出ていました富士見周辺地区整備関係局長会議を開きまして、それに引き続きまして、市民の方や学識経験者の方の専門的な意見を伺いながら、見直しを図ってまいりたいということを、総合計画の中に位置づけたいと、現在考えているところでございます。以上でございます。
◆織田勝久
次に参ります。ホームレス自立支援事業について、4款健康福祉費4項2目20節扶助費に関連して伺います。決算書を拝見しますと扶助費の不用額が約9億4,360万円となっておりますが、当初予算にわざわざ補正予算で約10億円も計上したにもかかわらず、なぜこの見込み違いが生じたのか、この原因についてお答えください。
◎井野久明 健康福祉局長
生活保護扶助費の不用額についての御質問でございますが、平成15年度におきまして、生活保護扶助費に不用額が生じた主な理由といたしましては、第二種社会福祉宿泊事業について本市独自のガイドラインを策定したことなどから、新規開設が3施設にとどまったことや、個室化への施設改善指導を行った結果、大幅な入所定員の削減が図られたことが要因として考えられるところでございます。以上でございます。
◆織田勝久 委員
社会福祉法の第二種施設で積極的にホームレスを受け入れてきた本市の方向がうかがえるわけであります。
次に、9月1日から募集を開始いたしました川崎市ホームレス自立支援市民事業に対する応募状況をお答えください。
◎井野久明 健康福祉局長
ホームレス自立支援市民事業の応募状況についての御質問でございますが、9月1日から募集を開始しておりますが、9月29日現在において問い合わせが10数件あり、そのうち3〜4件について、応募に向けた継続的な相談に応じているところでございます。以上でございます。
◆織田勝久 委員
大変恐縮ですが、問い合わせではなくて、応募があったんですか、なかったんですか。再度伺います。
◎井野久明 健康福祉局長
現時点では応募はございません。以上でございます。
◆織田勝久 委員
その理由についてお答えください。
◎井野久明 健康福祉局長
現時点で市民事業への応募がないことの理由についての御質問でございますが、本事業は他都市でも例がない先駆的な新規事業であることから、実効的な事業としていくために、現在、事業の内容、考え方など詳細にわたって協議しているところでございます。以上でございます。
◆織田勝久 委員
他市にも例がなく先駆的な事業だから応募が慎重であるとの、これは大変、変な説明でございます。この制度を簡単にサマライズしますと、ホームレスにただ働きさせるから仕事を与えてください、探してください、しかも給料は払わなくてよいからと、そういうのが今回の制度であります。受け入れる側にもホームレスの側にも何の利点がない。そんなような事業にホームレスが参加しても、また労働の対価を支払わないんですから、ホームレスの皆さんが自立しようにもアパート代もためられない。このような制度設計でホームレスの問題解決に何の役にも立たないということを、実は皆さん敏感に感じとっておられるからだと思うんです。行政が関与を深めたくない、金も使いたくない、ただ篤志家の皆さん助けてください、そういうことでは本当にどうしようもないと思うんです。
先日、東京都に行ってヒアリングをしてきました。担当者から東京都の自立支援等に関する実施計画の説明をお聞きしながら、私は目からうろこが落ちる思いでありました。とにかく実施主体と方針が明確であります。本市の自立支援実施計画と東京都実施計画を比較して決定的に異なるのは、次の2点だろうと思います。
1点目はホームレス自立の目標を明確に提示していること、すなわちホームレスが常用雇用の状態になるのが自立であると、明確に東京都では定義しています。パート、アルバイトでも不可ということであります。働く意欲、能力のあるホームレスが収入を得て、自分で居宅を確保して、初めて人間としての尊厳が取り戻される、この常用雇用との目標に向けて緊急一時保護センターと自立支援センター、さらに特別区の福祉事務所との役割分担が明確にされ、一貫したホームレス処遇システムが確立しているわけであります。特に自立支援センターではハローワークから職業相談員を常駐させて、都と特別区とハローワーク、いずれもが、とにかく仕事を探す、仕事をしてください、そういうことを徹底してやっているわけであります。
2点目は、実施計画の主体はあくまでも東京都ということであります。東京都が主体的な積極的な姿勢を示すことで、国と地域に密着した基礎的自治体との適切な連携と役割分担が行えるとの話でした。
これに比較して、本市の計画では、「周期的に担当者が異動する行政はホームレスとのネットワークを築きにくく」と、行政の役割をわざわざあいまいにして、「実態に即した自立支援のノウハウも乏しくなりがちである。そのため、継続的にホームレス自立支援活動を行う個人や民間団体との連携は不可欠である」と言いわけをし、その上で、「川崎市は、自助、共助、公助のバランスの取れた共生社会を目指す」と、方向違いの責任転嫁をしているわけであります。そもそも行政の腰が引けているのに、民間団体等が積極的に参加するはずがありません。
東京都でのヒアリングの際、担当者が、現状ホームレス対策には行政が主導するしかない、金も人もかかるが仕方がない、財政当局からも、もう少し何とかならないかと言われていますが、ホームレス問題の前進に向け、局を挙げて必死で取り組んでいます、そういう発言をされたことが、今でも頭から離れないわけであります。
本市の実施計画では、自立支援センターについて、東京の例でも、入所者の約半数が就労による自立を達成すると書かれていますけれども、行政が人も金も腰も据えて取り組んで5割という厳しさだということです。それほど大変だということであります。
平成6年7月にパン券の配布が開始されて丸10年、この間、行政はホームレス問題を市民にしっかりと説明してきたのか、行政責任を果たしてきたのか、本当に疑問に思うことがあります。ホームレスに対する偏見、差別は、まだまだ払拭するにはほど遠い状態です。基本的にホームレス問題は、地域の課題として川崎区に任せておけばいい、そして川崎駅の周辺にホームレスがふえ過ぎてしまったので、国のガイドラインに沿って、これ幸いと社会福祉法の第二種施設を積極的に本市に呼び込んで、全市に分散配置していけばいい、そんな短絡的な発想と姿勢を勘ぐりたくもなるわけであります。さきに指摘した扶助費の不用額の9億円が、何よりも雄弁に行政の無策、無責任な生活保護受給の方針を物語っていると思います。
平成12年度から、対前年度150人ぐらいずつ第二種のメンバーがふえていく、しかし、第二種問題が地域で続発をし、そしてガイドラインをつくった。そうしたら、ガイドラインをつくってしまったから今度は第二種がつくれなくなってしまった、だからお金が余ってしまった、そういうことであります。もっともっとしっかりとした行政の関与が本当に必要だと思います。
東京都では緊急一時保護センター、これは目標が5カ所、現在4カ所稼働しております。自立支援センター、これは現在5カ所稼働しております。東京23区と共同し、23区を5ブロックに分けて、そのブロック内でそれぞれの特別区が5年ごとに持ち回りで開設をしていく、23区が均等に平等に負担を担おうとのルールをつくりました。この間の区民に対するコンセンサスづくりには大変な労力がかかったということであります。しかし、その成果で、地域でホームレス問題を受け入れる土壌が確実に前進をしているわけであります。
本市にその覚悟があるのか、私は、ホームレス問題は行政主導で全市的に周知徹底させることが何より大切だと思います。であれば、市民への説明責任もしっかりと含めて、本市も東京方式を参考に、7行政区が時限的に持ち回りで自立支援センターと緊急一時宿泊施設を開設することを提案したいと思います。健康福祉局長に、ホームレス問題解決への決意、そして、この提案に対する見解を伺います。
◎井野久明 健康福祉局長
ホームレス自立支援に向けた問題解決についての御質問でございますが、ホームレス自立支援施設である就労支援センターの設置等を市内7区で持ち回りする提案についてでございますが、ホームレス自立支援施設につきましては、歴史的に形成された就労機会や就労場所が南部に集中していることから、ホームレスが地域的に偏在しており、こうした本市の特性を踏まえて施設設置を推進することが必要と考えております。しかしながら、東京23区で共同した自立支援施設の取り組みにつきましては、各区が独立した自治体である特別区の間での連携のあり方ではございますが、有効なルールづくりの一つと考えております。
本市におきましても、ホームレス自立支援対策につきましては、市民の理解を得ながら全市を挙げて取り組むことが重要と考えておりますので、今後は小規模グループホームなど、自立支援市民事業の全市的な展開を検討してまいりたいと存じます。今後とも、他都市の効果的な実践を参考にしながら、就労支援を中心とする本市自立支援システムの確立に努めてまいりたいと存じます。以上でございます。
◆織田勝久 委員
御答弁をいただきましたが、特に東京都ではグループホームは建設をしないと、そういう方針を決めたそうであります。自立支援センターがしっかりしていれば、そこでしっかり就労の世話ができれば、大変経費がむだで手間暇かかるだけで、グループホームは必要がない、そのような結論を出したと聞いております。自立支援事業についても、見直すべきところは見直すとの是々非々の評価をしっかりと局内でしていただいて、実効性のある制度改革を求めますが、恐縮ですが再度局長に見解を求めます。
◎井野久明 健康福祉局長
ホームレスの自立支援に向けての取り組みについての御質問でございますが、ホームレスの自立に向けた取り組みに関しましては、ホームレスの方々の精神的、身体的、そして意識的状態像に応じまして、それぞれ課題が内包しております。この問題に共通して取り組んでいる各都市におきましても、その対応については大変苦慮していると伺っております。川崎市では、本年9月に、平成6年に始まりました本市でのホームレス対策の、この10年間のかかわり方を総括いたしまして、現時点における一定程度の到達点を、川崎市におけるホームレスの自立支援実施計画案として公表してきたところでございます。この実行計画の内容は、緊急援護から自立支援、今回初めて自立支援施策の第一歩を具体的に踏み出したと、このように考えております。今後は、川崎市における川崎市らしいホームレスの自立支援システムの構築に向けて、精いっぱい頑張っていきたいと考えております。以上でございます。
◆織田勝久 委員
決意は決意として受けとめさせていただきますが、やはり東京都の場合、はっきりしているなと思うのは、路上生活の期間が短ければ短いほど社会復帰しやすいと、そういうことがあるわけであります。正直、生活保護でないと、もう本当に救えないという方たちもいるんですが、川崎の場合、そこを全部十把一からげにして、あいまいな目標のままにこの計画をつくるということに、一番危惧を持っているわけであります。まず一番効率的に精度が上がる、成果が上がる、そういう施策のめり張りもぜひ考えていただきたいと思います。ぜひ、健康福祉局も、やればできると、さすが健康福祉局の底力と、そう言っていただけるような施策をしっかりと進めていただきたいと思います。
平成16年 第3回定例会−09月15日-02号
◆46番(嶋崎嘉夫)
次に、議案第102号、川崎市都市公園条例の一部を改正する条例の制定について伺います。本議案は、都市公園法の一部改正に伴い、都市公園における監督処分に係る手続を定めるための改正とされております。しかしながら、現在の本市、公園の抱える大きな問題は、多くのホームレスのテント、小屋等であります。本市ホームレス自立支援実施計画案概要における10年間の重要施策の第2期では、「公園、河川敷等のテント・小屋の撤去に向けた取り組み」とあります。今議会で改正される本市都市公園条例では、ホームレスのテント、小屋等を撤去できるのか伺います。また、関連して第1期では、200人程度収容の「公園ホームレス対策型シェルターの設置」とのことでありますが、その設置時期と設置予定地について伺います。設置後は、都市公園法並びに条例に基づいて、ホームレスのテント、小屋等を撤去されるのか、あわせて伺います。また先日、庁内に新たな公園環境改善対策小委員会が設置されましたが、内容について伺います。
◎環境局長(石井二郎)
環境局関係の御質問にお答えを申し上げます。
川崎市都市公園条例の改正とホームレスのテント等の撤去についての御質問でございますが、今回の改正の内容は、公園内の不法占拠物件等で所有者等が確定できない場合に、公園管理者みずからが撤去等の措置を行った際の保管、売却及び返還の手続等を定めるものでございます。したがいまして、今回の改正によって、所有者等が不明で確定できないテントや小屋等の場合、市が撤去し、そのうち財産価値があるものについて保管するなどの必要な手続をとることができるようになるものでございます。
次に、シェルターの設置後の対応についてでございますが、これまではシェルターなどの受け皿がないため、人道的な見地などから強制撤去は難しい面がございましたが、シェルターの設置後は、公園の本来の機能回復に向けまして、テントや小屋等を撤去し、シェルターに移るよう、関係局と連携しながら積極的に誘導してまいりますが、それにも応じない場合は、都市公園法及び条例に基づく監督処分について検討してまいります。以上でございます。
◎健康福祉局長(井野久明)
健康福祉局関係の御質問にお答え申し上げます。
初めに、ホームレス自立支援実施計画についての御質問でございますが、就労(自立)支援センターの設置等についてでございますが、このセンターは、ホームレスの就労支援に向けて、公共職業安定所との密接な連携のもと、職業相談等を行いながら、宿所及び食事の提供、健康診断、生活相談・指導等を行うための施設として、平成17年度から平成19年度の計画期間内での設置を計画しているものでございます。この施設の利用を通して、ホームレス本人の就労意欲と自助努力を高めていきたいと考えております。
次に、ホームレス自立支援市民事業におけるグループホーム事業についてでございますが、グループホーム事業は、原則、生活保護を受けないで就労し、自活を目指すホームレスに限定して支援の対象とするものでございますので、第二種社会福祉事業をグループホーム事業として助成することは考えておりません。また、事業者の実態の把握、審査につきましては、助成金交付申請時の提出書類を審査するとともに、審査委員によるヒアリングを通して厳密な審査ができるよう、事務要領や審査基準を決めてまいりたいと考えております。
次に、食料品現物支給事業についてでございますが、平成17年度から平成19年度までを目途とする自立支援策の実施に合わせ、その期間中における縮小、廃止を図ってまいりたいと考えております。
次に、ホームレス関連のこれまでの事業費についてでございますが、平成6年度から平成15年度までの10年間の総計は約25億円で、そのうち食料品現物支給事業は15億4,700万円、年末年始の越年対策事業は8,200万円、緊急一時宿泊事業の豊屋への委託費は4億5,200万円となっております。
次に、これからの緊急宿泊事業についての考えでございますが、緊急宿泊事業はホームレスに対して、安全で安心できる一時的な宿泊場所を提供し、健康の回復、身だしなみの改善等、自立の支援を図るものでございます。今後につきましては、就労(自立)支援センターとの密接な連携のもとで、就労支援の第1段階として位置づけ、相談体制の一層の強化と支援プログラムの充実を図ってまいりたいと存じます。
次に、ホームレス自立支援実施計画にかかわる公園の環境改善等についての御質問でございますが、初めに、公園ホームレス対策型シェルターについてでございますが、計画期間内の平成17年度から平成19年度を目途に、設置する公園及び場所を関係局と連携して検討してまいりたいと存じます。
次に、公園環境改善対策小委員会についてでございますが、公園ホームレス対策型シェルターの整備により、ホームレスの生活を支援するとともに、公園機能を回復し、市民に快適な憩いの場とすることを目指して、環境局を初め関係局が連携して取り組むために設置したものでございます。
◆46番(嶋崎嘉夫)
次に、ホームレス自立支援実施計画並びに議案第102号、川崎市都市公園条例の一部を改正する条例の制定についてに関連して、再度伺います。さきの答弁では、シェルター設置後は公園の本来の機能回復に向けて、テントや小屋等を撤去することを、関係局と連携しながら強く誘導していくとのことです。我々市議会では、平成11年9月30日に、ホームレス問題に対する取り組みとして、全国で初めてとなるホームレス対策に関する川崎市長への要望を全会派共同で提出し、1つ目としまして、健康相談業務を拡充強化し、就労相談業務を開始すること、2番目に、パン券――当時金券ですね――支給から現物支給へ切りかえることなどの要望を行いました。その上で、こうした一連の対応を図られた後に、3番目として、公園、道路等公共施設からの違法工作物を撤去することに対する体制整備を講ずべきだ、との内容に基づく要望書の提出を行った経過があります。このたびの議案第102号の提出によりまして、河川、道路、公園における不法工作物にかかわる所有権の取り扱いに対する措置の規定が整備された結果、3者における不法工作物の処理規定は、この議案の可決を受けて完全に整備されるわけです。また、既に健康福祉局でも、さきの答弁で、平成17年度から平成19年度にかけて就労支援センターを設置する方向であるとされたわけですから、さきの市議会の要望における前提条件がすべて整備されてきます。
以上の観点から、当然今後は関係機関において不法工作物撤去を含めたタイムスケジュールも具体的に協議が行われるものと解釈いたしますが、見解を伺います。またその際には、当然近隣住民に対する説明も必要となりますが、対応についても伺います。あわせて、不法工作物を撤去した後、河川、道路、公園においては、当然に施設機能回復措置を講ずる必要が発生するものと考えますが、見解を伺います。またその際は、一連の事業の重複を避け、なおかつ撤去とあわせて適宜に回復措置を実施する観点から、ホームレス対策費の予算枠から財源を充当し、事業の進捗を明らかにすることも考慮すべきと考えますが、見解を伺います。
◎健康福祉局長(井野久明)
初めに、ホームレス自立支援実施計画についての御質問でございますが、公園等における不法工作物撤去を含めたタイムスケジュールについてでございますが、その前提として、公園ホームレス対策型シェルターを設置することにより、ホームレスの生活支援とともに公園機能を回復し、市民に快適な憩いの場とすることを目的とするものでございますので、青テント撤去に向けた入所誘導の徹底につきましても、公園環境改善対策小委員会などで関係局が協議する重要課題として、施設整備とあわせ、目標期間を検討してまいりたいと考えております。
次に、近隣住民に対する説明についてでございますが、場所、規模、目標年次等のおおむねの内容が固まり次第、近隣町内会・自治会への説明や住民説明会の開催等を関係局と連携し、検討してまいりたいと考えております。
次に、不法工作物撤去後の施設機能回復措置についてでございますが、例えば、公園を例といたしますと、青テント撤去後にその状態を維持するとともに、市民に快適に御利用いただくための施設整備の検討や、さらには公園を含めた地域全体の環境改善、まちづくりに向けた関係局が一体となった取り組みが必要になるものと考えております。
次に、環境改善のための総合的な事業展開についてでございますが、ホームレス対策につきましては、関係局による地域全体の環境改善、まちづくりのための各事業が密接不可分に関連することが多いものと存じます。それら関連する事業の総体が把握でき、効率的な展開が図れる仕組みづくりにつきまして、関係局で連携し、検討してまいりたいと考えております。
◆21番(粕谷葉子)
次に、ホームレス自立支援実施計画策定に関連して幾つか伺います。ホームレス問題の解決の第一歩は、行政が市民に現状を周知する取り組みを強化することと、不退転の決意をもって積極的に取り組む姿勢を示すことだと考えます。そこで伺いますが、9月末までに策定予定の本実施計画には、どのように市民の意見が反映されるのか、どのように市民に深刻なこの問題が周知徹底されるのか、そして、どのように行政の解決に向けての積極的な姿が示されるのか、伺います。
次に、「ホームレスの自立」という言葉がひとり歩きしている感が否めません。常識的には、少なくとも生活保護から経済的に自立し、社会に復帰するのが真の自立と理解いたしますが、自立の定義を伺います。
次は、自立支援に向けた取り組みの方針に関連して伺います。まず、就労(自立)支援センターについて伺います。開始の時期と開設場所、役割目的と本市のかかわり方についてお示しください。この部分につきましては、他会派の質問により理解をいたしましたので、答弁は結構です。
次は、自立支援市民事業について伺います。1点目は、グループホーム事業と社会福祉法の第二種社会福祉事業との関係についてです。第二種社会福祉事業は、実質的に生活保護受給者の宿所としての実態があります。第二種社会福祉事業がグループホーム事業の対象となるのか、また、事業受け入れ対象について、流入防止の視点から、現時点で川崎市内に在住するホームレスと限定できるのか、伺います。
2点目は、ホームレスの自立支援と称して、運営実態や背景が不透明なNPO法人や任意団体が、福祉に名をかりたビジネスまがいの事業を行い、大きな社会的な問題となっています。特に、助成対象事業として審査するに当たり、事業者と助成の審査基準をお示しください。
3点目は、事業に参加、貢献するホームレスの対価、見返りについてです。労働の対価としての賃金ではなく、実費弁償的なものであると、方針が示されておりますが、何ゆえ経済的に自立できる賃金と規定できないのか伺っておきます。
最後に、首都圏のホームレス問題を、神奈川県を含む1都3県で共同研究を進めることとなったと仄聞いたしております。本市へのホームレスの流入防止を含め、1都3県との連携をどのように進めていくのか、方針を伺います。
◎健康福祉局長(井野久明)
次に、ホームレス自立支援実施計画等についての御質問でございますが、初めに、計画策定に向けての市民意見の反映についてでございますが、この計画は、1年半にわたって開催された、川崎市野宿生活者自立支援対策市民協議会において協議され、各界各層の市民意見を集約した、川崎市ホームレス対策の基本方向についてを基本に、具体化した実施計画となっております。今回、市政だよりで計画案の概要を広報するとともに、市のホームページや各区・支所・出張所等を通じて市民意見を集約しているところでございます。この計画の周知を通じて、ホームレス対策の基本的な考え方、取り組み方針、そして当面の4つの重点施策を、市民の理解と協力を得て推進してまいりたいと考えております。
次に、ホームレスの自立についてでございますが、ホームレスが就労し、経済的に自活していくことを目標とすることはもちろん、生活費すべてを賄うには至らない場合であっても、ホームレスの状態を脱し、可能な限り就労に努めながら、社会参加や地域への貢献活動を通じて、地域社会と共生していくことと考えております。
次に、現在募集をしておりますホームレス自立支援市民事業におけるグループホーム事業と、第二種社会福祉事業、いわゆる無料低額宿泊事業との関係についてでございますが、グループホーム事業は、原則、生活保護を受けないで就労し、自活を目指すホームレスに限定して支援の対象とするものでございますので、第二種事業をグループホーム事業として助成することは考えておりません。
次に、グループホーム事業の受け入れ対象についてでございますが、これまで本市に居住もしくは就労していたなどの関係や結びつきがある市内のホームレスに限定し、指導してまいりたいと考えております。
次に、事業者の実態の把握、審査についてでございますが、助成金交付申請時の提出書類の審査と、審査委員によるヒアリングなど、事務要領の中で厳格に定めてまいります。
次に、事業に参加、貢献するホームレスの対価、見返りについてでございますが、さまざまな状態のホームレスの方がいる中で、就労・自活ができない者も多く、この事業は、基本的には、ホームレス自身が主体的、主役となって行う社会参加のボランティア活動として位置づけておりますので、労働報酬の対価とは異なるものと考えております。
次に、9月2日に開催された4知事による懇談会において、ホームレス問題が共同研究課題となっておりますが、この問題につきましては、広域的な行政課題として、近隣自治体との一体的な取り組みが重要と存じますので、神奈川県や横浜市などと緊密な情報交換をしながら、1都市に集中した流入、流出が起こらないようにするなど、いろいろな機会を通じまして、密接な連携・協力関係の構築に努めてまいりたいと考えております。
◆21番(粕谷葉子)
次に、ホームレス自立支援実施計画策定に関連してですが、市内のホームレス概数1,000名を、どのように自立を促し、減少させていくのか、その方策を具体的にお示しください。
◎健康福祉局長(井野久明)
次に、ホームレス自立支援実施計画等についての御質問でございますが、市内のホームレスを自立させていく方策についてでございますが、緊急一時宿泊施設「愛生寮」や自立支援市民事業など、既存施策の充実とあわせ、平成17年度から3カ年で計画している就労(自立)支援センター及び公園ホームレス対策型シェルター等を早期に整備し、ホームレス個々の実情に合わせた自立の一層の推進を図ってまいりたいと考えております。
平成16年 第3回定例会−09月16日-03号
◆39番(花輪孝一)
次に、ホームレス対策についてです。本市の自立支援実施計画では、当面の課題として、自立支援市民事業の実施、就労(自立)支援センターの設置、公園ホームレス対策型シェルターの設置、食料品現物支給事業の改革の4項目が示されていますが、何点か伺います。
まず、自立支援市民事業の実施についてですが、対象事業として、1、通常の社会参加、貢献事業及び恒久性が見込まれる経営的事業、2、就労支援小規模宿泊事業、3、川崎市長が川崎市のホームレス自立支援の推進に特に必要であると認めた事業を挙げていますが、本年度はおのおのどのぐらい事業数を見込んでいるのか、お答えください。また、3項目目を対象とした真意を伺います。
自立支援市民事業の受付期間は今月の1日から末日までとしていますが、現在までの応募状況を伺います。市民事業の主体者として、NPOや町内会・自治会、市民団体等を見込んでいますが、事業者として育成していくためには、その初期の段階として、代表される事業のノウハウを示したハンドブックが必要です。対応をお答えください。
就労支援小規模宿泊事業に関連してですが、ホームレスも高齢化が進んでいる現在、高齢者専門の自立支援を考える必要があります。台東区山谷地域では、NPO法人が主体となって、高齢者の身になった自立支援施設を立ち上げました。高齢化対策の取り組みと、このようなノウハウを持ったNPO法人を早急に育成すべきと思いますが、対応を伺います。就労支援センターの設置について、今後の具体的なスケジュールをお示しください。また、公園ホームレス対策型シェルターの設置についてですが、対応を伺います。
住居に関してですが、東京都では、自立支援センターを退所する就労見込みのある人を対象に、都営住宅を半年間で10戸程度提供する事業を始めていますが、本市の市営住宅に対する見解を伺います。就労するにも、アパートを借りるにしても、保証人が求められます。名古屋市では、自立支援施設の入居者を対象に、就職時やアパート入居の際の身元保証人に民間社会福祉法人を当てる制度を導入し、効果を上げていると聞きました。このような制度も導入すべきと考えますが、取り組みを伺います。
先月中旬、県でもホームレスの自立支援実施計画を取りまとめたことが報道されましたが、県との連携について本市の対応を伺います。
◎健康福祉局長(井野久明)
次に、ホームレス対策についての御質問でございますが、初めに、自立支援市民事業についての本年度の事業数の見込みについてですが、社会参加、貢献事業については10事業、経営的事業については2事業、グループホーム事業については2事業を見込んでおります。しかしながら、実際の応募状況により、調整の必要が出るものと考えております。
次に、川崎市長が特に認めた事業についてでございますが、例示した事業以外の市民のアイデアが出ることも考えられますので、設けたものでございます。
次に、9月10日現在の応募はございませんが、相談・問い合わせは10件程度ございます。
次に、自立支援事業のノウハウを示すハンドブックについてでございますが、この事業については、市民のアイデアや実行力が十分に潜在しているとの認識のもとに、それらが発揮されるのを促進することに助成する制度ですので、現時点では予定しておりませんが、事業の推移を見ながら、必要な検討をしてまいりたいと考えております。
次に、グループホーム事業の高齢化対策の取り組みについてでございますが、本事業においては、就労自活を目指すホームレスに対象を限定しておりますので、ホームレスの高齢者対策については、今後の課題として検討してまいりたいと考えております。
次に、就労支援センターの設置についてでございますが、平成17年度から19年度の計画期間内での早期開設をめどに、関係局と連携しながら、候補地の選定を進めているところでございます。
次に、公園ホームレス対策型シェルターの設置についてでございますが、計画期間内の平成17年度から平成19年度をめどに、設置場所を関係局と協議しているところでございます。
次に、ホームレスの就労やアパート借用の際の身元保証人についてでございますが、保証人のいないことが自立を困難にしている場合もございますので、他都市の例を参考に、関係局と連携して検討してまいりたいと存じます。
次に、県との連携についてでございますが、ホームレス問題につきましては、広域的な行政課題として、近隣自治体との連携した取り組みが重要と存じますので、いろいろな機会を通じ、協力関係の構築に努めてまいりたいと考えております。
◎まちづくり局長(木下真)
次に、ホームレス対策における市営住宅の活用についての御質問でございますが、市営住宅は、住宅に困窮する低所得者への居住の場として提供しております。ホームレスの方々が、一定の自立をした上で安定した生活をする住宅として活用できるか、他都市の事例を調査し、研究してまいりたいと考えております。
◆2番(佐藤喜美子)
また、DV被害者や野宿生活者の居住安定についても示されていますが、具体的な対応策について伺います。
住まいやまちづくりにおけるNPO等の活動支援についても述べられ、まちづくり公社が中間支援組織としての機能を担うことが示されています。先ほど申しましたような福祉施策と連携したまちづくりをするためにも、地域のNPO等市民団体との連携は必要なことと考えます。NPOも含めた市民活動団体の中間支援組織としては、既にかわさき市民活動センターが機能しています。中間支援組織としての市民活動センターとまちづくり公社が今後どのように連携を図り、ともにまちづくりを進めていこうとされているのか、伺います。
ホームレスの自立支援実施計画案について伺います。8月末に、ホームレスの自立支援実施計画案が出されました。「緊急援護から生活づくり支援へ」との副題にあるように、援護の観点から自立の視点が一定程度盛り込まれたことは、一歩前進ととらえています。しかし、野宿生活者の自立を支援する市としての政策は明確にはなっていません。計画案には、民間NPOや市民事業の連携が盛んにうたわれていますが、今、川崎市内に野宿生活者を自立に導く団体がどのくらいあるのか、伺います。
また、これらの団体を適切に育成・支援していくことが必要であると書かれています。本来、自立へ導く施設であれば、社会と共存できるようにプログラムを組み、周辺住民との共存できる施設運営がされるものと考えます。しかし、適切な育成・支援が行われず、自立への導きを怠ってきた施設を地域の中に放置してきたため、野宿生活者の自立を支援する施設などへの誤解が大きくなっている現状があると考えます。今後どのように適切な育成・支援を行っていくのでしょうか、伺います。
横浜市の実施計画案では、具体的に住居の確保に民間団体との連携を明記し、医療の確保では、局と地域の福祉保健センターとの連携や診療所の設置、就労支援センターの待機者の対応や女性の野宿生活者の場合など、人権に配慮した施策について明記されています。しかし、川崎市の場合は、人権に配慮するべき箇所についての具体策がありません。野宿生活者としてではなく、一人の人として生活することができるようになったとき、初めて自助努力する気持ちにもなり、そのとき自立への支援が必要になってくると考えます。川崎市として、野宿生活者の人権に配慮した支援についての見解を市長に伺います。
◎健康福祉局長(井野久明)
次に、ホームレス自立支援実施計画についての御質問でございますが、初めに、川崎市内でホームレス自立支援を行う団体についてでございますが、現在、把握している団体は、支援団体、協会関係など5団体でございます。
次に、団体の育成・支援についてでございますが、新たに自立支援市民事業を実施することにより、さまざまな団体の活動が期待できるとともに、団体間の交流を活発にし、団体自身の活動意欲を促すなど、育成を図ってまいりたいと考えております。
◎まちづくり局長(木下真)
次に、DV被害者や野宿生活者の居住の安定につきましては、いわゆるDV防止法やホームレス自立支援法の施行等に伴いまして、住宅への入居の支援等が課題となっていると認識しております。本市の居住支援制度におきましては、制度利用者に対して身元引受人的な役割を果たしていただくために、親族等の緊急連絡人をつけていただくことを条件としております。死亡や行方不明になった際には、緊急連絡人への連絡は欠かせませんが、一般的にDV被害者やホームレスは親族等と疎遠になり、緊急連絡人が見つからない傾向がございます。このため、民間賃貸住宅に入居する際に必要となる身元引受人的な役割を担う仕組みづくりについて、DV被害者やホームレスを支援するNPO団体及び関係局と今後研究してまいりたいと考えております。
◆2番(佐藤喜美子)
野宿生活者支援についてです。野宿生活者自立のために活動する市民団体は、把握しているだけでわずか5団体とのことです。市はこれらの団体をいかにふやし、育成・支援、そして連携をさせることが、自立を支える市民の拡大につながると考えます。野宿生活者は今までの産業優先社会が生み出した弱者であり、再度、社会の一員としての生活が営めるように、個人個人の自立プログラムをしっかり立て、その支援を多くの市民とともにできるよう、施策の充実と推進を強く要望いたします。
平成16年 第3回定例会−10月07日-04号
◎28番(石田康博)
健康福祉委員会に付託となりました諸案件につきまして、委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
次は請願について申し上げます。請願第40号、第二種社会福祉事業施設「立身寮」の開設撤回に関する請願についてであります。本請願の趣旨は、宮前区東有馬に、これまでの会社の社員寮が突然、ホームレス等生活困窮者の入居を目的とした第二種社会福祉事業施設「立身寮」に変わり、開設されようとしているが、地域住民の不安は日増しに強くなり、このまま受け入れることはできない。したがって、事業者の開設の撤回並びに市は十分な理解と合意が得られるまで開設届を受理しないことを求めるものであります。
委員会では、まず理事者から、この第二種社会福祉事業宿泊施設の法的根拠は、社会福祉法に基づく生計困難者に対する宿泊提供施設であるが、第一種社会福祉事業が国及び地方公共団体または社会福祉法人が経営することを原則とするのに対し、その経営主体に制限を設ける規定がないのが特徴である。開設に当たっての行政上の手続は、事業開始の日から1カ月以内に届け出が必要であるが、市では提出された書類上の審査とともに、本市の定めたガイドラインに照らし、施設設備・運営面の状況等、適正な施設としての運営がなされているかなど、実地調査を行っている。しかしながら、現行制度上、事業開始後1カ月以内の届け出制であることから、書類上の不備等の特段の瑕疵が見受けられない場合は開設届を受理せざるを得ないが、地域住民の施設運営に対する不信感や不安感などにより、強い開設反対の意思表示があるため、事業者に対して住民の方々の理解を得ることなどの指導を強化している。また、本市として、両者での調整が必要な事項が生じた場合においては、調整を図っていくとの説明を受け、質疑に入りました。
委員会では委員から、最近、生活保護法等を根拠にした施設とホームレス対策の一環としての宿泊施設等の区分けが不明確となってきている印象を受ける。第二種社会福祉事業の根拠法である社会福祉法の前身は、昭和26年3月に制定された社会福祉事業法であるが、この第二種社会福祉事業の条項の制定趣旨について質疑があり、理事者から、背景としては、戦後の混乱期、引揚者などが多くいる実態を重視して、自由な発想で住居もしくは宿泊所を提供する趣旨で始まったものと認識している。法の制定から50年以上が経過しており、現状の社会情勢を念頭に置いた条項にはなっていない感は否めないとの答弁がありました。
次に委員から、第二種事業の宿泊施設は他都市にも開設されており、本市だけの問題ではない。例えば、国の指針をより実効性のあるものにするなど、社会福祉法の改正等も含めた要望などを国に対して行うべきと考えるが、見解を求めるとの質疑があり、理事者から、第二種社会福祉事業宿泊施設については、法律上、その開設者が自由な発想の中で運営することが根本の趣旨である。したがって、国に対しての要望は、他都市と連携をとりながら、本市の問題を随時国に情報提供し、具体的な解決策を国と協議していきたいとの答弁がありました。
そこで委員から、地域での現状を踏まえた福祉のあり方について、議会としても、国に対し、大局的な施策の見直しを要望すべきとの意見がありました。
次に委員から、社会福祉法や国の指針等を総合的に考えると、このような施設は、その施設単独で目的が達成できるものではなく、地域の理解と協力がどうしても必要なのだということが趣旨として読み取れることは明白である。しかし、先日、事業者側が主催した説明会の日程は、住民側が都合がつかないと申し入れたにもかかわらず強硬に開催され、結果、出席者なしで終わったと仄聞している。このようなことは、事業者が説明会を開催したという既成事実づくりとも受け取られかねず、不信感を持たれるのは当然である。今後、事業者にどのように指導していくのかとの質疑があり、理事者から、あくまで住民の理解を得るということが大前提であるので、形式や回数ではなく、理解が得られるまで根気強く説明するよう指導するとともに、今後の推移を注視していくとの答弁がありました。
次に委員から、国の指針については、あくまでも技術的な助言であり、強制力はなく、また、第二種社会福祉事業宿泊施設については自治事務と位置づけられるので、地域住民の権利や生活権を重視して、本市の状況に見合う独自のガイドラインとすべきと考えるが、見解を求めるとの質疑があり、理事者から、今回、このように地域住民の理解が得られていないことが問題となっていることなどから、社会福祉法の「地域住民との相互協力」という点を重視して、できれば7月中にガイドラインを改正すべく検討しているとの答弁がありました。
そこで委員から、ガイドラインの主な改正内容について質疑があり、理事者から、事業者と住民との協議の中で、合意内容の明確化の必要性が生じる場合の協定書の締結、また、一日でも早い時期に住民説明がなされるようなシステムづくり等を盛り込む考えであるとの答弁がありました。
これに対し委員から、例えば、学校や幼稚園等から一定の距離には開設を認めない等の、立地条件の制限に関する規定も設けるべきではないかとの質疑があり、理事者から、本件の場合のような第二種社会福祉事業の宿泊施設が、実質的にホームレスを対象としていることをもってして制限を加えるということは、ホームレスの人権の観点から問題があると考えられるとの答弁がありました。
これに対し委員から、ホームレスの方々の人権の理念はしっかりと理解している。しかし一方で、それとあわせて、地域で生活されている市民の生活の権利、また、環境という視点も大切な視点である。本件の場合、地域で受け入れ体制がない中で、こういう施設が強硬に開設されたとしても、ホームレスの方々が地域で白眼視され、本来、自立を支援するための施設であるものが、逆に引きこもりにつながる懸念さえあるとの意見がありました。
次に委員から、国の指針では、事業者に事業経営の透明性を確保させるために、領収書、契約書等の保管とともに、施設の収支等に関する帳簿類の整備や、財務諸表を毎会計年度終了後3カ月以内に公開することなどが規定されている。本市のガイドラインでは、「事業の収支等に関する帳簿類を整備すること」としか規定されていない。事業者の実態がわかりにくい上、透明でないということが住民の不安を呼び、さらに不信感につながる。今回の見直しの中で、この部分についても強化すべきとの意見がありました。
委員会では、取り扱いに入りましたところ、委員から、静かな住宅地であり、また近隣に教育施設も多数ある環境の中で、現状では地域住民の理解が得られていない。こうした施設は、地域住民の理解と協力が得られなければ、ホームレスの自立という目的を実現することができないため、地域住民の理解が得られるよう、説明と話し合いの場が持たれることが不可欠である。
また、行政としてはしっかりとした内容のガイドライン改正が急務であり、それに沿って指導していくことにより、問題がより解決されることを議会としても強く求めておくため、本請願の趣旨を採択すべきとの意見があり、審査の結果、全会一致をもってその趣旨を採択すべきものと決しました。
最後に、意見書案3件について申し上げます。国あてに、地域と調和したホームレス自立支援体制の整備に関する意見書及び乳幼児医療費無料制度の創設を求める意見書並びに県あてに、小児医療費助成に関する制度の拡充を求める意見書をそれぞれ提出することに決し、その案を議長あてに提出しておりますので、よろしく御賛同いただきますよう、お願い申し上げます。
以上で、健康福祉委員会の報告を終わります。(拍手)
平成16年 第2回定例会−06月10日-02号
◆29番(廣田健一)
次に、一時宿泊施設「愛生寮」について伺います。まず、現在の登録者数、利用者数、パートナー登録者数について伺います。愛生寮の開所により、JR川崎駅周辺は、ボランティア・商店街・行政の方々の尽力により夜間ホームレスが激減しましたが、愛生寮に入所せず、近隣に分散し、その地域において問題となっています。その現状と対処について伺います。また、駅周辺から施設までのホームレスの誘導員は、市民協議会において市職員が行うと地域住民に説明されました。しかし、現状はパートナーに愛生寮のジャンパーを着用させ、ほとんど任せっきりであると仄聞いたします。本来、パートナーは施設内清掃等の軽作業程度を行うとのことでしたが、現状を伺います。
次に、ホームレスの滞留を防ぐため、ボランティアによる巡回パトロールを行うとのことでしたが、実施状況とボランティアの構成員を伺います。
次に、愛生寮の職員の適正配置についてですが、平日の日中には多くの職員が配置されておりますが、土日、特に夜間の職員数が不足していると、地域住民が大きな不安を抱いております。指定管理団体に対し、職員の適正配置について指導なされているのか伺います。
関連して、第二種社会福祉宿泊施設について伺います。昨年、社会福祉法の改定により、本市が本年3月策定の、社会福祉法に基づく第二種社会福祉事業に係るガイドラインにより、本市にある4法人22施設に対し、施設改善を求める指導が行われましたが、その改善状況について伺います。また、こうした施設の開所には事前に地域住民の理解を得ることが必然であり、荒川区では、荒川区宿泊所の設置等に関する指導要綱の関係町会等との協定において、事業者は「規定する説明会等における合意事項について、関係町会又は自治会等と協定を締結するものとする。」とありますが、本市ガイドラインでは、理解を得られるよう努めるとなっております。また、荒川区では、要綱に反して事業を行う宿泊所について、行政は、生活保護受給者である入所者に対し、当該宿泊施設に入所しないまたは移転することを指導するとのことです。本市でも施設の白紙撤回を求める請願や、先日、新聞報道もなされた宮前区の施設開所に当たり、地域住民の大きな問題となっております。これらを踏まえ、本市のガイドライン改定を含めた見解を伺います。これらの施設はNPOにより運営されておりますが、食費を含む施設利用費の適正価格の指導等が行われているのか、伺います
◎健康福祉局長(井野久明)
次に、ホームレス緊急一時宿泊施設「愛生寮」についての御質問でございますが、初めに、愛生寮の登録者数などについてでございますが、6月1日現在、登録者が128名、宿泊者は70名、登録者のうち施設運営に協力していただくパートナー登録者は47名となっております。
次に、愛生寮開設後における川崎駅周辺のホームレスの状況についてでございますが、これまで川崎駅東西自由通路及びその周辺に100名程度寝泊まりをしておりましたが、5月17日からこの場所での寝泊まりを禁止して以降、東西自由通路等におけるホームレスの宿泊は皆無となりました。その大半は愛生寮に入所し、一部は周辺に分散し、一部は他都市に流出しているものと考えております。今後、現在の100名から250名まで入所枠を拡大することに伴い、駅周辺の対象地域を広げながら、入所指導を徹底してまいりたいと存じます。
次に、パートナー登録者の運営への参加についてでございますが、施設内外の清掃や食事の後片づけ、さらには施設職員とともに利用者が入退所する際の誘導など、自立と社会参加への第一歩と位置づけ、協力をしていただいております。
次に、施設周辺の巡回パトロールにつきましては、現在、施設及び市の職員が交代で実施をしておりますが、今後はボランティアの活用等も検討してまいりたいと存じます。
次に、施設職員の配置についてでございますが、この施設におきましては、利用者自身ができるだけ運営に参加し、責任の一端を分担していただくことが、自立と社会参加にとって重要なことと考えております。したがいまして、今後とも利用者の運営への参加を図りながら、受託法人と十分協議し、円滑な施設運営に努めてまいりたいと存じます。
次に、第二種社会福祉宿泊施設についての御質問でございますが、初めに、施設改善の進捗状況についてでございますが、国から示されました適正な運営の確保のための指針に基づき、いわゆる簡易個室化への改修も含めて、本市のすべての施設について、5月末日までに改善が図られたところでございます。
次に、本市の当該施設への対応についてでございますが、地元住民の方々と事業者の協定等の締結につきましては、同様の他の施設におきましては、両者が自主的に行っているものと理解をしております。しかしながら、このたびの施設に対する住民の懸念が大きな広がりを見せていることから、事業者が住民に対し、事業説明及び管理運営に関することなどを十分説明するよう指導を行うとともに、住民の不安解消策を講じるよう努力を求めているところでございます。本市では、平成16年度に、国の指針の意向に沿うよう、ガイドラインの見直しを行ったところでございますが、さらに実効性のあるものとするため、改めて内容の検討をしてまいりたいと考えております。
次に、施設利用費についてでございますが、利用費につきましては、事業者と入所者の契約行為でありますが、開設届が提出された時点で、諸費用について他の施設との均衡を考慮し、確認を行いながら、適正な利用について指導をしてまいりたいと存じます。以上でございます。
◆22番(東正則)
次に、ホームレス一時宿泊施設の現状と今後の課題について、市長に伺います。現在、川崎市には1,038人の野宿生活者が確認され、中でもその7割近くの699人が川崎区に生活していると仄聞しております。野宿生活者の問題解決はこれら対象者を抱える各都市・行政にとって、大きな課題の一つとなっております。
そこで幾つか伺います。1点目は、本市交通網の要衝の一角である川崎駅周辺地域には、駅舎を含め約250人ほどの野宿生活者が確認されております。この対象者の自立支援を目的に、本年5月10日より川崎区堤根に開設された愛生寮の開設の意義について、また、利用状況はどうなっているのか伺います。なお、利用状況については、さきの他の会派の質問にありましたので、答弁は結構でございます。
2点目に、愛生寮の事業運営を円滑化することを目的に、5月31日には住民代表も参加して、第1回の施設運営協議会が開催された旨、仄聞しております。この協議会はどのような組織、陣容で構成されているのか伺います。また、当運営委員会で既に協議され、指摘されている問題点はどういう内容なのか、また、その対策についても伺います。
3点目に、現時点ではデイサービスは実施されていないと仄聞しておりますが、いつごろから開始される予定なのか、伺っておきます。
4点目に、ホームレス対策は川崎駅周辺地域のみならず、各地域の青テント居住者を初めとして、多くの地域で総合的に策を講じることが必要と考えます。愛生寮に限らず、自立支援事業を推進するに際しては、健康福祉局単独では円滑な推進が困難と思われます。関連する関係局とどのような連携をとって推進していこうとされているのか、今後のホームレス自立支援対策の基本的方向性・取り組みについて、あわせて伺っておきます。
次に、第二種社会福祉宿泊事業について伺います。平成16年6月1日現在、全市に22カ所点在し、定員数で合計784人となっております。開設後、1カ月以内に市に届け出をしさえすれば、だれでもすぐに開設することができることから、突然の施設開設を知らされた周辺住民が反対運動を起こすトラブルが続出しております。そこで伺います。1つ、本市の第二種社会福祉宿泊事業についての基本的な考え方を伺います。本市の指針をもっと強化して、施設開設に当たっては市が関与できる仕組みづくりをつくるつもりはないのでしょうか。2点目、扶助費の急増の点からも、同宿所入居者の生活実態と事業経営の状況の把握、さらに経営主体のNPOの実態把握を、健康福祉局と保健福祉センターがもっと不断に詳細に調査し、正確に把握する必要があると思いますが、見解を伺います。
◎市長(阿部孝夫)
次に、ホームレス自立支援事業についてのお尋ねでございますが、本年5月10日から、地元住民を初め関係者の皆様の御協力によりまして、ホームレス緊急一時宿泊施設「愛生寮」の運営が開始されたところでございます。初めに、施設開設の意義についてでございますが、川崎駅東西自由通路及びその周辺におけるホームレスの寝泊まりがなくなり、駅周辺の環境改善が図られたところでございます。また、この施設を利用するホームレスにとりましては、シャワーなどで身ぎれいになり、安心して睡眠がとれ、久しぶりに温かい食事をとることができたなど、人間的なぬくもりを感じていただいております。さらに、施設内外の清掃や食事の後片づけを初め、施設運営のさまざまな分野に利用者自身が参加することで、自立と社会参加への第一歩を踏み出したことなどが、施設開設の意義と考えているところでございます。
次に、施設運営協議会の組織構成についてでございますが、地域住民の会から3名、行政及び施設から各2名ずつの計7名の委員で発足し、今後利用者代表2名を加え、9名の委員とする予定でございます。第1回の協議会では、登録されていないホームレスの緊急入所の取り扱い基準や、利用者の事業運営への活用方策などが課題として取り上げられ、今後の対応策等について協議がなされたところでございます。
次に、リフレッシュデイサービスの本格実施についてでございますけれども、夜間一時宿泊事業の運営状況を見きわめながら、7月ごろまでには実施してまいりたいと考えております。
次に、今後の自立支援施策の推進についてでございますけれども、早急にホームレス自立支援実施計画を策定するとともに、自立支援センター候補地の選定、富士見公園の青テント対策の検討などが重要な課題と考えております。これらの施策につきましては、候補地の選定や関係者、地域住民との協力関係の構築など、関係する局、区との一体的な取り組みが必要不可欠と存じております。とりわけ、富士見公園の環境改善のためのシェルター等につきましては、現在、その関係する局と区が緊密な連携を図りながら検討を進めるように、指示をしているところでございます
◎健康福祉局長(井野久明)
次に、第二種社会福祉事業についての御質問でございますが、初めに、第二種社会福祉宿泊事業は、入所者の多くが野宿生活者で、その大部分の者が生活保護を受給しているという実態がございます。この施設は社会福祉法により、開設後1カ月以内の届け出制であり、現行制度上、特段の瑕疵が見受けられない場合は開設届を受理することとなっております。本市といたしましては、平成15年4月から独自の設置基準等を定めたガイドラインを施行し、事業者が事前に住民への説明を行い、理解を得るよう努めることなど、指導の強化と適正な運営の確保を図ってまいりました。また、国が適正な運営を確保するための指針を示したことから、その内容に基づき、平成16年度に本市のガイドラインの見直しを行ったところでございます。今後につきましては、さらなる実効性を確保するため、ガイドラインの見直しについて、他都市の状況も参考にしながら、検討してまいりたいと考えております。
次に、入所者の生活実態把握についてでございますが、生活保護法に基づく関係先調査及び扶養調査などの開始時調査をさらに徹底し、真に必要な者への生活保護の適用を行っているところでございます。また、訪問調査や面接の機会の充実を図るとともに、入所者のニーズに応じた処遇の展開と自立支援を含めた指導を行ってまいります。あわせて、施設の状況につきましても、その調査の中で随時把握を行い、必要な運営管理について指導してまいりたいと考えております。さらに、運営方法など入所者等からの疑義があった場合、社会福祉法に基づき、事業者から報告を求めるなど、事業経営に関しましても調査を実施してまいりたいと存じます。
◆22番(東正則)
次に、愛生寮の利用対象者は、現在川崎駅周辺地域で、かつ同地域に1年以上野宿生活をし、登録制と認識しておりましたが、対象地域が拡大されたとの新聞報道がありました。利用対象エリア及び登録制については今後さらに拡大されるのか、これ以上の拡大はないのか、健康福祉局長に伺っておきます。
◎健康福祉局長(井野久明)
次に、ホームレス自立支援事業についての御質問でございますが、愛生寮の利用につきましては、川崎駅周辺の段ボール等に寝泊まりしている移動型のホームレスを対象として、登録制により実施しております。その対象地域につきましては、川崎駅からおおむね半径1キロメートルの範囲内としておりまして、施設の利用状況を踏まえながら、川崎駅東西自由通路及びその周辺から順次対象地域の拡大を図っているところでございます。また、登録には、おおむね1年以上市内に居所があることを条件としておりますが、今後、利用枠の拡大に伴いまして、この制限も緩和してまいりたいと考えております。以上でございます。
平成16年 第2回定例会−06月22日-06号
◆14番(林浩美)
まず最初に、一時宿泊施設「愛生寮」について健康福祉局長に伺います。今議会代表質問において、当初予定していた入所者数100名に対し、これまで最高が5月27日の70名であることが明らかになりました。これにより、健康福祉局長は利用対象者について、対象地域の拡大、また、これまでの、1年以上本市に居どころがあるという制限を緩和したい、との答弁をされました。同施設の運営については、本年4月、本市と住民側は覚書に調印し、設置、管理、運営、その他必要な事項については、住民側メンバーを交えた施設運営協議会で定期的に協議することを確認していたはずです。住民はこれらについて何ら説明を受けていない。これは新聞報道もされましたし、私自身も多くの住民から批判の声をお伺いいたしました。もともと迷惑施設であると認識した上での開所であり、地域住民に御理解をいただいての開所であります。局長は、この施設運営協議会との協議を無視なされたわけですが、見解を伺います。
◎健康福祉局長(井野久明)
ホームレス一時宿泊施設「愛生寮」の運営についての御質問でございますが、施設運営協議会は、愛生寮の設置、管理、運営、そのほか必要な事項を協議するため、市長と住民代表の覚書によって設置したものでございます。本議会の代表質問において、利用者の対象地域等について、今後、条件を緩和していく旨の答弁をいたしましたが、この件につきましては、施設運営協議会と協議をしながら進めていくことが必要と存じております。なお、この間、関係者と行き違いがあったことにつきましては、十分説明をしてまいりたいと考えております。以上でございます。
◆14番(林浩美)
答弁をいただきました。局長は施設運営協議会に陳謝をし、理解を求めるということで認識をいたしましたが、よろしいでしょうか。――うなずいていただきました。これまで施設運営登録者数は21日現在143名と増加してきましたが、先ほども申したとおり、利用者数は5月27日の70名が最高です。今後、地域問題を含め、利用者数をどのように伸ばしていくのか、見解を伺います。
◎健康福祉局長(井野久明)
愛生寮の利用者数についての御質問でございますが、施設の利用者数につきましては、施設運営の円滑化のために、当初は100名の入所枠から始めながら、年度内には250名の定員までふやしてまいります。愛生寮は川崎駅周辺の段ボール等の移動型ホームレスを対象に、希望者のほぼ全員が利用できる施設規模でございますので、今後とも、利用条件の緩和を含め、施設運営協議会と協議しながら、円滑に利用者の拡大と川崎駅周辺の環境改善を進めることによりまして、その機能を十分生かしてまいりたいと存じます。以上でございます。
◆14番(林浩美)
今答弁をいただきましたが、昨夜も運営協議会世話人会が開催されたと思いますので、当然、その協議会で今の御答弁が御提示をなされたというふうに私自身は理解をさせていただきます。
この愛生寮、準備から開設を含むホームレス事業の総体を全体としてどう総括されるか、また、評価されるのか伺います。
◎健康福祉局長(井野久明)
愛生寮事業についての御質問でございますが、愛生寮の運営は、約1カ月半が経過したところでございまして、利用者の事前登録制の実施や夜間における生活の安定化、また、川崎駅東西自由通路とその周辺の環境改善に寄与するなど、滑り出しといたしましてはおおむね順調に推移していると考えております。また、運営に先立ちまして、近隣住民と確認された事項につきましては、入退所時の誘導、巡回パトロールの実施、ホットラインの設置、あるいは防犯灯の充実など、着実に実施してきたところでございます。愛生寮は地域とともに歩み、地域によって支えられる、本市初めての自立支援のための施設でございます。今後とも、施設運営協議会の協議を重視しながら、円滑な事業運営に努めてまいりたいと存じます。以上でございます。
◆14番(林浩美
) 要望させていただきます。この事業は、市長のリーダーシップと住民の大きな理解によって行われている事業であり、夜間におけるJR川崎駅利用者や商工会議所、あるいは商店街でも大変喜ばれておりますし、また、人道的措置としても成果が上がっていると思われます。
一方、答弁にもありましたが、段ボール等の移動型ホームレス等を対象としておりますので、パトロールにより排除され、施設に入所したくないホームレスの方が移動し、店先に宿泊した後、朝、その段ボールを放置して、店主が仕方なく事業系ごみとして出さざるを得ない現状もあります。御答弁では、総括の時期については明らかにされませんでしたが、これまでの質問で、諸問題に関しては施設運営協議会と事前に十分協議していただけることをお約束いただきました。総括も、ぜひ行政だけではなく施設運営協議会のメンバーもお入りをいただき、一定時期に行っていただき、議会に対して報告をお願いしたいと思います。また、それを踏まえた上で次のホームレス事業に進んでいただくことを強く要望して、次の質問に移ります。
次に、公園等の施設改善について環境局長に伺います。今議会においても、多くの議員が河川敷を含む施設改善の質問がありましたので、視点を変えて質問させていただきます。本格的な少子高齢化時代を迎え、ゆとりある社会生活が求められております。今日、公園緑地に対する市民ニーズはますます増大し、かつ多様化しております。特に、都市化の進行や自由時間の増大、高齢化社会の進展により、公園は都市の貴重なオープンスペースとして、また、市民の生活に潤いを与えるものとしてますます重要になると考えます。このような状況の中で、公園の果たす役割、位置づけについて、どのように考えるか伺います。
◎環境局長(石井二郎)
公園の果たす役割などについての御質問でございますが、近年、高齢化社会の進展や身近な自然との触れ合い、スポーツ、レクリエーションに対する市民ニーズがますます高まっており、公園利用のあり方が見直されるようになってきております。一方、公園緑地は、都市における緑とオープンスペースの中核をなすもので、都市の安全性の確保、微気象の緩和、大気の浄化、良好な景観の形成、さらにはスポーツ・レクリエーション活動の場の提供など、大変重要な役割を果たしております。こうした機能を十分に発揮させるためには、地域の方々との協働による適切な維持管理が大変有効であると考えているところでございまして、このような地域主体の利用と運営管理を通して、地域にとってかけがえのない存在としての公園緑地づくりが進んでいくものと考えております。以上でございます。
◆14番(林浩美)
答弁によりますと、公園は良好な景観の形成、さらにはスポーツ・レクリエーション活動の場の提供など、大変重要な役割を果たしております、とのことでありましたが、現在の公園は、子どもたちや高齢者がスポーツ・レクリエーション活動の場や憩える場となっていないのが現状です。川崎区においては、粗大ごみの不法投棄やブルーテントが点在し、ホームレスの方々の中には、鶏や犬の放し飼いをしており、ボールを拾いに行くにしても、子どもだけではなく、親も危険を感じております。
都市公園法第6条によれば、「都市公園に公園施設以外の工作物その他の物件又は施設を設けて都市公園を占用しようとするときは、公園管理者の許可を受けなければならない。」とあり、また、同法第26条には、規定に反して公園を占用した者は「六月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。」とあります。まさしくブルーテント及び小屋は工作物であると認識いたしますが、環境局長に見解と対応をお伺いいたします。
◎環境局長(石井二郎)
公園内の不法工作物についての御質問でございますが、本来、楽しい施設であるべき公園がホームレスの方々のブルーテントなどにより占拠され、公園利用に支障を及ぼしていることは大変憂慮すべきことと受けとめております。現在、市内の公園には、380棟のブルーテント及び小屋などを確認しておりますが、公園管理者といたしましては、パトロールを実施し、火気の使用、飲酒による迷惑行為等について指導を行う一方で、公園からの移動について粘り強く話し合いをしているところでございます。その結果、前年度におきましては、117件のブルーテントなどの撤去を行ってまいりました。
次に、不法工作物の都市公園法違反についてでございますが、御指摘のとおり、都市公園法では「公園施設以外の工作物その他の物件又は施設を設けて都市公園を占用しようとするときは、公園管理者の許可」が必要とされておりますので、違法工作物と認識いたしております。しかしながら、これまでの例から見ても、単に公園から撤去を行うのみでは、根本的な問題の解決にはつながらないものと考えますので、関係局と十分連携しながら対応してまいりたいと存じます。以上でございます。
◆14番(林浩美)
答弁によりますと、関係局と連携をとりながら、公園のあるべき姿に、前向きに御努力をいただけるということでございましたが、関係局である健康福祉局長に見解をお伺いいたします。
◎健康福祉局長(井野久明)
公園の青テント対策についての御質問でございますが、公園の青テント対策につきましては、公園の適正化という側面とホームレスの自立支援対策という側面の両面から重要な課題でございますので、関係局と緊密な連携をとりながら、課題解決を図ってまいりたいと存じます。以上でございます。
◆14番(林浩美)
健康福祉局長の答弁では、今後のホームレス自立支援対策により改善を行うとのことでございました。
本年3月に、川崎市野宿生活者自立支援対策市民協議会から、川崎市ホームレス対策の基本方向についての報告書が市長に提出をされました。この中では、今後10年間の対策を3期に分け、第1期では自立支援センター、青テント対策の環境改善などの重点課題を取り上げています。また、この報告書に基づいて市の実施計画を策定するとしておられます。これらの取り組みは現在どうなっているのか、また、市民協議会は一たん終了しておりますが、再開する考えはないのか伺います。
◎健康福祉局長(井野久明)
ホームレス自立支援対策についての御質問でございますが、本年3月、市民各界各層による川崎市野宿生活者自立支援対策市民協議会が本市のホームレス対策の基本方向を取りまとめ、市長に報告したところでございます。現在、この報告書に基づきまして、市が新しく策定する総合計画との調整を図りながら、就労支援のための自立支援センターや青テント対策としての公園型シェルターの整備など、関係局区が一体となって、今後5年間の、川崎市ホームレス自立支援対策実施計画の策定を進めているところでございます。この計画の策定を受け、秋には行政、市民各層が連携して、施策を推進するための新たな市民協議会を発足してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆14番(林浩美)
それでは要望させていただきます。答弁によりますと、本年秋には、今までとは全く違う新しい市民協議会が立ち上げられるとのことでありますので、先ほど要望したとおり、愛生寮の総括をしっかりと取り入れていただき、協議会の委員の人選も十分配慮をいただきますよう、健康福祉局長に要望いたします。
また、公園は河川敷も含まれております。現在、校舎建てかえ工事が始まった川中島中学校の課外授業、いわゆる部活で多摩川河川敷を使用しております。簡易トイレは設置をされましたが、整備不良のグラウンド、またはホームレスの問題等、父兄の方々も不安を抱えております。川崎区の公園改善のためにはホームレスの問題は避けて通れません。総合計画の上での公園の位置づけ、雇用促進、住民理解等さまざまな施策が必要ですので、昨日、我が党の吉沢議員もほかの質問で要望しましたが、部局を越えた対策会議の強化を市長に強く要望して、質問を終わります。
平成16年 予算審査特別委員会−03月05日-01号
◆青山圭一 委員
それでは、第二種社会福祉事業宿泊施設と本市のかかわりについて健康福祉局長、市長に伺います。まず初めに、健康福祉局長ですけれども、第二種社会福祉事業宿泊施設についてでございますが、この事業は生活困窮者のために、無料または低額な料金で簡易住宅を貸し付け、また宿泊所その他の施設を利用させる事業ということであります。
そこで、本市における第二種社会福祉事業宿泊施設の件数、収容人数及び収容者に対する生活保護費の総額並びに生活保護費のうち、住宅費の総額について伺います。昨年の健康福祉委員会でも問題となりましたが、第二種社会福祉事業で行う施設にお住まいの方への本市からの生活保護費のうち、住宅費が近隣家賃と比較して高額ではないかとの質疑もありました。その後の取り組みについて伺います。また、事業者から収支報告書の提出を求めていくとも言われておりましたが、その後の取り組みについて、並びに収支報告書を提出されているのであれば、その中身について本市の見解を伺います。さらに、第二種社会福祉事業の本来の目的である自立支援に関連し、これまで自立された方がどのくらいこの施設の中におられるのか伺います。さらに、第二種社会福祉事業として行う施設に対する近隣住民の理解はどのようにされているのか、あわせて伺います。また、地元の方の理解を得るために、地元と事業者との間で協定書を交わす場合もあると仄聞をしておりますが、対応を伺います。また、市内にある施設のうち、施設長の要件はどのような状況になっているのか伺います。以上です。
◎石野厚 健康福祉局長
第二種社会福祉宿泊事業についての御質問でございますが、初めに本市における宿泊事業の施設数についてでございますが、21施設で現在の入所者数は851人となっております。
次に、入所者に係る生活保護費についてでございますが、おおむね月額で生活扶助費が6,948万9,000円、住宅扶助費は4,569万8,000円で、月総額1億1,518万7,000円となっております。
次に、住宅扶助についてでございますが、国の通知により、プライバシーへの配慮など、住宅扶助費の適用について取り扱いが示され、本市といたしましても、各事業所へ簡易個室化を含めた改善を指導しているところでございます。現在、各事業者の改善計画に基づいた定員数で算出をいたしますと、生活扶助で月総額6,018万5,000円、住宅扶助で3,957万7,000円、計9,976万2,000円となり、年額にして約1億8,500万円の減額が見込まれることになります。
次に、事業の収支についてでございますが、国の示した住宅扶助の取り扱いを適用するに当たり、各事業者に収支関係の報告書の提出を求めたところ、おおむね適正に執行されておりました。
次に、入所者の自立についてでございますが、平成15年度中に就労により自立した方は、建設土木関係を中心に92人と伺っております。また、近隣住宅への理解についてでございますが、本市のガイドラインにおいても近隣住民への理解を求めることを規定しておりまして、事業者もこれに沿って対応に努めているところでございます。
次に、トラブルが生じた場合の対応についてでございますが、事業者と住民との当事者間での解決が前提となりますが、問題解決に向けた取り組みの中で、協定書や覚書等を交わすなどの方策も考慮した対応を図ってまいりたいと考えております。
次に、施設長の要件についてでございますが、本市のガイドラインに沿った者の配置を指導しており、現在の状況につきましては、社会福祉事業の従事経験者が配置され、適正な施設管理を行っているところでございます。本市といたしましては、住民の理解のもとに事業が円滑に行われるよう、必要に応じて事業者と地元住民との間に立った対応を図ってまいりたいと存じます。以上でございます。
◆青山圭一 委員
答弁では、21施設で現在入所者数が851人、生活保護費は月額、生活扶助費6,948万9,000円、住宅扶助費4,569万8,000円で月額総額1億1,518万7,000円。これを年額にしますと、約13億8,000万円ということになります。先ほども生活保護費等については議論がありましたが、この4分の1、つまり13億8,000万円のうち3億6,000万円が市の負担になるということであると思います。年々、生活保護費が非常に膨らんできた中で、この生活保護費の中でも内訳的に調べていくと、こういうところにも生活保護費として支出がされている、こういう実態が明らかになったわけでございます。また、いただいた資料によりますと、3.3平米で単身者1人当たり5万3,700円の扶助費が支出をされているということであります。このたびの本市の指導により、各事業者への簡易個室化を含めた改善をすることによって、先ほど答弁もありましたが、削減効果が見込まれるということであります。それについては一定の評価をしたいと思います。しかし、本市の21カ所851人という第二種社会福祉事業宿泊施設の数は、他都市と比べますと、いただいた資料によりますと、例えば千葉市では8カ所643人、名古屋市では11カ所414人、大阪市では4カ所24人、横浜市では24カ所1,108人と、他都市の人口割合から見ても、これは非常に多いのではないかと思うわけでございます。余り好ましいことではありませんが、事業者あるいは利用者にとって本市は基準が甘いので利用しやすいのではないか、このようにも考えられるわけでございます。入所者の多くは生活保護費で賄われており、先ほども申し上げましたように、その費用の4分の1が市の負担ということになるわけでございます。財政を重く圧迫しております。また、自立された方も――851人、約900人といたしますと、そのうちの90人で1割程度ということでございます。社会福祉法における自立支援の観点から見ても、この事業に対する本市のかかわり方が問われてくると思います。
そこで、市長に、この第二種社会福祉宿泊事業に対する見解を伺いたいと思います。以上です。
◎阿部孝夫 市長
第二種社会福祉宿泊事業についてのお尋ねでございますが、第二種社会福祉宿泊事業につきましては、社会福祉法に規定される事業でありまして、一般的にホームレスの方が多く入所している状況でございます。ホームレスの問題は、今日の共通した大都市の問題の一つでありまして、各都市が苦慮している実情にございますけれども、国を初め本市における宿泊事業に係るガイドラインのもとに、設置事業者が地域住民の理解を得て法の理念に沿った事業運営がなされるように、市としても対応に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。
◆青山圭一 委員
ありがとうございました。ぜひ対応の方をよろしくお願いしたいと思います。この問題は、今市長が取り組まれておりますホームレス対策と密接に関連してくる問題だと思います。宿泊事業として生活困窮者のための事業ではありますが、この施設を通じて社会復帰、また自立をさせることが大きな事業の趣旨であると思います。市として、こうした第二種社会福祉事業に対しても適切な対応をすることがこれから求められてくるというふうに、特に今感じております。
市長は、今までの公害のまちという市のイメージから、音楽のまちというふうに転換をされるよう取り組みをしているわけであります。しかし一方では、ホームレスの問題について非常に川崎市がクローズアップされて、ホームレスの都市という名で、全国的にもその名が知られてきたわけでございます。そういうホームレス対策の中においても、第二種社会福祉事業の宿泊施設の中にホームレスの関係の方が多くいらっしゃる。そして、施設数についても、他の都市よりも非常に多いということを考えても、やはり川崎市としての適切な対応というのがこれから問われてくると思いますので、答弁にもありましたように、しっかりとした対応をしていただくことを要望して、推移を見守ってまいりたいと思います。