野宿生活から、自立支援センターに入所した人々に対する就労支援として、公共職業安定所より派遣された職業相談員による職業相談・斡旋、大阪府と連携して緊急職業能力開発委託訓練技能講習や生活訓練の一環としての野宿生活者常用雇用促進事業が実施されていますが、一般労働市場での就職がうまくまとまらなかった者が退所者の約 3割を占めることから、新たな求人開拓・技能講習等が必要となっています。

また、仮設一時避難所は、自立支援センターに入所するまでの通過施設と位置付けられていますが、野宿生活者(ホームレス)の就労支援の観点から、この施設においても何らかの就労支援が必要です。

各自立支援センターや仮設一時避難所の利用者についての情報が明らかでないので、今のところ類推でしかいえませんが、平均年齢は55−56歳であると考えられます。(参考:20002年1月12日あいりん臨時緊急夜間避難所入所者アンケート調査回答者247人の平均年齢55.6歳。56歳から65歳までで58.3%を占めています。)

あいりん臨時緊急夜間避難所の調査によれば、野宿期間1年未満が23.4%、3年未満では58.6%にものぼり、年々歳々野宿を余儀なくされる人々が増え続けていることを示しています。

普通免許を持っているもの26名(内2種 免許3名)を筆頭に、フォークリフトや溶接・クレーン・調理師など、何らかの資格を持つ人が多数おり、資格を持ちながら野宿を余儀なくされていることが明らかになっています。

現在持っている資格が再就職に生かされていないのは、連絡先がないこともあるでしょうが、求人に対して職を求める人が多すぎること、また、年齢制限があることなどが原因であると考えられます。

それと同時に、「ワレ、オレ」の生活になじんだ生活態度が身についており、にわかに「わたし、あなた」の生活態度に切り替えにくいため、「面接」を突破しにくいこともあると思われます。 

以上のことから、野宿生活者の就労自立には、なによりも「マナー講習+各種技能講習」が重要な位置を占めると考えられます。その技能講習の内容は、「就職」ではなく、「起業・自営」(たとえ零細であれ)に結びつくものであることが、入所者の置かれている条件から考えてふさわしいものであると考えられます。

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