川崎市会その5
平成11年 第4回定例会−10月06日-07号
◎市民局長(飯村富子)
市長への手紙についての幾つかのご質問でございますが,まず,市民の方々からお寄せいただきました市長への手紙の内容につきましては,さまざまなご意見やご要望が寄せられております。その主な内容といたしましては,1つには,道路や公園などの身近な要望,2つには,図書館の充実などの行政への提案,3つには,自然保護に関するもの,4つには,民間の開発行為への対応を求めたものなどとなっております。平成10年度の特徴につきましては,特に世相を反映してか,ホームレスの意見が多数ございまして,また,市民生活に密着した道路維持管理等に関する苦情や要望等も数多く寄せられたところでございます。
平成11年 第3回定例会−06月24日-02号
◆45番(矢沢博孝)
次に,ホームレス対策について伺います。緊急援護措置としてスタートした本市のパン券配布事業や越年対策事業は,財政事情の厳しい中,市民から十分な理解を得られないまま今日まで推移してきました。また,依然として増加傾向にある彼らの行状は,公共施設のスペースを中心とした居直り状態が日常化であり,多くの善良な市民はさまざまな施設を十分に利用できないといった迷惑状態が依然として続いているのであります。さらに,この問題は川崎市だけにとどまらず,全国の主要都市においても共通の問題として広がりを見せております。こうした中で,過日,国はホームレス問題を抱える関係自治体と連携し,国の機関を中心に有効な施策が早急に講じられるよう期待するものでありますが,この連絡会議に出席した国,関係自治体のメンバーはどのような構成なのか伺います。
◎健康福祉局長(蟹江徹也)
次に,野宿生活者についての幾つかのご質問でございますが,初めに,ホームレス問題連絡会議の構成メンバーについてでございますが,国は総理府内閣内政審議室が中心となり,厚生省,労働省,警察庁,建設省及び自治省で,関係自治体といたしましては東京都,横浜市,名古屋市,大阪市及び東京都新宿区,そして川崎市でございます。
次に,この連絡会議の共通認識として協議されました内容につきましては,野宿生活者の自立や地域住民が良好な環境の中で暮らせる社会とするために,国,地方公共団体が適切な役割分担のもと,一体となって取り組むことが必要として開催されたものでございます。施策の具体的方向といたしましては,1つとして総合的な相談,自立支援体制の確立,2つとして雇用の安定,3つとして保健医療の充実,4つとして要援護者の住まい等の確保,5つとして安心安全な地域環境の整備の5本の柱となっており,5月26日に当面の対応策の取りまとめが行われたところでございます。
次に,こうした施策に対する本市の対応についてでございますが,連絡会議で施策の具体的方向が示され,現在関係自治体が実施している緊急援護事業については,国は8月を目途に財政支援の詳細を決定するやに伺っております。その結果を待って,今後の対応を検討してまいりたいと存じます。
次に,この連絡会議についてでございますが,野宿生活者問題は今日の社会情勢を背景に生じた大都市共通の問題であり,一都市だけでは解決できるものではなく,国が関係自治体と連携を図り,総合的な取り組みを推進していくことが必要となっておりますので,本市といたしましても,この会議に期待しているところでございます。
平成11年 第3回定例会−06月25日-03号
◆57番(大場正信)
次に,ホームレス問題について伺います。今年2月に関係省庁と地方自治体でつくるホームレス問題連絡会議を発足しましたが,これまでの検討経過を伺います。特に本市としてどのように主張し,具体的な本市に対する対応策についてお答えください。ホームレス問題を考えていくときに,ホームレスの事情がさまざまで,それぞれ実態に合った対応策が必要と言われております。本市のホームレスの人たちの実態把握のようなことはされているのでしょうか。もし,されているとすれば,どのような状況なのかお答えください。本市のパン券支給数についても伺います。この項目の答弁は結構です。
◆57番(大場正信)
最後に,健康福祉局長に,野宿生活者でございますが,事前の調査によりますと本年度に入って,4月981人,5月1,078人,6月1,107人と増加傾向でございますが,その原因と市の対応の課題,今後の措置等を含めてお答えいただきたいと思います。以上です。
◎健康福祉局長(蟹江徹也)
最後に,野宿生活者についてのご質問でございますが,初めに,野宿生活者が増加している理由についてでございますが,野宿生活者には,疾病,高齢等のため就労が困難な者や,諸般の事情から社会的拘束を嫌う者もおりますが,中でもその大半は日雇い労働という不安定な就労形態にあって,今日の社会情勢から就労の機会が得られないことが主な原因と考えられます。
次に,今後の対策についてでございますが,当面,現在実施している緊急援護事業を進めながら,国が8月に決定する施策の内容を緩和し,検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
平成11年 第3回定例会−07月05日-05号
◎環境局長(瀧田浩) 公園緑地の維持管理に対する市民からの苦情,要望についてのご質問でございますが,公園緑地に関する市民からの苦情,要望は,電話,来訪,市長への手紙等によりまして,毎年2,000件以上あり,昨年は3,000件を超えるなど,年々ふえております。主な内容といたしましては,樹木の剪定や草刈り,施設の補修を中心に,害虫,ごみ,野宿生活者,ペットなどについてでございます。そうした苦情,要望に対しましては,できるだけご本人と連絡をとりながら,早い解決に向けて努力をしております。しかしながら,ふえ続ける苦情,要望の中で,特に野宿生活者やごみの投棄,騒音などの公園の利用方法に起因する問題への対応に追われているのが現状でございます。以上でございます。
平成11年 第3回定例会−07月07日-07号
◆48番(坂本茂)
次に,環境局長に伺います。川崎駅周辺美化対策の件ということでありますが,川崎駅周辺は段階的に整備計画が進んでまいりまして,現在はこみや跡地が新しく生まれ変わるべく工事が進められております。厳しい経済情勢とはいえ,川崎駅周辺の商業基盤の整備と川崎市の表玄関にふさわしい整備計画が進められるよう注目しているところであります。しかし,一方では,ホームレス問題や放置自転車対策,あるいは飲食店から夜間に出される生ごみ問題など,環境美化の点からは多くの課題が残されていると考えております。特に,飲食店から出されます生ごみについては,夜間や早朝出勤する住民からは改善を求める声が多く寄せられております。中には,飲食店独自に民間業者と契約をし,事業者責任ということで夜間に生ごみを回収してもらっているところもあるようですけれども,本市として駅前周辺の環境美化に対する考え方を伺います。以上。
◎環境局長(瀧田浩)
川崎駅前周辺商店街等の特に夜間のごみ収集についてのご質問でございますが,商店街等の夜間収集につきましては,通常,深夜または早朝になるものと思われまして,ごみ集積所からの野宿生活者による散乱の防止には有効な方策の一つになるものと存じます。しかしながら,夜間収集の実施につきましては,作業における交通災害等の安全性の問題や作業時に発生する騒音問題,経費の負担など多くの問題が考えられます。今後は,これらの問題を関係者で協議いたしまして,課題を整理検討する中で実現可能な方法について検討してまいります。以上でございます。
◆48番(坂本茂)
ぜひ,さまざまな分野から検討していただきたいと思いますが,これは,いろんな課題ということですから,今回は要望にとどめさせていただきますけれども,実は野宿生活者というのが一番のポイントなんですけれども,この野宿生活者に対する施策をめぐって,国が中心となって関係自治体と協議が進められております。実は,飲食店から夜間に出される残飯をあさるケースが数多く報告されておりまして,本市独自でパン券などの対応をしたりしていますけれども,それよりも,実は21時とか22時とか,飲食店から出されるそういうものをあさって散乱させてしまったりとか,そういうケースが非常に多いわけです。それから,夜間収集がないものですから,早朝さわやかな気持ちで出勤していきたいところが,ビニール袋の間を抜けて我々も通勤をするわけですから,こういう現状,これはただ,一般家庭ごみから何からということになると,これはまた労使交渉とか,いろんな問題が新たに課題がありますから,私の方で言いたいのは,とにかくJR川崎駅前周辺の商業ゾーンというのですか,川崎駅前周辺に限って,ぜひ何らかの対応をしていただきたい。
これは本当に直営でやるのか,民営でするのか,これまた新たな問題も出てきますし,例えば事業者責任で独自にやっていただくとか,これは銀柳街商店街は独自で事業者がやっているわけです。ですから,あそこの前はごみも何にもない状態でさわやかに通勤ができるわけですけれども,そういう事業者責任とか,そんなようなことも含めながら,ぜひ一刻も早くそうした課題を整理して,これは方向が,事業者責任でやっていただくのかどうなのかを含めて,いずれにせよ,やっぱり駅前というのは顔ですから,この駅前をさわやかにしていきたい。野宿生活者も含めて,ぜひみんなに迷惑のかからない,ああ,きれいになったなという方向で早急に協議,検討をしていただきたいということで,今回は要望にとどめさせていただきます。後々注目をしていきたいと思います。
平成11年 予算審査特別委員会−03月09日-03号
◆ 栄居義則 委員
最後に,環境局長ですが,代表質問の中でも野宿生活者への対応についてのやりとりがありました。富士見公園の市民広場周辺は今ライトブルーのシートで埋め尽くされています。仮小屋が設置され,火を使用し,炊事なども行われ,その数はますます増大しているように見えます。富士見公園は川崎区にとって貴重な空間であり,競輪場や野球場の動向とあわせて防災避難場所の役割など,大きな位置づけを持った場所です。ここで野宿生活を余儀なくされている方々の立場は理解できないわけではありませんが,公園の設置目的や都市公園法,市の公園条例などに照らして問題はないのか,伺います。以上です。
◎瀧田浩 環境局長
次に,富士見公園内に寝泊まりしている野宿生活者についての幾つかのご質問でございますが,現在,富士見公園内には約120人の野宿生活者を確認しております。これまでにも管理者といたしまして野宿生活者に対して火気の使用禁止や手荷物の数の制限など,望ましい公園緑地の使用について指導してまいりました。今後におきましても,関係局等と連携をとりながら徹底した指導を行い,公園緑地の機能回復に努めてまいりたいと存じます。
次に,都市公園法や川崎市都市公園条例に違反していないのかとのご質問でございますが,川崎市都市公園条例第4条に行為の禁止がございます。これは公園の管理に支障がある行為や火気の使用を制限したもの等でございます。これらの規定に違反した者に対しては5万円以下の過料を課すると規定されております。いずれにいたしましても,これらの問題につきましては,長引く不況や人権の問題など,一都市で問題解決が難しい状況にありますが,今後も実態を踏まえて関係局等と連携のもと,国や関係機関等に対しまして抜本的な対応策の取り組みを行うよう,積極的に働きかけてまいりたいと考えております。以上でございます。
◆栄居義則 委員
それから,もう1つ,野宿生活者の問題ですが,国の方でもいろいろ動きが出ているようですから,これは時間をかけて見ていきたいというふうに思うんですけれども,本市で違法駐車がされないように防止条例を設置して交通誘導員を配置されていますね。今までは4,000万円の予算だったのが,ことしは2,100万円か何かに大幅にダウンしたようでございますが,直接このやりとりに関係ないんですけれども,こういう考えをぜひ導入をしていただきたい。でも,これは富士見公園だけでなくて,けさも新聞に書かれていましたけれども,川崎区の大きな公園はほとんどこういう状態になっているわけでして,周辺の方から私以外にも川崎区の議員の方々はかなり苦情をいただいているんだろう,やはり専門的な方に対応していただかないと,代表質疑でも健康福祉局に質問をして,川崎駅前の話になれば,まちづくり局ですよ,公園の中になれば環境局ですよ,それぞれの局の人が対応するというのは非常に大変だと。だから,交通誘導員ではありませんけれども,専門の方を,例えば,警察を定年になられた方にお願いをするとか具体的な対応をしていただかないと,市民は行政に対して,あるいは私たち議会に対しても信頼を感じていただけなくなってしまうのではないだろうか。もうともかく120軒というか,120人の方があれだけ富士見公園の中にテント生活をされたら,もうまさに無法地帯というか,無法状態になっているわけですから,そういう意味では助役の積極的なご答弁をぜひお願いしたいと思います。以上です。
◎杉本寛 助役
それから野宿生活者,何と言っていいかわかりませんけれども,野宿生活者に対応するある種の要員配置ということでご理解をさせていただきましてお話をさせていただきますが,富士見公園内での野宿生活者に対しまして,付近の住民や公園利用者の方々には大変ご迷惑をかけているということも承知をしておりますし,ここのところではかなり多くの苦情が寄せられているところでございまして,行政といたしましても大変苦慮,あるいは限界を感じている中ではございますけれども,昨年は80回でございますか,ことしは130回に及びまして,これらの野宿生活者に対しての指導,誘導などの措置も講じてまいったところでございます。
ご指摘のございました野宿生活者の都市公園内での違法行為だとか,あるいは各種の対策,措置方策につきましては,現在,総理府が中心となります関係する6省庁と,自治体からは川崎市も入ってございますが,大阪市など5都市に加えて新宿区が参加しておりまして,ホームレス問題連絡会が開催されているところでございまして,ここではこの問題点について十分な意見交換を行ってございまして,この8月ごろは一定のめどがたちました1つの方策を出すということも伺ってございますので,実は,委員のお話のございました点につきましては,この方策が出るような段階と合わせまして,検討事項とさせていただきたいなというふうに思ってございます。以上でございます。
平成11年 第1回定例会−03月02日-04号
◆5番(飯塚正良)
次に,野宿生活者の実情について伺います。不況の深刻な中,JR川崎駅前や富士見公園など野宿生活者が増加傾向にあります。国においても,このたびやっと厚生省や労働省を中心に本年8月をめどに考え方の整理が行われる旨の報道がなされています。その動向についてどのように把握していますか。また,99年度新予算では2億2,000万円余が計上されていますが,野宿生活者の最近の状況と見通し,パン券の支給状況など説明してください。
◎健康福祉局長(蟹江徹也)
次に,野宿生活者についてのご質問でございますが,初めに,国の動向についてでございますが,平成10年12月9日に厚生省,労働省,警察庁,建設省,自治省の共催によりホームレス問題関係自治体ヒアリングが行われ,野宿生活者を多数抱えております東京都,大阪市を初め,名古屋市,横浜市,川崎市及び愛知県,神奈川県が参加し,野宿生活者の各自治体における現況を報告しました。また,平成11年2月12日には第1回ホームレス問題連絡会が総理府において開催され,国からは内閣官房内閣内政審議室,厚生省,労働省,警察庁,建設省,自治省が出席するとともに,自治体からは前回のヒアリングに参加した5都市に加えて新宿区が出席し,野宿生活者に対する取り組みや問題点について意見交換を行いました。
会議に参加した自治体からは,平成10年度に入って野宿生活者が大幅に増加している現状が報告され,5都市の合計は約1万5,000人に上ることが確認されました。また,野宿生活者に対しましては,各自治体とも多様な緊急援護施策を実施しているものの,野宿生活者の自立支援策としては不十分であり,国の抜本的な施策の確立を期待する意見が多数出されました。
このような状況を受けて,国としては,引き続きこの会議の開催を通して各自治体の現状把握に努めるとともに,共通する問題点について分類整理し,有識者の意見聴取や現地調査等も実施しながら,国として可能な支援施策を検討する旨の見解が示されたところでございます。
次に,本市の野宿生活者の現況についてでございますが,野宿生活者は平成10年4月以降急増し,平成10年8月に実施した夜間調査の結果では,前年度に比較して約1.7倍に当たる746人を確認しておりますが,このような状況は国の労働政策や経済の動向により大きく左右されるものであり,極めて流動的なものと考えております。また,パン券支給事業の現状でございますが,平成9年度は1日平均468人でございましたが,平成10年度は1月末現在で1日平均876人となっております。
◆5番(飯塚正良)
次に,野宿生活者問題について,駅前周辺に増大する野宿生活者に対する長期的な考え方を再質問しようとしたところ,これは建設局の所管とのことであります。そこで要望いたします。この問題は,もはや福祉という1局の範疇を超えて,文字どおり全市全局の当面する課題かと思います。余り肩ひじを張らず,縄張り主義を取っ払って,ぜひ取り組みのほど,よろしくお願いをいたします。
それでは,再度質問させていただきます。パン券受給者が増加の一途であることが先ほどの答弁でわかりました。市内の野宿生活者は,増加することはあっても減少はしていないわけですから,その分は道路や公園,または民間の空き地等に去就してくるのではないかと思われます。例えば,町会の行事である夏祭りや盆踊り,あるいはフリーマーケットなどの行事の際,行政も地元も大変苦労しているわけですが,公園にかかわる現状とどのような対応をされてきたのか,また,今後どのような指導を行っていくのか,環境局長にお尋ねをいたします。
◎環境局長(瀧田浩)
次に,公園緑地内の野宿生活者についてのご質問でございますが,現在,33公園緑地内に本年1月末で約230人の野宿生活者がおり,とりわけ川崎区内が最も多く,約180人を確認しております。公園内の野宿生活者に対する苦情や要望は年々増加しており,その対応に苦慮しているのが実情でございます。公園管理者として,平成10年度はこれまでに延べ127回にわたり,野宿生活者に対し,正しい公園の利用や火気使用の禁止等について指導を行ってきたところでございます。また,各種の行事に合わせ,地域住民や商店街と行政が連携し,公園機能の回復に努めた例もございます。いずれにいたしましても,経済状況や人権等の問題もありますが,今後も関係機関と協議,検討を行い,良好な公園の維持管理に努めてまいりたいと存じます。以上でございます。
平成11年 第1回定例会−03月03日-05号
◆58番(近藤正美)
次に,ホームレスについてですが,川崎駅周辺及びこのところ富士見公園一帯で生活者の増加が目立ちます。場所によってはホームレス街地であり,公園としての役割と機能が失われている。ここまで来ると,市だけの対処ではなく,国,県,市が一体で対策をすべきと思いますが,国において調査をし,対策に乗り出したように見受けられ,今年度,何らかの対策に応じると思いますが,わかる範囲内でこの際明らかにしてくださいと伺う予定でしたが,重複しておりますので答弁は要りませんが,角度を変えて再質問をさせていただきます。
◆58番(近藤正美)
次に,ホームレスについてですが,本市ではパン券の支給というところを行っております。他都市ではいろいろ食糧援助を行っているようですけれども,諸施策についてはどのように行っているのか。また,ホームレスは余りにも良識がなさ過ぎる。例えばアゼリアの地下街駐車場の朝の仮眠後の段ボールの敷物や,あるいは飲み物,食べ物,空き缶,紙くず等,すべてそのままで引き揚げていくわけです。その後,リヤカーで清掃員の人が後の始末をしている,こういうような状態。さらには,国道132号線の教育文化会館周辺や,富士見公園テニスコート前や,あるいは富士見公園一帯ではかなり目に余る行為が私どもに見受けられるわけです。したがいまして,こういうような市民感情をどう受けとめているか。それから今日までどうやって指導してきたか。あるいはまた,指導方法についても伺っておきたいと思います。
◎健康福祉局長(蟹江徹也)
次に,野宿生活者についてのご質問でございますが,初めに,各都市における食糧援護の状況についてでございますが,平成11年2月4日に横浜市で開催されました簡易宿所を抱える5都市会議での報告によりますと,東京都では台東区で食パンと牛乳を,新宿区及び大田区では乾パンを支給しております。また,大阪市でも乾パンを支給しており,横浜市では本市と同様にパン券を支給しております。なお,名古屋市においては食糧援護は行っておりません。
次に,野宿生活者の迷惑行為についてでございますが,野宿生活者の増加に伴い,地域住民から苦情や厳しいご指摘をいただく回数がふえておりまして,極めて憂慮すべき状況にあると認識しております。野宿生活者の一部は,飲食物を食べ散らかしたり,排尿等で町を汚したり,昼間から路上で飲酒して騒ぐ等,地域住民に不快感を与えているとともに,地域の生活環境に悪影響を及ぼしております。こうした状況に対しまして,これまでもパン券受給者につきましては,パン券支給所におきまして日々面接を行う中で,常に生活態度の向上とモラルの遵守について指導しておりまして,指導に従わない場合には支給を一時停止する措置も行っております。また,地域住民からの苦情等に応じまして職員を派遣し,現地調査や個別指導も行っておりますが,特にパン券支給者以外の野宿生活者の中に迷惑行為を行う者が多くいることが確認されており,今後とも野宿生活者に対するあらゆる機会をとらえまして指導に努めてまいりたいと存じます。以上でございます。
◆58番(近藤正美)
再度質問に対してそれぞれお答えいただきましたけれども,先ほどご答弁いただきましたホームレスの関係については,これから減るということはございません。どんどんふえていく傾向が多いものですから,川崎市が余りいい条件を出しますと,どんどんこっちへ集まってきてしまうものですから,それ相応にぜひひとつお願いしたい。あるいは,他都市で現物支給,こういうことも既に行っているわけですが,本市でも検討しているということを内々聞いておりますけれども,そういう方面も含めながら,ぜひひとつ慎重に対処していただきたい,こういうことを申し上げておきたいと思います。
平成10年 決算審査特別委員会(一般会計・特別会計)−12月11日-05号
◆飯塚正良 委員
それでは,塩浜地内にございます鷹取公園について伺います。周囲をJRの引き込み線,工場に囲まれ,公園内には電化製品などの不法投棄,道路上には不法投棄車両が15から16台,そのうち何台かにはホームレスが住みついている状態であります。先日,町内会が主催をして関係局に集まっていただきまして,打開策について協議が行われました。結論として,一気に取りかからないと解決できない,解決しないということで,環境局,建設局,健康福祉局それぞれが協力体制で早急に臨むということになりました。
そこで,まず環境局長,時期的には年末年始の繁忙期ですので,一段落した時期ということになりますといつごろを予定しているのか,次に今後の取り組みについてお考えをお示しください。
◎瀧田浩 環境局長
鷹取公園周辺の不法投棄物の処理についてのご質問でございますが,ご指摘の場所につきましては,ことしの3月下旬にも関係局と合同で電気器具やタイヤなど,清掃車7台分の投棄物や放置車両を撤去した経過がございます。このたびの当該地における不法投棄物の処理の時期でございますが,現在,関係機関及び関係局と協議を進めておりまして,具体的な不法投棄防止対策及びこれに伴う手続が終了した後,年明けの1月下旬に処理するよう予定しているところでございます。また,今後の防止対策につきましては,地域の皆様のご協力は不可欠でございますので,地域住民の方々との協力関係をより一層深めながら,関係機関及び関係局と連携して取り組んでまいりたいと存じます。以上でございます。
◆飯塚正良 委員
それでは,それぞれ要望いたします。
建設局長,車両の不法投棄をなくすためには,最終処分の処理コストを本来メーカーがデポジットとして販売コストに乗せるべきと思います。家電製品につきましては,製造者責任が一定明らかになってまいりまして,今後,国に対して強く申し入れていただきたいというふうに思います。
市民局長,内なる分権化としての区役所の機能強化が叫ばれて久しいわけで,これから予算編成に入られるわけですが,ぜひ区民にとって一番身近で切実な問題,例えば今回の件は不法投棄の車両,家電製品,ホームレスと,今日的課題の象徴とも言うべき問題かと思います。区役所に積極的に前に出ていただいて,そのためには財政的な措置を強く要望しておきたいと思います。
平成10年 第4回定例会−12月03日-02号
◆29番(坂本茂)
次に,JR線路沿いの川崎駅東口公園用地について伺います。この用地は昭和60年,当時の国鉄から川崎駅周辺整備事業用地として取得し,今日まで公園として利用されております。しかしながら,現在の実情としては,いわゆるホームレスのたまり場となっているなど,一般市民の利用状況は,ゲートボールなどに利用される以外には少ないのが現状であります。仄聞するところによりますと,緑地の南側半分については,公園としての暫定利用を今年度いっぱいで終了し,当該地を大手電気通信事業者に対し売却する計画があるとのことであります。現在どのような状況にあり,川崎駅周辺整備との関連について,どのような整合をとられるのかについても伺っておきます。また,少数とはいえ,ゲートボール愛好者やその他の利用者についてはどのような方針でいるのか,あわせて伺います。
◎まちづくり局長(井上裕幸)
川崎駅東口緑地の利用についてのご質問でございますが,ご指摘のとおり,10年間は広場として利用するとの条件がございましたため,当面公園として使用してまいりましたもので,あくまでも暫定的な利用と,このように考えております。以上でございます。
◆29番(坂本茂)
次に,野宿生活者の件についてでございますが,市民からのやるせない感情の中でこの事業を進めていく担当局,職員の苦労については,とにもかくにも頭が下がります。パン券支給に際しての面接についても,うっかり強い言葉を吐けばたちまち抗議されますし,福祉対象者とその他の対象者の区別に至っては,あの場の雰囲気の中では到底無理ではないかとさえ思うのであります。市長,職員のモラルについていろいろと論ぜられておりますが,少なくともここの担当職員の努力については,ぜひ承知をしておいてください。
私もこれまで多くの野宿生活者と接触をしてきましたが,勤労意欲がありながら職業につけないケースと,率直に言って勤労意欲のまるでないケースが挙げられます。また,私たちの感覚では月曜日から金曜日まで働くことが常識なのでありますが,働きたいときや必要に迫られたときのみ,俗に言う立ちんぼとか,原っぱにおいて職を求めるケースがあります。また,いわゆるバブル経済最盛期には,地方からの出稼ぎ労働者の方々が本市に職を求め,折からの好景気の中,退廃的な生活を続け,いつの間にか家族とも連絡をとらなくなってしまったケースもありました。象徴的なケースとしては,飲む,打つ,買うの生活からいつの間にかホームレスの仲間入りとなった。こんな人もおりましたし,その他多くのケースがありましたけれども,最後の最後に彼らの口から出る言葉は,それまでの虚勢を張る態度とは裏腹に,おれたちは怠け者だからと,自嘲ぎみにつぶやく姿が印象的でありました。
人権や福祉については決して否定するものではありませんが,人権を主張する彼らに対し,人間としての誇りを持てと逆に言いたいのであります。その上で適切な対応を講ずることはやぶさかではありません。こうした実態の中で,パン券支給枚数の大幅な増加による補正予算であります。他都市の実情を伺いましたが,この問題はもはや一自治体の問題ではなく,国が何らかの対応策を講ずるべき時期に来ているのではないかと考えますが,見解を伺います。また,支援グループやボランティア団体の活動については,例えば篤志家によるカンパなどが行われているケースがあるのか,それとも単に本市に対する援護要請活動だけなのか,実情について伺います。以上です。
◎健康福祉局長(蟹江徹也)
次に,野宿生活者についての幾つかのご質問でございますが,野宿生活者の増加は深刻な社会問題となっておりまして,一自治体のみで対処し解決することは非常に困難な状況にございまして,国の施策の確立が必要な時期に来ているものと認識いたしております。野宿生活者対策の基本は雇用政策で対応すべきと考えておりますが,財政支援を含めて,簡易宿所密集地を抱える5都市会議や13大都市の主管局長会議におきまして,強く国に要望しているところでございます。その結果,国におきましても近々,厚生省,労働省,建設省,自治省,警察庁等の主催によりまして簡易宿所密集地に対する各都市の取り組み状況や対応策,また要望などを聴取する会議を開催する運びとなっており,川崎市も出席する予定となっております。
次に,支援グループ等の活動についてでございますが,支援グループやボランティア団体は,野宿生活者に対し,炊き出しや衣類の提供及び相談等の支援活動を行っていると聞き及んでおります。また,本市に対しましてさまざまな要請行動や交渉を行うとともに,ご案内のように,市議会にも陳情書を提出しております。以上でございます。
◆57番(佐藤忠次)
議案第109号,平成10年度一般会計補正予算の福祉事業費の明るい町づくり対策費の中で,俗に言うホームレスにパン券を支給するための補正でありますが,川崎市内各区のホームレスの人数の現状について。2つ目は,東京都,横浜市等,他都市の実態について。3つ目は,パン券を支給する目的について。4つ目は,ホームレス対策は雇用対策と福祉対策に分けるべきだと思うが,見解を伺いたい。5つ目は,地方自治体で十分対応できるものではなく,国策として実施すべきものと思うが,国に対してどのような働きかけをしているのか,伺います。
◎健康福祉局長(蟹江徹也)
健康福祉局関係のご質問にお答え申し上げます。
野宿生活者についての幾つかのご質問でございますが,初めに,川崎市内各区の野宿生活者の現状についてでございますが,平成10年8月25日に行いました夜間実態調査の結果では,川崎区712人,幸区34人を確認しております。また,その他の区につきましては,10月末日に行いました各福祉事務所の調査によりますと,中原区15人,高津区16人,宮前区1人,多摩区22人,麻生区1人で総数801人となっております。
次に,他都市の実態についてでございますが,平成10年度の各都市で実施いたしました調査によりますと,東京都約4,300人,横浜市約900人,名古屋市758人,大阪市約8,000人となっております。
次に,パン券の支給目的についてでございますが,パン券支給は,就労の機会が得られない等の事情から野宿生活を余儀なくされており,その日の食事に窮している人たちに対して,人道的見地から緊急的措置として食料を提供することを目的とした事業でございます。
次に,野宿生活者対策についてでございますが,野宿生活者対策の基本は雇用施策で対応すべきものと考えておりますが,高齢,病弱で就労に適さない人たちに対しましては福祉施策で対応せざるを得ないと考えております。
次に,国に対しての働きかけでございますが,簡易宿所密集地を抱える5都市会議や13大都市の主管局長会議におきまして,雇用対策や財政支援等について強く国へ要望いたしているところでございます。その結果,国におきましても近々,厚生省,労働省,建設省,自治省,警察庁等の主催により,簡易宿所密集地に対する各都市の取り組み状況や対応策を報告し,また要望などを聴取する会議が開催される運びとなっております。以上でございます。
◆57番(佐藤忠次)
健康福祉局長ですけれども,ホームレス対策につきましては,援護対策として川崎市がパン券や越年対策,あるいは一時宿泊事業などを実施しているわけですが,他都市はこの川崎市と同じような──今,他都市のホームレスの数についてわかったんですけれども,援護策についてはわからないわけですが,援護策はどんな方法で東京都や横浜市だとか,そういう各都市は実施をしているのか,お伺いいたします。また,雇用対象者と福祉対象者をどのように指導,対応しているのかも伺っておきます。
次は,とにかくパン券の支給の云々よりも,市民の人たちは駅周辺で段ボールを囲ってごろごろ──ごろごろという言葉は悪いんですけれども,酒を飲みながらごろごろしているというのは大変目に余る,あそこを何とか整理してくれないかという人が大変多いわけです。したがって,あの人たちを,500人ぐらい入る簡易宿泊所をつくって,何ヵ所かに分かれてそういうところに入ってもらって,そこに入った人にはパン券を支給する。そこに来ない人にはパン券を支給しない,そういうふうなこともしてもいいのではないかと思いますけれども,そういう施設をつくって,これは国がやるのかどうかわかりませんが,いずれにしても川崎市がそういう対応をすべきと思いますが,この辺について見解を伺います。
◎健康福祉局長(蟹江徹也)
野宿生活者についてのご質問でございますが,初めに簡易宿所密集地を抱える各都市の支援策についてでございますが,従前より各都市とも更生施設や宿所提供施設等の保護施設の提供を初め給食援護や越年対策,医療援護などの事業を実施しております。特に東京都では山谷地区の福祉センター,大阪市では釜ヶ崎地区の更生相談所におきまして給食や物品支給等の援護活動や交通費の貸与を行っております。また,横浜市におきましては昭和49年4月からパン券及び宿泊券の支給事業を実施しております。さらに,名古屋市におきましては給食援護は実施しておりませんが,昭和52年12月から越年対策事業を実施しております。こうした各都市の状況を受けまして,本市におきましては平成6年7月からパン券支給及び越年対策事業を実施するとともに,平成8年12月からは民間ビジネス旅館のベッドを借り上げ,一時宿泊事業を開始したところでございます。
次に,パン券受給者に対する指導についてでございますが,パン券受給者につきましては,毎日のパン券支給時に個別に面接を行い,その中で就労のできる人については職安へのあっせん等,就労指導を行うとともに,高齢者や病弱者で就労に耐えられない人については福祉事務所を紹介し,生活保護の相談を受けるよう指導しているところでございます。
次に,野宿生活者の施設設置についてでございますが,宿泊設備や十分な相談機能を備えた自立支援センターのような施設の必要性も認識しておりますが,野宿生活者の中には,施設内で規則正しい生活を送ることを好まない人たちも多数存在している現状や財政負担等も含め,市民合意の形成が非常に難しいと考えております。したがいまして,野宿生活者の対策につきましては,近々国も関連省庁合同で検討を開始する段階でございますので,国の動向も注視しながら,施設のあり方も含めて今後検討してまいりたいと存じます。以上でございます。
平成10年 第4回定例会−12月22日-05号
◎50番(鈴木叡)
最後に請願第159号,路上生活者対策としてトンネル内にフェンス等の施設整備を行うことに関する請願についてであります。本請願の趣旨は,JR南武線支線の浜川崎線のトンネル内に複数の路上生活者がおり,フェンス等の施設整備を行い,安全かつ快適に通行できることを願うものであります。
委員会では理事者から,請願箇所の地下道の土地所有権はJRにあり,本市が維持管理を行っているが,地下道の幅員は狭く,歩行者,自転車,バイク等の通行が頻繁にあり,地下道にフェンスを設置することは,事故などの原因になると考えられるため困難である。したがって,今後の野宿生活者への対応は,土木事務所と関係局が連携し,立ち退き指導を行う。なお,現在はトンネル内には野宿生活者はいないとの説明があり,質疑に入りました。
最初に委員から,道路法及び道路交通法等での規制について質疑があり,理事者から,道路法第43条において道路に関する禁止行為があるが,人については強制排除の対象とすることは難しい。荷物については道路管理に支障があると判断する場合は撤去対象になる。また,道路交通法第76条には道路における禁止行為が規定されており排除はできるが,道路交通の妨害となる行為の判断基準が難しいとの答弁がありました。
次に委員から,今後の野宿生活者対策について質疑があり,理事者から,関係各局から成る野宿生活者対策検討委員会を設置し,9月から協議を開始し,市としての考え方について検討に入っているとの答弁がありました。
また委員から,野宿生活者対策は市の単独事業となり,自治体の負担となっているが,国に対する本市の取り組みについて質疑があり,理事者から,13大都市主管局長会議や簡易宿泊所密集地の5都市会議等を通じ,野宿生活者対策を厚生省に対し要望書を提出しているとの答弁がありました。
続いて委員から,国の野宿生活者対策について質疑があり,理事者から,厚生省は生活保護法での対応との考え方であり,現実的には生活保護法の適用とならない方が多い野宿生活者には,十分な対策とはいえない状況であるとの答弁がありました。
次に委員から,本市の緊急援護事業について質疑があり,理事者から,事業を始めた当初は500人程度の野宿者であったが,生活保護を適用し,援護を必要とする方は救済できていると考えているが,野宿生活者の増加については,本来,国の労働施策として対応すべきものであり,緊急援護事業を含む福祉施策はそれを補充するものであるとの答弁がありました。
そこで委員から,トンネル内にフェンス等の施設を設置することは,幅員上,通行の妨げとなり実現困難であるが,管理者として立ち退き等の指導を継続し,通行の安全を確保するとともに,全庁的な野宿生活者検討委員会が設置されており,関係局と連携し,野宿生活者対策に取り組んでいただきたいとの要望がありました。
さらに委員から,野宿生活者対策として,国に対し抜本的な労働政策等を講じるよう要求していくべきであるとの要望があり,審査の結果,全会一致をもってその趣旨を採択すべきものと決しました。
以上でまちづくり委員会の報告を終わります。(拍手)
平成10年 第3回定例会−09月16日-02号
◆13番(嶋崎嘉夫)
次に,ホームレス対策について伺います。
先月25日の実態調査によりますと,前年度対比1.7倍の746人が確認されましたが,特に川崎区内の公園や駅周辺及び公共建築物周辺等での増加が目立ち,地域住民とのトラブルや苦情が後を絶たないのが現実であります。本市では平成6年度よりホームレス対策事業を行ってきましたが,ホームレス対策にかかわる総事業経費の累計額は幾らなのか,伺います。
なお,本市ではパン券支給やパン券バス委託事業,宿泊事業,越年対策事業などさまざまな対応をしてきましたが,ホームレスの自立を促すためにも,今後,展開事業の方向性をどのように考えているのか,伺います。
◎健康福祉局長(蟹江徹也)
次に,野宿生活者についての幾つかのご質問でございますが,初めに野宿生活者対策に係る総事業費についてでございますが,野宿生活者の緊急援護事業は,バブル経済の崩壊後,市内に野宿生活者が増加したことに伴い,人道上の見地から平成6年7月より事業を実施したものでございまして,平成6年度から平成9年度までの総事業費は約6億8,100万円となっております。
次に,今後の事業展開の方向性でございますが,現在,長引く不況のもとで厳しい雇用状況にありますが,労働意欲のある人たちには引き続き県労働部や職業安定所とともに連携をとりながら就労指導に努めてまいりたいと存じます。また,高齢や病気により就労に耐えられない人たちには医療機関の紹介など,生活保護の適用を行ってまいりたいと考えております。さらに,野宿生活者問題の抜本的解決に向けましては,人権擁護の観点からも国の労働政策を含めた野宿生活者施策の早急な確立が必要であると考えております。とりわけ働く能力を持ちながら労働意欲が欠落している人たちの社会復帰を支援することは重要な課題と考え,引き続き13大都市の主管局長会議や簡易宿泊所密集地の政令5都市会議等を通じまして,野宿生活者に対する取り組みを国に強く働きかけてまいる所存でございます。また,本市におきましても関係各局から成る川崎市野宿生活者対策検討委員会を設置し,野宿生活者にかかわるさまざまな問題につきまして協議を進めてまいりたいと存じます。
◆36番(栄居義則)
次に,健康福祉局ですが,野宿生活者の実態調査結果について伺います。平成8年度と比較すると318人増の746人が,川崎駅周辺いわゆる川崎区,幸区内で野宿生活をしているということですが,全市的に調査が進めばさらにふえるものと思われます。
そこで,幾つかお尋ねしますが,1つ目,野宿生活者が増加している理由。2つ目,公園や緑地,あるいは歩道など,小屋やテント生活の実態についてどのように考えているのか。3つ目,この実態を踏まえ,今後どう対応されるのか伺います。4つ目,市民からの苦情についての対応ですが,現状では対応し切れない状況もあるのではないかと思います。野宿生活者に対する対応や,一歩踏み込んだ対策等を検討する専門的な部門の設置についての考え方を伺います。
◎健康福祉局長(蟹江徹也)
次に,野宿生活者についての幾つかのご質問でございますが,初めに,野宿生活者が増加している理由についてでございますが,野宿生活者の多くが日雇い労働という不安定な就労形態にあり,長引く不況の影響により雇用状況の好転が見られず,就労の機会がますます減少していることが主な原因と考えられます。
次に,公園や緑地,あるいは歩道などでの生活実態についてでございますが,今回の実態調査では,移動可能な段ボール生活者を中心に,小屋やテント生活者の増加が認められ,公共施設本来の機能が阻害されたり都市の景観を損なうなど,市民の生活環境に影響を及ぼすものとして憂慮するところでございます。今後とも関係機関と連携をとりながら,パトロール等を実施し,施設利用者に迷惑がかからないよう指導に努めてまいりたいと存じます。
次に,今後の対応策についてでございますが,現在,長引く不況のもとで厳しい雇用状況にありますが,労働意欲のある人たちには,引き続き県労働部及び職業安定所とも連携をとりながら就労指導に努めてまいります。また,高齢や病気により就労に耐えられない人たちには医療機関の紹介など,生活保護の適用を行ってまいりたいと考えております。さらに,野宿生活者問題の抜本的解決に向けましては,人権擁護の観点からも,国の労働政策を含めた野宿生活者施策の早急な確立が必要であると考えております。とりわけ働く能力を持ちながら労働意欲が欠落している人たちの社会復帰を支援することは重要な課題と考え,引き続き13大都市の主管局長会議や簡易宿所密集地の政令5都市会議等を通じまして,野宿生活者に対する取り組みを国に強く働きかけてまいる所存でございます。また,野宿生活者に対する専門的な部門設置についてでございますが,本市におきましても,野宿生活者に対する問題が山積し,地域から指摘されている現状にございます。したがいまして,関係各局から成る川崎市野宿生活者対策検討委員会を設置し,野宿生活者にかかわるさまざまな問題につきまして協議を進めてまいりたいと存じます。
平成10年 第3回定例会−09月17日-03号
◆41番(潮田智信)
次に,ホームレスについて伺います。健康福祉局がJR川崎駅周辺を中心とした市内でホームレスの実態調査を行ったところ,昨年の1.7倍の746人のホームレスがいることが確認されたとのことであります。長引く不況の影響があり,公園や駅周辺,公共建築物にテントや小屋などを建てるなど,さらに観光客や市民に与える影響は大きいものがあります。そこで伺いますが,ホームレス増加によるパン券支給の実態はどのようなものか。また,今後どのように対処していくのか,予算措置も含めて考えをお示しください。
◎健康福祉局長(蟹江徹也)
健康福祉局関係のご質問にお答え申し上げます。
野宿生活者についての幾つかのご質問でございますが,初めにパン券支給事業の実態についてでございますが,パン券支給事業は平成6年7月から実施しており,人道上必要最低限の生命の保障を目的として,1日660円相当の食料品交換券を支給しているところでございます。本事業を開始した平成6年度から平成7年度にかけましては1日平均549人でございましたが,平成8年度には384人に減少したものの,平成9年度は520人,そして平成10年度は8月までで893人と大幅に増加の傾向を示しております。パン券支給事業につきましては,開始当初は固定した場所で支給しておりましたが,地域からの苦情に対応して,現在,バスにより2ヵ所での巡回支給となっております。
次に,今後の対処方法についてでございますが,現在,長引く不況のもとで厳しい雇用状況にありますが,労働意欲のある人たちには引き続き県労働部及び職業安定所とも連携を図りながら,就労指導に努めてまいりたいと存じます。また,高齢や病気により就労に耐えられない人たちには,医療機関の紹介など生活保護の適用を行ってまいりたいと考えております。
さらに,野宿生活者問題の抜本的解決に向けましては,人権擁護の観点からも,国の労働政策を含めた野宿生活者施策の早急な確立が必要であると考えております。とりわけ,働く能力を持ちながら労働意欲が欠落している人たちの社会復帰を支援することは重要な課題と考え,引き続き13大都市の主管局長会議や簡易宿所密集地の政令5都市会議等を通じまして,野宿生活者に対する取り組みを国に強く働きかけてまいる所存でございます。また,本市におきましても,関係各局から成る川崎市野宿生活者対策検討委員会を設置し,野宿生活者にかかわるさまざまな問題につきまして協議を進めてまいりたいと存じます。
なお,今後の予算措置についてでございますが,パン券支給事業や越年対策事業等,現在の事業水準を原則的に維持しながら,一方では常に事業の点検を行い,効率的な予算執行に努めてまいります。
平成10年 第3回定例会−10月08日-07号
◎環境局長(瀧田浩) 公園のリフレッシュについてのご質問でございますが,川崎区の区づくり白書の策定に当たっての分科会において公園リフレッシュについての多くの貴重なご提案やご意見をいただいておりますが,区役所の役割を含めて,事業実施に当たりましては,運動施設のあり方やホームレス対策など,幾つかの課題整理が必要かと考えておりますので,ご提案いただいた方々や近隣にお住まいの方々等と協議を行いながら計画を進めてまいりたいと考えております。また,事業推進に伴う予算面におきましても,財源の確保に向けて努力してまいりたいと存じます。以上でございます。
平成10年 予算審査特別委員会−03月12日-03号
◆栄居義則 委員
それから次に,健康福祉局長さんでございますが,生活保護費について伺います。最初に,生活保護費関係の予算とその内訳。それから,平成5年以降,被保護世帯数の増加についてどのように考えているか。それから3番目に,被保護者の年齢構成。それから,被保護世帯増加傾向の現状についての見解についてお尋ねをします。
それともう一つでございますが,これは野宿生活者というふうに言うのが正しいのか,路上生活者というふうに言うのが正しいのかわからないんですが,事前の打ち合わせでは野宿生活というふうに表記をされていますので,私の方も野宿生活者というふうに申し上げておきますが,ことしの予算では2億299万5,000円の予算が計上されています。駅周辺及び公園などに大変こういう方々の増加傾向が見られますが,その後の事業内容についてお知らせをいただきたいと思います
◎齋藤良夫 健康福祉局長
初めに,生活保護費予算関係についてのご質問でございますが,平成10年度の生活保護費関係予算についてでございますが,予算総額は241億3,504万6,000円でございます。そのうち生活扶助,医療扶助等の7つの扶助費が238億8,911万9,000円でございます。また,その他の経費は2億4,592万7,000円でございます。
次に,被保護世帯数の増加についてでございますが,平成5年度から増加傾向に転じておりまして,平成9年12月現在9,220世帯,被保護人員は1万2,499人まで増加いたしまして,保護率は1.02%となっております。その原因といたしましては,バブル経済崩壊後の長引く不況が低所得者層に大きな影響を与えていること並びに高齢者世帯の増加が原因と思われます。
次に,被保護者の年齢構成についてでございますが,平成9年7月の全国一斉調査の結果における本市の状況といたしましては,被保護者人員の総数は1万1,451人で,ゼロ歳から14歳が1,299人で11.3%,15歳から59歳が4,768人で41.6%,60歳以上が5,384人で47%となっております。また,60歳以上のうち単身世帯が76.9%を占めております。高齢化,単身世帯の増加,保護の長期化は全国的な傾向でございますが,本市におきましても同様の傾向でございます。
次に,被保護世帯の増加への対策についてでございますが,必要な人に必要な保護を適正に実施していくことはもとより,稼動年齢による方につきましては,医療機関との連携によりまして,病状の把握,療養指導,職業安定所との連絡会議の開催,同安定所への同行訪問などによりまして積極的な求職指導を行っているところでございます。今後ともより一層の自立助長を図ってまいりたいと存じます。
次に,野宿生活者の対応についての幾つかのご質問でございますが,初めに,パン券の支給状況でございますが,パン券支給につきましては平成6年7月18日から開始をしております。平成8年度の支給状況につきましては,5月の1日平均589人が最多で2月の185人が最少となっておりまして,月平均では371人でございました。平成9年度におきましては,10月の546人が最多で4月の313人が最少となっており,月平均では466人でございます。
次に,緊急援護事業の予算についてでございますが,パン券支給事業につきましては,平成8年度決算額は1億190万9,000円,平成9年度予算額は1億1,382万6,000円,平成10年度予算案は1億2,157万9,000円でございます。年末から年始にかけての越年対策事業につきましては,平成8年度決算額は1,105万7,000円,9年度予算額は1,000万円,平成10年度予算案は平成9年度予算額と同額でございます。要保護者などの緊急一時宿泊事業につきましては,平成8年度決算額は2,219万4,000円,平成9年度予算額は5,584万5,000円,平成10年度予算案は5,893万9,000円でございます。
パン券は平成7年8月1日から移動バスにより巡回支給業務を開始いたしました。支給場所は,日進町の福祉センターと市立体育館裏の駐車場の2ヵ所でございます。パン券支給バス借上委託費につきましては,平成8年度決算額は1,224万円,平成9年度予算額は平成8年度決算額と同額でございます。平成10年度予算案は1,247万7,000円でございます。以上でございます。
◆栄居義則 委員
それから,健康福祉局長さんでございますが,私は別にお金を惜しんで申し上げていることではないわけでして,241億円といっても国が4分の3を負担するということになるわけですけれども,川崎市でも50億円程度負担をしている。あるいは路上生活者については2億円を超える予算を計上している。しかも,被保護者といいましょうか,受給をしている,受けている人たちが非常に高齢化をしている。やっぱりこの辺は対策として非常に難しい問題だというふうに思うんですけれども,できるだけきめ細かい対応をしていただいて,そして自立への道を促進していただく,確立していただく,こういうことしかないのではないか。国に定められたそうした人間の生存権といいましょうか,憲法で保障された生存権,こういうものも一方にはあるわけですから,軽率なことはできないというふうに思いますので,そういう意味では,ぜひ私はそうしたきめ細かい自立策を検討していただきたい。
何か妙案があるのかとかいろんな話を事務レベルでお話ししましたけれども,特段これという決め手がないというのが実態だというふうに思いますし,私もその辺はよくわかっているつもりですが,いずれにしろ,こういう状態が野放しであっていいというふうには思えませんので,生活保護の問題についても,あるいは路上生活者の問題についても,もう少しきめ細かい行政の中で,自立への道をぜひ進めていただきたい。こういうことをお願いしておきますので,ちょっと私の考え方に対して局長のご見解をいただければありがたいと思います。
◎齋藤良夫
健康福祉局長 生活保護法によります被保護者世帯並びに野宿生活者についての再度のご質問でございますが,ご案内のとおり,生活保護法によります保護につきましては,法の精神,ルールに沿って適正にこれに対応しているところでございます。とりわけ,野宿生活者に対する抜本的対策といたしましては,居住の確保と就労の機会の確保が必要であると考えておりますが,居住問題につきましては,平成8年12月からビジネス旅館にベッド100床を借り上げまして,緊急一時宿泊援護事業として実施をしてきているところでございます。この事業につきましては,まずパン券支給所及び福祉事務所において相談を受けた者については,宿泊を必要と認められる者について援護をいたします。入浴や被服の提供を行いましてリフレッシュをさせているところでございます。しかしながら,厳しい雇用情勢等からほとんどの宿泊者が社会復帰に結びつかないのが大変難しい問題でございまして,抜本的対策の一つであります就労の問題につきましても解決が求められているところでございますので,今後,日々変わっております実態の状況を見ながら,十分検討してまいりたいと存じます。
いずれにいたしましても,この問題につきましては,野宿生活者一人一人の自立意欲が基本でございますので,パン券支給時等におきましてケース・バイ・ケースで,時には毅然とした態度をもって相談を徹底してまいります。ご質問にもございましたとおり,きめ細かい行政指導についても,今後,十分心得まして,行ってまいりたいと存じます。以上でございます。
平成 9年 決算審査特別委員会(一般会計・特別会計)−12月11日-06号
◆栄居義則 委員
10款の2項にあります自転車対策費でございますが,自転車等駐輪場保管場所についてお尋ねをいたします。
京浜急行高架下の駐輪場は2ヵ所ありますが,大変暗い。それから,夜間,路上生活者の人たちの宿泊施設になっている。夜8時過ぎて自転車をとりに行くと,特に若い女性あるいは学生などは非常に不快な思いをしている。極端な言い方をすれば,わいせつ物を陳列されているような,そういう機会にも遭遇するということで,私のところに3件ほどそういう苦情がありました。そういう意味で,暗いとかそういう管理の問題,そこらはどういうふうにお考えになっているのか。とりわけこれは有料施設でございますので,皆さんお金を払って自転車を置いているわけですから,そういう意味でもう少し対応をきちんとしていただきたいというふうに思いますが,ご見解を伺います。
◎松田優 建設局長
京急高架下駐輪場についてのご質問でございますが,現在,京浜急行高架下には,川崎駅日進町高架下自転車駐車場及び京急高架下自転車駐車場の2ヵ所がございます。これらの駐輪場の管理につきましては,朝6時半から夜8時まで管理員を配置して管理しておりますが,施設の利用が24時間可能となっておりますことから,管理面での問題が生じております。また,照明が暗いという利用者からのご意見もございましたので,照明器具の増設を図ってきたところでございますが,今後さらに管理体制の見直し等を含め,利用者の方が快適に利用していただくため,関係局及び関係機関と協議をしながら対策を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
平成 9年 第2回定例会−06月26日-08号
◆36番(栄居義則)
それから,川崎球場の問題でございますが,これは私の方で深夜貸し出しというふうに言っていますけれども,実は市立体育館の改築工事に伴いまして,路上生活者──ホームレスというふうにいうんでしょうか──年末年始越年事業について,地元の町内会のご理解を得て,川崎球場で昨年の暮れからことしの正月,そういう事業が行われたわけでございます。1月2日の未明から3日の早朝にかけまして,川崎球場はマラソンソフトボールということでテレビの収録にグラウンドを提供をされたわけでございまして,愚行というふうに申し上げておきたいと思うんです。そうでなくても地元の皆さんにとっては,何か問題が生じるのではないだろうかという,こういう不安を抱えていたわけでございますが,夜中に,これは観衆は入れていないということなんですけれども,どうしたことか,人が入っていないところで,選手以外には入っていないということでございますが,観衆の歓声といいましょうか,嬌声といいましょうか,そういう声が響いて,周辺の方々が夜中に川崎球場に押しかけて経緯の説明を求めたと,こういうことがございました。
いろいろ調べてみましたら,川崎球場では真夜中にグラウンドを使うことについては別段規制を持っていないようでございます。そういう意味では,これは所管をしている環境局長さんにこのあたりの経過をお尋ねをしておきたいというふうに思うんですが,せっかく周辺の方々の,町会の方々の理解を得てこういう年末年始のホームレスの事業が行われた,そういう地元の協力をある意味では逆なでするようなことがあったわけでございます。たまたま私が居合わせたということもあるんですけれども,町内会と民生局との話し合いのときに,たまたま私も引っ張り出されまして立会人みたいな形になった関係がございまして,殊さらこの問題については,こういうところで申し上げるのもどうかなというふうに思うんですが,申し上げざるを得ないというそういう立場で,しかも,その後の,その事業が終わった後に,たまたま私どもの同僚議員が2人ほど同席をされていましたけれども,そこの点についても,こういうことがあったと,こういう指摘をいただきました。一方,民生局からは,つつがなくそういう事業が遂行されましたよという,そういうご報告をいただいて,「えっ,話が違うじゃないか」というふうに思ったんですが,民生局の方では,そういうホームレスの対策事業はつつがなく進行したと。野球場の方は,別段特に問題があったというふうには思っていなかったようでございまして,そこらあたり,どうも何か食い違いが甚だし過ぎるのではないか。そういうことであえて,その後どこからもこうしたことについて問題が生じたという反省の弁がないものですから,あえて取り上げさせていただいたので,環境局長さん,経過について説明をいただきたいと思います。
◎環境局長(武田善伸)
まず,川崎球場の越年対策事業と並行して野球場を深夜使用したことについての経過についてでございますが,昨年12月30日から本年の1月3日までの間,年末年始越年対策事業として川崎球場の屋内練習場を提供いたしました。この事業は,従来,川崎市体育館で行っておりましたが,当体育館が改修工事に入ったために使用できないということで提供をしました。したがって,今回に限って株式会社川崎球場にお願いをしたものでございます。また,川崎球場といたしましては,市の緊急対策事業であり,また,人道上からも行政に協力をしたものと聞いております。
この越年事業と並行しまして,本年1月2日午後4時から翌日の3日の夕方午後6時まで,ご指摘のような,川崎球場を芸能人を中心としたマラソン野球ということで深夜を含めて長時間使用しております。このことにつきましては,川崎球場が市街地の住宅地区に位置することを考えますと,近隣の方々に対する配慮が欠けていたのではないかと反省をしております。近隣住民や町会に対しまして事前に十分な説明をし,ご理解を得るように努力をすべきではなかったかと存じます。今後このようなことがないように,株式会社川崎球場に対しまして指導を徹底してまいりたいというふうに存じます。
平成 8年 第3回定例会−10月02日-05号
◆36番(栄居義則)
それから,最後にホームレスの問題でございますが,これは請願も出されておりまして,そちらの方に触れないように私の方も質問させていただきたいというふうに思うのですが,これは松本清張の「無宿人別帳」という単行本がございまして,その中で無宿人別帳の由来について解説をされている中島誠さんという評論家が書いていることでございまして,これは,こういう表現をすることは適切ではないのですが,本に書いてあることですからちょっと読ませていただきたいと思うのですが。「どの辞書を引いても無宿とは人別帳から除かれた者のことにある。つまり,一定の住居や生業のない浮浪者というわけだが,誰しも好き好んでそんな境遇になるわけはなく,それぞれのいきさつがあった。」と,文章は途中で切れますが,「無宿者対策のため,天明の大飢饉の時分には無宿養育所をつくったり,寛政のころには人足寄せ場を設置して,鬼平犯科帳で名高い火つけ盗賊改方の長谷川平蔵にその管理を兼任させたりしたが,所詮根本的解決にはほど遠い。本気で無宿をなくそうとすれば,農村,農民に依拠する幕藩制の土台そのものに手をつけねばならず,それは徳川家の安泰を揺るがすことになる」と,その解説は言っているわけでございます。
当時もかなりこうした問題については頭を悩ませた。これは無宿ということでございまして,現在ではホームレスとか野宿生活者というふうに呼んでいますので,これはこの時代の使われた用語だというふうに理解をしていただいて,私はそうした人たちに無宿人だというふうに位置づけるつもりはございませんので,これは改めてきちんとお断りをしておきたいと思います。
そういう非常に根の深い問題が歴史の中ではあったという,そういう中で本市職員の方々も厳冬の中にもかかわらず,あるいは正月のときにも,また暑い盛りにも,どなられたり,いろいろと誹謗,中傷などもいただきながら,あるいは励まし,お世辞などもいただいているのかもしれませんが,大変な努力を続けられていることについては,私も議員の1人として十分に承知をしていますので,そうしたご苦労に心から敬意を表するわけでございますけれども,そうした方々の努力によって,一定程度の秩序に基づいて,いわば市民との共生を図ってくださっている野宿生活者の方々ももちろん大勢いらっしゃるわけでございますが,私どもたまたま卑近な話で恐縮でございますけれども,毎週月曜日,朝7時から8時まで駅前でその時々の課題などをお伝えをしているのですけれども,その折も,ある方は必ず私たちのそばにある自転車をきちんとそろえられて,そしてごみなどもとっていらっしゃって,これは毎日おやりになっているようでございまして,大変何か,こういう方ばかりだとありがたいなというふうに常々思っているわけでございますが,そういう方もいらっしゃるわけでございますが,また一方では大変見苦しいといいましょうか,そういう行為をされている方あるいは具体的に申し上げれば小田公園だとか渡田の緑道公園だとか,あるいは狭いトンネルといいましょうか,そういう地下道の中で時々あるいはラジオをかけて騒いだり,大声で夜中じゅう騒いでいたりというような,そういうひんしゅくを買っているような方々もいらっしゃるわけでございます。
そういう意味では,一定程度,市の果たしてきた役割というのは,私は認めた上で,やはりそうした野宿生活者の質の違いみたいなものについての対応というものを考えていく必要があるのではないだろうか,あるいは,そういう事象に遭遇したときに,住民の人たちはそれぞれ環境保全局――公園関係の所管に電話をしたり,民生局に電話したり,いろいろなところに連絡をとっているわけでありまして,なかなかどこへ連絡をしたらいいのか,どう対応したらいいのかわからないというようなところも,どうもあるようでございます。
したがって,私はそういうことが人権を侵害する行為であれば,そこらは考えを改めなければいけないというふうに思うのですけれども,やはり一定のところに電話をすればそれなりに行政側で処置をしていただける,そういうところを考える必要があるのではないだろうか,そうでないと,それぞれ所管で対応するのではもう限度があるような気がするわけでございますが,そこらの見解も伺っておきたいと思います。以上です。
◎民生局長(齊木敏雄)
ホームレス対策についてのご質問でございますが,ホームレスの中には公園や道路等,公共の場で酒盛りやごみを散らすなど迷惑を及ぼしている者がいることはご指摘のとおりでございます。これまでも,ホームレス問題につきましては,多くの局が関係いたしますので,それらの関係局長により会議を持って進めてきたところでございます。また,各所管局におきましては,苦情等の迷惑問題に対し,横の連携をとりながら指導を行ってきたところでございます。今後,所管局が実施している日常的なパトロールにつきましては,迷惑行為が著しい箇所に対し,取り締まり機関と連携をするなど指導を一層強化してまいりたいと存じます。
また,ホームレスに関する苦情の総合的な窓口あるいは対応方法等につきましては,さらに関係局と協議の上,検討してまいりたいと存じます。以上でございます。
◆36番(栄居義則)
時間が余りないものですから,ホームレスについてはよくわかりました。大変困っている方もいらっしゃいますし,また一方では,市民の中に溶け込もうと大変努力をされている野宿生活者もいらっしゃるわけですから,一概に一律でどうだというふうには申し上げられませんが,そろそろ何かそういう質的な対応があってもよろしいのではないだろうか,こういうふうに思いますので,ご指摘をさせていただきました。ありがとうございました。
平成 8年 第1回定例会−03月06日-03号
◆36番(栄居義則)
2番目に,いじめ,登校拒否,野宿生活者への暴力など子供を取り巻く課題は多く,特に人の生命を大切にする教育の推進が求められています。
民生局長ですが,野宿生活者への本市の対応ですが,予算では1億4,800万円の予算計上がなされ,宿泊施設の借り上げなどが検討されているようですが,今後健康管理,医療機関への対応など積極的,抜本的対応について伺います。
◎民生局長(齊木敏雄) 民生局関係のご質問にお答え申し上げます。
初めに,野宿生活者への対応についてのご質問でございますが,野宿生活者への対応につきましては,相談と援護という一貫した援助が必要でございます。まず初めに相談につきましては,現在パン券支給の巡回バスの中で行っておりますが,総合的な相談ができるような窓口の設置が必要と考えております。東京では台東区内に城北福祉センターを設置し,野宿生活者等の生活や医療等の相談に応じており,横浜におきましても同様に,中区にある寿生活館を中心に実施しているところでございます。
次に,野宿生活者が自立するためには,まず健康の維持回復が必要なことから,医療機関へ受診できるよう体制づくりや,野宿生活者が心身ともにリフレッシュできるようシャワー等が行えるような生活環境の整備や,被服や日用品等を提供するなどの援護を図ることにより,市民と共生できるような対策を検討してまいりたいと存じます。さらに,年末年始に実施しております越年対策につきましては,平成10年に開催される国体のための体育館の整備予定等を考慮しながら,実施方法につきまして早急に検討してまいりたいと存じます。
平成 8年 第1回定例会−03月08日-05号
◆57番(佐藤忠次)
次はホームレス対策でございます。川崎市は,進んでホームレス対策を進めてまいりましたが,現在までのホームレスの実態とその対策について,またその成果についても伺っておきます。
◎民生局長(齊木敏雄)
次に,野宿生活者についての幾つかのご質問でございますが,初めに野宿生活者の実態についてでございますが,依然として雇用環境は厳しい状況が続いており,JR川崎駅周辺,教育文化会館等の公共施設周辺,多摩川河川敷及び富士見公園等にかなりの数のホームレスが野宿をしている現状でございます。次に,その対策についてでございますが,平成6年7月から食糧の援護としてのパン券支給事業と生活相談等を開始し,日雇い仕事のなくなる年末年始の時期には,市体育館を宿泊所とする越年対策事業を行い,また昨年11月には健康診断も実施したところでございます。次に,成果についてでございますが,これらの事業実施の際の面接を通して自立を促進し,1日平均のパン券受給者数も昨年6月の813人を最高に,9月には528人,12月には467人となり,直近の2月には430人と減少している状況でございます。以上でございます。
◆57番(佐藤忠次)
民生局長ですけれども,ホームレスのことについてはわかりました。そこで,ホームレスで実は川崎の西口なんですけれども,西口の駅の下,西口の便所のあるところです。あそこに立派な小屋をつくって,ボール箱でお休みになっておられるわけですね。したがって,私ども苦情は夜遅く,ご婦人の方が――ご婦人というか女性ね子供ね,の方々が便所に行こうと思ってもあそこにいるので怖くて行けない,うち我慢して帰ってくる。もう1回駅上ってしてこなければいけないと,こういうことなんですね。ですからああいうところ,便所の前に,暗いところにいると私だってちょっと感じちゃうような感じですから,そういうところは何とか処理できないのかと,こういうことです。もう1つは,きのうの夕刻川崎市立体育館に行ったらホームレスが入り口でふとん敷いて寝ている。当日は,バスケットの練習日だということで市民が入っていくのですけれども,体育館の入り口に寝ているものだからなかなか入れない,入りにくいというようなことがあるようなんですね。そういうところは少なくとも遠慮してもらうと。あれだけ団体交渉やって立派なことを言うのですから,そういうことはぜひ守ってほしいというようなことも言うべきじゃないかと思いますが,ひとつこの辺についてお願いしたいと存じます。
◎民生局長(齊木敏雄)
野宿生活者対策についてのご質問でございますが,JR川崎駅西口公衆トイレ付近の野宿生活者につきましては,パン券受給者が少ないために,パン券支給相談窓口での指導が難しいところでございます。この対応につきましては,ただいまご指摘のございました体育館入り口での対応を含めまして,関係局及び関係機関と協議をしながら進めてまいりたいと存じます。以上でございます。
平成 7年 第6回定例会−11月28日-02号
◆29番(坂本茂)
次に,民生費の明るい町づくり対策費5,859万円,いわゆる野宿生活者対策事業費について伺います。まず5,859万円のうち4,859万円がパン券支給費と聞いておりますが,景気の低迷が依然として続いている中で,現在までのパン券の受給者の推移はどのような状況なのか伺います。また,パン券支給方法が循環方式になりましたが,その後の状況についても伺います。
次に,5,859万円のうち1,000万円が越年対策費と聞いておりますが,どのような内容で予定しているのか,昨年との比較とあわせて伺います。また,来年度以降,川崎市体育館が改修のため使用不可能と聞いておりますが,その対策についても伺います。
次に,依然として地域住民等に対する迷惑問題が発生しているようでありますが,ホームレスに対する啓蒙など本市の対応について伺います。さらに,我が党の調査によりますと,横浜市においてはホームレスのパン券支給などのきめ細かい相談を中福祉事務所で行い,東京都においては城北福祉センターで行っております。この事業は生活保護的な要素が多分に関連しておりますので,福祉事務所が対応しているものと聞いております。本市においても今後ホームレスへのパン券支給や生活保護,自立更生の道を探るなどの相談業務の実施方向について,要保護者の相談窓口となっている区の福祉事務所で対応するのが行政組織上もふさわしいと思われますが,その見解を伺います。
◎民生局長(齊木敏雄)
民生局関係のご質問にお答え申し上げます。
野宿生活者対策についての幾つかのご質問でございますが,初めに,パン券受給者の推移でございますが,この事業を開始した昨年7月におきましては,1日平均の来所者数は342人,最大では452人でございましたが,その後,増加傾向をたどり,本年6月には1日平均813人,最大では932人になりました。その後本年7月に,支給時間を従来の午前8時30分から午後4時までだったものを正午までに短縮した結果,1日平均558人,最大では681人となりました。さらに,8月にバスによる巡回支給方式に変更し,あわせて野宿生活者個々にパン券受給相談票の交付を行うなどの改善を図った結果,1日平均545人となり,直近の10月には1日平均499人と減少しております。
次に,越年対策の内容についてでございますが,昨年と同じく市体育館において実施いたしますが,期間につきましては昨年は12月29日から1月3日の正午まででございましたが,本年は1月3日の宿泊まで延長し,1月4日の朝8時までの実施を予定しております。入所人員は最大450名程度を予測しており,実施体制につきましては昨年同様,全庁の管理職により対応してまいります。
次に,来年度の越年対策事業の実施方法につきましては,今後,検討してまいりたいと思いますので,ご理解をいただきたいと存じます。
次に,住民等への迷惑問題についてでございますが,パン券支給所での面接の際にモラルの遵守を指導しているところでございます。しかしながら,このような中でも,まだまだ迷惑をかけている部分があり,この対策に苦慮しているところでございますが,引き続き努力してまいりたいと存じます。
次に,パン券支給等相談業務の実施体制についてでございますが,ご指摘のとおり,この事業は生活保護法による援護との関連性も深いことから,福祉事務所において一体的に実施することが望ましいと考えております。しかしながら,福祉事務所スペース等幾つかの課題がありますので,引き続き検討してまいりたいと存じます。
なお,現在は福祉事務所との連携を密にしながら,一体的な事業運営に努めているところでございます。以上でございます。
平成 7年 第6回定例会−11月29日-03号
◆58番(近藤正美)
次に議案第137号,平成7年度川崎市一般会計補正予算,歳出の民生費で野宿生活者対策事業費として5,859万円が計上されているが,内容を明らかにお示しください。あわせて,年末年始における市の対応が報道されておりますが,話し合いの経過とその対応について,さらに人道的立場で,野宿生活者に対して市として今まで対応してきた内容についても伺っておきます。
◎民生局長(齊木敏雄)
民生局関係のご質問にお答え申し上げます。
野宿生活者対策事業費に関しての幾つかのご質問でございますが,初めに,補正予算の内容についてでございますが,5,859万円のうち,1,000万円が越年対策費で,4,859万円がパン券支給事業費でございます。
越年対策事業についてでございますが,昨年と同様,市体育館で実施するものでございます。期間は12月29日から1月4日の午前8時までとしております。なお,野宿生活者とは,これまでに2回の話し合いを行っており,さらに期間の延長の要望も出されているところでございます。
次に,野宿生活者に対する市の対応についてでございますが,助役を長とする関係9局長会議において協議し,昨年7月から,人道的立場に立ち,緊急援護事業としてのパン券を支給するとともに,越年対策事業も実施し,あわせて生活相談等も行ってきたところでございます。また,これらの事業のほかに,野宿生活者に対する健康診断を実施するなどの対応を図ってまいりました。いずれにいたしましても,野宿生活者の自立を促進することが基本であると考えておりますので,今後,これらの対策について取り組んでまいりたいと存じます。以上でございます。
◆58番(近藤正美)
次に,野宿生活者の対策についてですが,体育館を開放し,昨年よりも1日延長して実施するとのことですが,食事等の内容については昨年と同じなのか,また,職員の対処人員はどれほどなのか,さらに期間の延長について要望があることからだんだんエスカレートして,体育館の市民利用に影響を及ぼすのではないかと思います。昨年,私の質問で,「別に特別な保護施設が必要である。また,その適用については,駅周辺でたむろしてお酒など飲んではならない。目に余る行為はしない。これらの条件で利用をさせるべきだ」とのことに対して,実情に合った施策について検討する旨のことでしたが,その点いかがですか,検討結果を伺っておきます。さらに,生活者の相談及び指導も行っていると思いますが,その成果についてはどうであってかも伺っておきます。また,市は人道的立場で対策を行い,自立の促進を基本と考えているようですが,市の考えどおりの自立をしている例はあるのか,さらに,1日660円のパン券支給を受けていることから,公共面で自主的な行為はあるのかも伺っておきます。
◎民生局長(齊木敏雄)
野宿生活者対策について幾つかのご質問でございますが,初めに,市の体育館を利用しての越年対策についてでございますが,食事につきましては昨年と同様,パン券を支給することを基本といたしております。ただし,1月1日,2日の両日はパン券指定店が休みとなりますので,弁当を支給することとしております。対応する職員の数につきましては延べ200人程度を予定しております。また,期間の延長による体育館利用者への影響についてでございますが,体育館の休館日の範囲で実施し,市民の方々の利用の妨げとならないよう配慮をいたしております。
次に,施設についてでございますが,現在,関係する部局において検討しているところでございます。次に生活相談指導についてでございますが,パン券受給者の多くが高齢者または病弱者であり,医療機関への受診や生活保護の受給へとつながっております。また,パン券受給者数の推移から判断しますと,就労へと結びつき自立している者もいると思われます。次に野宿生活者の公共に対する自主的な行為についてでございますが,これまでに新聞報道にもございましたが,多摩川河川敷での集団清掃やJR川崎駅周辺の清掃などの活動が行われております。以上でございます。
◆58番(近藤正美)
次に,野宿生活者の対策についてですが,先ほどの答弁で,既に健康診断を実施しているようですけれども,その実施した理由と,本市が対処しているような,このような健康診断を実施しているような都市といいますか,他都市はあるのか,さらにその経緯等についても伺っておきたいと思います。以上です。
◎民生局長(齊木敏雄)
野宿生活者の対策についてのご質問でございますが,健康診断の他都市におきます実施状況でございますが,近隣の東京につきましては野宿生活者の多い台東区や新宿区などで実施しており,横浜市につきましても同様に実施しているところでございます。本市におきましても,野宿生活者には病弱者及び高齢者が多く,医療機関への緊急受診が多々見られることから,本年11月に実施したところでございます。以上でございます。
平成 7年 第5回定例会−09月13日-03号
◆41番(潮田智信)
次は,ホームレス問題であります。この問題は再三議会で取り上げられた問題であります。まず,現在までのホームレスの実態を具体的にお示しください。さらにはアゼリア地下駐車場,川崎駅西口連絡通路の下や駅ビル等で寝泊まりしているホームレスの人たちの対策はどのようになっているのか,お示しください。また,現在パン券をバスで支給しているわけでありますが,その実態と問題点をお示しください。
◎民生局長(齊木敏雄)
民生局関係のご質問にお答え申し上げます。
ホームレス対策について幾つかのご質問でございますが,初めに,ホームレスの実態についてでございますが,本年6月15日に川崎駅周辺,多摩川河川敷,富士見公園周辺及び川崎区内の各公園の夜間実態調査を実施いたしましたところ,約400名のホームレスが確認されたところでございます。
次に,ホームレス対策についてでございますが,基本的な対策といたしましては,就労機会の確保と住居の確保が必要であると考えております。しかしながらバブル崩壊後の景気の低迷は続いており,雇用環境は依然として厳しい状況となっております。このような情勢のもとで,駅周辺で寝泊まりしているホームレスにつきましては,当面宿泊施設等の確保を行うことにより対処できるよう,他都市等の状況も調査しながら研究しているところでございます。
次に,バスによるパン券支給についてでございますが,この方法は本年8月1日より実施いたしたところでございます。これまでは専用の支給所を設置して実施しておりましたが,一地域に集中することによって,諸々の迷惑問題が地域住民から提起されました。これらの問題を解決する方策として,福祉センターと富士見公園の2ヵ所をバスで巡回する分散支給方式を開始いたしました。さらに,受給相談票の交付や支給時間を短縮するなどの改善を図り,実施しているところでございます。したがいまして現在のところ大きな問題は生じておりませんが,今後とも地域住民の皆様のご理解をいただきながら適正な事業実施に努めてまいりたいと存じます。以上でございます。
◆41番(潮田智信)
民生局長であります。ホームレスでありますが,一時は市内で900人以上のホームレスがいたと言われております。中には他都市から川崎市に来て,ちゃっかりパン券の支給を受けている人もいたということであります。それらが,支給時間の減少やアルコールのにおいもしくは飲んでいる人にはパン券を支給しないと,民生局も大変な努力はしていることは評価できると思います。まだまだ逆に迷惑をかけているホームレスもいるわけであります。そこで再度伺いますが,一般市民に迷惑をかけているホームレスがパン券の受給を受けているのかどうか,そこまで踏み込んで1度調査をしなければならないと思いますが,考えをお聞かせください
◎民生局長(齊木敏雄)
ホームレス対策についてのご質問でございますが,川崎駅周辺や公園等に寝泊まりしているホームレスの中には,道端で車座になって飲酒をしている者や,ごみを散らかすなど迷惑行為を行う者がいることはご指摘のとおりでございます。パン券支給時の面接の際には,地域住民に迷惑を及ぼさないようモラルの遵守を指導しているところでございます。しかしながら,パン券を受給していないホームレスも数多くおり,これらへの指導が行き届かない現状もございますので,今後この対策について検討課題としてまいりたいと存じます。ホームレス全体に対する対策につきましては,大都市共通の問題として,いずれの都市におきましても対策に苦慮をしているのが現状でございます。本市におきましても,東京,横浜等の近隣都市の状況についても調査しながら,関係局とも連携し,対策を検討してまいりたいというふうに存じます。以上でございます。
平成 7年 第5回定例会−10月04日-07号
◆10番(佐藤洋子)
次に,国勢調査に関連して数点伺います。前回の議会でも他の会派の議員の方が取り上げておられましたが,私自身も5年前の調査以降,さまざまな問題点が浮かび上がっているなというふうに思っています。まずプライバシー保護の観点から伺いますが,前回と同様,調査票の記入の仕方という水色の用紙が配られているわけですけれども,ここにはセロハンテープなどで封をして調査員にお渡ししていただいても結構ですということが書かれていますが,よく読まないと本当にちょっとわかりづらいところです。
そこで,前回,密封して出された件数ですね。それを区別,市全体の件数,まずそれぞれの密封率についてお伺いいたします。さらには郵送だとか持参により提出されたものについてもお伺いいたします。3点目として,苦情窓口が今回より設置されることになりましたけれども,設置については今回どのように取り組まれておりますか,伺います。
また,国の方針に沿って,ホームレスの調査をされていたということなんですが,日経新聞でも,総務長官が夜中に視察に行って,もめたという記事が載っておりました。やはりこの時間帯に調査をするということは,プライバシー保護の観点から非常に疑問を私自身も感じています。お考えを伺いたいと思います。それから,この調査によって,ホームレスに関する本市の施策に具体的にどう反映させていかれるのかも,あわせて伺っておきます。
◎総務局長(東山芳孝)
次に,住居不定者についての調査でございますが,国勢調査は国勢調査令によりまして,全国一斉に10月1日の午前零時を基準に実施することと決められておりますが,本市では住居不定者の生活実態を考慮しまして,9月30日の午後4時30分から調査を開始しまして,河川敷,公園,市役所周辺及び川崎駅周辺を調査し,10月1日午前零時過ぎに調査を終了いたしたところでございます。
なお,国勢調査の調査結果につきましては,総務庁からの公表を待ちまして,本市の計画や施策の基礎的資料として利用されるものでございます。以上でございます。
◆10番(佐藤洋子)
それから,ホームレースの調査については,その是非について,これから私たちもいろんな観点から検討をしていきたいと思いますので,実態として今回は受けとめておきます。以上です。