香川県


 さぬきフェスタ2005出展(店)団体一覧

野宿生活者支援の会・香川


 高松市


平成15年度 事務事業評価結果報告書(年次レポート)

ホームレス相談推進事業

関係機関と連携しながら,必要に応じて健康相談・健康診査の実施や寝袋・毛布・日用品等の支給を行い,ホームレスの自立を支援する。

相談日数(見込み) 1ケ月20日間の相談業務を開催する。240

相談件数および指導件数(見込み) 市内のホームレスに対して指導および相談に応じた件数 50


 高松市議会


【 平成18年第5回(12月)定例会-1213日−04号 】

33番(岩崎淳子君)

次に、高松市の生活保護行政についてお尋ねいたします。

 日弁連は、ことし10月に釧路において、「現代日本の貧困と生存権保障」というテーマで人権擁護大会を開催しました。この大会では、「貧困の連鎖を断ち切り、すべての人の尊厳に値する生存を実現することを求める決議」がなされております。そこでは、国及び自治体に、それを実現する責務があるとしております。また、生活保護の窓口で申請拒否などの違法な取り扱いが行われていることを批判しております。

 日弁連は、この人権擁護大会に向けて、幾つかの自治体の生活保護行政について調査を行い、その調査報告が大会報告書でなされております。これがその報告書です。(報告書を指し示す)北九州市などとともに高松市も調査対象となり、6月27日に日弁連の弁護士の調査団が訪れて、その調査結果と高松市の保護行政に対するコメントが、この報告書では記載されております。

 高松市への調査は、福祉事務所の人的構成や保護の開始・廃止の実績などとともに、警察官・元刑務官が保護課に配置されている問題、相談・申請時の第三者の同席問題について行われ、高松市の保護行政について次のような「考察」、イコール、コメントが行われております。その内容を幾つか紹介いたします。

 1、最長での4年で異動という制約の中で、ケースワーカーの専門性は十分に確保されていないのではないかという懸念がある。4年で異動させることに合理性があるのか疑問である。

 2、2001年に申請受理件数が大幅に減少しており、2000年の会計検査院に指摘を受けたことに対する過剰反応として過度の引き締めが行われた可能性がある。

 3、生活保護法で、申請から保護開始決定まで平均29.1日もかかっている現状は、14日以内に決定することが義務づけられている法の趣旨に照らして異常と言わざるを得ない。

 4、相談のみで終了し申請に至らなかった事案が保護の要件を満たしているのかどうか確認がなされておらず、本来であれば保護を受給できる人が申請に至らなかった事案も含まれているものと考えられる。積極的に保護の申請を促し、保護の要否判定を行うように転換すべきである。

 5、警察官・元刑務官の採用及び配置について、不正受給者に対する毅然とした対応を目的としているという説明と、これまでに職員が暴力や威圧的言動を受けた実例はないとの説明が矛盾しているのではないか。

 6、警察官及び元刑務官からの採用者は、社会福祉主事の資格を有さず、特別な研修を受けている事実も認められない。高松市において、警察官からの採用者については2001年から最近まで面接相談係に配置されて相談業務を行っていたこと、元刑務官からの採用者については、現在もなお面接相談係に配置されて相談業務を担当していることは、明らかに社会福祉法に違反するものであり、適切でない。

 7、万一の場合の毅然とした対応を想定して、すべての相談者への対応を警察官及び元刑務官からの採用者に担当させる理由を見出すのは困難である。2006年度は、県警の意向により、警察官からの採用者については面接相談係に配置しないことにしたとの説明であるが、県警の意向によるまでもなく、福祉事務所みずから、かかる判断をなすべきであったのではないか。

 8、元刑務官については、現在もなお面接相談係に配置されて相談業務に当たっているが、これについても、警察官からの採用者と同様に、面接相談係への配置を取りやめるべきではないか。

 以上が日弁連の高松市の保護行政に対する「考察」の内容です。これらの事項は、これまで私が議会で何度も訴えてきたことと共通するものがありますが、市当局は、この日弁連の指摘を真摯に受けとめ、保護行政の是正を行うべきであると私は考えます。

 以下、日弁連の調査結果及び、その考察を踏まえて、高松市の保護行政についてお尋ねしたいと思います。

 まず、今回の日弁連人権擁護大会での高松市保護行政に関する報告内容について、市当局はどのようにお考えなのでしょうか。基本的なお考えをお示しください。

 また、報告書の高松市部分の「考察」で指摘されている、今の述べた八つの各事項に関する見解を各項目ごとに明らかにしていただきたいと思います。

 2、警察官・元刑務官配置問題について。

 さて、日弁連の調査書でも批判されている警察官・元刑務官の福祉事務所配置ですが、この日弁連の報告書も踏まえて質問いたします。

 私がいたしました情報公開による資料ですけれども、ことし1月24日に市は県警に陳謝しておりますが、どのような理由によって陳謝したのでしょうか、明らかにしてください。また、県警は、福祉事務所へ派遣された警察官が派遣目的ではない業務に従事していたこととしていますが、当初から面接業務にはつかない約束であったのでしょうか。

 現在の協定内容についてお尋ねいたします。

 現在の体制での保護課への警察官配置はいつまで行われるのでしょうか。警察官派遣をやめることを考えておられないのでしょうか。

 次に、相談室への同席拒否問題についてお伺いいたします。

 高松市福祉事務所の面接室の入り口には、「保護申請の相談は、要保護者および生活保護法に定める申請権者に限らせていただきます」という掲示がされております。しかし、このように同席者を拒否することは保護申請者の権利を侵害することであり、正当な根拠もありませんから、すぐにやめるべきです。生活保護の申請に来る人は、生活に困り果て、申請に来るまでに1人で悩み、また、いろんな人に相談をしたりしています。そして、勇気を振り絞って、やっとの思いで福祉事務所の窓口にやってくるのです。多くの人は不安を持っており、また、生活が困窮したことで精神的にも疲れておりますし、ドメスティック・バイオレンスの被害者の方などもおられます。そのような方は、申請に同行してくれる人を信頼し、心の支えとしております。このように、生活保護の相談や申請の際に支援者が同行し、福祉事務所の面接担当と話しするときにも一緒にいてもらいたいと希望されることはよくあることです。そのような支援者の同席は、保護申請者が希望すれば当然認められるべきで、それを断る根拠はどこにもありませんし、同席を断ることは人権侵害です。

 厚生労働省も、この私の問い合わせに対して、本人の同意がある場合、福祉事務所が同席を拒否する法的根拠はないこと、本人が同席を了解しているにもかかわらず、同伴者がいるからという理由で保護申請の手続をさせないということはあり得ない。1人のときと同じように対応しなくてはいけないという見解を明らかにしております。しかし、それでも高松市は、これまでの市議会答弁などで、厚生労働省の考えは一般論であるとして、あくまで支援者等の同伴者の同席を拒否する考えを明らかにしています。

 また、市当局は、弁護士でも同席は認めないという説明を以前しておりましたが、日弁連の調査に対しては弁護士は認めていると、これまでの主張を一部改めるような考えを示しているようですが、これはこれまでの取り扱いを変更したということでしょうか。

 また、弁護士でなくても、本人の同意があれば同席が認められるのは当然のことで、本人が了解・希望すれば、支援者等について同席を認めるように取り扱いを変更すること、及び掲示の撤去をすること、その考えはないのでしょうか、お考えをお聞きしたいと思います。

4番目に、住居のない人の保護の適用についてお伺いいたします。

 ことし1月16日に放送された日本テレビ系列の「NNNドキュメント’06ニッポン貧困社会〜生活保護は助けない〜」の中で、保護の相談にやってきたホームレスの方に出向警察官が、生活保護を受けるんであったらホームレスではいかんわけじゃ。住所を言われんかったらいかん。信用をつくらなきゃいかん。人間いうのは信用を、今の状態ではとても役所の方は手助けしてあげる方法、すべがないなどと発言しているところが放映されておりました。高松市長は、2月8日付で提出した日本テレビに対する抗議文で、「ホームレスは居宅がなくても保護申請は可能であり、保護の開始決定時点で居宅を確保しておれば保護を適用できる」との考えを明らかにしております。また、実は、住所がないホームレスでも生活保護は受けられる。出向警察官は、そのことを隠し彼を追い返したという放送のナレーションに対して、「本市の保護の実施状況と異なるナレーションを流し」と、その抗議文で抗議しておられます。

 この抗議文の内容を見ますと、住居のない方は、保護申請はできるが、居宅を確保しなければ保護は適用できないという考えで、そのような運用を行っているようです。この点については、全国生活保護裁判連絡会から高松市長に出されている申入書でも触れられておりまして、生活保護裁判連絡会は、その取り扱いは生活保護法に反したものであるとの指摘を行っておられます。私も、保護の開始決定時点で居宅を確保しておれば保護を適用できる。すなわち、居宅を確保していなければ保護は適用できないという運用は生活保護法の趣旨に反したもので違法と考えますが、市のお考えをお聞かせください。

最後に、無料低額診療事業の実態及び指導についてお伺いいたします。

 社会福祉法第2条第3項第9号に規定されている無料低額診療事業は、生計困難者が経済的な理由で必要な医療を受ける機会を制限されないようにという趣旨で設けられたもので、厚生労働省の通知などで、さまざまな事業を行うことが定められております。また、国も、無保険の外国人やホームレスの方、人身売買被害者の方などについて、制度の活用を各種通知や基本計画などで示しております。生計困難になった方や収入が少ない方など、医療に困っている方について、これからも十分活用されるべきであると考えます。

 無料低額診療事業を行う医療機関は、全国で約250カ所ありますが、香川県では香川県済生会病院だけです。この事業の基準については、2001年7月23日の厚生労働省社会・援護局長通知、同日付の同局総務課長通知、19741221日付、厚生省社会局の課長通知──内翰などで示されております。しかし、この通知で示されている基準や運用が十分守られているのか疑問に思わざるを得ない事例の相談を受けましたので、その状況及び、その運用実績などについてお尋ねしたいと思います。

 最近5年間の無料診療券等の活用実績を明らかにしてください。

 また、券は、どこに置かれているのでしょうか。

P.152 ◎ 市長(増田昌三君)

次に、生活保護行政のうち、日弁連人権擁護大会での調査報告に対する考えでございますが、本年10月開催の日弁連人権擁護大会シンポジウムの基調報告の中で、分科会実行委員会が調査し考察したもので、今後の保護行政運営の参考にしてまいりたいと存じます。

 次に、「考察」の各事項に関する見解につきましては、生活保護法に基づき適切に対応しているところでございます。

 次に、警察官・元刑務官配置のうち、当初の取り決めと陳謝の理由でございますが、警察採用職員の主な業務は、処理困難ケースに係る市職員への指導助言等で、それに伴う面接相談も含まれておりましたが、困難ケース以外の面接相談も担当していた場合があったためでございます。

 次に、保護課への配置期間と派遣の考えでございますが、今後とも現在の体制で、保護の適正かつ円滑な運営に努めてまいりたいと存じます。

次に、住居のない人の保護の適用でございますが、生活保護法では、生活保護は居宅あるいは施設等で行うとしており、住居がない場合は、急迫した状況にあるときを除き、適用されないものでございます。

 なお、その他の件につきましては、関係部長から答弁いたしますので、よろしくお願いいたします。

P.154 ◎ 健康福祉部長(岡内須美子君)

次に、生活保護行政のうち、相談室への同席でございますが、公正・公平な保護の実施のため、必要でない第三者の同席は認めていないところであり、申請者の権利を侵害していないものと存じます。

 次に、弁護士同席の取り扱いでございますが、ケースにより、民生委員・保健師・母子自立支援員などの同席を認めており、弁護士も同様としております。

 次に、相談室への同席の取り扱い及び掲示でございますが、現在のところ、取り扱いの変更及び掲示の撤去は考えておりません。

 次に、香川県済生会病院における無料低額診療事業の実態及び指導でございますが、当該施設では無料診療券等は発行しておりませんが、生計困難者が診療を受けた際に、医療費の減免を申し出た場合、判定し、減免の措置をとっております。

 次に、無料健康相談は月3回開催しておりますが、利用者は、ほとんどおりません。

 次に、当該施設では、生計困難者を対象とする診療費の減免方法を定めて明示しております。

 次に、保護受給者及び減免を受けた者の割合は、平成17年度患者総数の6.5%で、このうち、減免患者数は4,833人でございます。

 次に、医療ソーシャルワーカーは1名配置し、専用室を設けております。

 次に、制度の周知方法は、厚生労働省の通知内容を踏まえ適切に対応してまいりたいと存じます。

 次に、事業の実施内容は、診療費の減免、無料の健康診断、夜間・休日診療、離島等への診療班の派遣などでございます。

 次に、厚生労働省通知に関して、当該施設の平成17年度の実績は、おおむね基準を満たしておりますが、無料低額診療の患者割合は、基準を満たしておりません。今後、実施状況を調査し、適切に指導してまいりたいと存じます。御理解賜りたいと存じます。


 【 平成18年第1回( 3月)定例会-0308日−03号 】

51番(多田久幸君)

さて、高松市の保護行政については2000年の会計検査院監査により不正受給問題が発生し、2001年度から、窓口の面接対応に警察官が配置されてから生活保護申請件数が激減しました。そして、市民から高松市の生活保護対応に対する不満の声が出ています。

 さらに、高松市の保護行政について、1月16日放映の「NNNドキュメント'06ニッポン貧困社会〜生活保護は助けない〜」、全国ネットでショッキングな内容が報道されました。この問題については、高松市は2月8日、日本テレビに対し、ドキュメンタリー番組で生活保護行政を歪曲され、市の信用を失墜させたとして抗議文を送りました。

 一方、高松市の抗議文に対し、香川大学の助教授2人が2月21日、番組で放映された市の対応は生活保護申請の権利を不当に制限していると抗議文を提出しました。さらに2人は、申請した年月日や申請に至った経緯を抗議書や高松市のホームページに記載したことが高松市個人情報保護条例に違反していると訴えました。高松市は、個人情報については条例違反に抵触のおそれがあると判断し、抗議文をホームページから削除しました。生活保護法違反については、市は正当な職務を行っていると反論しているとの新聞報道がされていました。

 そこで、以下、何点かについてお尋ねします。

 第1点、申請書を窓口に置くことについてであります。

 全国では、申請書を役所の窓口に置くようになった自治体は195自治体に上っています。高松市においても申請書を窓口に置くべきであると考えます。考えをお聞かせください。置かないのであれば、その理由をお聞かせください。

 第2点、申請に当たって、警察官・刑務官のOBを面接相談係として配置しています。高松市当局は、出向警察官ではなく、高松市採用の警察採用職員であると強弁していますが、再び県の警察官に復帰することになり、実質的には警察官そのものであります。面接に警察官・刑務官OBを同席させているケースの基準をお示しください。また、全部のケースに同席させているのであれば、その理由を明らかにしてください。

 高松市当局は、暴力団が介在した不正受給や職員への不当な行為が発生することを防ぐためと説明していますが、むしろ真に生活保護が必要な人が排除される危険性の方が大きいと考えられます。NNNドキュメントでも、高松市では、現職警察官が生活保護の面接をしているとの印象を全国の視聴者に与え、高松市のイメージダウンになりました。市民の信頼を回復するためにも、面接相談係として警察官・刑務官OBを配置することを見直し廃止するべきだと考えます。御所見をお聞かせください。

 次に、保護費支給までの期間についてであります。

 1、申請書の受理から決定までは平均何日かかっているのか、お示しください。

 2、保護決定から支給開始までは平均何日かかっているのか、お示しください。

 3、保護申請時には、半月分の所持金しか認められていません。保護費支給が申請から1カ月あるいは1カ月以上になるケースがあります。保護費支給開始までの生活はどのようにして保障されるのか、制度の種類と内容をお示しください。

 次に、住居がない者──ホームレスの生活保護についてであります。

 住居がなくても生活保護が受けられるのかどうかについてお聞かせください。

 NNNドキュメントでは、高松市の窓口の職員がホームレスに対し、生活保護を受けるんであったら住所を言わなかったらいかん。人間というのは信用をつけないといかんと発言しています。ホームレスでも保護申請が可能であるのに、なぜ、このような番組放映になったのか、その理由をお示しください。また、香川大学の助教授の2人の、これらの発言が生活保護法に違反しているとの抗議をどう受けとめるのか、御所見をお聞かせください。

 次に、保護申請に当たって、ケースワーカーなどの福祉専門職の同席を認めるべきであります。御所見をお聞かせください。また、同席を認めないのであれば、その理由をお聞かせください。

 次に、福祉担当者の業務評価についてであります。

 1、申請者からの福祉担当者へのクレームに対応する仕組みをお示しください。

 2、担当者1人当たり何人のケースを受け持っているのか、お示しください。

 次に、保護決定の条件についてであります。

 自営業の場合、所得が認定できないので却下されるのかどうか、お示しください。

 働く上で自家用車が必要な場合であっても所有は認められないのかどうか、お示しください。また、認められないのであれば、その理由をお聞かせください。

P.107 ◎ 市長(増田昌三君)

次に、生活保護行政のうち、申請書を窓口に置くことでございますが、生活保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産・能力その他あらゆるものを活用することを要件に実施されるものでありますことから、保護の相談に来られた方に、保護の受給要件や権利義務を十分説明し、保護の申請意思を確認した上で申請書を渡しているところでございます。

 次に、申請時の面接に警察官・刑務官OBを同席させる基準でございますが、同席しているのは、すべてのケースではなく、保護申請の大半と、不当行為や不正受給等により対応が困難なケースでございます。

 次に、面接相談係として警察官・刑務官OBの配置を廃止することでございますが、職員への不当行為や不正受給等の対応のため配置しているもので、今後とも現在の体制で保護行政の適正かつ円滑な実施に努めてまいりたいと存じます。

 次に、住居がなくても生活保護が受けられるかでございますが、ホームレスの場合、居宅がなくても保護申請は可能で、居宅を確保した時点で保護制度を適用しております。

 次に、このような番組放映になった理由でございますが、当該番組の中の発言は相談時の会話の一部で、福祉事務所の許可なく無断で録音され、ホームレスは居宅がなくても保護申請は可能であり、開始決定時点で居宅を確保しておれば保護を適用できるという発言を省いて編集されたものでございます。

 また、香川大学助教授の抗議の受けとめでございますが、当該番組の中の発言は、ただいま申し上げましたように、相談時の会話の一部であり、本市ではホームレスの保護適用を初め生活保護行政を適正に実施しておりまして、生活保護法に違反しているとの指摘は当たらないものと存じます。

 次に、保護申請時に福祉専門職の同席を認めることでございますが、第三者の不要な介在、不当な圧力をなくし、客観的に公正・公平な保護業務が行えるよう、法に定める申請権者に限定しているもので、必要に応じて民生委員・保健師・母子自立支援員などの同席を認めているところでございます。

 次に、申請者からの福祉担当者へのクレームに対応する仕組みでございますが、担当者からクレームの報告を受けた場合は、福祉事務所で、その内容を把握・検討した後、申請者に対して制度等を十分説明し理解を求めているところでございます。

 次に、自営業の所得の認定でございますが、申請者の税申告を初め福祉事務所の聞き取りや調査により、事業の種類・規模や収入・必要経費などを把握し、適正な収入認定を行い、保護の要否を決定しております。

 次に、自家用車が必要な場合の容認でございますが、国の基準では最低限度の生活の維持のため、自動車の保有や使用は認められておりませんが、身体障害者が通勤困難な場合や、山間僻地等、地理的条件などが悪い地域に居住する者が通勤する場合などは容認しております。

◎健康福祉部長(岡内須美子君) 51番多田議員の代表質問にお答え申し上げます。

 生活保護行政のうち、申請書の受理から保護決定までの日数でございますが、平均29でございます。

 次に、保護決定から支給開始までの日数でございますが、保護費支給日の関係から平均8日でございます。

 次に、保護費支給開始までの生活の保障でございますが、保護の決定につきましては、申請のあった日から14日以内に行うよう努めており、扶養義務者や資産収入状況の調査等に日数を要する場合もありますが、今後とも速やかな保護決定に努めてまいりたいと存じます。

 なお、手持ち金の保有容認額について、国に見直しの要望を行ったところでございます。

 また、生活を保障する制度の種類と内容につきましては、緊急時の一時貸付制度として助け合い金庫がございます。

 次に、担当者1人当たりの受持ち世帯数でございますが、平均約100世帯でございまして、今後の保護の動向を見きわめる中で適正な配置に努めてまいりたいと存じます。御理解賜りたいと存じます。


 【 平成16年第5回(12月)定例会-1210日−04号 】

25番(岩崎淳子君)

また、野宿生活者に対する雇用の確保に取り組む考えについてお聞かせください。

 ホームレスの自立の支援等に関する基本方針の第3、ホームレスに対する医療の確保を図るため、医師法第19条第1項または歯科医師法第19条第1項に規定する、医師または歯科医師の診療に応じる義務について、改めて周知に努め、また、無料低額診療事業を行う施設の積極的な活用を図るとともに、病気等により急迫した状態にある者及び要保護者が医療機関に緊急搬送された場合については生活保護の適用を行うとあります。

 そこで、お尋ねいたします。

 診療に応じる義務についての周知はどのようにしているのでしょうか。

 また、病院と保護課ケースワーカーとの連携についてのお考えをお聞かせください。

 また、無料低額診療事業を行う施設の積極的な活用はどのようにして図っているのでしょうか。

 保護決定しなければ医療行為が受けられないかのような説明をしている対応がありますが、このことについて御見解をお伺いいたします。

 また、野宿生活者が検診命令を受けた結果、保護決定にならなかった事例数についてお示しください。

 検診命令による検診は、市民病院だけではなく、無料低額診療施設である済生会病院や中央病院・日赤でも可能でしょうか。

P.1356 ◎ 市長(増田昌三君)

次に、野宿生活者に対する雇用の確保でございますが、国・県などの動向を踏まえる中で研究してまいりたいと考えております。

 次に、医師または歯科医師の診療に応じる義務についての周知でございますが、診療が必要と思われる場合には、病院等に対し説明するなど、適時適切に周知を行っております。

 次に、病院と保護課ケースワーカーの連携でございますが、保護の申請があった場合、各種調査を行う中で要否を決定し、保護開始時には申請日にさかのぼって医療扶助を行っており、この間、病院とは適切に連携しております。

 次に、無料低額診療事業を行う施設の積極的活用の取り組みでございますが、社会情勢等の変化に伴い、無料低額診療事業の必要性が薄れ、国において抑制方針がとられていることを踏まえ、新たな取り組みは考えておりません。

 次に、保護決定しなければ医療行為が受けられないことでございますが、要保護者に対しては制度内容について適時適切に説明しております。

◎健康福祉部長(岡内須美子君) 25番岩崎議員の御質問にお答え申し上げます。

 生活保護制度のうち、野宿生活者が検診命令を受けた結果、保護決定にならなかった事例数でございますが、保護申請を受けて検診命令を発行した者のうち、保護の要件を満たさなかった件数は2件でございます。

 次に、市民病院だけでなく、無料低額診療施設や中央病院・日赤での検診でございますが、要保護者の疾病の状況等によりますが、指定の公的医療機関であれば可能でございます。


 【 平成16年第3回( 6月)定例会-0618日−04号 】

次に、多重債務者対策についてお尋ねいたします。

 借金から逃れるために、野宿生活者になることを余儀なくされる方も少なくないと聞いております。資産保有の厳格な調査はあっても、借金についての調査が少なく、資産保有を認めないため、身ぐるみはがされた状態でしか保護の対象にしてもらえないという実態もあります。負債整理への指導・援助がなく、負債整理のために働くので、不正受給の温床となっているとも聞いております。

 そこで、お尋ねいたします。

 保護受給者のうち、多重債務者あるいは債務者の数をお示しください。

 また、多重債務者の相談をどのようにしておられるでしょうか、お示しください。

 また、夜間や休日の保護申請はどのようにしたら可能でしょうか、お示しください。

 住居の有無──住居のあるなしは保護の要件ではないということは、法律上、明らかであったはずです。厚生労働省の通知にもかかわらず、全国で、いまだに住所がなければ保護申請はできないとされています。そうした対応が、まだ至るところで起こっております。しかし、本年、高松市では公園に起居し、住所がない状態からの保護申請ができました。いわゆる野宿状態から保護申請ができたわけです。これは画期的なことだと、私は評価いたします。

 そこで、お尋ねいたします。〔「住所ないもん全部引っ張ったら、全部集まってきたらどななるんな」と呼ぶ者あり〕これは法律で示されたことですので、法は守っていただきたいと思いますよ。厚生労働省が、このことについては再三指導しており、生活保護法をお読みくださればおわかりになるかと思いますが。

 住居がない状態で、野宿者の申請件数、及び野宿状態での保護決定件数についてお示しください。

 生存する権利──生きる権利を保障しているという生活保護法に基づいて、住所は要件になっておりません。

 以上で私の質問を終わらせていただきます。

P.801 ◎ 健康福祉部長(岡内須美子君)

次に、生活保護行政のうち、生活保護受給者のうち、多重債務者あるいは債務者の数でございますが、多重債務者及び債務者の数は、いずれも把握しておりません。

 次に、多重債務者の相談でございますが、財団法人 法律扶助協会での相談や、本市が行っている弁護士相談の活用を促すなど、負債問題解決への指導・助言に努めているところでございます。

 次に、夜間・休日の保護申請はどのようにしたら可能かでございますが、保護申請は、直接、相談者本人と面談の上、その心情や立場を配慮しながら、生活実態や健康状態など、さまざまな事情をお聞きする中で、申請意思を確認する必要がございますことから、基本的には執務時間内に受け付けしているところでございますが、急病等により入院したときなど、真にやむを得ない事情があったことが立証される場合には、夜間・休日でも入院した日にさかのぼって保護申請を受け付けております。

 次に、野宿者の申請件数、及び野宿状態での保護決定数でございますが、公園等を居所として保護申請を受け付けたホームレスの件数は、現在のところ11件でございまして、このうち、取り下げの1件を除いた10件を居宅の確保により保護決定しておりまして、住居がない状態での保護決定はございません。御理解賜りたいと存じます。


 【 平成16年第1回( 3月)定例会-0304日−01号 】

市長(増田昌三君)

次に、「地域福祉の向上」につきましては、障害者や高齢者に係る新たな計画を着実に推進するとともに、市民との協働による、地域福祉に関する事項を一体的に定める地域福祉計画を策定するのを初め、新たにホームレスの自立に対し支援するほか、民生委員・児童委員、福祉関係団体等の活動を支援し、福祉活動の充実を図るとともに、総合福祉会館の効率的な管理運営などに努めてまいりたいと存じます。


 【 平成16年第1回( 3月)定例会-0312日−05号 】

     15番(宮本和人君)

次に、ホームレスの自立支援についてお尋ねいたします。

 ホームレスを取り巻く環境の変化は、経済情勢の悪化で、不況によるリストラや家族関係の崩壊など、さまざまな要因でホームレスを余儀なくされている人が、平成13年の調査では全国で2万4,090人、平成15年の調査では2万5,296人と約1,200人増加しており、今後も厳しい経済情勢の中、増加傾向にあり、平成14年8月に施行されたホームレスの自立の支援等に関する特別措置法に基づく、ホームレスの自立の支援等に関する基本方針では、国または地方公共団体の責務として、地方の実情に応じた施策の策定及び実施を位置づけ、地方公共団体においては、必要があると認められるときに、ホームレスに関する問題の実情に応じた施策を実施するための計画を策定しなければならないとされております。

 そこで、香川県におけるホームレスの実態を調べてみますと、平成13年は95人、平成15年では46人となっており、約50人減少していました。一方、高松市では平成13年は72人でしたが、平成15年には22人と50人減少しており、県下の減少人数が高松市の減少人員でありました。このことは、高松市の生活保護などの福祉施策の成果と私は評価しております。

 このような状況のもと、本定例会に提案された一般会計予算案に、ホームレス自立支援費として615,000円が計上されております。私は、ホームレスを余儀なくされている人たちの健康問題や寒い路上生活環境を考えると、自立支援策は必要であると思いますが、その実施の方法については十分検討されなければならないと思います。ホームレスの人たちは、アルコール依存症の方や、人とのかかわりを持ちたくない方など、実に、さまざまな人生観があると仄聞しております。

 そこで、お伺いいたします。

 支援には、物品による支援や就業相談、身体の健康問題や心の相談など、さまざまであろうと思います。支援の仕方によっては、他の市町からの流入によるホームレスの増加も懸念されることから慎重を期すべきであり、巡回による相談活動に力点を置いた自立支援策を行うべきだと思いますが、お考えをお示しください。

     市長(増田昌三君)

次に、ホームレスの増加を招かない、相談活動に力点を置いた支援策でございますが、厳しい社会経済情勢等を反映してホームレスの増加が全国的に大きな社会問題となっておりますことから、国は一昨年、ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法を制定したところでございまして、各地方公共団体におけるホームレスの実情に応じた施策の実施が求められております。

 本市におけるホームレスの概数は、昨年と、ほぼ同数の状況で推移しておりまして、ただいまのところ、自立支援施設等の特別な対策を講じる必要はないものと考えておりますが、ホームレス個々の状況を把握する必要もございますので、新年度からホームレスに対する相談事業を実施することとしております。その際、栄養や健康状態が著しく悪化しているホームレスにつきまして、安全衛生上、真に必要と認める場合に医療受診等の支援を行うこととしておりますが、これは緊急一時的な措置であり、今後とも本市におけるホームレスが増加することのないよう留意しながら、適切な対応に心がけてまいりたいと存じます。

P.269 ◆ 17番(竹内俊彦君)

最後に、3点目として、春日川河口砂浜の国土地理院への地名作成の申請についてお伺いいたします。

 この砂浜については、私が昨年6月定例会において、荒廃がひどいので環境保全と美化に努めていただきたい旨の質問をし、その後、管理者である県への申し入れが功を奏して、荒れ放題の原因であった、ごみ・野犬・ホームレスは姿を消し、さらに、本市のパトロール等によって本来の美しい姿を取り戻したということで、この点では質問の、かいがあったものと喜んでおります。


  平成16年第1回( 3月)定例会-0323日−07号 】

次に、さきの本会議の質疑でも取り上げられましたホームレス自立支援費615,000円について、委員からは、その支援内容や方法等についてただす発言があり、当局からは、ホームレスの医療受診等の支援及び食料・日用品等の支給を行うことを内容としており、平成16年度から行うホームレスに対する相談事業の中で、あくまでも緊急一時的に措置するものであるとの答弁がありました。

 これを受けて他の委員からは、ホームレスの支援策としては、まず、実態把握を行うための相談機能の充実に重点を置くべきであり、ホームレスの増加を招かないという視点と、自立支援を促す意味から慎重な対応を要望する発言がありました。


 【 平成15年第6回(12月)定例会-1212日−04号 】

25番(岩崎淳子君)

次に、野宿生活者の支援についてお尋ねいたします。

 厳しい経済情勢のもと、職や住居を失い、路上生活を余儀なくされている人がふえています。私たちの日常生活の、すぐ隣の公園で、駅前で、頼れる人もなく、路上死や襲撃死といった死と隣り合わせの日々を送っている人がいます。切実な相談が日々寄せられています。仕事を探しても、連絡先のない人に、その見込みは少なく、生活保護の相談に行っても、住所のない人に保護はできないといって断られるのが現状なのです。

 9月にも、次のような胸の痛む出来事がありました。借金を苦に東尋坊で自殺をしようとした男女が警察署員に保護され再出発を誓った。その帰途、野宿に疲れ施設への保護を求めて数カ所の役所を訪ねたが、死ぬならどうぞと言われたり、冷たい扱いを受け自殺をしたという事件があり、報道されました。憲法第25条において、すべての人に生存権があり、そして国に、その生存権を保障する義務があることを明らかにしています。

 国際人権規約には、十分な住居に対する規約として、すべての人は、自己と、その家族のための適切な食糧・衣類・住居を内容とする適切な生活水準について、並びに生活条件の不断の改善について、すべての権利を有するとあります。1996年の第2回国連人間居住会議において、居住の権利として、すべての人々の居住権保障や占拠者排除禁止が明記されました。野宿者に、人としての尊厳を傷つけることなく維持し続けられる生活・制度を保障することが求められています。

 2002年8月に制定されたホームレスの自立の支援等に関する特別措置法第8条第1項の規定に基づき、本年7月31日付厚生労働省・国土交通省告示第1号をもって、ホームレスの自立の支援等に関する基本方針が定められ、同日、ホームレスに対する生活保護の適用について通知がなされました。基本的な考え方として、「ホームレスに対する生活保護の適用に当たっては、居住地がないことや稼働能力があることのみをもって保護の要件に欠けるものでないことに留意し、生活保護を適正に実施する」とあります。このことについて、市の見解を伺います。

 また、基本方針について、職員に周知徹底を図っているのでしょうか、お伺いいたします。

 また、野宿者の人権についてはどのように考えておられるでしょうか、お示しください。

 実施通知には、基本方針の留意点として「保護施設等を退所した者及び必要な治療を終え医療機関から退院した者については、公営住宅等を活用することにより居宅において保護を行うこと」とあります。また、基本方針には、「地域社会の中で自立した日常生活を営むことが可能となったホームレスに対して、住居への入居の支援等により、安定した居住の場所を確保することが必要である。このためには、国、地方公共団体等が連携した上で、地域の実情を踏まえつつ、公営住宅及び民間賃貸住宅を通じた施策の展開を図ることが重要である」「公営住宅の事業主体である地方公共団体において、単身入居や優先入居の制度の活用等に配慮する」とあります。

 そこで、お尋ねいたします。

 真に住宅に困っている人に対して、保護行政の中で公営住宅を活用する考えについてお聞かせください。

 また、基本方針・実施通知の説明会資料には、「なお、居宅の確保に当たっては、基本方針において、安定した居住の場所の確保について諸施策が講じられることとなっていることに留意し、関係部局との連携を密にする必要がある」とありますが、住宅課との連携は、現在どのように図っているのでしょうか。

 また、民間賃貸住宅を通じた施策の展開は図られているのでしょうか、お聞かせください。

 ホームレスに対する生活保護の適用について、実施機関における取り組みとして、都道府県及び市町村は必要に応じ、基本方針に即し、ホームレスに関する問題の実情に応じた施策を実施するための計画を策定しなければならないこととされていますが、計画を策定しているでしょうか。

 また、基本方針第3の2(9)「地域における生活環境の改善に関する事項について」は、公共施設の適正な利用が妨げられているときは、当該施設の適正な利用を確保するために、福祉部局等と連絡調整し、ホームレスの自立の支援等に関する施策との連携を図りつつ、初めて適正な利用に関する措置を講ずることとしています。つまり、自立の支援策を実施しないで物件撤去や監督処分をしてはならないということですが、公共施設管理者にはどのように周知しているでしょうか。

P.1518 ◎ 市長(増田昌三君)

次に、野宿生活者の支援のうち、生活保護の適用についての見解でございますが、国の基本方針のとおり、ホームレスに対する生活保護の適用は一般のものと同様であると解しております。

 次に、基本方針を職員に周知徹底しているかでございますが、この基本方針はもとより、生活保護に関する国・県からの通知などは、その都度、速やかに周知徹底しているところでございます。

 次に、野宿者の人権についての考えでございますが、国の基本方針が示すように、ホームレスを含め、すべての人々の人権が守られなければならないと存じております。

 次に、保護行政の中で公営住宅を活用する考えでございますが、国の基本方針に即し、公営住宅の活用に配慮しているところでございます。

 次に、住宅課との連携でございますが、市営住宅の活用を図るため、入居条件や空き住宅の状況を確認するなど、保護課と住宅課が連携を図っているところでございます。

 次に、民間賃貸住宅を通じた施策の展開でございますが、他都市の状況等を踏まえながら、国の基本方針に即した方策を研究してまいりたいと存じます。

 次に、実施計画を策定しているかでございますが、ただいまのところ策定しておりませんが、市の計画は、国の基本方針のほか、県の実施計画にも即して策定する必要がありますことから、今後、県の策定動向を見きわめてまいりたいと存じます。

 次に、公共施設管理者への周知でございますが、本市では、関係各課による勉強会を開催し、ホームレスの滞留等に関する情報交換を行うとともに、人権にも配慮しつつ適正な施設の管理を行うよう周知しているところでございます。

P.1526 ◆ 25番(岩崎淳子君)

まず1点目、野宿者支援の件ですけれども、2番の(7)ホームレスに関する問題の実情に応じた施策を実施するための計画を策定しているでしょうかということの私の質問に対しまして、県の実施計画の策定動向を見て検討したいとのお答えでした。昨日の県議会一般質問において、県議会の方で、このように県の方が答えておられます。地域に根差した、きめ細やかな施策を必要とするホームレス対策は、本来、市町が中心となって実施すべきでありますので、今後、市町とも協議しながら検討してまいりたい。今後、ホームレスの、より詳細な実態を把握するため、市町や民間団体とも連携しながら、まずは面接調査等を行い、その結果に基づいて対策の必要性について検討してまいりたいと、このように県では積極的な姿勢で答えておられました。

 先ほど、県の実施計画の策定動向を見きわめたいということでありましたけれども、市町が中心となってするのだと、このように県は申しております。また、高松市は中核市でもあります。そういう実施主体でもありますので、積極的に検討していただきたい。生活相談は、福祉・住宅・教育、そして女性問題、多岐にわたってかかわります。他の機関との連携が本当に、これは必要なところで、かなめとなるところです。そこが保護課でありケースワーカーの仕事であるはずです。市として積極的な対応が必要ではなかろうかと、かように思いますけれども、この件について質問をさせていただきます。

◎市長(増田昌三君) 25番岩崎議員の再質問にお答え申し上げます。

 野宿生活者の支援のうち、実施計画を策定しているかにつきましては、先ほどもお答え申し上げましたように、市の計画は、国の基本方針のほか、県の実施計画に即しても策定する必要がありますことから、今後、県の策定動向を見きわめてまいりたいと存じます。


 【 平成15年第3回( 6月)定例会-0703日−05号 】

P.765 ◆ 17番(竹内俊彦君)

この干潟の一部である通称春日浜を取り上げて、その環境保全及び美化について質問させていただくのは、5月に掲載された新聞記事により、東部下水処理場北側にある約300メートルほどの砂浜が、空き缶やペットボトルなどの漂着ごみや、家電製品・建設廃材などの不法投棄した、ごみのために荒れ放題になっている。また、野犬が走り回るなど、小学校では児童の出入りを禁じているほどだと報道されたからです。

 それでは、とても環境が保全されている、美化が保たれているとは言えません。このことを確認するため、最近、現場に赴いた私自身の感想も、新聞報道を契機に、ごみ回収のみは行っていましたが、住みついたホームレスや多くの野犬のため、市民が干潟観察や憩いの場として利用できるような状況ではないと感じました。管理者である県が、今検討を進めている水環境保全税を財源とする事業には、干潟の自然浄化機能の維持向上や水辺の美化などを例示していますが、通称春日浜に環境保全の措置をとっていないからこそ、荒れたまま放置されることになったのではないでしょうか。

P.771 ◎ 市長(増田昌三君)

御指摘の、通称春日浜の状況でございますが、漂着ごみや不法投棄等の問題が先般、新聞報道されたことから、県において、その回収処理が行われるとともに、ホームレスや野犬につきましても、6月末までに立ち退き等が確認されております。また、残存廃棄物等につきましても、近々、県が処分すると聞いております。

 本市にとりまして、市街地に隣接した貴重な、この干潟一帯の環境保全は重要でございますことから、県に対し、今後も引き続き、適切な対応をされるよう要望してまいりますとともに、市といたしましても、適宜パトロール等を行い、自然環境の保全に努めてまいりたいと存じます。


【 平成15年第1回( 3月)定例会-0312日−04号 】

次に、路上生活者の調査についてお尋ねいたします。

 路上生活者自立支援法施行後、国の一斉調査が全国の市町村で始まっていますが、高松市ではどのような調査をしているでしょうか。調査結果の公表についてお聞かせください。

 また、健康相談や生活相談をしておられますか。夜間調査はしておられますか。また、調査は何日間したのでしょうか。

 社会資源の提供や関係機関との連携等、路上生活者に対する自立支援策についてはどのように考えておられるのでしょうか。

市長(増田昌三君)

次に、路上生活者の調査のうち、一斉調査結果の公表でございますが、このたびの調査は全国一斉調査として、国が都道府県に委託して実施したもので、本市では県からの協力依頼を受け、国の実施要領に基づき巡回・目視による概数調査を行ったものでございまして、調査結果は、近く国から公表されると伺っております。

 次に、健康相談・生活相談をしているかでございますが、今回の国の調査は、健康状態や生活状況などの聞き取りを行う生活実態調査と、巡回による概数調査の2種類があり、本市では国の要領に基づき概数調査とされておりましたことから、健康相談や生活相談は行っておりません。

 次に、夜間調査の有無と調査日数でございますが、国の要領では原則昼間1日で調査を行うこととされており、本市では、おおむね午前7時半から午後4時まで調査を行ったもので、調査日数は1日でございます。

 次に、自立支援策でございますが、今後、国において今回の調査を踏まえ、ホームレスの自立支援等に関する基本方針が策定されると伺っておりますので、この基本方針や、これを受けての県の対応を踏まえ、社会資源の活用や関係機関との連携を図る中で、本市の実情に応じ適切に対応してまいりたいと存じます。


 【 平成14年第4回( 9月)定例会-0919日−04号 】

21番(岩崎淳子君) お許しをいただきまして一般質問をいたします。

 初めに、生活保護制度についてお尋ねいたします。

 3月議会でもホームレス放置の件や保護課の体制について質疑いたしました。生活保護制度は生きる権利を保障するものです。人の命にかかわり、また、市の福祉行政の根幹にかかわる重要なことです。今回の質問は特に長くなります。

 数々の相談の中から、ここに一人の方の事例を通して、しかし、決して、この方だけの特別な例ではなく、今までの相談の中にもあったということも含めて、ぜひ高松市保護課の実態を知り、今後の目指すべき方向を考えていただきたいと思います。

 同じような目に遭う人が二度とあらわれないように、今後の人のためにも、ぜひ実態を明らかにしてほしいとの御本人の要望があり、御本人の許可を得て述べさせていただくものです。

 その方は、さまざまな事情により住む場所も職業もない追い詰められた状態で保護課を尋ねました。その折に病気になっており、医師の診察により働けない状態であることも、また、医師により生活保護を勧められてきたということも説明したそうです。保護課では、居住地がないので保護できない、住むところを探しなさい、行政は、そこまで面倒は見られないとの対応だったそうで、部屋を探したのですが、保証人がいなくても貸してくれる住まいは高額な月決めのマンションしかなかったそうです。やむを得ず、無理をして高額なマンションを借り、これで、やっと保護が受けられると思い、再度、保護課に相談をしましたが、保護課では家賃が高過ぎる。仕事もなく、こんな高いマンションに住んで、もしも、この状況で保護申請が認められたら、だまし取られるようなものだ。家賃が住宅扶助の基準額を超えているので、転居して基準額の家賃になれば申請は受け付ける。体調が悪いといっても元気そうなので指定の病院へ行きますか。体調が悪ければ入院もさせてあげるが、退院して行くところがなければホームレスになるしかないですね。これ以上、保護課での相談は無理です。ホームレスになるか、住宅課で住居の相談をしてほしいと言われ、ここで、この女性は保護課での相談を断念し、路上生活を送ったのだそうです。

 最初の相談から約3カ月後、やっと援助者に支えられて保護申請を出すことができました。この間、御本人は自殺を考えたと伺いました。申請後も審査は決して早目になされず、申請のあった日から14日以内に申請者に対して通知しなければならないとされているにもかかわらず連絡がなく、本人から役所に問い合わせをしたそうです。申請して約1カ月後に保護が決定しました。生活保護費を受給した日は、さらに後です。

 御本人から次のような文をいただきました。初回の相談から約3カ月間を振り返り、現在の私の心境を記述しておきます。生活保護法等の書物を読めば読むほど、法律とは一体何か、幾多の権利侵害が横行し、現実は全く逆であること、毎日が自問自答の日々を過ごしながら、保護却下ではと考えない日はありませんでした。今まで頼る人もいない、信用する人もいない私であれば、保護却下は死を意味します。今回は温かい応援、そして精神的支えが、どれだけ勇気づけられたことか。死を選ばなくて本当によかったと思っています。保護決定までに強靱な精神力を持続させるため、温かい支援がないと乗り切れなかったと痛感しています。生きていてよかった。以上が、いただいた文です。

 頼る人もなく、思い余って福祉事務所を尋ねるのです。福祉事務所は、よくいらっしゃいました、さあどうぞと迎え入れるところであり、追い詰められた人を排除するところではないはずです。ここで書かれている温かい支援は、福祉事務所でこそ得られるべきものだったのではないでしょうか。医療機関も相談に訪れる人を追い詰めたり傷つけたりしている実態があると指摘しています。

 そこで、以下のことをお尋ねいたします。

 保護申請に至るまでの保護課の対応についてどのように思われるでしょうか、見解をお示しください。

 この件について、厚生労働省は現在地保護が可能と言っており、住所がないと保護ができないとしている高松市とでは見解が異なります。ところが、保護課では、高松市と国は見解が違うのだと明言されました。

 そこで、お尋ねいたします。

 住所がないと保護ができないとしている高松市は、国の方針に反しているのではないでしょうか。また、現在地保護についてどのような見解を持っておられるのか、お示しください。

 また、相談の結果、保護制度が使えない、あるいは保護が受けられないとなった場合は、他の社会資源の提供などして、今後どうしたらよいのか、ケースワーカーは代案を示すべきではないでしょうか。このことについてお考えをお聞かせください。

 次に、他の機関との連携についてお伺いします。

 県の子ども女性相談センターや救護施設では緊急一時保護が可能だと思いますが、急迫し住居のない女性に対しては、これらの機関と連携をとるということはしないのでしょうか。女性の緊急一時保護についての見解をお聞かせください。

 また、子ども女性相談センターで一時保護した後、生活保護につなげ自立助長を図るという方法は可能でしょうか、お聞かせください。

 また、早期に問題解決を図り自立支援することで、より深刻な状態に至ることが避けられることがあります。そのためにも、より専門的な立場からの意見は貴重な判断材料となるはずです。他の機関との連携、社会資源の提供等、諸施策を十分に活用できないと、自立の芽を摘んでしまうことがあります。生活保護制度を育てるのは専門性の高い職員の方たちです。

 そこで、お尋ねいたします。

 初期の相談が果たすべき役割は大変重要だと思いますが、ケースワーカーの仕事をどのように認識しておられますか。また、専門性をどのように育てていくのでしょうか。

 かかりつけの医師がいる状態を把握しながら、その医師に現在の病状等の問い合わせをしないで、全く新たな医師に検診を命令するということも、たびたびあるようです。特に精神的な病気を抱えている場合、医師との信頼関係ができていない病院での診察は本人にとっても苦痛でしかありません。生活保護手帳に「医療要否意見書等を発行する場合の指定医療機関の選定に当たって、なお、要保護者の希望を参考とすること」とあります。また、「指定医療機関の選定は、あくまでも……保護の実施に支障のない限り、患者の医師に対する信頼、その他心理的作用の及ぼす諸効果をあわせ考慮すべきこととしたものであり」とあります。検診命令を出す、あるいは医療扶助を行う等、そういうときにおいて、かかりつけの医師がいる場合、まず、かかりつけの医師との相談は要保護者の希望を参考にして必要であると思いますが、この件に関しての見解をお示しください。

 保護手帳の検診命令には、検診を命ずべき場合には「事前に嘱託医の意見を徴すること」とありますが、嘱託医の意見は聞いているのでしょうか。

 家賃が住宅扶助の基準額を超えている場合、保護申請はできないのでしょうか。急迫している状況の場合は保護可能だと思われますが、見解をお示しください。

 また、セーフティーネットの名に値する生活保護現場を育てていくためにはどうするべきでしょうか。見解をお示しください。

 今、保護課の相談体制の抜本的な見直しが必要だと思われますが、このことについて見解をお伺いいたします。

 市長は「笑顔あふれる 人にやさしいまち・高松」を目指すと、その政治姿勢を述べています。「人にやさしいまち」を目指している高松市の福祉は、今、どこへ向かっているのでしょうか。

 そこで、お尋ねいたします。

 市長はどのような福祉、どのような保護課を目指しているのでしょうか。

 7月にホームレスの自立の支援等に関する特別措置法が成立しました。法第11条の「公共の用に供する施設の適正な利用の確保」が野宿者を排除するものとして問題点が指摘されていますが、野宿者の自立支援のための積極的取り組みにつながる面もあるとの評価もあります。自立支援法により自治体がどのように変わるのか、お伺いしたいと思います。

 法第3条に「住宅への入居の支援」「宿泊場所の一時的な提供」とあります。現在、救護施設は丸亀市・坂出市にあり、高松市にはありません。

 そこで、お尋ねいたします。

 高松市に救護施設・自立支援センター等を設置する考えについてお示しください。

 「生活に関する相談及び指導の実施」と、法第3条第2項にあります。また、法第14条に「国は、……地方公共団体の協力を得て、ホームレスの実態に関する全国調査を行わなければならない」とあります。他市では実態調査をし、職業相談・生活相談などを行い自立支援につなげています。3月議会で高松市での実態調査についてお聞きしましたが、実態調査はふさわしくないと答えておられます。しかしながら、今後、実態調査が求められるのではないでしょうか。実態調査実施についての考えをお示しください。

 また、法第6条に「地方公共団体の責務」として、「施策を策定」とありますが、このことについて御見解をお示しください。

 法第12条に民間団体との緊密な連携の確保と、その能力の積極的な活用を図るとありますが、当市での民間団体との連携についてはどのような状況でしょうか。

 また、今後の取り組みについての考えをお示しください。

 次に、相談体制についてお伺いいたします。

 ドメスティック・バイオレンス被害者の女性は、相談室で男性に取り囲まれ怖かったとも言っています。女性が安心して言いたいことが言える場であるために、女性の相談員を配置していただきたいと思いますが、お考えをお示しください。

 次に、同伴者を伴う権利についてお伺いいたします。

 同伴者がいなくても言いたいことが言えるのであればいいのですが、言いたいことが十分に言えなかったということを聞いています。同伴者を排除することで来談者が言いたいことが言えない状況をつくり出していないでしょうか。

 3月議会で同伴者が許可されない法的根拠について質疑いたしましたが、申請権は申請者にあるとのお答えでした。申請の権利について尋ねているのではなく、同伴が許可されない法的根拠を尋ねており、同伴が許可されない法的根拠に対してはお答えがありませんでした。法的根拠が示されないのであれば、法的根拠もなく同伴者を排除していることになります。

 200012月6日に開催された教育民生調査会で福祉事務所長は、警察官の配置など、相談等に来た者や被保護者を威圧するものではないが、緊急避難的なものとして、警察官がいたら心強いと思っており、と答えています。また、3月議会で「第三者の不要な介在、不当な圧力をなくし、職員が客観的に、公正・公平な保護業務が行えるよう、同席は、原則として法に定められる申請権者に限定してるもので、第三者の同席を認める考えはございません」と答えています。

 警察官導入理由は、あくまで緊急避難的であったものが、今では常駐して最初の大切な相談業務までになっています。3月議会でも述べましたが、中核市・政令指定都市の中で緊急時に警察官等と連絡をとるところはあっても、常駐して相談業務を行うというのは高松市だけです。

 四国学院大学社会福祉学科教授の金永子先生──公的扶助論──は、次のように述べておられます。申請者が同意しているのなら、福祉事務所で同伴者を認めない理由は何もない。不当な圧力をかけられようと、法律に基づいて仕事をすればよいだけのことである。これまで圧力に屈して福祉事務所が法律違反をしていたのなら、そのような法律違反をした福祉事務所の問題をただすべきである。不当な圧力で、保護の要否などの決定に違いが生じることの方が重要な問題である。さらに、昨今では、社会福祉施設の閉鎖性が利用者の権利侵害を引き起こしていることから、積極的に第三者を入れるような努力が行われている。生活保護行政においても、申請者の権利を積極的に保障していくために、第三者を入れることは非常に大事なことである。積極的に福祉行政をオープンにすることによって、サービスの向上が図られる。まして、生活保護制度を知らないまま生活に困って必死の思いで福祉事務所に相談に来ることを考えると、より必要性は高いと言わざるを得ないと述べておられます。

 そこで、お尋ねいたします。

 法的根拠もなく同伴者を許可していないということは、申請者の権利を侵害していると考えますが、申請者の権利擁護の視点から、同伴者の同席についてどのように考えるのか、見解をお示しください。

 また、過去に不当な圧力で保護の要否などの決定に違いが生じたことがあるのでしょうか。

 相談に入るとき、職員の自己紹介が必要だと思います。職員は相手の名前を聞いても自分の名前を名乗らないことがあります。相談の初めに自分の名前を名乗ることで、来談者の気持ちが和らぎます。相談に入る前に、まず、自分の名前を名乗っていただきたいと思いますが、お考えをお示しください。

 次に、保護申請についてお尋ねいたします。

 申請する権利は市民にあると思われますが、申請を希望しても申請書をなかなか出してもらえません。このことについてどのように思われますか。

 また、申請書を出しましたが、窓口で申請を拒否され、なかなか受け取ってもらえませんでした。申請拒否は法的に許されるのでしょうか。公平な審査をし、その結果を出すという前に、まず、出させないという水際作戦をとっているとしか思えません。

 さて、次の表をごらんください。(表を指し示す)これは過去3年間の四国4県の県庁所在都市の申請受理件数・保護開始数の比較です。

 高松市は平成13年度、ちょっとわかりにくいかもしれませんが、赤いところが高松市です。過去3年間の比較ですが、申請受理件数の比較です。上が高知市で、下の緑が松山市、赤が高松市、茶色が徳島市です。松山市の申請受理件数は1999670件、そして2001844件というふうに上がっております。高知市は1,095件から1,499件、徳島市は横ばいですが、高松市の、この赤をごらんになると、わかると思いますが、歴然と下がっております。高松市は525件から323件、約200件も下がっております。

 次に、保護開始数です。これは高知市が上ですが、保護の開始数が821から983、そして松山市が599から747、高松市だけが、やはり大幅に下がっておりまして、508から279、約半分になっております。

 この数の激減は何を意味するのでしょうか。失業者や路上生活者・保護受給者数がふえている厳しい社会状況の中で、なぜ高松市が減ったと思われますか。

 次に、高松市行政手続条例第5条・行政手続法第5条にあります審査基準についてお尋ねいたします。

 いずれも第3項には、「事務所における備付けその他の適当な方法により審査基準を公にしておかなければならない」とあります。私は保護課職員に、この行政手続条例及び行政手続法によるところの審査基準の提出を求めましたが、この審査基準が何を意味しているのかわからないと言われ、出していただけませんでした。情報公開条例を使い、出しましたが、条例を使わなくても公開が求められたら市民にも公開しなければならないのではないでしょうか。また、審査基準を公にすることについての考えをお示しください。

◎市長(増田昌三君) 21番岩崎議員の御質問にお答え申し上げます。

 生活保護行政のうち、保護申請に至るまでの保護課の対応の見解でございますが、真に保護を必要とする世帯への生活保障と自立を助長する制度の趣旨を踏まえ、不正受給等に対しては厳正な姿勢で臨み、生活保護事務の適正かつ円滑な運営を図ることを基本に対応しているところでございます。

 次に、居住地がないことを理由に保護ができないとしている市は、国の方針に反していないかでございますが、国において居住地の有無は生活保護の要件ではないとされておりますが、同時に保護は居宅あるいは施設等で行うとされておりますことから、こうした国の方針に基づき対応しており、方針に反するものではございません。

 また、現在地保護についての見解でございますが、現在地保護につきましても、真に保護が必要な者については、法に基づき病院や施設等の現在地で保護を実施しております。

 次に、保護制度が使えない場合は代案を示すべきではないのかでございますが、保護の相談に際しては、これまでも年金や医療制度を初め、他法・他施策の活用など、一人一人の状況に応じ必要な指導・助言に努めているところでございます。

 次に、ケースワーカーの仕事の認識と専門性をどのように育てていくのかでございますが、ケースワーカーは、さまざまな事情を持った要保護者の心情や立場に配慮しながら、公正・公平な判断のもと、生活保障や自立助長を促すための業務を担っており、今後とも研修等を通じて必要な知識の修得に努めてまいりたいと存じます。

 次に、セーフティーネットの名に値する生活保護現場を育てていくための方策、現在の相談体制の抜本的な見直し、どのような福祉や保護課を目指すのかでございますが、ただいまのところ、相談体制を変える考えはございませんが、今後とも保護制度の趣旨を踏まえ、市民に信頼される公正・公平な生活保護事務の運営により、いわゆるセーフティーネットの一翼として福祉の向上に努めてまいりたいと存じます。

 次に、ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法のうち、高松市に救護施設・自立支援センター等を設置する考えでございますが、既に救護施設につきましては県内に2カ所、医療保護施設については市内に1カ所整備されており、こうした保護施設と連携を図りながら要保護者の保護に努めておりまして、ただいまのところ、本市独自での救護施設や自立支援センター等の設置は考えておりませんが、今後とも社会福祉法人等が実施する保護施設の整備を促進してまいりたいと存じます。

 次に、路上生活者の実態調査でございますが、同法で国は「地方公共団体の協力を得て、ホームレスの実態に関する全国調査を行わなければならない」とされておりますので、今後、国から協力要請があれば適切に対応してまいりたいと存じます。

 次に、法第6条「地方公共団体の責務」としての施策の策定でございますが、まずは、国においてホームレスの自立支援等に関し総合的な施策が講じられるものと存じますので、国の施策や、これを受けての県の対応を踏まえる中で検討してまいりたいと存じます。

 次に、法第12条民間団体との連携でございますが、本市は、これまでも救護施設や関係機関等との連携の中で、必要な保護や自立支援にも取り組んでおりまして、今後、特別措置法の取り組みを進める中で、NPO法人やボランティア団体など、民間団体との連携方策を研究してまいりたいと存じます。

 次に、相談体制のうち、女性の相談員配置でございますが、保護の相談には必要に応じ女性のケースワーカーや保健師・母子相談員等が同席のもと相談を行っておりまして、女性の相談員の配置につきましては、職員の適正配置の中で研究してまいりたいと存じます。

 次に、保護申請のうち、申請希望者に申請書が出されないことでございますが、生活保護は生活に困窮する者が、その利用し得る資産・能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件に実施されるものでありますことから、基本的には、保護の相談に来られた方に保護の受給要件や権利義務に関し十分説明を行い、保護の申請意思を確認した上で申請書を渡しているところでございます。

 次に、申請の拒否は法的に許されるかでございますが、これまで申請権のない第三者が不当に介在し申請を迫ったケースなどについて、申請を受理しなかったことはございますが、生活保護法等に定める要件を満たす場合には申請を受理しているところでございます。

 次に、平成13年度申請受理件数・保護開始数減の理由でございますが、生活保護法にのっとり、保護の申請を受理し、保護の要否について個々のケースごとに必要な調査・確認を行い、公正・公平に判断し決定した結果でございます。

 次に、審査基準について、情報公開条例を使わなくても、本来、市民に示されるべきではないのか、また、公にすることの考えでございますが、本市行政手続条例において、審査基準は、行政上、特別な支障があるときを除き公にしておかなければならないと規定されておりますことから、保護申請に係る審査基準についても行政運営の公平性と透明性を図るため、公にしているところでございます。

◎健康福祉部長(横田淳一君) 21番岩崎議員の御質問にお答え申し上げます。

 生活保護行政のうち、女性の緊急一時保護及び、その後の保護制度を使っての自立支援でございますが、これまでも香川県子ども女性相談センターや救護施設等との連携の中で、必要な保護や自立助長に努めておりまして、センターでの一時保護のケースにつきましても、個々のケースごとに保護の要否を判断し対応しているところでございます。

 次に、かかりつけの担当医師との相談の必要性についての見解でございますが、検診命令の場合を除き、これまでも要保護者のかかりつけ医師や主治医から医療要否意見書の提出や、主治医の訪問等により要保護者の病状把握等に努めているところでございます。

 次に、検診命令について、検診を命ずべき場合には「事前に嘱託医の意見を徴すること」とあるが、嘱託医の意見を聞いているかでございますが、要保護者の稼働能力や病状に疑義がある場合は、検診命令を行うことについて事前に嘱託医と協議しており、この検診命令による診断結果についても、すべて嘱託医の意見を伺っているところでございます。

 次に、家賃が住宅扶助の基準額を超えている場合、急迫していても保護申請はできないかでございますが、生活保護法等に基づく保護申請の要件に合致している場合は申請を受理しており、また、その者が急迫した状況にある場合は個々のケースごとに判断し、必要な保護に努めております。

 次に、相談体制のうち、同伴者の同席についての見解でございますが、生活保護法では同伴者を伴う権利について特段の規定はなく、本市では保護の相談における第三者の不要な介在、不当な圧力をなくし、職員が客観的に公正・公平な保護業務を行えるよう、法に定める申請権者に限定しているものでございまして、これまでも必要に応じ保健師や民生委員・児童委員などの同席のもと、適切に対応してまいったところでございます。

 次に、不当な圧力で保護要否の決定に違いが生じたことがあるのかでございますが、これまでも暴力団が介在した不正受給が摘発されるとともに、幾つかの暴行事件や不法な行為が発生しており、保護の決定に違いが生じないよう、その都度、警察への刑事告発や被害届の提出などの対応をしているところでございます。

 次に、初めに職員が名前を名乗ることでございますが、相談業務のあり方は認識しており、今後とも自己紹介も含め、さまざまな事情を持った相手の心情や立場に配慮しながら適切に対応してまいりたいと存じます。

 次に、児童扶養手当制度のうち、現況届における家計の収入・支出状況等の情報収集について、国への問い合わせでございますが、このたびの制度改正に伴い開催された国の説明会において、新たに加わった項目である養育費の確認方法について国の考え方を質問いたしました。

21番(岩崎淳子君) お許しをいただきまして再質問をさせていただきます。

 まず、生活保護行政についての1番目、保護申請に至るまでの保護課の対応についての見解をお伺いしました。お答えは、ごくごくありふれた一般論に終始しておられました。私は一般論をお聞きしているのではありません。今回の、このホームレスになるしかないと言われた方、その方への保護課の職員の対応についてお伺いしておりますが、文脈の中から、それを酌み取っていただけなかったのでしょうか。答弁漏れとして、もう一度お答えをいただきたいと思います。

 このような言語が、人権侵害に当たるという認識をお持ちではないのでしょうか。このことで御本人が、どこまで追い詰められて死を考えたとまでおっしゃっております。保護課の対応として、適切であったのかを私はお聞きしております。

 それから、4番目、女性の緊急一時保護及び、その後の保護制度を使っての自立支援について、今までも子ども女性相談センターに連絡をとっているというお答えでありましたが、では、なぜ今回の場合は、この方の場合は連絡していただけなかったのでしょうか。

 それから、保護申請についてお伺いいたします。

 2番目の申請の拒否は法的に許されるかという質問に対して、不当に介在した場合というふうなお答えでした。例えば、本人の依頼で本人と同席した場合、本人が依頼している場合ですね、そうした場合でも不当な介在ととらえておられるのでしょうか、お伺いいたします。

 以上で私の再質問を終わります。

◎市長(増田昌三君) 21番岩崎議員の再質問にお答え申し上げます。

 生活保護行政のうち、保護申請に至るまでの保護課の対応の見解でございますが、先ほどもお答え申し上げましたように、真に保護を必要とする世帯への生活保障と自立を助長する制度の趣旨を踏まえ、不正受給等に対しては厳正な姿勢で臨み、生活保護事務の適正かつ円滑な運営を図ることを基本に対応しているところでございます。

 次に、保護申請のうち、申請の拒否は法的に許されるかでございますが、先ほどもお答え申し上げましたように、これまで申請権のない第三者が不当に介在し申請を迫ったケースなどについて申請を受理しなかったことはございますが、生活保護法等に定める要件を満たす場合には、申請を受理しているところでございます。

◎健康福祉部長(横田淳一君) 21番岩崎議員の再質問にお答え申し上げます。

 生活保護行政のうち、女性の緊急一時保護及び、その後の保護制度を使っての自立支援でございますが、先ほどもお答え申し上げましたように、これまでも香川県子ども女性相談センターや救護施設等との連携の中で、必要な保護や自立助長に努めておりまして、センターでの一時保護のケースにつきましても、個々のケースごとに保護の要否を判断し対応しているところでございますので御理解を賜りたいと存じます。


 【 平成14年第1回( 3月)定例会-0311日−04号 】

21番(岩崎淳子君) お許しをいただきまして質疑をさせていただきます。これまでの議員の質疑と一部、重複いたしますが、御了承ください。

 まず初めに、生活保護行政についてお伺いいたします。

 ホームレスの自立支援への取り組みについて、200012月議会で一般質問いたしました。その後、保護課はホームレス対策についてどのように取り組んでこられたのでしょうか。

 2月9日付の新聞に次のような記事が載っていました。「ホームレスの衰弱男性放置 一度は保護しながら対象にならぬと 高松市の職員──元の路上に 高松市内で先月30日、衰弱して倒れていたホームレスの男性を同市保護課職員が一度は保護しながら、「保護の対象にならない」として元の路上へ送り返し、放置していたことが8日分かった。……男性は市内の病院で検査を受けた。右半身まひなどの症状に加え、脳こうそくの可能性もあったが、病院側は「緊急入院する必要はない」と説明。同課職員は同日午後4時ごろ、広場近くに連れていった」と記事にあります。

 この日の最低気温は0.3度、大変寒い夜でした。その後、本人は最初の発見者でもある県議による連絡で、無事警察に保護され、後、病院で保護されました。

 担当課職員によると、本人が希望したので駅前まで送ったとのことですが、私の知り得た事実は違います。新聞でも一部報道されていますが、本人は自分の名前も住所も言えず、記憶に障害があり、さらに半身麻痺の状況であり、そういった方を駅前に送って置いてきたのです。しかも、この間、市の職員は、警察や救護施設での保護の話は一切御本人にしていません。本人が、警察の保護も施設での保護も望んでおられたことを後に確認していますし、このことは市当局も確認済みのはずです。

 保護施設や福祉施設等を紹介したが、それでもなお、駅前に戻りたいと選択したのであれば、本人の希望と言えるでしょう。そうではなく、入院できない、どこへ行きますかと尋ねられたら、行く当てのない人は戻るとしか答えようがないでしょう。救護施設や障害者施設・老人施設等、社会資源の提供がなされなかった理由は、救護施設は、いつも定員がいっぱいで、すぐには入れないからということですが、実際には、このとき救護施設に問い合わせはしていませんでした。香川県健康福祉部健康福祉総務課は、定員がいっぱいであることをもって断ることがあれば指導すると言っており、定員枠には実際の運用上では、ゆとりがあることを指摘しています。

 2001年3月、生活保護関係全国係長会議資料には次のように記されています。「ホームレスに対する生活保護の適用については、単に居住地がないことや稼働能力があることのみをもって保護の要件に欠けるということはなく、真に生活に困窮する方々は、生活保護の対象となるものである」。

 また、2002年1月、全国厚生労働関係部局長会議において、厚生労働省から以下のことが示されています。「保護の方法としては、要保護者の生活状況等の十分な把握や自立に向けての指導援助が必要であることから、基本的には、保護施設、自立支援センター等において、健康管理、……生活習慣の回復のための指導及び就労の支援等を図りながら、自立した生活が営めるように支援し、施設入所等の目的が達せられた場合には、必要に応じて居宅での保護の適用を行うことが適切なものである。 これらの点を踏まえ、地域の実情に応じたホームレスに対する適切な保護の実施を是非お願いしたい」と、このように記されています。厚生労働省は、住居がなくても保護の対象になり、積極的な対応をしなさいと言っております。

 今回の件について、私は、直接、厚生労働省保護課にお聞きしました。次のようなコメントをいただいております。保護しなければいけない状態であれば、放置をすることは問題である。今回のようなことは二度と起こしてはいけないと思う。基本的には、一時的には保護あるいは入院ということもできる。保護以外にも障害福祉・高齢者福祉等がある。今ある資源・福祉施策を講じることは全国自治体会議では話されている。ほかに手だてがあったのではと思うと語っておられます。

 県も、今回の件については、市に指導あるいは助言をしたと聞いております。

 そこで、お尋ねいたします。

 1、県からはどのような指導あるいは助言を受けておられますか。

 また、指導・助言があったとすれば、それをどのように受けとめておられますか。

 2、救護施設の紹介と社会資源の提供がなされなかったことについてどのように思われますか。

 3、今回の処置──駅前に放置されたことは適切であったと思いますか。

 ケースワーカーの本来の仕事とは何なのでしょうか。この高松市の福祉行政そのものが問われています。無論、担当した職員だけの問題ではありません。難解なケースにおいて相談し合える組織になっているのか、職員が働きがいのある職場になっているのか、専門職としての知識や経験が豊富な職員が育てられているのかも問われています。生活保護法第1条には、「その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする」とあり、自立助長も生活保護の目的なのです。その原点に立ち返るべきではないでしょうか。

 そこで、お尋ねいたします。

 現在地保護も含めて、保護が必要な人に生活保護法による保護が適切にされていないと思いますが、その実施を認識しておられますか。

 また、路上生活者にはどのような支援が必要だと考えますか。

 現在の相談体制で対応は可能でしょうか。静岡市のように、ホームレス対策連絡会を設置する考えについてもお聞かせください。

 ホームレスの問題は、無論、生活保護法のみが対応すべき問題ではなく、ホームレスを生み出している社会の構造的な問題があります。しかし、最後のセーフティーネットであると言われています。研究者の間でも、不正受給防止をうたう国の適正化政策により、監査による締めつけが厳しくなっており、本来保護すべき人々まで追い返しているとの指摘もあります。不正受給には毅然とした対応が必要であることは言うまでもありませんが、一方で本当に保護が必要な人に保護が行われていないということはあってはならないことです。

 さて、さきの議会で実態調査はしていないとのお答えでした。その後、他市の状況把握のため、私は中核市及び政令指定都市を対象に、ホームレス対策や生活保護行政について16項目について調査をしました。こちらにあります。全部説明しますと、時間がありませんので、資料は提供いたします。後ほど御検討ください。

 政令指定都市では、ホームレス担当の職員がおり、積極的な取り組みが見られます。中核市28市中23市はホームレスの実態調査をしており、旭川市や新潟市・静岡市・秋田市・長崎市等では、駅構内・河川敷・公園等での聞き取り調査を実施し、救護施設・病院等との連携をとっています。浜松市では、夜間の面接や聞き取り調査を年3回実施しており、市で設置している宿所提供施設や救護施設への入所等、他機関と連携をとり、社会資源を活用し、自立助長につなげています。

 そこで、お尋ねいたします。

 関係機関と連携をとり、自立助長する考えについてお聞かせください。

 本市の実態調査はどのようにしているのでしょうか。

 また、その実態把握はどのような内容でしょうか。男女別・年代別・人数・場所・健康状態等をお示しください。

 また、現地に行き、聞き取り調査や生活相談をする考えについてお示しください。

 2001年、厚生労働省の全国のホームレスの状況についての調査結果によりますと、高松市は2001年9月時点でホームレスは72人となっています。どのように調べたのでしょうか。

 この72人について、健康・就職・住居等の相談を含め、どのような働きかけをしたのでしょうか。

 また、過去3年以内の保護申請件数と開始件数及び相談件数をお示しください。

 次に、面接相談体制についてお尋ねいたします。

 保護課に県警に戻るということを前提にして現職の警察官が2名常駐しており、市の職員として勤務しておられます。中核市・政令指定都市の調査では、警察官OBや現職警察官がいることがありますが、他の課と兼務であったり、暴力団等、特別に処遇困難なケースの対策としての対応をしています。高松市のように、福祉の現場に元警官が2名も常駐し、相談係として最初の面談に応じている形態は他市ではありませんでした。面接相談係は、元警官1名、元刑務官2名、市職員1名の計4名で、その中から1人、また、査察指導員か係長が1人以上の計2名以上で最初の相談に応じるシステムと聞いています。基本的には、面接相談係と査察指導員の2名が最初の面接に当たるとのことです。面接相談員の4人中3人が元警察官と元刑務官です。最初の相談は、さまざまな判断や福祉の知識や経験が求められる専門的な業務です。

 そこで、お尋ねいたします。

 福祉現場で最も大切な最初の相談業務を、面接相談係として元警察官や元刑務官が担っておられますが、福祉の勉強や研修はどのようにされたのでしょうか。面接相談係は社会福祉主事の資格を持っておられますか。

 この面接で申請を受理すれば、地区担当のケースワーカーに引き継ぐということです。つまり、この面接相談係の方は、保護申請を出せるのか出せないのか判断をし、その振り分けをする大切な業務を担っているのです。無論、来談者の問題も把握し、適切な助言や社会資源などの提供と自立支援も求められている場です。社会福祉法第19条では「社会福祉主事は、……人格が高潔で、思慮が円熟し、社会福祉の増進に熱意があり」とあり、特に法で規定されている福祉の専門職です。また、社会福祉法第15条では福祉事務所で相談業務を行う者は「社会福祉主事でなければならない」と規定されています。もちろん資格がないから、よいケースワーカーではないということは一概には言えませんが、法で定められているということの意味は大きいと思います。

 多重債務者やアルコール依存症・精神障害等、多岐にわたる問題を抱えた方もおられるでしょう。相談に来られた方の話を、きちんと聞き、関係機関と連絡をとり合い、きめ細かな自立支援が必要です。相談に行ったが、借金の相談や病気の相談に乗ってもらえなかった、手持ち金が、わずかなのに、緊急一時貸付金の制度や、いろいろな情報を教えてもらえなかった、相談に乗ってもらえるような雰囲気ではなかったので、なかなか思うことが言えなかったなど、十分な情報提供がなされなかったり、思っていることが言いにくかったとも聞いております。

 大切な最初の相談には十分な福祉の知識と経験のある方が必要です。相談に来られた方に対しては、共感と受容が求められており、威圧感や排除を感じる面談の場であったとしたら、来談者は思うようなことが十分言えません。

 そこで、お尋ねいたします。

 現在の相談体制に問題はないでしょうか。

 現在の相談体制を変えることについてはどのようにお考えでしょうか。

 また、ケースワーカーの業務をどのように認識されているのか、お聞かせください。

 さらに、ケースワーカーを増員する考えについてもお考えをお聞かせください。

 また、保護申請の相談の際、被保護者の同伴者が同席することを許可していませんが、許可しない理由と同室できない法的根拠をお示しください。自分で自身のことを表現できない人もいます。自分自身について語れない人にかわって表現してもらうことは来談者の権利です。

 保護開始前から負債を抱えている人も少なくありません。法律扶助制度の活用も含め、負債問題の解決のための援助についての考えをお聞かせください。

 最後に、お尋ねいたします。

 保護課の今後の課題をどのようにとらえておられますか、見解をお示しください。

◎市長(増田昌三君) 21番岩崎議員の質疑にお答え申し上げます。

 生活保護行政について、ホームレスを駅前に放置した問題のうち、県からの助言・指導を受けているのか、それをどのように受けとめているのかでございますが、県から、後日、一時保護が可能な救護施設への入所のあっせんがありましたが、助言・指導は受けておりません。

 次に、社会資源の提供をしなかったことでございますが、生活保護法では、病気などで急迫の場合を除き、要保護者や扶養義務者などからの申請により保護を決定するものであり、保護の申請意思を前提に、障害や病状に応じて救護施設や医療保護施設の活用を判断するものでありまして、お尋ねの男性は、特に医療の必要がない上、保護の申請意思もなかったためでございます。

 次に、今回の処置は適切だったのかでございますが、経過を申し上げますと、去る1月30日、連絡を受け、瓦町駅で倒れていたとされる男性が搬送された市内の公的病院に本市保護課職員が駆けつけ、引き継いだ後、職員が付き添い、医師の指示のもと、午前11時ごろから午後4時半ごろまで、内科・脳神経外科など四つの診療科で受診いたしました。この結果、すべての診療科において、特に治療や入院の必要性はないとの所見を得て、衰弱も認められず、歩行も可能であったことから、男性の意思を確認し、男性が指定する場所まで送ったもので、決して放置したものではなく、適切に対応したものであります。

 なお、この男性には、市内に扶養義務者が3名在住しており、扶養義務者とも協議し、扶養義務者が施設入所に必要な身元引受人となり、現在、救護施設に入所しております。

 次に、保護が必要な人に保護を実施することに対する認識でございますが、真に保護を必要とする世帯への生活保障と、その自立を助長する制度の趣旨を十分認識し、適切な対応に努めているところでございます。

 次に、路上生活者にはどのような支援が必要かでございますが、路上生活者の問題は、さまざまな社会問題が複合的に絡み合って生じる問題とされておりまして、その対応は、雇用対策、居住場所の確保、保健医療対策など、総合的な支援が必要であると考えておりますが、市町村での相談体制だけでは対応し切れない、さまざまな問題を抱えておりまして、静岡市のような庁内での対策連絡会の設置は考えておりません。

◎健康福祉部長(幡榮夫君) 21番岩崎議員の御質疑にお答え申し上げます。

 生活保護行政の、ホームレス対策・生活保護行政について、政令指定都市・中核市の調査よりのうち、関係機関と連携をとり、自立助長をする考えでございますが、ホームレスの問題は、さまざまな社会問題が複合的に絡み合って生じる問題とされておりまして、今後、関係機関との連携の中で対応してまいりたいと存じます。

 次に、本市の実態調査方法、実態把握の内容でございますが、本市のみでの調査には限界や問題もありますことから、実態調査は実施しておりません。

 次に、現地での聞き取り調査や生活相談をする考えでございますが、生活保護法では、あくまで要保護者から求めがあったとき、その相談に応じ、必要な助言をすることとされておりまして、実態調査と同様に、行政側からの一方的な調査や生活相談をすることは適切でないと考えております

 次に、2001年厚生労働省発表による高松市内のホームレス72人の調査方法、生活相談などの働きかけはどのようにしたのかでございますが、この調査は、関係機関によるものでありまして、また、生活相談などの働きかけについては、相談に来られた方には、さまざまな相談に応じているところでございます。

 次に、過去3年以内の申請件数・開始件数・相談件数でございますが、申請件数は、平成11年度が525件、12年度が499件、13年度が1月末現在で268件で、開始件数は11年度が508件、12年度が472件、13年度が1月末現在で231件となっております。また、相談件数については、13年度が1月末現在で1,174件でございますが、今年度、相談体制を見直したことから、12年度以前については比較できる数値を把握しておりません。

 次に、相談体制についてのうち、面接相談係の元警官と元刑務官は、福祉の勉強や研修をどのようにしたのか、面接相談係の4人は、社会福祉主事の資格を持っているのかでございますが、自己研さんはもとより、職場研修や県が実施する研修などを通じ、幅広く業務遂行能力の向上に努めておりまして、面接相談員は、必ずしも社会福祉主事の資格を必要としませんので、その資格を有しておりませんが、面接相談時には査察指導員のほか、必要に応じてケースワーカーも同席し、相談に応じているところでございます。

 次に、現在の相談体制に問題はないのか。相談体制を変える考えでございますが、昨年度までは、ケースワーカーを中心に、複数体制で個々に相談に応じておりましたが、会計検査院の指摘も踏まえ、円滑かつ適切な相談業務を総合的・専門的に行うため、昨年4月、新たに面接相談係を設置し、要保護者の面接相談業務の充実を図ったものでありまして、相談体制を変える考えはございません。

 次に、ケースワーカーの業務をどのように認識しているのか。ケースワーカーの増員についての考えでございますが、ケースワーカーは、さまざまな事情を持った要保護者の心情や立場などに配慮しながら、公正・公平な判断のもと、生活保障や自立助長を促す業務を担う職員であると存じておりまして、今後とも、適正な配置に努めてまいりたいと存じます。

 次に、保護申請の際、同伴者の同席が許可されない理由及び、その法的根拠、同室を許可する考えでございますが、保護申請における第三者の不要な介在、不当な圧力をなくし、職員が客観的に、公正・公平な保護業務が行えるよう、同席は、原則として法に定められる申請権者に限定してるもので、第三者の同席を認める考えはございません。

 次に、負債問題の解決のための援助の考えでございますが、財団法人 法律扶助協会での相談や本市が行っている弁護士相談のほか、本市社会福祉協議会での相談の活用を促すなど、負債問題解決の指導助言に努めているところでございます。

 次に、保護課の今後の課題でございますが、現在、会計検査院の指摘を踏まえ、不正受給の未然防止、自立助長の強化、不正受給の是正と返還処理を重点課題に掲げ、適正化に取り組んでおりまして、生活保護事務の適正かつ円滑な運営を図ることが課題であると存じますので御理解を賜りたいと存じます。

21番(岩崎淳子君) 進行に妨げがあります。静かにしてください。

 警察官は──再度申し上げます──本来処遇困難ケースに対応するという目的で配置されたのではないのでしょうか。倒産・リストラなどにより失業率が戦後最高となりました。ひとたび生活困難に陥ると、だれもが、ごく短期間に路上生活を余儀なくされるという現代社会の状況があります。地方分権が推し進められ、一層住民の立場に立った行政が求められています。

 私自身も、保護課にて社会資源を教えていただけなかった経験が何度あります。具体的な市民の相談に応じられているのか疑問です。相談体制を変えるべきではないでしょうか。

 そして、生活保護の4、保護申請の際、同伴者の同席が許可されない理由及びその法的根拠の中で、法的根拠が示されておりません。

 お答えの中に、不当な圧力に対してというふうにありましたが、同席者は、すべて不当な圧力をかけると考えておられるのか。法的根拠がなければ、同伴者の同室を不許可にすることは何の根拠をもってできるのでしょうか。もう一度お伺いいたします。その法的根拠、そして同室を許可する考えについてお答えをお示しください。法的根拠については答弁漏れです。

◎市長(増田昌三君) 21番岩崎議員の再質疑にお答え申し上げます。

 生活保護行政のうち、県からの助言・指導でございますが、助言・指導は、先ほども申し上げましたように、受けておりません。

 次に、今回の処置は適切だったかどうかでございますが、決して放置したものではなく、適切に対応したものでございます。

◎健康福祉部長(幡榮夫君) 21番岩崎議員の再質疑にお答え申し上げます。

 生活保護行政について、現在の相談体制に問題はないのか、相談体制を変える考えでございますが、昨年4月、新たに面接相談係を設置し、要保護者の面接相談業務の充実を図ったものでありまして、相談体制を変える考えはございません。

 次に、保護申請の際、同伴者の同席が許可されない理由及び、その法的根拠、同室を許可する考えでございますが、同席は、原則として法に定められる申請権者に限定してるもので、第三者の同席を認める考えはございません。


 【 平成13年第5回(12月)定例会-1214日−05号 】

     5番(妻鹿常男君)

次に、スズメバチの巣の除去やハトのふんの被害等で困ったときに、どこへ相談すればよいのかについてお伺いいたします。

 ことしの秋、幼児が公渕公園に遠足に行き、スズメバチに刺されるという被害がありました。このように、毎年、全国各地で何人かがスズメバチに刺され、入院する等のニュースを耳にします。スズメバチに刺されると、個人差もありますが、2度目に刺されると死ぬこともあると聞いております。このように、大変危険なスズメバチの巣が各所で多く見つけられており、そのままでは巣の周辺の人は、いつ被害に遭うかわかりません。

 また、平和のシンボルと言われているハトが、ベランダや空き倉庫にすみつき、ふんをして困っており、市民はどのように対処していいかわからないと悩んでおります。そしてまた、海岸の土手ではホームレスが住みつき、放し飼いにされた犬数匹と一緒に生活をしているため、その場所に近づくと犬に追いかけられて困っているといった日常生活を営む中で、このような問題が起きたとき、どこに相談すればよいかわからず、とりあえず不安な気持ちで市役所に電話をかけることになります。

 そこで、お尋ねいたします。

 1点目は、スズメバチの巣を取り除くことやハトの被害等、日常の、さまざまな問題が発生した場合、どこの部署に電話をすればよいかわかるように担当課を定め、市民に広報で知らせる考え。

◎総務部長(中西寛君) 5番妻鹿議員の御質問にお答え申し上げます。

 スズメバチの巣の除去やハトの被害等で困ったときについてのうち、日常の、さまざまな問題が発生した場合、どこの部署に電話をすればよいかわかるように担当課を定め、広報で知らせる考えでございますが、現在、1階の市民相談コーナーで市民の日常生活上の問題も含めた一般相談を常時、受け付けており、市政にかかわる問題は相談内容によりまして各担当課へ連絡し、市政以外の問題は関係機関や団体等を紹介するなどしております。

 また、相談窓口を広報で知らせることにつきましては、これまで一般相談窓口である市民相談コーナーの連絡先を初め、担当課や国など関係機関の職員等が窓口で相談に応じる専門相談や福祉相談などの日時等を毎月「広報たかまつ」で周知しているところでございます。

 今後におきましても、より一層、市民にわかりやすい周知に努めてまいりたいと存じます。

◎健康福祉部長(幡榮夫君) 5番妻鹿議員の御質問にお答え申し上げます。

 スズメバチの巣の除去やハトの被害等で困ったときについてのうち、スズメバチの活動が活発になる前に、危険を知らせ、巣を発見したときは担当課に通報するよう広報で知らせる考えでございますが、市民の被害防止の意味からも、御提言のとおり、必要な時期に市の広報紙等を活用し周知に努めてまいりたいと存じます。

 次に、スズメバチの巣が発見され通報があった場合、現地調査の上、巣が放置されないようにする考えでございますが、これまでも自己責任を原則に、スズメバチの巣の除去について、土地等の所有者に対し協力等を求めてきたところでございます。

 今後におきましても、被害防止の観点から、必要な場合には現地を調査し、巣が放置されることのないよう適切に対処してまいりたいと存じます。御理解を賜りたいと存じます。


 【 平成12年第5回(12月)定例会-1214日−04号 】

21番(岩崎淳子君) お許しをいただきまして一般質問をさせていただきます。

 初めに、生活保護行政についてお尋ねいたします。

 主として路上生活者、いわゆるホームレスの自立支援についてお尋ねいたします。

 近年の経済・雇用情勢等を背景に、失業や倒産による生活困窮のため、大都市部だけではなく、中核市にも路上生活者、いわゆるホームレスが増加しており、その数は3万人を超えると聞いております。高松市でもふえていると聞き、私も数件、相談を受けております。

 生活保護法第1条には、法の「目的」として、「日本国憲法第25条に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする」と定めており、憲法第25条の「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」、いわゆる生存権の保障を定めております。

 また、生活保護法第2条には、「すべて国民は、この法律の定める要件を満たす限り、この法律による保護を、無差別平等に受けることができる」とあり、「無差別平等」の原理が定められています。旧法では、1、「能力があるにもかかわらず、勤労の意思のない者、勤労を怠る者その他生計の維持に努めない者」、2、「素行不良な者」との定めがあり、欠格条項を定めていました。しかし、現行法は、欠格事由に当たる人を保護から排除するということをやめただけではなく、国民に対する最低生活の保障が無差別・平等に実施されるべきであることを明らかにしました。

 つまり、生活保護法は、憲法の理念を実現するための方法の一つであり、家のあるなしにかかわらず保障しなければならないと言えます。しかしながら、ホームレスが増え続けているのは、なぜなのでしょうか。

 大阪市立大学の木下秀雄教授は、生活保護法は「最後のセーフティーネット」と呼ばれ、いろいろな社会保障制度から漏れた人でも、すべて受けとめ、困窮の理由を問わずに人間らしい生活を保障するもの。住むところまで失った人こそ真っ先に救済し、住まいを確保する必要があり、住居がないから、働く能力があるからという理由で適用しないのは法律違反。ホームレスになる前に保護するべきと指摘しております。生活保護法により救済できるのにもかかわらず、生活保護法が適切に運用されていないという現実があるのではないでしょうか。

 1999年2月12日、政府はホームレス問題連絡会議を設置し、同年5月26日には「ホームレス問題に対する当面の対応策について」を取りまとめました。この当面の対応策では、1、「総合的な相談・自立支援体制の確立」、2、「雇用の安定」、3、「保健医療の充実」、4、「要援護者の住まい等の確保」、5、「安心・安全な地域環境の整備」の五つの分野の施策を掲げ、国及び地方公共団体が適切な役割分担のもと、一体となって施策を推進することとしております。また、厚生省では、「ホームレスの自立支援方策に関する研究会」を発足させ、去る3月に検討結果の報告がなされています。

 そこで、お尋ねいたします。

 1、高松市では、ホームレスに関して実態を把握しておられるのでしょうか。把握されているのであれば、その状況を明らかにしてください。

 また、されていなければ、今後、実態把握をされる考えがあるのか、お聞かせください。

 ホームレスの方の相談を受け、保護課に相談に参りましたが、その折、家主との賃貸契約書を持ってこないと保護の申請はできない。また、生活保護法を変えてもらわなければどうしようもありませんと言われました。持っているものは毛布1枚。むろん、お金はありません。どのようにして賃貸契約を結べるのでしょうか。非現実的な指導と言わざるを得ません。後に、幸いにして、間に入ってお世話をしてくださる方のおかげで部屋も見つかり、保護の申請に至りました。

 厚生省の保護課に尋ねましたら、担当者は、居住地があるかないかが保護の要件ではない。生活保護法第4条、「保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる」とあり、また、第30条、「生活扶助は、被保護者の居宅において行うものとする。但し、これによることができないとき、これによっては保護の目的を達しがたいとき、又は被保護者が希望したときは、被保護者を救護施設、更生施設若しくはその他の適当な施設に収容し、又はこれらの施設若しくは私人の家庭に収容を委託して行うことができる」とあり、また、第19条第1項第2号、「居住地がないか、又は明らかでない要保護者であって、その管理に属する福祉事務所の所管区域内に現在地を有するもの」とある。現在の生活保護法でホームレスの保護申請は可能ですと、このように述べられました。

 また、ことし3月、厚生省保護課が自治体の担当者会議で、住居の有無は要件ではない。働く能力がある失業者でも求職に努力していれば対象になると説明をしたとのことです。

 そこで、お尋ねいたします。

 2、病院や施設入所以外で住所がなくても保護が受けられるのでしょうか。厚生省の考え方を踏まえた上で、本市の基本的生活保護政策をどのように考えるのか、お示しください。

 3、住宅のない人に住宅を保障して保護を受ける対策を立てる考えがおありでしょうか。

 4、地方分権が進められ、住民の立場に立った保護行政が、より求められます。地域のことは地域みずからで考え、決定し、責任を持つと市長は本会議の中で政治姿勢を述べておられます。本市では、今後どのようにしてホームレスの自立支援に取り組まれるのか、就労支援も含め、具体的にお聞かせください。

 5、ホームレスの自立支援方策に関する研究会による「ホームレスの自立支援方策について」には、第4の1「総合的な相談・指導体制の確立」では、相談機能を十分発揮させるために、経験豊富な人材の確保と職員体制の整備にあわせ、研修等による職員の資質向上とあります。

 そこで、お尋ねいたします。

 1、ケースワーカーの平均年齢及び、どのように経験豊富な人材を確保されているのか、お示しください。

 2、より質の高いケースワークをするためには、面接技術の習得と向上が求められます。職員の研修はどのようにされているのか、具体的にお聞かせください。

 3、ケースワーカーは、事務職とは違い、知識や経験が必要な専門職だと思われますが、どのようにとらえておられますでしょうか、お考えをお示しください。

 4、ケースワーク機能の一層の充実を図るため、専門性に裏づけられた意欲のある職員の配置が必要です。社会福祉主事・社会福祉士の資格を持っている人数とケースワーカー全体に占める割合をお聞かせください。

 また、今後、有資格者をふやす考えがあるか、お聞かせください。

 5、生活保護法の目的には自立助長があり、社会資源の提供等、相談業務には十分な時間が必要です。ケースワーカー1人当たりのケース数は、本市は105世帯と、国の基準80世帯より、はるかに多く、2000年4月現在、松山市では85.9世帯、徳島市では83.3世帯、高知市では88.9世帯と、四国の他の3市に比べても多いと言えます。家庭訪問等、実態調査や一人一人に十分な相談に応じるためには、職員の増員が望まれます。職員体制充実を図るため、職員をふやす考えについてお聞かせください。

 最後になりましたが、6、このたび、高松市における生活保護費の多額の不正受給が明らかになりました。悪質な不正受給に対しては厳しく対応すべきだと思います。しかし、本当に切実で保護が必要な人にとって、ハードルの高い厳しい相談窓口であってはならないと思います。一人一人に対する、きめ細かな生活指導や就労指導をし、受給者の実態をつかみ、自立支援をすることこそ不正受給の未然防止につながるのではないでしょうか。このことについてお考えをお示しください。

◎市長(増田昌三君) 21番岩崎議員の御質問にお答え申し上げます。

 生活保護行政についてのうち、ホームレスの実態把握でございますが、本市ではホームレスの実態を把握しておりませんが、関係機関からの情報では10人余りと伺っており、今後とも関係機関等との連携を図る中で情報収集に努めてまいりたいと存じます。

 次に、住所がなくても保護の対象となるのかでございますが、住居の有無は保護の要件でないとの厚生省の考え方が新聞紙上で報道されましたが、生活保護は、あくまでも生活保護法や国の実施要領等に基づき、要保護者が病気などで窮迫した場合を除いては、保護申請のあった個々のケースごとに資産や扶養義務者、能力の活用など必要な調査・確認を行い、公平・公正に判断すべきものと存じておりまして、居住要件の扱いは、厚生省から具体的指示があれば対応してまいりたいと存じます。

 次に、住宅のない人に住宅を保障して保護を受ける対策を立てる考えでございますが、住宅のない人への住宅対策は必要であると存じますが、単に生活保護の受給を前提とした住宅保障対策は種々問題がありますことから、今後、全国の取り組みを研究してまいりたいと存じます。

 次に、ホームレスの自立支援への取り組みでございますが、ホームレスの問題は、仕事や家庭・社会の中での孤立など、さまざまな社会問題が複合的に絡み合って生じる一つの貧困問題であると言われており、その自立や就労支援には総合的な相談・支援体制の確立や多様な就労先、また、居住場所の確保や保健医療対策の充実など、保護行政の枠組みや市町村では対応し切れない、さまざまな問題を抱えておりますことから、基本的には、国において総合的な施策が講じられることを望むものでございます。

 次に、受給者の実態把握をし、自立支援をすることで不正受給の未然防止につなげる考えでございますが、今後とも、真に保護を必要とする世帯への生活保障と、その自立を助長する制度の趣旨を十分踏まえながら、一方、不正受給者に対しては、その未然防止と是正を柱に厳正な姿勢で臨み、御提言の、自立支援にも配慮しながら不正受給の未然防止に取り組んでまいりたいと存じます。


【 平成12年第5回(12月)定例会-1214日−04号 】

それから、ホームレスの自立支援ですが、繰り返しますが、憲法第25条によれば、すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利があり、生存する権利があります。その生存権を具体的に保障していくのが生活保護法ではないでしょうか。目の前の野宿者は、健康で文化的な最低限度の生活を送っていると言えるのでしょうか。

 東京都内全域ホームレス聞き取り調査報告書によりますと、健康状態は以前より悪化したという人が56.2%にも上り、野宿生活が健康面で悪い影響を及ぼしているというのがわかります。厳しい環境の中、病気を持っている人も少なくありません。また、この報告書の中には、野宿の理由に失業や仕事がないというのが圧倒的多数を占めており、既にホームレス問題は社会問題であると、そうした認識で厚生省も動いていると思います。

 厚生省が具体案を出していないという難しい面もおありでしょうが、法の原則に立ち返り、自治体でこそ努力をしていくのだという姿勢を示していただきたいと思います。住所がないからだめだと切り捨てるのではなく、少なくとも相談に訪れた人とともに、よりよい方法を模索していこうという姿勢を示していただきたいのです。法に従えば、自立支援は可能なはずです。自立支援についての積極的な姿勢をお示しください。

 再度申し上げます。自治体こそ、そうした努力をするべきではないでしょうか。

◎市長(増田昌三君) 21番岩崎議員の再質問にお答え申し上げます。

 住所がなくても保護の対象となるのかでございますが、先ほども申し上げましたように、生活保護は、あくまでも個々のケースごとに必要な調査・確認を行い、公平・公正に判断すべきものと存じており、居住要件の扱いは、厚生省から具体的指示があれば対応してまいりたいと存じます。

 また、ホームレスの自立支援への取り組みでございますが、先ほども申し上げましたように、保護行政の枠組みや市町村では対応し切れない、さまざまな問題を抱えておりますことから、基本的には、国において総合的な施策が講じられることを望むものでございます