兵庫県神戸市
神戸市ホームレスの自立の支援等に関する実施計画 平成16年7月 神 戸 市
第2 ホームレスに関する現状
1 神戸市ホームレス一斉調査による現状
本市においては、震災後のホームレス問題の顕在化に鑑み、ホームレス対策の基礎資料とするため、平成9年度より8月下旬の夜間に職員が全区を一斉に巡回する目視調査(以下「ホームレス一斉調査」という。)を実施しています。
ホームレス一斉調査において確認されているホームレスの数は、平成9年以降増加を続け、
平成12年には過去最高の355人となりましたが、平成13年341人、平成14年287人、平成15年325人と、ここ数年は概ね300人前後と横這いで推移しています。
調査結果を区別に見ると、平成15年度では、中央区189人、兵庫区53人となっており、この2区で全体の74.5%を占めています。また、周辺の東灘区、灘区、長田区、須磨区にも拡散していく傾向が窺えますが、北区ではホームレスを確認していません。
野宿生活の直前に居住していた地域については、兵庫県内が53.3%(全国値で同一県内と回答68.5%)、県外が45.0%(全国値31.5%)となっています。
神戸市には、阪神間で唯一ホームレス対策の施設(更生センター・更生援護相談所)が設置されている関係で、常に市外(県外)からの転入者の比率が高い傾向にあります。
(3)施設入所・住まいの確保等による自立支援
病気や失業等で生活に困窮するホームレスは、更生センターにおいて生活保護を適用し、生活指導や通院指導、職業相談等を行っています。また、緊急に入院を要する場合は、発病地または入院先を所管する区の福祉事務所において保護を行います。
更生センターや入院先で一定期間生活保護を受け、生活を立て直したが引き続き保護を必要とする場合は、ホームレスの生活能力や自立意欲等を評価検討のうえ、必要に応じ敷金等を支給し、居宅での保護に移行させています。このように元ホームレスに対し定住先を確保する等により保護適用した事例は、平成14年度では297人にのぼります。しかし、それでも全市のホームレスの総数は横ばいであり、不況によりホームレスとなることを余儀なくされたり、市外からの転入等により、根本的な解決には至っていません。
また、更生センターに併設する更生援護相談所では、無料一時宿泊のほか、移送(旅費の現物給付)、医療相談等の援護を行います。
このほか、低所得の勤労者の一時的な生活の場として、兵庫荘(1泊50円)、磯上荘(1泊200円・神戸市社会福祉協議会が運営主体)を運営し、ホームレスからの自立のステップとして活用しています。
それ以外にも、保健所による健康相談や結核健診等ホームレス以外の者も対象とした一般施策の中に含めて実施することにより、個々のニーズに即した柔軟な対応に努めています。
神戸市では、地域でともに支え合う自立支援のまちづくりをめざした「“こうべ”の市民福祉総合計画2010」の理念に則り、市民の理解と協力を得ながら、ホームレス自身の能力活用を図るとともに、再び社会の一員として自立した生活が営めるよう、以下の基本目標に従ってホームレスの自立の支援に関する施策を推進します。
◆事務事業プロフィールシート
更生施設 神戸市立更生センター
・ホームレス等の養護及び生活指導を必要とする要保護者を入所させ、自立更生のための生活指導・作業指導を行う。
・入所者が安定した居宅生活を営む能力を獲得して退所すること。
生活保護を必要とし、かつ身体上又は精神上の理由により養護及び生活指導を必要とする年齢18歳以上60歳未満の人
居宅にて自力で生活できる能力の獲得。ケースワーカーが常駐し、面談等を行う。
職員の所内行事や更生作業への積極的な参加。職員の部屋担当者制。入所者アンケート調査の実施。職業相談員による求職情報の提供。
高度成長期の港湾労働者、最近では不況の長期化を背景にした市内のホームレスに対する自立支援施策の必要性が高まっている。
近年のホームレスの増加により、自立支援施策の必要性は高まっている。
ホームレスの中でも生活指導を要する者への更生施設は民間ではほとんどなく、年末〜厳冬期への対策もあり、市が責任を持って対応せざるをえない。
ホームレスが、安定して地域社会生活を営むことができるためには、一定期間、施設入所により生活指導を行なうことは必要である。
今後のあり方について:生活保護を必要とするホームレスに対し生活保護を適用し、生活指導・更生作業を通じて社会復帰を目指し、施設の効率的な運営に努める。
外部評価:民間施設、他都市施設との比較分析を通じて、費用節減、とりわけ人件費の節約に努める必要がある。
ホームレス対策
@ホームレス巡回相談員による相談
A更生援護相談所において、ホームレス等の住居のない要援護者の相談窓口として、各種の相談、関係機関の紹介、移送、緊急援護、無料一時宿泊等の業務を行う。
B簡易宿泊所では、住居のない低所得者男子労働者に、低額で宿所を提供する。
更生援護相談所や更生センターを活用したホームレス等の自立。
・ホームレス巡回相談員、更生業務員及びケースワーカーにより巡回を行い、市内のホームレスの現状を把握し、必要な情報提供等により自立を推進する。
・更生援護相談所において、簡易食・日用品等の支給を行う。
ホームレスの自立を目標としているため、有効性の評価については一概には行いにくいが、ホームレス一斉調査による目視人数では、例外はあるものの、ほぼ毎年減少しており、効果的に事業を執行していると考える。(H13:341人、H14:287人、H15:325人、H16:190人)
長期宿泊者がいるということなので、ホームレスの自立を促すという点で有効性は適格とまでは言えない。
新たな神戸市住宅基本計画の策定に向けた21世紀初頭における住宅政策のあるべき方向性について― 答 申 ―
平成13年2月22日 神戸市すまい審議会
(3)総合的な居住サービスの提供
また、高齢者、障害者、外国人等に対するいわゆる入居差別の問題やホームレスの人々の居住安定支援などの新たな課題も顕在化してきた。
総合的な居住サービスの提供に関して取り組むべき事項について、次に例示する。
■だれもが安心して暮らせるすまい・まちづくり
※ ホームレスの人々などの居住安定化への対応
神戸市議会
2006.12.08 : 平成18年決算特別委員会第1分科会〔17年度一般・特別会計決算〕(保健福祉局)
◯谷口保健福祉局総務部長 私の方から,更生センター等の運営につきましてお答え申し上げます。
神戸市立の更生センターでございますが,これは昭和30年7月に立行荘としてできまして,昭和56年10月,現在地中央区の割塚通の方に新築・移転をしまして,現在に至っておる施設でございまして,ホームレスの人の自立を支援する,そういった施設でございます。今現在,定員50名で,ことしの11月末現在43名の方が在所されております。昨年度で申し上げますと,この施設に新たに入られた方は106名,それから退所された方が108名というふうなことでございまして,センターの方では職員の方が就労支援ということでハローワークと連携しながら,就労支援に力を入れておりまして,具体には17年度退所された方,今108名と申し上げましたが,そのうちの30名,約28%が就労されまして自立をされております。それ以外に24名の方,22%でございますが,住宅等を確保して,保護を受けたりをしながらではございますが,何とか安定した生活を送れるようになっております。
それから,兵庫荘,磯上荘でございますが,第2種の社会福祉事業ということで,全国的にいろいろありますが,これらの施設につきましては,生活保護者を対象じゃなくて,低所得の男子の勤労者,働いておられる方を対象に低額な使用料,兵庫荘で1日50円,磯上荘で1日200円というふうな利用料で宿を提供いたしまして,皆さんがそれぞれ自立して生活をしていただく場というふうなことで設けておる施設でございます。この施設につきましては,経緯等今ご質問がございましたが,かつてということで神戸市内に何カ所か,住居のない低所得者の日雇い労働者用の自立支援施設というのが市内にいろいろございましたが,それを統合する形で,昭和33年に兵庫荘が兵庫区の浜中町にできまして,それから磯上荘は中央区の磯上通に昭和39年に開設されております。この磯上荘につきましては,詳しい経緯はちょっとあれなんですが,当初から社会福祉協議会の事業ということで,当初から社協で運営をされてございます。あくまでも両施設につきましては,私ども職員がおりますので,助言・指導を行うことによりまして,アパート等,こういった自立した生活を営めるように入っておられる方の支援をしていくと,そういうふうな施設でございます。ホームレスにつきましては,神戸市内だけで見てまいりますと,17年度に比べまして数も減ってございますが,こういった更生センターあるいは兵庫荘,磯上荘,こういった施設の効果もあるのかなというふうに思ってございますので,こういった施設を活用しながら,ホームレスの方の自立支援,私どもとしても着実に進めてまいりたいと思っております。
以上でございます。
2005.12.05 : 平成17年決算特別委員会第2分科会〔16年度一般・特別会計決算〕(建設局)
◯分科員(西本ただし) 西本ただしでございます。
時間が限られておりますので,2点のみお伺いさせていただきます。
まず,公園の維持管理について,お伺いさせていただきます。
中央区の大倉山公園なんですけども,ここ1〜2年,非常にちょっと環境が悪化したという地元の方からの声をいただいております。具体的に申しますと,まず,木の剪定状態,そして清掃状況及び,ちょっとホームレスが住み始めたということで,非常にちょっと近寄りにくい状況になっていると。ここ最近悪化したことなので,これどういうことなんであろうかと。具体的にどのような方策を考えておられるのか,まずこれが1点でございます。
◯割田建設局公園砂防部長 公園の維持管理について,ご答弁申し上げます。
大倉山公園の件でございますけれども,大倉山公園の中では宇治川に面した北東斜面の樹林地がクスノキなどの常緑樹が多い箇所でございまして,この区域については,都市の中の貴重な樹林として,できるだけ自然のままの形で保存を目指しておりまして,剪定等の手入れも最低限にとどめてございます。
一方,市民の方の散策する場所,園路沿いについては,定期的に手入れを入れているほか,照明障害となっている樹木の剪定や,見通し不良となってございます中低木の剪定については随時行っておりまして,清掃も週2回から3回実施してございます。これは今後とも引き続きまして,良好な園地の維持を図っていきたいというふうに考えてございます。
ホームレスの件でございますけれども,ホームレスの対応につきましては,大倉山公園を定期的に巡回し──これは全市の公園回ってございますけれども,大倉山公園も定期的に巡回いたしまして,ホームレスと個々に面談をいたしまして事情を確認し,必要な指導を行ってございます。同公園のホームレスの定住者は平成15年12月現在で15名おりましたけれども,退去指導,話し合い等によりまして,先月時点で10名,5名減ってございます。これは,引き続き粘り強い指導を行っていくことにしております。大体年間60回,週1回程度は巡回し,個別に面談を行ってございます。
2004.12.16 : 平成16年建設水道委員会 本文
◯委員(浜本りつ子) 決算市会の中でも問題になったと思うんですが,いわゆる公園に寝起きをしている── テントを持っておりますから,全くいろいろと居住権を持っているのかどうか,その辺もわからないんですが,1つの例を申し上げますと,私どもの地域のことで恐縮です。湊小学校の真正面にハーバーランド公園── きれいな感じの公園なんですが,ここに1つの大きな木がありまして,その下に寝起きをして,屋根を張って,2人か3人ぐらいが共同生活をしておられます。ちょうど正門の真正面になりまして,子供たちも見て見ない振りをしておりますのでいいんですが── 事故がないということでいいんですが,余りにも,ちょっと学校の正面,よそからお客さん見えたときに,少し,あんまりよくないんではないかと思うんです。
それから最近,特にひどくなってまいりましたのが,神戸駅南の陸橋の真下に,写真ちょっと持ってくるのを── 置いておりますのを持ってくるのを忘れたんですが,見事に積み上げて,陸橋の下が物置き場になっているんですね。地域の人は,ああまたか,暮れが来たからと思ってますが,通行の皆さんから,大変声がかけられますので,その辺一度現場を見ていただいて,どうしたものかということを,視察をしておいていただきたいと思います。
◯田中建設局長 まず,1点目のホームレスの関係でございますけれども,これは我々公園の管理者あるいは道路管理者,河川管理者としまして,決して不法な占用しているということを放置してるということじゃございませんのですけども,なかなか指導はしても強制的には撤去できないというんか,移動させられないということで苦慮しておるところでございますけれども,今,先生ご指摘のありますような,特にやはり学校の前とか,余りに美観損なうような場所── そういったとこについては極力指導して,場所を移すなり,あるいは保健福祉局等とも対応しまして,そういう施設に入っていただくような指導をしておりますので,一度現地見せていただいて,また,指導してまいりたいというふうに思います。
◯委員(浜本りつ子) それじゃ,ホームレスさんの方は,よろしくご指導をお願いしたいと思います。
◯委員(佐伯育三) 今のとちょっと関連ですが,ホームレス対応で県庁の南側,地下鉄上がったら真正面に2人か3人,女性は怖がって遠回りしてますし,私もやっぱり歩けないぐらい薄暗がりで,しかもベンチを専用に使ってますし,地下鉄上がってすぐですから,ちょっと移動していただいた方が,少し離れたところだったら,みんな我慢するんではないか── 県民会館の北側で,向こうの地下鉄上がってくるところ,それもひとつよろしくお願いしたいと思います。
2004.12.03 : 平成16年決算特別委員会第1分科会〔15年度一般・特別会計決算〕(保健福祉局)
◯分科員(川内清尚)
7点目は,ホームレスの自立支援についてでございます。
昨年7月に国からホームレス自立支援法による基本方針が示されたことを受けまして,本市でも本年7月にホームレスの自立の支援等に関する実施計画を作成したところであります。ことし8月に実施したホームレスの一斉調査では,昨年同月の 325人から 190人へと大幅に減少しており,今年度から配備された巡回相談員2名の方の取り組みや,また関係部分との連携を図った取り組みの成果でもあると,一定の評価はいたしております。来年からは震災10周年の記念事業が市内で展開され,市外からも多くの方々が訪れることとなりますが,市街地中心部,特に市役所周辺やメリケンパーク周辺には,いまだ多数のホームレスの方が集中しています。自立支援を積極的に行い,市外からのお客さんにも,またホームレスの方々を含めました神戸に在住の方々にも,神戸が復興したことを実感していただくために,これまでより一層積極的に自立支援を行う必要があると考えますが,いかがお考えかお伺いしたいと思います。
◯谷口保健福祉局総務部長 私の方から,生活保護,それからホームレスの自立支援につきましてお答え申し上げます。
まず,生活保護につきましては,この制度は国民の最低限度の生活を保障するということと,それからあわせまして自立を助長するということが目的になってございます。働けるのに働く努力をしないと,そういうようなこと。こういうことがございますと制度の本来の趣旨が非常に曲がってしまいますので,我々としましては,制度を適正に運用していくというふうに考えてございます。
今,生活保護,最近の状況につきましてちょっとご説明させていただきますと,非常に今,景気が悪い,それから高齢化が進んでいるというふうなことがございまして,被保護世帯の増加傾向,これがずっと続いてございます。その内訳でございますが,ことしの7月現在,被保護世帯,これを世帯別に見てまいりますと約46%が高齢者世帯でございます。この割合はここ数年大きな変化はございませんが,一番大きな割合を占めてございます。一方,疾病あるいは障害と,こういったものに該当しない不況等によります失業者,こういったその他世帯というふうな分類がございまして,この比率が10年前,平成6年7月と比べてみますと 4.4%から12.8%ということで,約3倍ふえてございます。そういったところ非常に増加傾向が高いというふうなこともございまして,神戸市としましては,18歳から64歳,いわゆる働ける年齢層でございますが,ここに対しまして就労支援を行ってございましたが,昨年度からより求人の可能性のございます45歳未満──これは若年の稼働年齢層,こういったところの新規の受給者,新たに申し込まれる方に対しまして,重点的な自立支援を行うというふうなことをやってございます。具体的には申請をされる際に,早期に就職先を見つけるというふうなことを計画的に行ってもらうために就労計画書,これを出してもらっていまして,3カ月以内にその辺をはっきりとご報告いただくと。それから,同じく求職活動報告書というのを定期的に出していただきまして,実際どういうふうな形で就職活動をされているのか,例えばハローワークに何回行ったかとか,どこの企業にどう行ったとか,面接に行ったとか,そういった実際の記録を提出してもらいまして,余りまじめにされていない方につきましては,指示書等を出すなりの法的手続を踏んで,保護の停廃止も検討するというふうなことをやってございます。
それから,そういった本人の努力以外に,各区にハローワークのインターネット情報を置きまして,そこで情報がすぐに見られる状況にしてございますし,それからどうしても資格,あるいは技術,そういったものが要るという人につきましては,技能習得費という形の扶助を図ってございます。それから,こういった本人の努力以外に側面的に支援ということで,昨年度から民間のいろんな経験者を集めまして,就労支援員ということで3名配置いたしまして,今年度新たに5名を配置しております。具体的には履歴書の書き方でありますとか,ハローワークに行ってどういうふうにするとか。企業へ行ったときの受け答えと,そういった細かいことまで指導しておりまして,ことしの上半期で見てまいりますと 271名を支援いたしまして,95名が就労を開始してございます。それにあわせまして,それぞれの区におきまして,先ほど申し上げました若年の稼働年齢層,こういったところの自立していただくための選定ケース,こういったものを想定しまして,積極的に取り組んでございます。具体的にはことし10月末で 902ケース選定いたしまして,いろいろ指導等を行ってまいりました。その結果,上半期で約4割, 370ケースが就労を開始いたしまして,このうちの 153ケースが自立しまして,保護は廃止されております。
こういった区でのいろんな取り組みの成果によりまして,先ほど非常に被保護世帯等がふえておるというふうなことを申し上げましたが,その人員だけで見てまいりますと伸び率が鈍化してございまして,14年10月では約11.3%の伸びでございましたが,15年10月には9%,そしてことし10月現在で 4.4%ということで,被保護人員の伸び率がかなり下がってございます。今現在,全国の平均が 6.2%ということで,全国平均を下回るような状況になってございます。なかなかそれぞれ保護に来られる方,個々に事情が異なってございますが,窓口でできるだけ丁寧な応対をいたしまして,より一層自立していただくような取り組みをしてまいりたいと思ってございます。
それから,ホームレスにつきましては,先ほどお話がございましたように,国の方,14年8月にホームレスの自立支援等に関する特別措置法,こういうのが制定されました。それに基づきまして,この7月に神戸市ホームレスの自立支援等に関する実施計画を策定いたしまして,関係部局ともに取り組んでございます。特に神戸市の場合で申し上げますと,従来から更生センター,更生援護相談所,磯上荘,兵庫荘,こういったところを中心に,我々の関係機関と連携を図りながら,ホームレスの方々の就労の支援,それから住居の確保,生活保護の適用といったことを行いまして,少しでもホームレスから脱却していただけるような支援策を行ってきてございます。
実際いろいろと話を聞いておりますが,とりわけ今年度から巡回相談員2名,民間の方も入ってございますが配置しまして,それぞれのホームレスの方にじかにお話をお聞きしまして,何が問題で,どういったところに解決策があるのかというふうなことを地道に回ってございます。そういったいろんな情報もベースに,それぞれの施設管理者と連携をとりつつ,自立の促進をいろいろ図ってきました結果,昨年 325名のホームレスの方がいらっしゃいましたが,ことし8月で 190名というふうな形になりまして,お気づきと思いますが,メリケンパーク,湊川公園,こういったところでホームレスの方,かなり解消されて,ほぼ見当たらないというふうな状況になってございます。なかなかホームレス対策,景気にも左右されますし,いろんな要因はございますが,こういったやはり生活保護も一緒でございますが,それぞれの事情がございますので,いろいろ事情をお聞きしながら,関係部局で知恵を出し合いながら,少しでも自立できるような取り組み,これはなかなか遅々として進みませんが,できるだけまじめにやってまいりたいと思いますので,よろしくお願いいたします。
2004.06.28 : 平成16年福祉環境委員会 本文
◯中村保健福祉局長
神戸市ホームレスの自立の支援等に関する実施計画(案)についてご報告をいたします。まず,1背景でございますが,平成14年8月にホームレスの自立の支援等に関する特別措置法が施行されました。この法におきまして,国は基本方針を,地方公共団体は実施計画を策定しなければならないと定められているため,このたび本市の実施計画を策定することとなりました。次に,2実施計画の概要でございますが,初めに第1,ホームレスに関する現状でございますが,平成15年1月から2月にかけて実施された全国調査におきまして,本市では 323人のホームレスの方が確認されています。また,従来から関係各部局,機関が個別の案件ごとに連携,協力しながら適切に対応してまいりましたが,国の基本方針の告示を受けて,昨年10月に神戸市ホームレス対策連絡会議を設置をいたしました。このような本市の現状を踏まえて,第2といたしまして,ホームレス対策の推進方策を策定しております。初めに,1基本的考え方でございますが,(1)みずからの意思で安定した生活を営めるように支援することを基本とする。(2)神戸市民福祉総合計画2010の理念にのっとり,市民の理解と協力を得ながら進める。(3)自身の能力活用を図るとともに,自立した生活が営めるよう基本目標に従って施策を推進する。以上3点をホームレス対策の推進の基本としております。次に,2基本目標でございますが,(1)安定した居住の場所の確保。(2)就業の機会の確保など,ごらんいただいております10項目を定めてございます。また,3基本目標の各課題に対する取組方針でございますが,この10項目の基本目標を達成するための具体的な取り組みを掲げ,事業を推進してまいる所存でございます。
70ページをごらんください。
4総合的かつ効果的な推進体制として,国や兵庫県,民間団体等の関係機関との連携,協力を図りますほか,5フォローアップと見直しとして,本実施計画の運用期間は5年を考えてございますが,その期間満了前に施策の評価を行いたいと考えております。最後に,3市民からの意見聴取でございますが,実施計画を作成するに当たり,本年5月1日から28日までの間,市民の方々からの意見聴取を行ったところ,57人の方から 142件の意見をいただきました。なお,計画の詳細につきましては,お手元に神戸市ホームレスの自立の支援等に関する実施計画(案)及び当計画案に関する意見募集の実施結果についてをお配りしておりますので,後ほどごらんをいただいたらと思います。
◯委員(土居吉文) 先ほどの説明の中,またこの文章にもあったんですが,今, 323名ですか,そういう方が神戸の中におられると。この計画の中での,言いかえたら目標といいますか,例えば1年後には何名に減らし,2年後には何人に減らし,ゼロにするには何年後にはゼロにしたいと,こういうような何か目標設定的なものはこの中にあるんでしょうか。私,さっと見たけど,何か数字的なことが載っていないような感じがするんですが,そういうものはあるんでしょうか
◯中村保健福祉局長 特に何人にするというような数値目標は掲げておりません。そこまではちょっとできておりません。大体 300人ちょっとでずっと過去推移しておりまして,ただご説明もあれですけれども,中にもずっと生活保護とか,そういうことで切りかえて,あるいは住居を確保したり,更生センターに入ったり,あるいは入院されたりということで,いわゆるホームレスという概念から外れていっている方もたくさんいらっしゃるんですけれども,結果的に 320〜 330人でずっと推移してきているという感じですから,あちこちからも,やはり神戸の方にお越しになっている方もどうもいらっしゃるようだというようなこともありまして,大きなそういう数値目標というようなものは特に立てておりません。
以上です。
2004.03.23 : 平成16年都市消防委員会 本文
43 : ◯委員(南原富広)
それと,もう1つ,これだけは。代替措置のない退去はやめてほしいと。これはほんまに国連でも大問題になったんですよ。家,住むとこなしにホームレスにしてしまいよんかと。大問題になっとるんです。ほんま,大都市神戸が,ホームレスをつくるようなことだけはせんとってほしいんですわ。ほんまに代替措置,どこそこの家決まったかということだけ,やっぱり確認して,そこまでが神戸市の仕事やということにしてほしいと。これだけは強く要望して終わります。
◯大山都市計画総局住宅部長 代替措置というのが,多分ホームレスになられる方はほとんどおられないと思います。多分,親戚を頼られるか,友達を頼られるか。強制執行へいって,ちょっと待ってちょうだいというのがあるんです,実際。それは4割方おられます。もう1カ月ほど待ってと。ほたら1カ月ほど待ちますと。その間に多分親戚を頼って行かれるか,友達を頼って行かれるか,その段取りをつけるか。何らかの段取りをつけて,急に市営住宅からホームレスという,端的な,そういう直線的には余りないと思います。
その次,次々に段階にいきゃあ,そういう過程は──するけど,私ところからすぐに即というのは,ほとんどないと思います。
以上でございます。
◯副委員長(浦上忠文) そのほとんどないとか,余りないという言い方は気に入らんのですけど。強制退去ですぐホームレスになる例もあるというふうになってしまうやないですか。それは神戸市としてはそういうことはないと言い切ってほしいんですが,どうでしょう。
◯大山都市計画総局住宅部長 ちゃんと調べたことがないですから,言い切るというのは難しいと思いますけど,そういうことは余りあり得ないんじゃないかと思います。その程度でよろしくお願いしたいと思います。
◯委員長(佐伯育三) 次に,陳情第64号災害公営住宅家賃滞納者への対応改善を求める陳情については,いかがいたしましょうか。会派のご意見をお聞きします。
◯委員長(佐伯育三) 自由民主党さん。
◯委員(吉田基毅) 結論は,不採択です。神戸市の家賃滞納者への対応については神戸市は懇切丁寧に十分やっております。また,その中で,苦しい中でも家賃を払っている方がいるし,これ以上のことをするとやっぱり家賃を払わなければいけないという意識の低下も招きかねないと,それだけのことを神戸市がしているという理由で不採択にします。
◯委員長(佐伯育三) 民主党さん。
◯委員(白井洋二) 結論は不採択です。法律に基づく中で,いろいろと当局としても入居者の立場を考えながら,それなりの対応をしておるということでございますし,また,法的にルールを守らないという方たちに対して,それはやむを得ない措置がとられておるように思っております。
さらに,きょうのご答弁の中にもさらにきめ細かく取り組んでいきたいという前向きな発言もありましたことからして,不採択です。
◯委員長(佐伯育三) 公明党さん。
◯委員(上脇義生) 結論は不採択です。私もいろいろと相談を受けますけれども,やはり自立をしようという人はいろんな形で頑張っておられますし,どうしようもないときにはやはり生活保護とか救い手もございます。そういう面ではよく神戸市も対応されておると思います。ですから,それでどうにもならんというのはかなりご本人に問題が多いことが多いと感じます。不採択です。
◯委員長(佐伯育三) 日本共産党さん。
◯委員(南原富広) 県の方ではね,家賃滞納があった場合でも低減措置を,減免やそんなん打ち切ったりはしてないんですよ。さらに,近傍同種の家賃に引き上げるということもやっていない。ずっとそのままいっとんのです。だから,やっぱりよそができるのに,神戸市はやっぱり冷たい。絶対,冷たいよ,そういう意味では。しかも先ほどの質疑の中で,副委員長の質疑によって,つかめていないと彼らは言うわけです。本当に住宅から出た人がホームレスになっとうかどうかつかめていないわけです。現にそういう人もいるわけですよ。だけども,国連ではそんなひどいことはしてはならんと,こういうように言われとんです。他では,ちゃんと住むところ,次の住むところを手立てできたかどうか確認をして,退去させるという自治体もあるんです。ですから,そういう意味では,皆さん頑張っとうと言われるけれども,神戸市は頑張っていないです。そういう意味では,今ここに書かれておる陳情というのは,ごく当然今すぐにやらなければならないこと,私たちはそんなふうに思っております。ですから,採択を。
◯委員長(佐伯育三) 自民党新政会さん。
◯委員(長谷川忠義) 不採択。
◯委員長(佐伯育三) 住民投票☆市民力さん。
◯副委員長(浦上忠文) 例えば民間なんかの場合で家賃を滞納したら,すぐ出て行けということになるんでしょうけれど,それに比べたら市営住宅に住む人は幸せやなと,こう思うんですが,ただ民間にしろ市営住宅にせよ,家賃の滞納ということが何で起こるんかということが,我が会派の5人から見たらどうしてもわからへん。ほんまにお金がなくなったら,そのために生活保護があって,家賃の滞納なんていうのは起こらへんのやないかと思うんで,陳情事項の1から4までについてはようわからんのですが,5番目の代替措置のない強制退去,強制執行というものが絶対にないとは言い切れへんという,あの大山部長の態度に対しては多少異議を申し立てたいところがあるので,この陳情を採択して大山さん,ちゃんとやれとこう言いたいという意味があるので,採択をお願いいたします。
◯委員長(佐伯育三) 不採択と採択に分かれておりますので,これよりお諮りいたします。
本陳情を採択することに賛成の方は,挙手を願います。
(賛成者挙手)
◯委員長(佐伯育三) 挙手少数であります。
よって,本件は,不採択とすることに決定いたしました。