北海道札幌市


平成16年度保健福祉局実施プラン期末報告

ホームレス自立支援事業  総務部

ホームレスの自立を支援するため、街頭相談、救護施設就労支援入所及び専門相談員の配置を行う。【16年度予算額 11百万円】

     ホームレス総合相談会 5月、10月の2回開催。民間のホームレス支援団体と共催。

・救護施設緊急入所 62人 (平成1612月現在) 

・救護施設就労支援入所 延べ件数 14人(平成171月現在) 

・ホームレス相談員の配置 中央区保護課1名 (街頭相談活動、情報収集等) 

・概数調査、生活実態調査を実施 


 公文書公開請求等の内容及び処理状況(平成17年度)

平成17年8〜10月に中央、東、北、白石区において、受給前までホームレスだった生活保護受給者に対して出された指導指示書

平成17年8月1日から平成171031日までの間に、生活保護法第27条に基づき中央区保健福祉部長が発行した指示書のうち、保護受給以前までホームレスであった生活保護受給者に出されたもの。


 皆さまからの声の一覧 <道路・除雪・河川に関すること>

受付日:平成1822

雪道がとてもすべりやすく、寒い日が続き、ホームレスの方たちがどうしているのか心配です。

 先日もテレビのニュースで札幌では仕事がないため、函館まで来たけれど仕事のない方の姿が放映されていました。そういう方に歩道に砂をまいたり、凹凸のある歩道の高低差を取り除いていただくだけでも助かります。

 すべる道を歩いて骨折して国保が赤字になるより、ホームレスの方にお願いして賃金あげてください。そのために税金が上がるなら我慢します。

担当:建設局雪対策室、厚別区土木部

申出人には下記のとおり回答しています。

 

 歩道の路面凍結における砂(すべり止め材)の散布は、各除雪センターの道路除雪業務として、歩行者の多い地下鉄駅や主要な公共施設周辺を対象に、道路パトロールを行ない、気温、路面状況等を判断し散布しています。

 また、特に歩行者の多い交差点等には歩行者用砂箱を設置して、通行する方に砂をまくことに協力していただいています。

 歩道の段差解消につきましても、歩行者の多い歩道等については道路状況を確認のうえ段差の軽減を行っていきたいと考えています。

 このように、気温や路面状況及び除雪状況により適宜判断して砂の散布などの作業を迅速に行う必要があることから、ホームレスの雇用については考えていません。


 札幌市議会


平成16年第二部予算特別委員会−0316-05

◆横山光之 委員  私からは,本市のホームレス対策について伺います。

 もう大分長くなりましたので,簡潔にやります。

 本市はこの4月から市内のホームレスの中で勤労意欲のある人が就職や住居が見つかるように手助けをする自立支援事業に着手をするということであります。

 そこで,私からホームレスに関して何点か質問いたします。

 初めに,JR高架下のエルムの里公園から退去いたしましたホームレスのその後の状況について伺います。私の住まいのすぐ近所でありますが,北6条西8丁目の高架下にあるエルムの里公園にホームレスがテントを張って住みついておりました。いわゆる定住型のホームレスということで,近隣住民から苦情が寄せられ,また,公園としての本来の機能が失われるなど問題となっておりました。その後,本市の関係部局の大変なご努力で平成13年中にはすべて退去し,現在は運動公園として見違えるような整備をされました。地域住民から大変喜ばれております。私も時々出かけておりますが,ここで備えられた器具を使って健康づくりに励んでいる人々を見るたびに,本当によかったなと感謝をしているところであります。

 その折もホームレスの退去を求めるに当たって,この人たちのその後の生活がどうなるのか。ただ追い出しただけでは問題の解決にはならないと。定住型のホームレスと違って,普通のいわゆる移動型のホームレスは,冬期間は凍死,それを避けるために夜は眠らないで歩き続けて,朝地下街や公共施設があくと,そこに入って昼の間は眠るという人もいるのだというふうに聞いております。人道的にも公園を退去した後のことがどうなるのか,関心を持たれていたわけであります。

 私は,一昨年の予算委員会でこの問題について質問をいたしましたが,当時,エルムの里公園を退去したホームレスは16名いたわけですが,この人たちがその後どうなっているのか。そして現在,どのように暮らしているのか,1点目お伺いをいたしたいと思います。

 2点目ですが,当時,エルムの里公園以外に,札幌市内にいるホームレスについては数十人規模と報告されておりましたが,最近,大通公園や地下街でホームレスとおぼしき人を見かけることが多くなってきているように思いました。現在では,札幌市内にどのぐらいのホームレスがいると把握しておられるのか,伺います。

 次に,3点目であります。平成14年にホームレスの自立の支援等に関する特別措置法が成立をいたしまして,この中で,地方公共団体は,国が策定する基本方針に即して施策を進めるべきことが定められたわけであります。国では全国を対象に実態調査を行って,その結果に基づいて15年7月に国の基本方針が出されたとのことでありますが,その内容はどのようなものか,お伺いいたします。

 4点目であります。札幌市はこの国の基本方針を受けて,札幌市としてのホームレス自立支援事業を行うということであります。ホームレス問題の解決には,居宅の確保や生活保護の支給も大切でありますが,何といっても,職について自力で生活できることが第一であります。ボランティア団体の昨年行ったアンケート調査でも,きちんと就職をしたいという人が60%を超えており,行政の支援を受けながらでも,軽い仕事でもいいからしたいという意見も含めると70%の人が働きたいという希望を持っているわけであります。今は路上生活を送っていても,やはり人間として就労をして,自力で生活をしたいというのが大勢の皆さんの気持ちだと思います。

 したがって,今回の国の方針を受けての札幌市の取り組みは大きな期待が寄せられていると思うのであります。具体的に,札幌市としての取り組みについて,どのようなお考えか,お伺いをいたします

◎土屋 総務部長  1点目の平成13年にエルムの里公園から退去したホームレスの方々のその後でございますけれども,1名の方は自力で退去しましたので15名が残りましたけれども,この方々につきましては,生活保護施設へ一時入所していただき,その後,アパートを借りて順次生活保護による居宅での生活に移行しているところでございますが,その後,稼働により自立した方もおりますので,現在は13名が保護を受けまして療養に専念する,または求職活動をしているということになっております。

 それから,2点目のホームレスの現在の数でございますけれども,平成15年1月に実施いたしました全国の調査では88名,それから昨年の12月に行った札幌市の調査では91と,このようになっております。

 それから,国の基本方針でございますが,ただいまお話にございましたように,昨年の7月にこの方針が国から出されたところでございます。この内容の主なものでございますけれども,就労する意欲はあるが失業状態にある方,あるいは医療・福祉等の援護が必要な方など,それぞれの実情に応じながら,就労,住居,それから保健・医療等の各分野にわたって関係機関や民間団体との連携を図りながら,総合的かつきめ細かに政策を実施すると,こういうような内容になっております。

 それから,こういった基本方針を受けて,札幌市ではどのように取り組むかということでございますけれども,まず第1点目といたしましては,相談体制の充実でございます。健康診断を含む健康相談,それからハローワークによる就労相談,弁護士によるサラ金等の法律相談,それから区の生活保護相談担当者による生活福祉相談を内容とした総合相談会を定期的に実施するとともに,加えて新たに専門の相談職員を1名配置いたしまして,これは嘱託でございますけれども,街頭に出ていく巡回相談を行うことにより,広くきめ細かな相談体制の充実を図りたいと考えております。

 2点目といたしましては,今,お話がございましたように,就労でございまして,就労を積極的に支援する仕組みづくりをしたいと思っております。就労による社会復帰を希望する方に対しまして,新たに市内の救護施設1カ所に就労を支援するため4名から6名の枠を設け,3カ月をめどに専門の指導員のもとに,規則的な生活の訓練や職安との密接な連携によって就労を実現し,自立を目指す事業に取り組みたいというふうに考えております。

 それから,3点目は,これは従来から継続しているものでございますけれども,高齢,障がい,傷病等により福祉的な援助をしている方につきましては,これも生活保護施設への緊急一時入所等を通して,生活保護による対応を図ってまいりたいと,このように考えているところでございます。


 平成16年第二部予算特別委員会−0326-10

     小須田悟士 委員

次に,ホームレス対策についてであります。

 就労支援による自立こそが問題解決につながることから,新たな就労支援入所事業に期待をするとともに,専門の相談員による街頭での巡回相談にも力を入れるよう求めます。

 また,ホームレス問題の対応には,民間支援団体の活動が極めて重要な役割を果たしております。役割を分担し,互いに協力しながら,一人のホームレスも残さないという強い決意で取り組まれることを要望します。


平成16年(常任)厚生委員会−0415-記録

◎深村 総務部長

次に,3ページの上から2番目,生活困窮者福祉事業費がございます。この中のホームレス自立支援事業は新年度から新たに実施する事業でございまして,ホームレスの方の自立を支援するため,施設入所をベースとした就労支援や専門相談員による巡回相談などを行うものでございます


 平成16年第 1回定例会−0330-06

◆本郷俊史議員 第二部予算特別委員会に付託されました議案28件について,その審査結果をご報告いたします。

生活保護費では,生活保護の就労支援では,ケースワーカーのきめ細かな指導も重要であり,成果を上げている就労支援相談員の配置拡大とともに,職員の資質向上にどう取り組むのか。ホームレス問題の根本的な解決には就労による経済的自立が不可欠であり,国の方針を受けて,本市が行う自立支援事業ではどのような取り組みを行うのか等の質疑がありました

◆小須田悟士議員

次に,ホームレス対策についてであります。

 就労支援による自立こそが問題解決につながることから,新たな就労支援入所事業に期待するとともに,専門の相談職員による街頭での巡回相談にも力を入れるよう求めます。

 また,ホームレス問題の対応には,民間支援団体の活動が極めて重要な役割を果たしております。役割を分担し,互いに協力しながら,一人のホームレスも残さないという強い決意で取り組まれることを要望いたします。


 平成15年第 4回定例会−1202-03

◆三宅由美議員 

4点目は,ホームレス対策についてです。

 さまざまな要因により都市内の公園や道路,河川敷などで野宿生活を送ることを余儀なくされた人たち,いわゆるホームレス問題は,これまで自治体やボランティア活動にその対応がゆだねられてきました。

 しかし,長引く不況を反映して,その数は急増し,地域社会とのあつれきを生ずるなど大きな社会問題となってきたことから,昨年8月に,ようやく,ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法が成立し,支援に向けた国や地方公共団体の責務や施策の方向が明らかにされました。

 この法律に基づき,本年1月から2月にかけて行われた全国調査では,約2万5,000人のホームレスが確認され,失業がきっかけとなっている者が大半で,健康面で問題のある者が5割,就労意欲のある者が5割となっています。

 この現状を踏まえて,7月に基本方針が策定されております。その中で,推進方策の基本的な考え方としては,総合的かつきめ細かな対策と,みずからの意思で安定した生活を営めるように支援することを掲げ,12項目にわたって具体的な課題を示しています。

 本市においては,全国調査の際に88人が確認されており,本州方面の大都市と比較すると少数であるとはいえ,年々ふえる傾向にあります。また,積雪寒冷地であるということを考えますと,決して見過ごすことのできない問題であり,積極的な対応が必要と考えます。

 全国調査や基本方針を踏まえ,就業,生活,医療など各分野の相談支援体制の充実に向けてどのように取り組まれるのか,市長の考えを伺います。

◎市長(上田文雄)

4番目のホームレス対策についてでありますけれども,国の基本方針では,ご指摘のとおり,ホームレスの方々の置かれた状況に応じて,総合的かつきめ細かな対策を行うこととされ,また,地方公共団体にホームレス数に応じた適切な措置の実施を求めているところであります。

 札幌市におきましては,従前より,高齢であったり,傷病,障がいのあるホームレスの方々に対しては,生活保護施設や医療機関を通して生活保護の適用を行ってきたところでありますが,さきの全国調査の結果によりますと,札幌市においても,全国と同様に,体の不調を覚える方がいる一方で,就労を望んでおられるという方も多くありました。今後は,国の基本方針を踏まえて,さらに,札幌市の現状に即して,健康や就労など種々の相談に応じられる体制の整備や,就労意欲のある方々に対する自立支援策について,きめ細かな対応策を講じてまいりたいと考えておるところであります。


 平成14年第 1回定例会−0328-07   

◎上瀬戸正則君

公園緑化費では,小金湯ガーデンパーク構想については,地元の要望も強いことから,パークゴルフ場の設置を検討すべきと考えるが,どうか。旭山記念公園の再整備において,市民意見の反映をどのように考えているのか。また,記念植樹林については伐採すべきではないと考えるが,どうか。エルムの里公園については,ホームレスの退去が完了したが,今後の再整備をどのように行うのか。環境教育の充実に向けた円山動物園の役割として,ペットの飼い方教室などの講座を実施すべきと考えるが,どうか。手稲山ロープウエーについては,老朽化が著しく,経営も厳しいことから,廃止も含めた何らかの対処が必要と考えるが,どうか。環状グリーンベルト構想の推進のためにも,北区における開墾の森構想の具体化が必要と考えるが,その実現に向けてどのような調査を行ってきたのか等の質疑がありました。

◎義卜雄一君

生活保護費では,生活保護制度の悪用には厳正な態度で臨むべきと思うが,不正受給防止のため,どのような取り組みを行い,発見した場合はどのように対応するのか。エルムの里公園では,ホームレスの自立や就労支援のため相談窓口が設置されるなど,特別な対策が実施されたが,他の地域でも同様の対応はできないのか


 平成14年第一部決算特別委員会−1023-08   

◆岩村よね子 委員  私は,公園,山のトイレと都市環境緑地について伺います。

 まず,トイレの問題ですけれども,大通公園の3丁目,5丁目,7丁目,9丁目,11丁目にある5カ所のトイレが全部,夜間11時から翌朝の6時まで閉鎖されております。夜間勤務するタクシーの運転手さんであるとか,トラック労働者,周辺道路工事の方々など,大変不便だというふうな苦情を訴えるはがきが私のところに届いております。イベントのときには,一部あけているということですけれども,先日終わりましたDPIの期間中では,3丁目,5丁目の2カ所で夜間160人の使用があったというふうに伺いました。

 公衆トイレは,あいているのが当然だというふうに私は思うのですけれども,どうして閉鎖に至ったのか,その辺の事情について伺います。

 それから,2点目は,空沼岳の常盤側登山口のトイレ設置についてですけれども,この問題は,登山愛好者の団体などから市に要望が出されて,平成9年,平成11年の過去2回,特別委員会で我が党の荒川議員より質問も行われたところです。ご答弁は,石狩営林管理署の所管事業ではありますが,整備が可能かどうか,関係機関と協議してまいりたいというふうなことでした。協議の結果,どうなったのか,伺います。

◎中野 緑化推進部長  今の大通公園の夜間閉鎖になった理由ということでございますが,大通公園は,平成元年から始まりましたリフレッシュ事業で,委員指摘の5カ所のトイレについて新改築をいたしたところでございます。

 当時,完成年度から順次24時間開放していたのですけれども,夜間のいたずらでの施設の損傷,あるいはまたホームレスの寝泊まり場所になったということでございます。したがいまして,一般利用者への障害が多く発生したという事実がございます。こういったことに加えまして,さらに防犯面も勘案し,平成4年度から,午後11時ということで夜間閉鎖を行い,現在に至っております。


 平成14年第二部予算特別委員会−0307-02

◆坂本恭子 委員  ホームレス対策について質問いたします。

 昨年の3定でもこの問題については取り上げてまいりましたけれども,昨年の11月のエルムの里公園におけるホームレス対策のその後がどのようになっているのか。自立支援あるいは就労支援等,どのように進められてきたのかについて,まず伺います。

 さらに,本市のホームレス実態調査,3回目が昨年12月に行われたとの報告受けております。昨年の3定での質疑の中で,宮崎総務部長は,ホームレスの方の切実な要望をよく把握したいというふうに答弁をしておりますけれども,実際,実態調査の中では41名のホームレスの方の存在が確認されたと。大通・さっぽろ駅周辺で行ったというような中身になっておりますが,相談窓口があることを知っているかという問いに対して,61%の方が知っていると,24%の方が知らなかったというふうに調査の結果が載っております。知らないと答えた方に対しては,相談窓口のお知らせ文書を渡してきたというようなことになっておりますけれども,何かあったら来なさいということで,来るのを待つというような姿勢というのは前回と変わっていないのか。前回は対策を立てるために調査をするのだと,そういうふうにおっしゃっておりましたから,これからどんな方針でこのホームレス対策をとるおつもりなのか,この調査を踏まえてご答弁をいただきたいと思います。

◎宮崎 総務部長  ホームレスの関係についてお答えいたしますけれども,今,お話にありましたとおり,エルムの里の関係については,幸いうまく対応ができました。ただ,昨年調査いたしまして,これ以外の中心部に41名おいでになったわけですけれども,この方たちへの今後の対応については,一つは北大のボランティア活動の方もおいでになりますし,それから宗教関係の団体の方もおいでになって,その他,自発的に支援をされている方もおいでになります。私どもも,せっかくこういうボランティアの団体の方もいろいろと機能というか,ご協力をいただいているものですから,極力タイアップをして,私たちができないところは補完していただきながら,効果的なその対策ができるようにと思っています。

 ただ,ホームレスはホームレスであることだけをもって生活保護を受けられるということにはなりませんので,あくまでも,こういう方々のうち,生活保護の基準に合うといいますか,困窮している方を対象に対応していきたいというふうに思っております。

 それから,ホームレスの方のその後の対応でございますけれども,とりあえず救護施設に順次お入りいただいて,その入っている間に,定住していただくようなアパートなりを探していただいていると。そういうような手法を加味しながら,生活保護の基準,ほとんど生活保護を受けることになったのですが,そういう形で救済をしております。もちろん,保護で終わりということではなくて,就労可能な方については,我々,きちんとその状況を把握して,今後,生活の基盤がきちっとできるように自立支援・指導をしっかりとやっていきたいと。なお,今のところホームレスに戻ったという方は幸いにしていないというふうに把握しております。


 平成14年第一部予算特別委員会−0320-08   

◆横山光之 委員  北区北6条エルムの里公園のホームレス問題と,その再整備並びに今後の利用,さらに本市のホームレス問題全般についてお伺いいたします。

 バブルの崩壊後において,経済情勢の悪化を反映して,リストラ等による失業,離婚,家出等の家庭崩壊,社会生活からの逃避等,さまざまな要因により,都市内の公園,道路,河川敷等で野宿生活を送る,いわゆるホームレスが急増し,最近の調査では,全国で2万5,000人にも及ぶと言われております。

 ホームレスに至る大きな要因の一つは失業であり,就労する意思を持ちながら,仕事がないための失業状態にあるなど,産業構造の変化や不況による影響が原因と考えられております。そのほか,社会的束縛を嫌うものや諸般の事情から身元を明らかにしないなど,社会生活への不適応や借金あるいは生活破綻,アルコール依存症等の個人的要因によるものも増加をしているところであります。これらの社会経済的背景や個人的要因が複合的に絡み合って,ホームレスは発生しているものと考えられることから,全国的にもその解決は容易ではないと認識されておりまして,各都市ではそれぞれの状況に適応した自立あるいは保護に至る施策を講じているところであります。

 こうした中,国においても,平成11年5月に,旧厚生,自治,建設,労働等の関係省庁並びに東京都,大阪市,名古屋市等の,この問題が深刻な自治体が一体となって,ホームレス問題に対する当面の対応策を打ち出し,行政としてホームレス問題に取り組んでいるところであります。また,国会においても,問題の解決に向けてさまざまな努力が続けられているところであり,一日も早いホームレス問題の解決策が待たれているところであります。

 一方,積雪寒冷地であり,冬期間,屋外での生活が困難と思われる本市においても,近年,ホームレスが増加し,特にエルムの里公園は,平成8年ごろから十数名が公園を占有した,いわゆる定住型のテント生活を始めました。このことから,本来の公園利用が阻害され,地域住民にも不安や不満の声が上がり,私も再三にわたり質問や要望を繰り返してきたところであります。

 そのような状況の中,昨年10月にエルムの里公園のホームレスに対し,公園管理者から退去要請を行い,あわせて,福祉部門により社会復帰への相談を行ったところ,昨年11月までに全員が退去し,そこに住んでいたすべてのホームレスが別の場所で新しい生活を始めたのであります。

 この公園の問題には私も大きな関心を抱き,ホームレスが一日も早く社会復帰することや,地域の皆さんが安心してくつろげる公園になるよう祈ってきただけに,非常にうれしく思っているところであります。

 さて,昨年の決算特別委員会において,清水緑化推進部長から,その時点で退去の要請中であり,全員退去の見通しにあること,退去完了後は公園の再整備を行うとのご答弁をいただきました。退去後の現在,着々と工事が進められており,地域の人々も非常に楽しみにしているところでありますが,今後,どのような公園にリニューアルし,地域等でどのような利用ができるのか,お伺いいたします

◎清水 緑化推進部長  エルムの里公園の再整備についてお答えいたします。

 この公園の再整備につきましては,地域の皆さんの意向やフリーマーケット等の現在の利用状況を考慮した上で,健康や地域コミュニティーの増進を図ることができる公園づくりを目指して造成しております。

 健康の増進を図るものの内訳といたしましては,中高年の体力増進を考え,数々の健康遊具を設置するほか,ウオーキング,ジョギングなどができるレーンを配置し,さらにスリーオンスリーのバスケットゴールなどを設置する予定でございます。図面におきまして,このような形のものを今考えております。これがジョギングのできるところです。フリーマーケットがこっちの方でございます。ここはバスケットという形で考えて,これが健康遊具でございます。

 なお,今回設置する健康遊具につきましては,北区保健福祉部と相談いたしまして選定しておりまして,今後,保健センター等で事業を展開することができるような内容のものを設置しております。

 また,地域コミュニティーを図るものにつきましては,地域の催しやフリーマーケット等ができるイベント広場を設置いたします。

 エルムの里公園の周辺は高低差がございまして,通行量の多い歩道になっている関係から,中で遊んでいるボールなどが外に出ないように,多少高いフェンスで覆うことになっております。完成は,ことしの夏ごろを予定しておりまして,多くの方々に利用していただきたいと考えております


 平成13年第二部決算特別委員会−1004-02

◆坂本恭子 委員  私は,ホームレス問題について質問いたします。

 まず初めに,実態調査についてです。

 99年の3定,そしてことしの1定と,小川勝美議員がホームレスについて取り上げ,これに伴って本市の実態調査が一昨年12月,昨年12月と行われてきたものです。この調査は,ホームレスの実数の確認や寝泊まりしている場所や状況の把握,さらには健康状態,路上での生活期間,相談窓口を知っているかという聞き取りも行っています。今後は,この2回の調査を踏まえ,ホームレスの生活支援,自立支援を行うために,さらにどんな実態を把握する必要があるのか,何がわかれば自立への手助けがより可能になるのか,ぜひこの立場で調査を行っていただきたい,そういうふうに思うのですが,本市として,ホームレス実態調査ではどのような目的を持ってやってこられたのか。また,今年度の調査に当たっては,従来どおりのやり方なのか,新たに取り組むことはないのか,伺います。

 また,ホームレスの生活保護の申請にかかわって質問しますが,さきの聞き取り調査の1項目,区の相談窓口があることを知っているかについて,62%の方たちが知っていると答えています。しかし,実際にはなかなか1人では行きづらい,こういうことがあるようです。私も何人かホームレスの方とお話をしましたけれども,相談できるということは知っているというふうにおっしゃっていました。そしてまた,実際に保護を受けた人がいると,そういうこともわかっているよというお返事だったのですね。だけれども,自分は行かない,行きづらいのだというふうにおっしゃっていました。実態として,実際にこの方はお話を伺った方なのですが,相談に行ったのだけれども申請はできませんでしたと。あんたはだめだよというふうに言われて帰ってきたというような方もいらして,そういうお話が広がっていく中で,実際,行ってもだめなのではないかと。お話は聞いてくれても,実際手だてをやってくれないというか,申請は受けてくれないというようなことで,皆さん消極的になっている,行きづらいというようなお話でしたね。本当にこういう思いというのが少なからずホームレスの皆さんの中にはあると。そして,特にホームレスの場合には,相談に行くこと自体が本当に勇気のいることなのじゃないかということを,実際,私もお話を聞かせていただきながら実感をしたところでした。

 以前,エルムの里公園で,ボランティアの方が役所に相談に行きたい人はいないかいというような形で声をかけたところ,1人,2人と手が挙がって,最終的には10人ほどにふえて,じゃみんなで行こうということで区役所へ行ったという話をお聞きしました。これには,実際どのように対応したのか,ぜひこれをお聞かせいただきたいなというふうに思うのですが,相談窓口がありますよと,そういうことではなくて,もっと相談しやすい方法というのを考えるべきだというふうに思うのですが,この点いかがか,あわせて伺います。

 それから次に,救護施設についてなのですけれども,ホームレスの緊急入所に対応する施設として,この救護施設が受け入れ枠2名を昨年度からとっております。果たしてこれで十分なのかと,足りないのではないかというふうに考えているのですがいかがでしょうか,お考えをお示しいただきたいと思います。

◎宮崎 総務部長  ホームレスの関係についてお答えいたします。

 まず,第1点目のホームレス実態調査の目的ということでございますが,その主なところは,一つは当然でございますけれども,対策を立てるためには実数の把握ですとか,それから,その過程を通じて要援護者の発見をすると。同時に相談窓口を周知をしたり,あるいはそういうことを通じて行政とのつながりを確保したいということでございます。この調査結果については,今後も,当然でございますけれどもホームレス対策に反映していこうということです。

 12年度の調査項目は,先ほど委員ご指摘のとおりでございまして,ことしのまた同時期に,12月に実態調査をする予定でございます。さらなる対応策につながるような,そういう項目を内部的にいろいろ検討して,それで,特にホームレスの方の切実な要望といいますか,そういうのはどこら辺にあるのか,そういうことをよく把握をしたいという考えでおります。

 次に,2点目の相談の関係で行きにくい,そういう雰囲気があるのではないかというお話でございますが,相談をされても申請につながらないのが大部分だというご指摘なのですが,やはり保護を受けたいという要望はあるのでしょうけれども,その方のお持ちになっているいろんな生活環境というか条件といいますか,いろいろ多々ございます。サラ金の問題ですとか,あるいは逃避といいますか,いろんな家庭環境なり,病的なことなり,さまざまでございます。そういうことで,相談は受けるのですが,いわば生活保護制度のルールといいますか,そこに救済される形で条件が整ってくるかということもございまして,結果的には申請に至らない場合もこういう状況で出てくるということで,こういう点をひとつご理解をいただきたいと思っております。

 また,12年度も12月に実態調査をやりましたけれども,この折に相談窓口の周知といいますか,ビラもちゃんとお渡しをして,忘れないようにということで,いざという場合にはといったものも渡していまして,こういう工夫もしておりますし,また,その場では考えなくても,必要があればいつでも我々としては相談に応じるようにお話もしております。

 また,おいでになる場合でも,お1人で来る場合もありますし,それから先ほどお話にありました,ボランティアさんの手をかりてといいますか,あるいは指導を仰いでおいでになる方もいるのですけれども,当然ですが,一般市民と分け隔てなく,我々としては誠実に対応し,相談に応じているということでございます。

 それから,ボランティア団体のご指導で10名程度相談に来たケースの対応ということでございますけれども,ことしの1月に中央区役所の相談窓口の方に7名の方,それから北区の方に2名の方が生活保護を受けたいということだと思うのですが,来庁したことがございました。特に,中央区の場合,ボランティアの方を含めて14名という方が一時的に大勢でおいでになりまして,そういうことで事務的な混乱は避けたいということもありまして,別室を用意の上,地区担当係長に急遽応援させて,それぞれの個別の相談に応じたということでございます。

 ただ,一堂に,こういう形で事前の連絡がなくお見えになったものですから,我々として,他の相談者の相談に応じるのに障害が生じたという実態もありますので,できれば事前に連絡をとっていただいて,十分な相談体制をとれるよう,そういうふうにしていただければというのが,我々の率直な感情でございます。

 なお,この相談の結果なのですが,女性援助センターへの入所が1名,それから医療機関を受診された方が1名,それから救護施設に2名の方を急遽緊急入所として収容をしたと。そのほかの5名の方につきましては,順次救護施設の入所を待ちまして対応したということでございます。

 それから4点目の救護施設の枠がこれで十分かというお話かと思いますけれども,ホームレスの緊急入所につきましては平成10年度から実施しているわけでございますけれども,当初は,年末年始の,こういう札幌の積雪寒冷地の気候もございますので,緊急時の対応策として行っていたわけですけれども,その後,そういうことで取り扱い件数も平成10年は1件,11年は7件と,こんな数字でございました。12年度においては,ホームレスの数もある程度ふえてきたということもございまして,年間で2名の受け入れ枠を用意しております。

 それから,居宅生活が可能な方については,居宅への移行といいますか,相談にのりまして,その結果,一応21名にこの救済の対応策を活用していただいたと。一時的に2名ということですから,この枠を超える場合には使用が困難になるわけでございますけれども,現在のホームレスの数から見まして,現状で回しながらといいますか,こういうことで対応は可能というふうに私どもとしては考えております。

 以上でございます。


平成13年第一部決算特別委員会−1019-08

◆横山光之 委員  エルムの里公園のホームレス対策についてお伺いします。

 私は,これまで,エルムの里公園のホームレス問題について継続して取り上げてまいりましたが,ことしの第1回定例市議会予算特別委員会において,期限を定めて退去を求めてはどうかと提案したところ,緑化推進部長から,退去期限を具体的に定めることは有効な方策であると認識しており,早い時期に自主的な退去を促していくとの大変力強いご答弁をいただきました。

 ご承知のように,この公園はJRの高架下にあり,ほかの場所よりも天候の影響を受けないことから,平成8年ころからホームレスが住みつき,地元住民からは不安の声が上がっておりまして,私も何度も解決方法等について質問をしてきたところでありますが,なかなか明快なご答弁がいただけなかったように記憶しております。

 しかしながら,さきの委員会でのご答弁はまことに明快であり,必ずや実行していただけるものと期待しておりました。先週の1010日には,11月末日をもって退去を求める旨の看板を立て,チラシを配布したとの新聞報道がありました。ついに実施してくれたか,これで地域住民の願いもかなえられると喜んだのであります。このように素早く対応された札幌市緑化推進部の取り組みに対して,高く評価をするものであります。

 ホームレスに至っている要因につきましては,バブル崩壊後の社会経済状況等であったり,あるいは家庭の問題など,実にさまざまなものがあります。また,人権,社会の受け入れ態勢の問題にもかかわり,複雑な要因が絡んでいることから,その解決には非常に困難なものがあります。したがって,この問題は単にエルムの里公園からホームレスがいなくなればよいというだけではなく,退去後の社会復帰への対策を用意した上で対応する必要があるのではないかと思われます。

 一方,都市公園法及び札幌市都市公園条例では,公園を独占的に利用することが制限されており,その許可を得ない限りは,公園は,だれでも,いつでも,自由に利用できる空間であるはずであります。しかし,エルムの里公園は一部の人たちにより占拠され,その機能を果たすことができず,地域住民からも不満が寄せられております。そして,この問題は,公園管理者としてはどうしても解決しなければならない問題ではないかと思います。

 そこで,3月以降,今回の退去要請に至るホームレスへの対応状況はどのようなものであったのか,お伺いをいたします。

◎清水 緑化推進部長  北6条エルムの里公園のホームレス対応といたしましては,本年度も引き続き公園管理者である北区土木部が,月三,四回,定期的に現地に赴き,退去するよう注意,警告をしてきたところであり,また,占用物撤去の立て看板などを設置してきております。

 また,関係部局の連絡会議でございますが,今年度も北区土木部を中心に,福祉,公園管理,地域振興など,関係課による課長会議を3回行い,その対応について検討してまいりましたほか,必要に応じ,実務担当者による打ち合わせを随時行ってきたところであります。

 その結果,寒さが厳しくなる前に,ホームレスがそれぞれの実情に合った生活ができるよう,また,公園本来の機能回復を図るため,退去要請と相談窓口の開設の両面から進めてきておりますので,ぜひとも11月末日までに自主的退去を実現したいと考えております