福岡県
実施計画 h16.3月
ア 市町村別内訳
政令市 福岡市 607 人( 51.1%)
北九州市 421 人( 35.5%)
小 計 1,028 人( 86.6%)
その他 久留米市 58 人( 4.9%)
春日市 40 人( 3.4%)
大牟田市 20 人( 1.7%)
その他 41 人( 3.5%)
小 計 159 人( 13.4%)
県 計 1,187 人(100.0%)
○ 前回調査(平成13年9月)との比較
前回調査時の670 人から1,187 人へと517 人、77%の急激な増加を示している。
また、ホームレスが1人以上確認された市町村の数は、8市5町計13市町から13市9町計22市町へと増加している。
イ 男女別内訳
男1,024 人(86.3%)、女81 人(6.8%)、不明82 人(6.9%)となっている。
ウ 野宿場所
公園552 人(46.5%)、道路170 人(14.3%)、河川105 人(8.8%)、駅舎90 人(7.6%)、その他施設270 人(22.7%)となっている
@ 県及び市町村の状況
本県においては、平成13年度から県、北九州市、福岡市、久留米市、春日市、大牟田市による連絡会議を設置し、生活保護を中心とした既存の福祉施策の活用により対応が図られてきた。ホームレスに対する生活保護は、救急搬送時の医療扶助の支給、救護施設(注4)への入所等に適用されている。
また、結核対策の一環としてホームレスの多い北九州市、福岡市及び久留米市において結核検診が実施されている。
A 県内のホームレス関連のNPO(注5)
本県におけるNPOには、炊き出しや生活物資の提供等の緊急的支援にとどまらず、幅広く自立支援活動を行っている団体もある。
これらの団体は、その活動に共鳴する市民、企業等の寄付金やボランティアによる人的支援に支えられている。
注4「救護施設」
生活保護法(昭和25年5月4日法律第144号)第38条に基づく保護施設のひとつ。身体上又は精神上著しい障害があるために日常生活を営むことが困難な要保護者(保護を必要とする状態にある者をいう。ホームレスに限らない。)を入所させて、生活扶助を行うことを目的とする施設。食事や日常生活費の支給の他、医療相談、生活訓練等を実施している。県内に5施設(福岡市1、北九州市2、大野城市1、田川郡香春町1、定員合計は305人)ある。
「九州・山口ホームレス問題連絡協議会」
ホームレス問題について、相互に情報交換及び意見交換を行うことを目的として平成15年5月29日に設置された。
山口県、九州各県(沖縄県を除く。)、北九州市、福岡市が参加している。
ホームレス自立支援活動担い手育成プロジェクト(応募団体:3団体)保健福祉部監査保護課
【公募テーマ】ホームレス自立支援活動担い手の養成・確保の方法
【委託団体】特定非営利活動法人 北九州ホームレス支援機構
【実績】・ ボランティア養成セミナー(3地区)参加者:北九州80名、福岡77名、久留米58名・ 体験型ボランティア実習(基礎的支援活動・自立支援活動)・ 支援活動団体立ち上げ支援事業の実施・ ホームレス支援情報冊子作成
【効果】・ NPOの熱意が参加者に伝わることで、プロジェクトの参加者の中から、各地区で行われているボランティア活動に参加する人がでてきている。
・ NPOの活動趣旨に賛同した弁護士・行政書士等の協力により、専門的な内容を織り込んだ充実した冊子が作成できた。
平成12年11月7日 特定非営利活動法人 北九州ホームレス支援機構 奥田 知志 北九州市 八幡東区荒生田2-1-40
この法人は、ホームレスに対して、その自立支援及び社会的処遇の改 善と自立以後の人々へのケアに関する事業を行うことにより、社会福祉 の向上を図ることを目的とする。
平成13年3月13日 特定非営利活動法人 NPO人権擁護と福祉増進筑紫会 白岩 洋次 福岡市 博多区博多駅前1丁目12番7号
この法人は、関係機関と協議しながら、経済破綻者及びホームレスに 対する支援及び救済に関する事業を行い、もって人権の擁護及び福祉の 増進に寄与することを目的とする。
平成16年6月9日 特定非営利活動法人ホームレス支援「福岡おにぎりの会」 梅崎 浩二 福岡市 博多区美野島2丁目5番31号
この法人は、野宿生活を余儀なくされている人々に対し、その生活支援、自立支援および社会的処遇改善に関する事業を行うことを以て、社会福祉の向上を図ることを目的とする。
平成15年12月9日 NPO法人福岡すまいの会 齋藤 輝二 福岡市 博多区千代1丁目23番49号
この法人はホームレスに対して、居住を支援し自立させるために必要な事業を行い公共の福祉に寄与することを目的とする。
平成16年3月22日 特定非営利活動法人社会生活安全協議会 山口 やす子 福岡市 中央区荒戸1丁目3番20号
この法人の目的は次のとおりとする。(1)善良な市民や地域住民に対し、近年直面することの多い個人を対象とするいやがらせ・脅迫・恐喝・暴力・ストーカー等の犯罪行為や防犯に関し、市民レベルでの相談窓口の開設と防犯体制の整備に関する事業を行い、安全な社会生活環境の維持と人権の擁護に寄与すること。
(2)社会的な弱者や生活困窮者、経済破綻者、ホームレス並びに事業経営に苦闘する人々に対して、尊厳ある生命の存続を図るための相談や就労や生活の支援に関する事業を行い、人権の擁護と福祉の増進に寄与すること
平成16年10月6日 特定非営利活動法人H・S・C 古賀 孝幸 福岡市 博多区博多駅東2丁目18番20号メゾンドミラージュ705号
この法人は、自分の努力により自立、社会復帰をしたいと強く希望されるホームレスの方に、きちんとした居所(住所)=自立支援共同住宅を提供し、生活保護を受けられる環境を準備し、一人でも多くの方が自立、社会復帰できるよう就職支援及び技術指導を行ない、深刻化しているホームレス問題の早期解決、事態悪化の予防に寄与することを目的とする。
平成18年8月16日 特定非営利活動法人ホームレス支援久留米越冬活動の会 吉田晃兒 久留米市 荒木町荒木1450番地
この法人は、野宿生活を余儀なくされている人々に対して、その生活支援、自立支援および社会的処遇改善に関する事業を行うことを以って、社会福祉の向上を図ることを目的とする。
福岡県議会
2006.06.14 : 平成18年6月定例会(第10日) 本文
◯二番(高橋 雅成君)
福岡県内でも、平成十五年七月、北九州市内の空き家が全焼しホームレス男性三人が死傷した事件がありました。現住建造物等放火の疑いで福岡県警に逮捕された住所不定無職の男は、別のホームレス男性に恨みを持って放火したということです。
そこでまず、防災上の安全を守るべき行政庁としての知事部局と、子供の安全を守るべき教育庁、そして防犯上の責任を持つ県警察本部は、それぞれこの空き家、空き店舗などの問題について、基本的にどのような認識を持たれているのか。そして、県内の空き家、空き店舗、廃屋などの現状をどの程度把握しておられるのかお聞きします。
2005.12.16 : 平成17年 建築都市委員会 本文
◯三村建築都市部長
次に、福岡県営天神中央公園及び旧福岡県公会堂貴賓館についてでございますが、十六団体から応募があり、JMK・都市造園グループを指定管理者として内定したものでございます。具体的な選定の理由につきましては、施設管理と造園の専門業者によるグループであり、質の高い管理運営が期待できること、ガーデニング教室などサービス向上のためのイベント開催と、芝生等の維持管理とのバランスを考慮した事業計画であること、ホームレス問題や違法駐輪について、単なる撤去ではなく、自立支援や最寄りの駐輪場の紹介など、現状を把握した上で解決に向けた方向性を提案していること、コスト削減により県委託料が安価であること等がすぐれております
2004.06.15 : 平成16年6月定例会(第12日) 本文
◯十番(鬼木 誠君)
本日は、都心部において大きな問題となっておりますホームレス問題について質問いたします。去る四月十七日の西日本新聞におきまして、福岡県内のホームレスが急増しているとの記事が掲載されました。事実、私の地元の福岡市内では至るところでブルーシートやダンボールでできたテントを目にします。記事で読むだけではぴんとこないかもしれませんが、その現場を目の当たりにすれば衝撃的な光景です。件数がふえているのも生活の中で実感するほどの状況です。公園の敷地内、駅の構内や出入り口、商店街のアーケード、川の岸辺、これらに共通するのは私有地ではなく公共の場所であるということです。景観を害する、治安が悪くなる、施設が利用できない、地域の方からの苦情が急増しています。これらの相談を受け、私なりの調査を続けてまいりました。住民の声を聞き、現地に足を運びました。住民の要望は、とにかくここからいなくなってほしいという強硬な排除論でした。働かずに人に迷惑をかけながら暮らしている人たちを、税金でさらに保護する必要はないというものでした。
そうした中、ホームレス者の支援活動に熱心に取り組んでいる民間団体の方から直接お話をお伺いする機会がありました。この団体は、三月から十一月の間は月に一回、冬場になると毎週、炊き出しや夜回りなどを福岡市の天神地区や大濠地区などで実施し、毎回四百名ものホームレス者に差し入れを行っています。その中でホームレス者のお話を聞くと、決して怠け者であったり、好きでやっている方ばかりではなく、失業、倒産や借金の取り立てなどでやむなく野宿生活を強いられているという方も多くおられるようです。この不況の中、自分は決してそのような境遇に陥らないと断言できる方がどれだけいるでしょうか。例えば、私でさえこの先どうなるかは断言できません──特定するとあれですので私を例えに使わせていただきました。本当にだれでもそうです。だれもがこの問題とは隣り合わせであり、今後の経済状況によってはさらなるホームレス者の増加が懸念されております。はた目には気楽に過ごしているように見えるホームレス生活も、現実には大変過酷で、とても好きでやっていると言えるようなものではないという事実もわかりました。また、一般社会と同じで、ホームレス社会においても悪人ばかりでもなければ善人ばかりでもないということにも気づかされました。また、廃品回収等でその日その日を何とか過ごすだけでなく、野宿生活から脱却しようと一生懸命手がかりを求めて努力されている方も少なくありません。全国調査の結果、福岡のホームレス者は勤労意欲が低いという統計が出ておりますが、私が接した民間団体の方が質問してみると、実際には八割以上の方が仕事を必要としていると答えるそうです。それらの見聞を経て、私も考え方に変化が生じてきました。排除一辺倒では真の解決には至らないということに気づきました。また、人権を盾にホームレス者の権利と保護ばかりを主張するのも事態を悪化させるばかりです。現実的にホームレス者の自立を図り、社会生活への復帰を果たしてもらうにはどのようにすればいいかという具体策が必要だと考えるようになりました。国においては、平成十四年にホームレスの自立支援等に関する特別措置法を制定し、福岡県でもこの法律に基づきホームレス自立支援実施計画を策定しておりますが、今後県としてのホームレス者に対する自立支援をどのような考え方に沿って進めていかれるのかお尋ねします。
まずは住居についてです。ホームレスとは、その名のとおり住居を持たない人です。この解決のためにまず必要なのは住居であります。ホームレス者が野宿生活から脱却し、人間らしい最低限の生活を確保するためには住居の確保が課題です。民間のアパートは、保証人の問題や経済的な負担ができない等の理由で、借りるのには極めて困難な現実があります。民間の住居が借りられない現状であるならば、雨風をしのげるような場所、例えば閉校して使われなくなった小学校や、不況下で売りに出された会社の独身寮などを、高齢者やホームレス者を含む低所得者の方々の利用に供するというような施策や、公営住宅の優先利用についても積極的に検討する必要があるのではないでしょうか。そこで保健福祉部長にお尋ねします。住まい的な機能を有する緊急一時宿泊施設、いわゆるシェルターを県でつくるというお考えはありますでしょうか。
次に、公共施設の適正利用の確保についてです。ホームレスの自立支援等に関する特別措置法や国の基本方針には、「単にホームレスを排除するのではなく、ホームレスの自立の支援等に関する施策と連携を図りつつ、施設の適正利用を確保させること」とされています。現在、仮設されたブルーテントが公園や公共の場にも目立っており、適正な利用を妨げているようにも感じられます。単にA公園から排除しても隣のB公園に移り、B公園から排除しても近くの地下鉄のC駅に移るというぐあいに、排除するだけでは根本的な解決に至りません。そこで建築都市部長にお尋ねしますが、福岡市内の県営公園にどれくらいホームレス者がおられるのか、また福岡市との連携とともに、そのホームレス者の自立を前提にして、公園の適正利用の確保について具体的にどのように考えておられるのかお答えください。
次に、ホームレス者の就業についてお尋ねします。不本意な解雇、倒産等のために失業したものの、働く意欲と能力を持っておられるホームレス者も少なくないと聞いています。しかしながら、福岡県内の雇用情勢はいまだに厳しいものがあり、特に中高齢者の状況はその中でも特に厳しいのではないかと思われます。雇用問題については、まずは国の労働行政の役割が大きいとは思いますが、福岡県としてもできる就業支援についてはぜひ努力していただきたいと思います。そこで生活労働部長にお尋ねしますが、県としてどのような就業支援をしていく考えなのかお答えください。
また、ホームレス者自身にとっての一番の問題は、医療、福祉の問題ではないかと思います。長い野宿生活の中で健康を害し、中には結核を患っていたり、病気のため働くことができず何日も食事ができない方もいると聞いているところです。そこで保健福祉部長にお尋ねしますが、県としてホームレス者に対する医療、福祉の観点から、どのような支援をしていく考えなのかお答えください。
一般的にはホームレスは怖い、何をされるかわからない、といったことを感じている方がまだ多いのではないかと思います。しかし、新聞には公園にいるホームレス者が、夜間、多数の若者グループに襲われ死亡に至ったとあるように、むしろホームレス者の方が被害者になっている割合がはるかに多いと聞いております。ホームレスは恐ろしい、ホームレスはだめな人間だ、といった偏見が犯罪を生む引き金になっているのではないでしょうか。そこで保健福祉部長にお尋ねしますが、県としていかにして偏見から来る住民不安を取り除いていくのか、また人権に配慮したホームレス者の現状、その正確な理解を促すための施策についてどのように考えておられるのか、お答えください。
次に、ホームレス自立に対する人的支援について伺います。一たん社会性を失ったホームレス者にとって、自立のためには、そばにいていろいろな相談に乗れる人が必要です。行政のかかわりやNPOとの連携が不可欠であります。保健福祉環境事務所など出先機関の態勢も柔軟に対応させ、ホームレス相談員を設置することも効果的かと思われます。また、実際にホームレス者の支援を行っているNPOに対する補助や、支援団体に従事するボランティアを養成するプログラムを構築することもこれから必要になってくるかと思われます。そこでNPOとのかかわりについて、生活労働部長及び保健福祉部長、それぞれお答え願います。
以上、個別の施策を各部長にお聞きしたわけですが、最後に、これらの施策を具体的に行っていくために、具体的な行動や目標が必要だと思います。東京都では自立支援の段階的計画を立てて、達成を図ることにしているようです。第一ステップとしてシェルターへの緊急保護、第二ステップとして自立支援センターでの自立支援、第三ステップとして自立訓練ホームでの生活就業支援といったものです。福岡県では平成十六年度からの五カ年計画を策定していますが、段階的な達成目標や年次計画など具体的な目標とその進捗確認が必要かと思われます。
最後に、知事にお尋ねします。アジアの冠たる国際都市として、ホームレス問題は何としても解決すべき問題です。福岡市、北九州市の両政令市や関係団体と連携を図り、積極的にホームレス者の自立支援を行うことで、福祉施策も充実しただれもが安心して暮らせる地域社会を構築していくことが県の責務ではないでしょうか。そこからまた新しい福祉事業も展開していくわけで、結果的に経済成長をも促していくのではないかとも考えます。知事として、このホームレス自立支援の取り組みをどのようにお考えか、解決へ向けた意気込みを持ってお考えをお示しいただきたいと思います。
以上です。(拍手)
◯知事(麻生 渡君)登壇 ホームレスの自立支援についてでございますけれども、この支援策を計画的、効果的に推進を図ろうというために、ことしの三月に福岡県ホームレス自立支援実施計画を策定をいたしました。現在、この計画に沿いまして諸政策を進めております。特に、広域的な観点から市町村間の調整を行う必要があるということ、また市町村が実施いたします施策、事業の円滑な促進を図ってまいるということに重心を置いています。さらに県といたしましては、NPOといった民間団体との連携、協力ということが施策の効果を上げるために非常に重要であるというふうに考えております。したがいまして、連携施策ということもさらに力を入れて推進をしてまいる考えでございます。このようなことを通じまして、ホームレスの皆さんの自立を図ってまいる考えであります。
◯保健福祉部長(狩野 俊秀君)登壇 ホームレス問題についてお答えをいたします。
まず、緊急一時宿泊施設の設置の問題でございます。ホームレスの自立支援に当たりましては、当面の居住場所、これを確保します。それとともに生活訓練、また職業相談等を行うため一定期間入所できる施設が必要だと考えております。このため、ホームレスの九割近くを占めております両政令市におきましては、自立支援センターの整備などが進められておりますけれども、県といたしましては、生活訓練等が実施できます救護施設等の活用に努めてまいります。
次に、医療、福祉の観点からの支援についてでございます。ホームレスに対します保健、医療の確保としましては、市町村や民間団体等と連携し、健康相談等に応じますとともに、結核に罹患しやすい環境にもあることから結核検診を実施してまいります。また、福祉的な措置としましては、最低生活の維持が困難な方に生活保護を適用するほか、救護施設等への入所、また女性のホームレスにつきましては、女性相談所等と連携したきめ細やかな自立支援に努めてまいります。
次に、ホームレスに対します理解の促進でございます。ホームレス問題の解決を図っていくためには、この問題に対します県民の理解、これを得ることが必要であると考えております。このため県としましては、講演会の開催、それから県の広報紙等を活用しますとともに、ホームレスへの人権侵害事案に対しまして適切に対応するなど、ホームレス問題への県民の理解の促進に努めてまいります。
最後に、NPOとのかかわりについてでございます。ホームレスの自立を支援するためには、日ごろからこの実情に精通しているNPO等の民間団体との連携、協力、これは不可欠なことだと考えております。このため、福岡県ホームレス自立支援推進協議会にNPO団体等にも参加していただきまして、自立支援等に関します施策の推進に当たり、意見や情報の交換を行いますとともに、県民への啓発、広報活動の推進などに際しましても協力を求めることといたしております。
◯生活労働部長(岡田 弘明君)登壇 まず、ホームレスの人たちの就業支援についてお答えをいたします。本県におきましては、中高年齢層に対する雇用対策として、再就職支援講習会や合同会社面談会等を実施しているところですが、ホームレスの人たちの就業活動に役立つこのような情報が効果的に提供されるよう関係機関との連携に努めてまいります。
次に、NPOとのかかわりについてでございます。NPOは公共サービスの新たな担い手として大いに期待されているところであります。このため、平成十五年度からテーマを決めてボランティア団体、NPOから企画を募集するという協働のモデル事業を実施しております。ホームレス自立支援活動の担い手の育成につきましては、今年度の協働のモデル事業の一つとして取り上げており、NPOとの協働が円滑に推進されるよう関係部局と連携を図ってまいります。
◯建築都市部長(境 博義君)登壇 福岡市内の県営公園におけるホームレスの人数についてでございます。福岡市内の県営公園におけるホームレスの人数は、本年五月末現在で二十七人を確認しております。
次に、公園の適正利用の確保の具体策についてでございます。県営公園のホームレスに対しましては、定期的に巡回を行い工作物等の撤去を指導しているところであります。今後とも福岡県ホームレス自立支援実施計画に基づき、保健福祉部局との連携を図りながら、公園の適正な利用を確保するため巡回指導を行ってまいりたいと考えております。
◯十番(鬼木 誠君)登壇 やはり、まだいま一歩、具体性に欠けるなというのが感想であります。私の具体的な提案につきましても反応なし、残念と思われます。社会的弱者を公共のコストでどこまで面倒見るのかというのは、福祉のあり方にかかわる非常に難しい問題です。それが自助努力があるのかと疑問を持たれているホームレスであればなおさらです。デリケートな問題で具体的な回答がしにくい側面もあったかとは思いますが、具体的な行動がなければ具体的な成果は出ません。大事なのは言葉よりも行動ですから、今後の取り組みについて具体的なものをお願いしたいと思います。そこで、取り組みについて要望を二点申し上げます。
ホームレス問題は、一般の方と比べてホームレス者ばかりを優遇することはできないという側面があります。住居にしても就業にしても、本当に困っている一般の方々もたくさんいらっしゃるわけです。そこで、両者の対応を分け隔てられないというのは理解できるのですが、しかし一般の方と全く同じ状況ではとても自立できないホームレスがほとんどであるのも事実です。どうか、もう一歩踏み込んだ施策を要望したいと思います。もちろん、先ほど言いましたように保護ばかりを主張するわけでもありませんし、排除ばかりを主張するわけでもありません。現実的な解決のためには、やはり自立支援の方向性というものが決まっている以上、それに向けた具体的な取り組みをお願いしたいと思います。
もう一点は、政令市との連携です。県内のホームレスの九割は福岡市、北九州市に集中しています。この問題は、両政令市の取り組み抜きには解決不可能です。両市の問題だと突き放すことなく、ぜひ連携と調整を積極的に進め、前向きな解決に努めていただくことを要望申し上げ、私の一般質問を終了いたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
2004.04.13 : 平成16年 厚生環境委員会 本文
◯千田監査保護課長 「福岡県ホームレス自立支援実施計画について」御説明申し上げます。本体の計画につきましては、お手元に白い冊子をもちまして「福岡県ホームレス自立支援実施計画」を配付させていただいているところでございます。説明につきましては、厚生環境委員会資料の四ページ以下で御説明申し上げます。福岡県ホームレス自立支援実施計画の概要でございます。
一番目といたしまして実施計画の目的でございますが、自立意思がありながらホームレスとなることを余儀なくされた者が野宿生活から脱出し、路上生活から脱出し、自立した社会生活を営めるように支援すること。また共助の地域社会づくりの推進など、地域の理解と関係機関の協力のもとに自立支援策を講じまして、ホームレス問題の解決を図ることを目的といたしております。
実施計画の位置づけといたしましては、ホームレスの自立の支援に関する特別措置法、これは一昨年の八月七日に施行されておりますけれども、時限立法でございまして、平成十四年から二十四年までの時限立法でございます。この法律に基づきまして、本県におけるホームレス施策を福祉、住宅、労働等に関します施策との連携を図りながら計画的、総合的に推進するための計画でございます。また市町村が実施いたします施策計画等に連携いたしまして、推進していく計画でございます。四つ目といたしまして、本県におけるホームレス施策につきましては、県及び市町村に共通した方向性と、それぞれの役割分担を明らかにいたしまして、なおかつ県による取り組みを明示いたしたところでございます。
本計画を策定するに当たりましては、計画策定委員会を設置いたしまして、昨年の七月から三回にわたりまして委員会を開催いたしたところでございます。
大きい4つ目。五ページでございますが、現状に対する認識でございます。ホームレス問題の背景と要因でございますが、個人的、社会的、経済的要因が複合的に絡み合っているといったこと。それからわが県のホームレスの現状といたしましては、昨年の一月段階での全国調査でございますけれども、千百八十七名。これは全国で二万五千二百九十六人、存在するというふうに調査結果が出ておりますが、そのうちの全国で五番目の規模でございます。また北九州市に四百二十一名、福岡市に六百七名ということで、両政令市で八七%を占めているという状況でございます。また生活実態といたしましては、平均年齢が五五・三歳ということで、中高齢者がかなりの割合で増えているところでございます。
実施計画の基本的な考え方といたしましては、下記の六点の基本的考え方をもとに、ホームレスの自立支援の推進をしていくということで、一つ目としては自助努力を基本とする自立支援。またホームレス個々の状況の把握と、それに基づいた対応。三つ目といたしましてホームレス問題に対する理解の促進、市町村間の調整、情報提供、啓発広報活動に、また市町村は地域の実情に応じた施策を実施していただくということと、最後に民間団体との連携と協働でございます。
六ページ目で具体的な施策を概要として説明させていただきます。十本の柱がございます。一つ目といたしましては総合的な相談体制の構築、二番目に保健・医療の確保、三番目に安定した居住の場所の確保、四番目に就業活動の支援、五番目に総合的な自立支援を図る場の確保、六番目に生活保護法による保護の実施、七番目にホームレス問題への理解促進と人権への配慮、八番目に地域における生活環境の確保、九番目に民間団体との連携の強化、最後に地域福祉の推進でございます。
また実施計画の推進体制におきましては、県ホームレス自立支援推進協議会。これは関係市その他民間団体等によりまして組織いたしまして、具体的な自立支援施策の検討、そして県民への啓発広報活動等の推進を図るというところでございます。またホームレス自立支援実施計画推進会議、これは県庁内部での委員会を組織いたしまして、計画の進捗の確認、そして効果測定等々を図っていきたいというように考えているところでございます。説明は以上でございます。よろしくお願いをいたします。
2004.03.18 : 平成16年度 予算特別委員会 本文
◯松尾統章委員
続きまして、ホームレス対策についてお伺いいたします。私は北九州に住んでいるわけでございますが、北九州の方においても、ホームレスが、やはり、小倉、黒崎といった町を中心におられるわけでございます。また、議員になりまして、博多駅といったものを通る中で、博多駅にも、やはり今、ホームレスといったものが大変多うございます。
それで私は、最近極めて深刻な社会問題となっていると言われていますこのホームレス問題について幾つか質問したいと思いますが、この福岡県内に、両政令市を含めましてでございますが、一体何人ぐらいおられるのか。また、その中にも高齢者や、聞くところによりますと、女性や子供もおられるといったことでございますが、それはどのような実態なのでしょうか。お伺いしたいと思います。
◯千田監査保護課長 お尋ねの件でございますけれども、平成十五年の一月から二月にかけまして、これは国が実施した調査でございますが、ホームレスの実態に関する全国調査というものがございます。その時点によりますと、県内のホームレスの数でございますが、一千百八十七名。そのうち福岡市が六百七名、北九州市に四百二十一名、その他の地域に百五十九名となっておりまして、両政令市で八七%を占めているといった状況でございます。
また、その実態、状態像でございますが、平均年齢が五十五・三歳、四分の三人が五十歳以上というような中高年齢者で、単身の男性が大部分でございますけれども、最近は、従来余り見られなかったのでございますが、子供を抱えた女性ですとか若年層のホームレス、あるいは家族ぐるみといった状況が確認されているといった報告も受けているところでございます。
◯松尾統章委員 そういった、増加している、これは多分皆様も御存じのことかと思いますが、そういったホームレスが増加している実態を受けて、国が十四年八月に、ホームレスの自立支援等に関する特別措置法、こういったことを施行されたわけでございますが、念のためこの概要についてお伺いしたいと思います。
◯千田監査保護課長 御案内の、ホームレスの自立支援等に関する特別措置法でございますけれども、目的といたしまして、自立の意思がありながらホームレスになることを余儀なくされた者が多数存在するといった状況から、自立支援、それからホームレスになることの防止等に関しまして、地域との協力を得まして必要な施策を講じるということで、ホームレスに関する問題の解決に資するといったことを目的としておるところでございます。
また、具体的には、生活に関する相談、指導の実施、保健医療の確保、その他の生活上の支援といったものによりまして、ホームレスの自立支援の促進を図っていくとされているところでございます。また、地方公共団体は、それに向けまして、必要に応じて実施計画を策定して、実情に応じまして施策の策定、実施をすることとされているところでございます。
◯松尾統章委員 それでは、その法律を受けて、地方自治体、つまり福岡県においての支援施策についてお伺いしたいと思います。
◯千田監査保護課長 本県はその実施計画を策定しておりまして、現在、三月末までに策定することとしておるところでございまして、自立支援計画におきましては、その法律に基づいて、ホームレス対策に関する県及び市町村の役割分担を明らかにいたしまして、総合的に相談体制の整備等を図るというようなことを、各種既存の施策を連携させながらホームレスに関する問題の解決に努めてまいりたいというように考えております。
◯松尾統章委員 計画等はわかりました。
これで、ちょっと提案型の質問になるわけでございますが、具体的にホームレスにつきまして、定まった住居を有していないために生活保護の適用ができないというふうに聞いておりますが、ホームレスの支援策の一つに住居対策があるのではないかと。例えばでございますが、ホームレスに対して住居の設定を支援することで、生活保護が受けられ、それが自立に向かっていくのではないかというふうに考えるわけでございますが、お考えをお伺いしたいと思います。
◯千田監査保護課長 先生御指摘の点も重要な自立支援の方策の一つでございまして、安定的な居住の場の確保を図るための施策のほか、社会福祉法人等によります一時的な居住の場の設置等の促進に努めてまいりたいというように考えております。
◯松尾統章委員 そういった形でぜひとも進めていっていただきたいと思います。
また、もう一つ、考えるに当たって、北九州市はいろんなNPOとの連携もよく進んで、ホームレス対策がよく進んでいるというふうにもお聞きしておりますが、各市町村において、いろんな温度差、ばらつきがあるかと思います。当然、特定の市ばかり施策を講じるとホームレスが集まってくるといったことを考えますので、福岡県全体、周辺各県や周辺市町村が連携して全体的に進めていかなければいけないのではないかというふうに考えますが、それはいかがお考えでしょうか。
◯千田監査保護課長 御案内のように、ホームレスには都市間流動または大都市部に多く集まるといった現象がございます。他地域から流入してくるということでございますけれども、そういったことを私どもの方としては防がなきゃいかんということもございまして、このため、九州・山口各県との連絡協議会や関係市との連絡会議でございまして、そこで情報交換を行いまして、広域的にホームレス対策水準の向上及び適切な施策の実施等を図ってまいりたいというふうに考えております。
◯松尾統章委員 最後に、福岡県、九州の玄関口、アジアの玄関口として、また今度、知事はよく話しておりますけども、県はこのような状況をよく見て、両政令市や関係市町村、ほかの隣接する県と連携し合ってホームレス対策に頑張っていただきたいと思いますが、最後に部長に、こういったことが福岡県の責務であると思うわけですが、部長のお考えをお伺いしたいと思います。
◯狩野保健福祉部長 ホームレスの自立支援、また、その防止の促進ということですけども、県としましては、今、委員から御指摘がありました生活保護の適正な実施、また、いろんな諸施策の積極的な展開を図ってまいりますとともに、これも御指摘がありましたが、政令市、それから関係市町村の施策の促進を図るために、意見の調整、それから情報交換等を行います。また、関係団体とも十分連携しながら、ホームレスを生まない地域社会づくりについて努めてまいる考えであります。
◯松尾統章委員 部長、よろしくお願いいたします。十六年度予算書には二百七十万ほど、ホームレス支援事業費として挙がっておりますが、それだけ力強い答弁でございますので、どうぞ十七年度にはもっと予算がつく形の中で、ホームレス対策支援に頑張っていただきたいと、このように思っている次第でございます。
以上で終わります。(拍手
◯八記博春委員
最後に一点、ホームレスについてお尋ねします。先ほどもありましたが、昨年の一月から二月にかけて、ホームレスの全国調査が行われました。ここで明らかになったのは、本県の増加率が全国一だということ。それから、政令市の中では北九州市が最も高い増加率を示しているということです。全国の都道府県の中には、前回の調査よりも数字が減少しているところがあります。特に五大都市では、前回調査に比べてホームレスの数が八・六%も減少しています。新聞によりますと、減少しているところは大規模なシェルターや自立支援センターの設置など支援策が功を奏していると、こういうふうに報じられています。
ところが、本県の場合は、両政令市を初め、都市部ではホームレスが行き倒れとなる状態、これがたくさん発生しています。緊急に病院施設に入所しなければならない、そういう住所不定者の生活保護申請、これは受け付けないという事例が私のところにも報告されています。こうした行政の対応が、ホームレスの増加率全国一位の最大の原因になっていると思っております。
そこでお尋ねします。住所不定者に対する生活保護の実態に即した適用について福岡県の見解を伺いたい。特に、ホームレスが居宅生活に移行する際の支援についてお尋ねしたいと思います。
◯千田監査保護課長 従来から、住所不定者、不定であるということをもって生活保護申請を受け付けないということは、これはあってはならないということで国からも通知されているところでございます。それを補完する形で、生活保護の実施要領が改正をされておりまして、ホームレスが居宅生活に移行するための住宅を確保する際には、敷金等を必要とする場合についてはそれを支給することができるということとされているところでございます。また、これを受けて、本県につきましても、市部の福祉事務所が敷金を支給いたしまして保護を開始したというようなケースも報告を受けているところでございます。
◯八記博春委員 ぜひその方向で、深刻なホームレスの状況について支援をしていただきたいと思います。
質問を終わります。ありがとうございました。
2004.02.25 : 平成16年2月定例会(第1日) 本文
◯知事(麻生 渡君)
また、ホームレスの自立支援を図るためホームレス自立支援推進協議会の設置、運営や巡回相談に要する経費を新たに計上いたしました。
2002.10.29 : 平成13年度 決算特別委員会 本文
◯高瀬菜穂子委員
それからですね、私、今ホームレスの方が大変ふえておりまして、この方々の健康状態というのが大変心配されます。北九州、福岡、そして久留米の三地区で、ホームレスの方々の健康相談をボランティアでやっておられるお医者さんがいらっしゃいます。この方は呼吸器の専門でいらっしゃるんですけれども、この方が大変心配をされておりました。この一年余りの間にですね、四百名から五百名の方の相談に応じていますが、二十代から三十代のときに既往症があると。一度結核にかかったという方が多いと。栄養状態が悪く、また抵抗力が落ちているという場合にですね、再発の危険性があるということでですね、こういった状況もぜひとも考えていただきたいですし、また結核については、入院の後の通院治療も必要ですから、そういった意味でもブロックごとの通院可能なところにきちんと医療の確保を行うということが重要かと思います。県立病院としての、県としての責務をですね、十分に果たしていただきたいと思います。
2001.03.08 : 平成13年2月定例会(第14日) 本文
◯三十四番(八記 博春君)
初めに、野宿生活者──ホームレスの自立支援策についてお尋ねをします。先日、何人かのホームレスの方と会って話を伺いました。働いていた建設会社の倒産が原因で、また経営をしていたクリーニング店の行き詰まりからホームレスになるなど、不況やリストラによる失業者がふえ、普通のサラリーマンがホームレスに追い込まれるケースがふえています。食事も満足にとることができず、体調の悪化から死亡するなど悲惨な状態も生まれています。福岡市保健福祉局の話では、市内のホームレスは、平成八年当時の三倍以上で三百五十人余、県が管理する公園や施設、博多駅などを入れると五百人を超えるということです。北九州市のボランティア団体の調べでは、市役所横、戸畑、八幡などで三百人を超え、平均年齢も下がっているということです。博多駅の駅長は、構内のホームレスは夜は百人ほどで、女性や乗客からの苦情が多く、夜間巡回や迷惑行為に対する強制退去などに取り組んでいるが、その人たちが駅周辺のビルや地域に行けば新たな問題となるため非常に苦慮している、何よりも行政の取り組みなしには解決しない、市や県はホームレス対策を急いでほしいと訴えています。
救急車で運ばれるホームレスの患者を受け入れている民間病院では、入院中は一時医療扶助で診るが、退院時に住所が定まらないと生活保護は打ち切られる。病状がよくなっても、もとの生活に戻れば病気が悪化する、少なくとも健康を回復するまでの通院治療と生活保障が必要だと指摘しております。ホームレスが、民間の住宅や部屋を借りることは不可能なのに、退院時の生活保護を打ち切られればまたホームレスに戻るしかなく、これでは自立することができません。一月二十七日の朝、県議会近くの市民体育館敷地内でホームレスの一人が頭を殴られて死亡するという事件が起きました。犯人はまだ捕まっていないようですが、新聞の片隅の小さな記事で終わっています。サミットのときには、市内のホームレス一人一人の顔写真が撮影されました。公園から立ち退かせるということも行われました。ホームレスの生存権や人権をどのように見ているのか、改めて問われなければならない問題です。ボランティアでホームレス支援を行っている福岡おにぎりの会の代表コース・マルセル神父は、生活保護の実施、宿泊施設の設置、パンの食券の発給、ふろ・洗濯施設の提供の四つを福岡市に要求してきたが、対応は不十分、ホームレスを一人の人間として扱ってほしいと訴えています。このようなホームレスの人たちの人権に配慮した施策のあり方について、知事はどのようにお考えなのですか、お答えください。
次に、保健福祉部長にお尋ねします。ホームレスの人たちの命と健康を守り、最低限の生活を保障する、仕事と雇用を確保し自立を支援する、これは国や地方自治体の当然の責任ではありませんか。こうした要求にどうこたえられるのか、あわせて県内のホームレスの人数などをどのように把握されているのかお尋ねします
◯知事(麻生 渡君)登壇 第一点は、ホームレスの自立支援対策についてでございます。ホームレスの人たちに対しましては、みずからの意思で自立して生活できるように支援をしていくということが基本であるというふうに考えております。そのもとで、健康上などの理由によりまして特に保護が必要とされる方々に対しましては適切な援護を行う、このような形でやっていく必要があるというふうに思っております。
◯保健福祉部長(隈本 英臣君)登壇 ホームレスの皆さんに対する最低限の生活保障と自立支援策についてであります。高齢、障害、健康上などの理由により、保護を必要とするホームレスの皆さんに対しましては、施設入所等を指導するほか入院など窮迫な状況が認められます場合には生活保護の適用を行うなど適切に対応してまいっているところであります。また先般、ホームレス対策といたしまして、保護施設の弾力的運用、生活保護の適用等についての取り扱いが国から示されたところであります。今後とも関係市町村との連携を密にしながら、ホームレスの皆さんの自立に向けた支援に努めてまいりたいと考えております。
次に、県内のホームレスの人数につきましては、これまでの調査の結果によりますと、福岡市三百五十八人、北九州市百六十六人、久留米市五十人などとなっております。
2000.06.30 : 平成12年6月定例会(第12日) 本文
◯六番(清田 信治君)
最初に、ホームレス対策についてです。
六月九日、大阪の太田知事は、大阪ミナミを視察の後に、浮浪者と外国人が治安に問題であるという発言をし物議を醸したところです。この排除の論理と同じようなことが、サミットを前にしてここ福岡でも起きているのではないかと心配しています。一部報道によりますと、サミット訪問地の大濠公園に生活している四十人ほどのホームレスに対し、同公園を管理する福岡県公園街路課は、外国からお客さんが来るので、少しの間いなくなってほしいと発言したとのことです。そのため二十人ほどのホームレスが退去したとあります。これが事実とすれば、この一連の行政の発言は、まさにホームレス排除の論理であり、しかも社会構造の根本的解決とは全く無縁であり、人権無視の発言、行動と言わざるを得ません。百歩譲って、退去要請は定期的に行っているとの発言を認めても、ホームレスへの支援策並びに生活の保障とはなっていない、その場しのぎの行政指導には変わりありません。その行政の実態は、新宿区で他の自治体よりも手厚い保護を充実させると他の自治体からホームレスが流入するとの報告がなされ、現実にカップめんの支給をやめたところ、川崎へホームレスが二百人移動したとのことです。小さい自治体では対応策がとれないため、横浜へ行くよう片道の旅費を渡す自治体、また名古屋市ではテント等の撤去を行ったが、百メートル先に移動するだけで解決にならないとの報告が上がっています。さらに、ホームレスを襲撃する理由なき犯罪は深刻です。ホームレスの厳しい野宿生活をさらに厳しくしているのがその偏見と差別であり、ホームレスは町のごみ、迷惑な存在という意識がホームレス排斥につながり、襲撃にあらわれています。ホームレス襲撃の七割が青少年です。家庭や地域社会の持つホームレス排斥の風潮が影響していると考えられます。福岡県も例外ではありません。全国二万人のホームレスの問題、これは全国の問題、国民の問題です。そこでホームレスの人権確保と青少年の犯罪防止の視点も加え、以下数点にわたって質問いたします。
最初に、ホームレス対策について知事に質問いたします。国、政令市等の代表で組織するホームレス問題連絡会議が一九九九年二月に発足しました。その前年に、この本議会での指摘を受け、一九九九年に全国指定都市及び中核都市の実態調査が実施されましたが、福岡のホームレスの実態調査の中身を明らかにしてください。
また、知事は二年前の二月議会で、ホームレスは「いわば大都市に関連する」との答弁でしたが、今もふえ続けるホームレス、その結果として大都市に集中するホームレスの現状から、今もホームレスは大都市に関連する問題との認識なのか、そのお考えをお聞かせください。
次に、昨年五月二十五日、このホームレス問題連絡会議が出したホームレス問題に対する当面の対応策を受けての行政施策についてお尋ねします。ホームレスの支援と保護を打ち出しているこの対応策を受けて、県としてどのように取り組むのか、労働局長並びに保健福祉部長にお尋ねします。
一点目は、労働意欲はあるが仕事がなく、失業状態にある者への就労による自立支援の対策についてお聞かせください。
二点目は、医療、福祉等の必要な者に対する支援についてです。アルコール依存症の者、精神的、身体的疾患を有する者、高齢者、身体的障害者等の福祉等の援護による自立支援の対策についてお聞かせください。
三点目は、関係部長に対する要望とします。これらの対策を進めるに当たって、今後、庁内に設置されている横断的なホームレスに関する協議会での定期的かつ活発な論議を受け、社会福祉法人や民間ボランティア団体等の協力を得るための連携、協力が不可欠となります。さらには、青少年犯罪防止を含めた地域住民の理解と協力を得るための方策について、今後早急な対策を打ち出すことを強く望みます。ホームレス対策がサミット期間中の一過性の行政施策にならないよう誠意ある答弁を期待し、次の質問に移ります。
◯知事(麻生 渡君)登壇 本県のホームレスの人数の点についてでございます。本県のいわゆるホームレスの人たちの数でございますが、平成十一年十二月に厚生省が公表いたしました全国のホームレス概数調査の結果によりますと、福岡市二百六十九人、北九州市百六十六人、久留米市三十人となっております。
このホームレスの問題は大都市に関連する問題というふうに認識をしているかという御質問でございます。ホームレスとなります要因でございますけれども、失業、家庭崩壊、社会生活への不適応といったさまざまなものが考えられます。また、ホームレスが大都市に集まります傾向の原因といたしましては、雇用機会、あるいは居住しやすい場所が多いといったことなどが考えられるわけであります。さきの全国のホームレス概数調査結果を見ましても、ホームレスの方の人数は東京都、そしてまた政令指定都市が全国の九割以上を占めておるという状況でございます。本県におきましても、先ほど御紹介しましたように、大都市に集中しているわけでございます。このようなことでございまして、ホームレス問題は全国に共通いたしました、いわば大都市に関連する問題であるというふうに認識をいたしております。
◯保健福祉部長(隈本 英臣君)登壇 ホームレスの方々に対する自立支援対策についてでございます。ホームレス問題に対する対応策といたしましては、ホームレスみずからの意思で自立した生活ができるように支援することを基本といたしまして、同時に高齢や障害、健康上などの理由によりまして、自立能力に乏しい方々に対しましては、適切な援護を行うことが必要であると考えております。したがいまして、医療、福祉等の援護が必要な方々に対しましては、福祉事務所や保健所などによる各種相談を初め、生活保護の適用、健康相談、診査、社会福祉施設への入所、病院への入院の措置などのさまざまな対応が考えられますので、関係市町村と協議をしてまいりたいと考えております。
◯労働局長(山越 敬一君)登壇 ホームレス対策に関しまして、就労による技術支援の対策についてでございます。ホームレスの方の中で、仕事をする意欲はあるが就労機会がなく仕事についておられない方につきましては、本人の求めに応じまして、公共職業安定所におきまして職業相談あるいは職業紹介を実施いたしまして就職の促進を図ることになります。また、仕事につくために技術を習得することが必要である場合には、公共職業安定所とも連携をいたしまして、職業訓練を実施してまいる考えでございます。しかしながら、このような方が実際に就職をされるためには生活面の課題を解決することが前提となる場合が多いと考えられますので、関係する市町村ともそのために必要な協議をしてまいります。
◯六番(清田 信治君)登壇 誠意ある回答をありがとうございました。
まずホームレスに関しては、民間ボランティアに頼っているのが現状です。冬を越せないホームレス、凍死者等数多く報告されています。これは「越冬隊」や「おにぎりの会」という炊き出しを中心とした民間の慈善のボランティアによってホームレスが地域住民として地域から守り育てられているのが現状です。今後、民間ボランティアへの行政の温かい指導も期待したいと思います。
1998.03.09 : 平成10年2月定例会(第13日) 本文
◯二十三番(内田 壮平君)
国際都市福岡と言いながら、福岡市の玄関口であります博多駅構内、地下鉄構内や市民の憩いの場所であります公園や橋の下等に住みついているいわゆるホームレスの問題であります。私たち日本人にも奇異に映るのですから、外国の方から見ればそれ以上に異常に映るのではないでしょうか。そこで、ホームレスの先進県であります東京の実態調査の資料等を取り寄せてみましたが、路上生活者問題に関する都区検討会の報告書となっており、所管事務局は都側が企画審議室調整部調整課であり、区側が特別区協議会調査部事務事業課となっております。都側と区側の合計十四名から成る検討委員会をつくっていろいろな角度からの調査がされたようであります。本県の場合、所管事務局がどこかはっきりしておらず、なおかつ今までにホームレスの実態調査等したことがないとのお答えでありました。私自身もアメリカでのホームレス問題について少し調べたりして幾つかの問題点、例えば福祉基金の使い方、法の規制の問題、ボランティアを含んだ仕事の問題、住居の問題、人道的立場からの食物の確保の問題、更生意欲の問題等幾つかの提言はあるのですが、まずもって県内のホームレスすなわち路上生活者の実態を知った上でなければ、どんな方策も机上の空論になりかねないと考え、今回の質問に立ち至った次第であります。国際都市福岡の国際化を考えるとき、また福岡の将来の住みよい都市づくりを考えるとき、どうしても避けて通れない問題であるという視点から知事に今回お尋ねさしていただきます。
県として、この路上生活者についての実態調査に取り組んでいかれるお考えがおありかどうか、知事の御所見をお伺いいたします。
◯知事(麻生 渡君)
いわゆるホームレスの皆さんの問題でございます。駅の構内などで生活を送っているいわゆるホームレスと称される方々でございますけれども、いろんな理由があってのことであると思います。その方々の生活実態の把握はなかなか難しい問題でございますが、これはいわば大都市に関連する問題でございまして、その意味で関係する市とこの問題についてどのように考えているか協議したいと考えております。