2004年5月夜間宿所アンケート報告
2004年5月17日と18日の両日夜間宿所で、下記のアンケート項目に、当人に書き込んでもらい回収する方式で、アンケート調査を行った。
5月17日は、三角公園南の今宮夜間宿所で実施。利用券の発行枚数は600枚。消灯時間午後9時の利用者数572人。有効回答数467(券発行の77.8%、9時現在利用者の81.6%)。
5月18日は、三徳寮東の萩之茶屋夜間宿所で実施。利用券の発行枚数は440枚。消灯時間午後9時の利用者数431人。有効回答数402(券発行の91.4%、9時現在利用者の93.3%)。
両日の合計。券発行数1040枚。午後9時現在利用者1003人。有効回答数869(券発行の83.6%、9時現在利用者の86.6%)。
1)年齢
平均 55歳(今宮55.1歳・萩之茶屋54.9歳)。中央値56歳。最頻値55歳(今宮55歳・萩之茶屋56歳)。最小値23歳。最大値76歳。

平均年齢は、若干若返りの傾向を示している。毎年暦年変化で上昇しないのは、利用者の入れ替わりを示しているといえる。5歳きざみの区分で見ると、2000年5月にやや似ている。5月時期の統計は、日雇い労働市場の特質(アブレ時期で中年層が増加し、統計的に60代以上が減少しているように見える)を反映していると考えられる。

2)性別 すべて男性であった。
3)出身地
2003年3月と比較して、近畿の占める割合が若干減少し、九州・関東の占める割合が若干増加している。
その増加が新規流入の結果かどうかは、来釜年、来阪年とクロスしてみないと判断できない。

4)釜ケ崎にきて何年あるいは何ヶ月?
平均13年。中央・最頻値とも10年。最小1ヶ月(18名)。最大60年(釜ヶ崎生まれ2名)
新規流入は留まっていないと判断される。
釜ヶ崎に来て1年未満のグループで出身地を集計し、全体と比較してみると、期待値を上に裏切っているのは、北海道、近畿、四国、沖縄である。2003年3月と比較して、近畿の占める割合が若干減少し、九州・関東の占める割合が若干増加しているのは、新規流入の結果とはいいがたい。
大阪出身者だけの在釜期間をみると、全体と比較して流入について大きな山は見受けられない。




5)大阪にきて何年あるいは何ヶ月?(707名・大阪出身を除く)
平均20年。中央・最頻値とも20年。最小1ヶ月(8名)。最大53年。
釜ヶ崎を目指して大阪に来たと考えられる人が39.6%。釜ヶ崎以外の大阪の地で一旦生活し、その後釜ヶ崎に移り住んだと考えられる人(3年差以上)は、50.1%。
釜ヶ崎に存在する日本最大の日雇労働市場は、失業の受け皿であり、他産業の失業を建設土木産業がこれまで一定程度受け入れていたといわれるが、職だけでなく居住についても、当然ながら釜ヶ崎の簡易宿泊所が受け皿となっていることを、在阪期間と在釜期間の比較は示している。釜ヶ崎の日雇労働市場を直接に目指して来阪したものは約4割であり、他の6割は、建設産業で就労したかどうかは別にして、一旦大阪の他地区で働き居住した後に、釜ヶ崎の地に移り住んでいる。
釜ヶ崎を直接目指して来阪したグループの来阪時平均年齢は他のグループより高く、来阪後10年以上して釜ヶ崎に来たグループの来阪時平均年齢が一番低い。しかし、来釜時平均年齢と現在の平均年齢は、10年差グループが最も高い。釜ヶ崎を直接目指したグループは地方の不況の影響から、10年差以上のグループは大阪の不況の影響から、職と居住を失い、現在に至っていると、単純化して言うことができるように思える。


6)野宿が続くようになって、どのくらいたちますか。
@数字回答 88名 平均 13.4日 中央値 10日 最頻値 20日 最小1日 最大 50日
A数字回答 294名 平均 3ヶ月 中央値・最頻値 2ヶ月 最小1ヶ月 最大 11ヶ月
B数字回答 391名 平均 3.8年 中央値・最頻値 3年 最小1年 最大 28年
回答合計 803名 日数で回答したもの101名(具体数回答無し含む)12.6%
月数で回答したもの301名(具体数回答無し含む)37.5%
月数で回答したもの401名(具体数回答無し含む)49.9%
回答数値を日数に換算したもので算出した全体の平均値は2年10日。中央値1年。最頻値2ヶ月。最小値1日。最大値28年。

7)最初に夜間宿所を利用したのはいつですか。
@今日が初めて 13名
A102名 平均10.9日前
B238名 3.2ヶ月前
C469名 2.7年前の5月頃
全回答数822名
@ 今日が初めて 1.5%
A 日前 12.4%
B ヶ月前 29%
C 年前 57.1%
8)夜間宿所を利用する回数はどのくらいですか。(回答813)
@ 524名 ほとんど毎日 64.5%
A 221名 月平均14.9日程度 27.2%
B 68名 年に平均57.8日程度 8.3%
9)夜間宿所以外の宿泊方法は?
@ 簡宿=ドヤ(月に 日程度)
A 野宿(地区内・地区外)(月に 日)
B その他(友人のアパート・親類の家・知り合いのテント)(月に 日)
「その他」の書き込みに、映画館、三徳寮、映画館、飯場があった。また、「4/5/6仕事なし」、「簡宿年7ヶ月」などの書き込みもあった。
10)夜間宿所を利用する理由は?(複数選択可)
@他に適当な寝場所がないから Aシャワーがあるから B安心して寝られるから C友人も利用しているから D 他( )


11)夜間宿所の改善点・要望は?

12)現在の収入源は?
@現金仕事 回答数 194
A飯場 回答数 84
B特掃 回答数 271
Cアルミ缶集め 回答数 250
D雑誌 回答数 19
E他( )回答数 19
一ヶ月の平均収入は?
だいたい22、875円くらい
E他( )での記入収入源。
弁当売り・露天・契約・コジキ・友人・ばくち・知人からの借金・万引き・手伝い・NPO内職・段ボール・リサイクル用品の売買・工具など・年金・アルバイト・露天手伝い・警備員(アルバイト)・現金仕事4日分・謝金・貯金・入院の日用品費
13)健康状態は
健康であると答えたグループは平均年齢も相対的に若く、野宿期間・在釜期間も短い傾向がある。もっとも野宿期間が短いのは、健康であるけれども足あるいは腰がよくないと答えたグループで、野宿の原因の一端を示すものといえるかも知れない。
もっとも野宿期間が長く、在釜期間が長いグループは内蔵の調子が悪く、物忘れが激しくなったと自覚しているグループである。ただ平均年齢はそう高くない。
物忘れだけを自覚しているグループの平均年齢が最も高く、野宿期間・在釜期間も長い傾向にある。


14)これまで、一番長くした仕事は何ですか

15)野宿になる直前の仕事は

16)「これなら任せとけ」という仕事・職能は

17)持っている免許・講習修了書など

18)「こんな仕事をしたい」という希望を

19)身につけたい技術は

20)大阪市立更生相談所について
21)医療センターについて
22)三徳・ケアセンターについて
23)自立支援センターについて

認知度が高く、利用したことがあるものがもっとも多かったのは「医療センター」で、もっとも認知度が低かったは「自立支援センター」であった。これは予想の範囲であったが、「自立支援センター」を「利用したことがある」が70人もあったのは、いささか予想外であった。この70名について、自立支援方策はどのような選択肢が今後あるのであろうか。その反面、自立支援センターについては、「自立、入りたいと思っている・HPで知り、先日申し込んだところです。・自立、今から利用する・5月28日より自立支援センターに行く予定」など、他にはない書き込みがあり、期待の大きさもうかがわれる。