静岡県


 静岡県 におけるホームレス の自立支援等に関する推進方針(平成 17 年3月)

(1) 各機関の役割

県の役割

県は、静岡県ホームレス自立支援等推進協議会(以下「推進協議会」という。)を設置し、県全体の自立支援等の事業の進行管理と調整を行う。

また、ホームレスが多く存在する地域ごとにホームレス自立支援等地域推進会議(以下「地域推進会議」という。)を設置し、地域における事業推進に関する関係機関の連携・調整等を行う。また、市町村の取り組む事業を支援するとともに自ら行うべき事業も推進する。

市町村の役割

市町村は、ホームレスに対する各種相談や自立支援のための施策を自らが中心となって実施することとし、就労施策や住宅施策等、ホームレスの事情に応じた総合的な施策を、県及び関係機関との連携の下に実施する。

なお、中核市にあっては、県が設置する地域推進会議と同様の推進体制を整備する

() 本県のホームレス数

・本県のホームレス数は、合計で 465 人であり、その内訳は、男 393 人、女 33 人、不明 39

である。

・平成 13 年9月に調査した時点(369 人)よりも 96 人増えており、増加傾向にある。

・全国でのシェアは 1.8%である。都道府県順位としては 10 位である。

順位       1     2     3     4     5

市町村名    静岡市   浜松市   富士市   三島市   沼津市

ホームレス数  132   129 人   45    36   21

順位       6     7        9    9    9 

市町村名    藤枝市   熱海市   焼津市  富士宮市  浜北市  長泉町

ホームレス数   13 人   11    11   6 人   6   6

 

・ホームレス数を中核市及び県内の地域別に区分すると次のとおりである。

区分   静岡市   浜松市   東部   中部   西部    合計

人数   132   129  144  35   25   465

(東部:伊豆、熱海、東部、御殿場、富士 中部:志太榛原 西部:中東遠、北遠、西部の各健康福祉センター)

  

<ホームレスの調査地域別・性別の状況>

  都市公園     道   駅 舎   その他    計

男      85 人   86   20   17   76 人   284

      7    6   0    0 人    2 人   15

    9   14    0   2    6    31

   101 人   106 人   20   19   84   330


 静岡県地域福祉支援計画

第5章 施策の基本方向

県は、この計画の基本目標を達成するため、次の施策の基本方向の下、地域福祉の推進に取り組みます。

4)セーフティネットの充実強化

現状・課題

高齢化の進行や経済停滞の長期化により、生活困窮者等が増大しており、生活相談の充実、被保護世帯やホームレスの自立支援等の一層の推進が必要です。

目標・目的

生活困窮者等を支援する生活福祉資金貸付事業を促進するとともに、関係機関の協力の下、被保護世帯やホームレスの自立支援を促進します

施策の方向

生活福祉資金貸付事業の促進

・生活福祉資金の適切な貸付事務、償還指導等により制度の安定的な運営を図るとともに、需要の増加が見込まれる長期生活支援資金等の活用を促進します。

生活保護事務及びホームレス自立支援策の充実

・被保護世帯の自立支援プログラムの策定指導や労働関係部局等の連携・協力の下、自立支援を促進します。

・県ホームレス自立支援推進協議会等の体制を整備し、関係機関の連携の下、ホームレスの自立支援を促進します。


 静岡県議会


平成17年2月静岡県議会定例会 質問

質問者:  

蓮池 章平 議員

次に、 県営住宅の連帯保証人制度について伺います。

 最近の県営住宅の応募状況を見ますと、 十五年度は全体で四・八七倍、 十六年度は十二月末で四・五四倍と需要と供給に大きな格差があります。 さらに最近では、 DV被害者や犯罪被害者等の社会的弱者が緊急に住宅を必要とするケースや、 ホームレス自立支援のための住宅の必要性もふえてきております。

 県営住宅に入居するためには、 県内在住、 保証能力のある親族、 日本国籍もしくは永住者か特別永住者、 公営住宅に住んでいない人の条件を備えた連帯保証人が必要となっております。 しかしながら、 先ほど例示した社会的弱者は生活の安全確保の面からも、 連帯保証人をつけることは困難な状況であります。

 横浜市では、 民間住宅あんしん入居事業を、 家賃等の支払い能力はあるものの保証人がいないことを理由に民間の賃貸住宅への入居を断られてしまう高齢者、 障害者、 DV被害者などの方に、 協力不動産店と民間保証会社と連携して、 入居支援、 居住支援を行う制度を創設いたしました。 このように、 民間賃貸住宅においても保証人を免除するなどの入居支援を行っている例もあり、 まずは県として、 県営住宅の連帯保証人制度の条件緩和を図るべきであると考えますが、 県の考えを伺います。

○都市住宅部長 (田邉義博君)  県営住宅の連帯保証人制度についてお答えいたします。

 県営住宅の入居に際しては家賃の債務保証や入居者の身元保証などの観点から、 原則として連帯保証人を立てることを要件としており、 全国的にも同様の取り扱いとなっております。 本県としては生活保護世帯のうち、 家賃を代理納付されている方と婦人相談所の一時保護者などのDV被害者及び災害等による一時的避難者などには、 特例として連帯保証人を求めないこととしております。

 現在国では低所得者、 高齢者、 障害のある方など社会的立場の弱い方を対象として、 住宅セーフティーネット機能の向上を目指した住宅政策の改革を進めており、 その一環として、 とりわけDV被害者、 ホームレス、 犯罪被害者等の入居条件の緩和などを含めた、 公営住宅制度の見直しに取り組んでいると承知しております。 こうした国の公営住宅政策の動向を見極めながら、 県営住宅の入居要件の見直しについては、 連帯保証人の取り扱いも含め関係機関と連携し、 検討してまいりたいと考えております。


 平成1112静岡県議会定例会

質問者: 鈴木 洋佑 議員

福祉行政についての最後は、 ホームレス対策についてであります。

 バブル崩壊以降、 駅のコンコースの隅や地下道の一角、 あるいは公園などの公共施設内や橋の下などに、 段ボールやビニールシートなどで囲って生活するホームレスの姿を多く見受けられるようになりました。 その後も、 長期低迷する経済と、 それに伴う企業の大量の人員整理によって、 ホームレスは確実に増加の一途をたどっております。

 川崎市や横浜市、 大阪市などでは、 人道的見地から食料支給などを行っていると聞いていましたが、 過日の新聞では、 最も先進的なホームレス対策を実施していた川崎市のホームレスへの食料支給予算が約二億八千万円にまで膨れ上がり、 見直しを余儀なくされていると報道されていました。 政府は、 昨年とことしの二回にわたって行った調査で、 東京、 大阪などの大都市を中心に、 およそ一万六千人のホームレスの数を把握していたようであります。

 本年五月、 内閣内政審議室、 厚生省、 労働省、 自治省や関係地方公共団体で構成するホームレス問題連絡会議において、 自立支援体制の確立、 雇用の安定、 保健・医療の充実などについての施策をまとめ、 具体的には、 ホームレス自立支援センターの設置などを進めていこうとしているようであります。 川崎市が独自に行ったホームレス調査によれば、 ホームレスになった理由は、 失業が圧倒的で、 八六%を占めているということであります。

 政府は、 さきのホームレス問題連絡会議の取りまとめを受けて、 人数、 施策の状況などについて早急に調査し、 報告するよう求めたということであります。 大企業を中心とする潜在的失業者はいまだ百万人程度いるだろうとも言われており、 ホームレスは今後もさらに増加すると考えた方がいいように思われます。

 県においては、 この調査結果を単に政府に報告するだけでなく、 国の施策に迅速に対応するため、 ホームレスを抱える県内の該当市とともに、 何らかの自立支援策等を検討する必要があるのではないかと思いますが、 御所見をお伺いするものであります。

 

鈴木 洋佑 議員(県政クラブ) 代表質問 に対する答弁

○健康福祉部長 (原田英之君)次に、 ホームレス対策についてであります。

 近年、 大都市を中心にホームレスが増加し、 社会問題となっております。 ホームレスになる要因は、 失業や家庭崩壊、 社会生活からの逃避等が挙げられ、 これらが複雑に絡み合っていると考えられます。 国におきましては、 ホームレス問題連絡会議での検討を踏まえて、 来年度、 ホームレスの自立支援を行うセンターの整備に対する助成を考えております。

 県内のホームレスの状況を見ますと、 今回厚生省が行った調査に対する市町村の回答では六十六人が報告されておりますが、 ホームレスの特性から、 正確な数の把握は困難であります。 こうした中で、 県や市町村においては、 個人のプライバシーや人権に配慮しつつ、 生活困窮者に対する生活相談や医療機関への受診指導、 生活保護の申請指導を行うなど、 きめ細かな対応を心がけているところであります。

 今後とも、 国の調査結果等を踏まえ、 雇用や住宅などの所管部局や関係機関と連携を図りながら、 適切な対応に努めてまいります。 以上です。


 浜松市


平成17年度 浜松市事務事業評価表

ホームレス対策  開始 平成15年度

事業策定の背景

ホームレスに関する問題の解決に資することを目的とし,平成14年8月7日に「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」が施行され,本市においてもホームレスの自立支援等について必要な措置を講じています。

目的

ホームレスの自立支援をはじめ,地域住民も良好な環境の中で暮らせる地域社会とするために,保健・福祉・住宅等各分野にわたって総合的にホームレス問題の解決を図ります。

活動内容

ホームレス問題の解消に向け,関係課で構成する「庁内ホームレス対策会議」において,ホームレス自立支援対策の基本計画及び実施計画について検討していきます。併せて,こうした計画の本格実施までの間,中心市街地に起居するホームレスに対する緊急一時的な対応策を実施していきます。

公民の役割分担評価

ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法第6条により,地方公共団体の責務と位置付けられています。今後,NPO団体,市民ボランティア等に委託あるいは共同実施等の実施方法が明確化されてくるものと考えられます。

事務事業の対象名称:市内に起居するホームレス

今後の動向の予測:横ばい

必要性評価

平成14年7月11日「市長と話そう」の質問等8件

平成14年9月18日丸井通晴議員市民クラブ代表質問

平成14年9月19日酒井基寿議員一般質問

平成16年3月15日高林龍治議員一般質問

        事業費 (千円)    人件費 (千円)   総事業費 (千円)

平成15年度      173       805        978

平成16年度      173      3,220       3,393


 宿所提供施設「希望寮」整備事業について

1 目的及び事業の必要性

 現施設は,築後50年を経過し老朽化が著しく,防災対策上からも建て替えを行って入所者の安全確保を図ることが望ましい。また,浜松市のホームレス対策として「希望寮」を路上生活者が住所設定等を行って市営住宅等へ入居するまでの待機場所と位置づけており,その受け入れ態勢の充実を図るため,改築工事を行うものである。

2 事業の概要

 (1) 施設整備工事 【市補助金101,117千円(うち国庫補助分50,558千円)

  既存施設を取り壊し,その場所へ建設し施設整備を行う宿所提供施設「希望寮」の改築事業に対して補助を行うもの。

 (2) 擁壁工事 【事業費20,000千円(市単独)

  施設整備工事に伴い,慈悲庵が浜松市から借地している希望寮敷地内の擁壁工事を行うもの。

3 施設の概要

保護施設種類  宿所提供施設 定 員 50人

入所対象  住居のない要保護者 (路上生活者等)の世帯

建物構造 鉄骨造 2階建

建物延面積 737.91m2 (1370.98m2,2366.93m2)

4 工事期間

平成15420  〜平成16310

平成1641日 事業開始


 平成17年度 浜松市事務事業評価表

浜松希望寮入所者自立促進事業  開始 平成16年度

事業策定の背景

平成14年8月に施行されたホームレスの自立の支援等に関する特別措置法を受け,現在策定が進められている浜松市ホームレス自立支援実施方針に基づき,本市におけるホームレス対策を推進するもの。

目的

公園,高架下,河川敷等で野宿生活をするホームレスのうち,宿所提供施設浜松希望寮に入所した者の生活相談,就職相談などに応じ,適切な指導・助言を行うことにより早期の自立を支援していく。

活動内容

公園,高架下などに野宿する生活から脱却し,自立を目指したい意向を持つホームレスに宿所提供施設浜松希望寮への入所を勧め,浜松希望寮入所を足がかりとして生活基盤を安定させるよう指導していく。また社会福祉法人が運営する浜松希望寮に公費負担による自立生活相談員を派遣し、入所した者に対する生活指導,就職相談,施設入所相談,住宅確保支援など入所者の状況に応じた相談活動を行い,早期の自立を支援する。 

平成16年度

希望寮に入所した者の年間延べ数  429 

希望寮を退所し自立をした者の年間延べ数  55 

支援をした結果どれだけの者が自立したか  13

公民の役割分担評価

社会福祉法人が運営する宿所提供施設であるが,ホームレス対策,生活保護の適正実施のために密接な連携が必要となることから,相談員の配置に要する経費(人件費)も国庫補助対象となっている。

効率性評価

  定員50人に対し月平均35人が入居(70%)している。入居率80%としたい


 平成15年度 浜松市事務事業評価表

就労支援職業選択・適性相談事業   開始 平成16年度 商工部労政課

 

活動内容

○大学生,離職者,障害者(身体・精神)には

・一般職業適性検査(個々人が将来的に多種多様な職業分野において仕事を遂行するうえで必要とされる代表的な9種の能力を測定し,個人の適職領域の探索,ひいては職業選択を行う場合に不可欠なデータを提供する。)

・職業レディネス・テスト(A検査で職業興味,B検査で基礎的志向,C検査で職務遂行の自身度を測定して,求職者が進路選択の様々な場面で自分自身を見つめることを援助し,またその手がかりを提供する。)を行う

 

○ホームレスには

・職業興味検査(6種の興味領域尺度と5種の傾向尺度に対する個人の特性を測定し,個人が職業とのかかわりにおいて自己理解を深め,望ましい職業的探索や職業選択活動を促進するための動機づけや情報を提供する。)を行う

 

○障害者(知的)には

・障害者用就職レディネスチェックリスト(障害者用にわかりやすく編集し,職業興味・志向性から職業適性を提供する。)を行う


 「ユース市民座談会」  2004610

(ユース7)

 JR浜松駅付近の新幹線高架下などはすごく暗くて怖いので、駅より南に行くことができない。もっと明るくしてほしい。

(市長)

 確かに、駅の南などで冷蔵庫や車などを集めてきてそこで商売をやっているような人たちもいたりしましたが、荷物を撤去してもらったりするなど環境改善を着実におこなっています。また、遠鉄の新浜松駅下もホームレスの人がいたりするなど、以前は環境的に良くない空間になっていましたが、そこに商業施設(UPON)を整備することで明るくきれいになりました。都市の環境を良くすることは大事だと思っておりますので、新幹線の高架下など雰囲気の悪いところをなくして、どんどん南北が行き来できるようにしていきたいと思います。


 浜松市議会


【 平成18年  2月 定例会(第2回)-0310日−06号 】

P.101 ◎ 市民生活部長(鈴木利房)

次に、御質問の第3番目の安心・安全なまちづくりの2点目、モデル地域の防犯活動についてお答えいたします。

活動への参加状況でございますが、砂山地区では小・中学校や駅周辺への防犯パトロールに20名、ホームレス対策としての地下道の点検などに20名の参加を得ております


【 平成16年 11月 定例会(第4回)-1215日−18号 】

 P.93 ◆ 建設委員長(高林龍治)

まず、当局から、都市公園法の一部改正に伴い、公園内にある所有者が不明な工作物等を撤去、保管した場合の手続を新たに規定すること、現行の動物園の開園日に1月1日を追加することなどが主な改正内容であるとの答弁がなされました。

 これに対し委員から、公園を占用しているホームレスについては、どのような対応をするのかとただしたところ、当局から、ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法により、即時に立ち退きを求めることは難しいが、工作物をつくらないように指導することはできる。また、今回の改正により、所有者が不明となった荷物等については、一定期間をおいて処分することができるとの答弁がなされました。


【 平成16年  2月 定例会(第1回)-0315日−06号 】

P.185 ◆ 20番(高林龍治)

質問の第5は、ホームレス対策について保健福祉部長にお伺いいたします。

 国でホームレス支援法が制定され、昨年ホームレスの実態調査が全国、そして本市でも行われました。平成15年1月の県内市町村別ホームレス数実態調査では、合併した静岡市が132人、浜松市が129人、旧静岡市が119人と県下74市町村とすれば本市がトップであります。

 これまで多くの議員がホームレス対策について質問し、当局は全力で取り組んでいることと思いますが、なかなか抜本的な対策が講じられていないのが現状です。実際こちらの対策を講じれば、あちらへ、あちらの対策を講じればそちらへというように移動しているだけ、堂々めぐりのような気がしています。環境がいいのか、ますますホームレスが集まってきているのではないでしょうか。このところ、まち中では、寒く冷えるので雑木をどこからか集めたき火をし、何人かが火を取り囲んでいる風景も見かけられます。

 県はホームレス自立支援等連絡協議会を設置し、今年度中に計画等を策定していくとしています。そこで、昨年のホームレス実態調査に基づき本市はどのような施策を今後展開していくのか伺います。

◎保健福祉部長(杉浦一則) 次に、5番目のホームレス対策についての御質問にお答えいたします。

 ホームレスの実態調査につきましては、安否確認、健康状態を把握するため、平成7年5月から定期的に実施してまいりました。また、昨年1月には、御質問にございましたように、ホームレス自立の支援等に関する特別措置法に基づき、国のホームレスの実態に関する全国調査が行われ、本市では129人のホームレスが目視で確認されております。

 これまでの本市のホームレスへの取り組みといたしましては、新川モール臨時駐車場整備、JR浜松駅北口バスターミナル内のベンチ工事、都心ゲートパーク整備などの公共施設の工事区域に起居するホームレスに対して自立意思への確認や自立への指導、助言を行ってまいりました。

 こうした中、国の基本方針を受けまして、静岡県におきましては、静岡県のホームレス自立支援等に関する実施計画を策定中でございます。本市におきましても、国・県の意向を踏まえてホームレスの実態調査を実施する中で、ホームレスおのおのの自立意向の確認を行うとともに、住宅相談、生活相談、健康相談などを実施し、自立支援に向けた取り組みを強化してまいりたいと考えております。

 なお、今年度改築中でございました宿所提供施設、浜松希望寮が来年度当初から供用開始となりますので、住居確保に苦慮しているホームレス等を受け入れるとともに、ここに専門の相談員を配置し、入寮者の生活相談、就労相談などに応じ、早期の自立を支援してまいりたいと考えております。

 また、住居の確保につきましては、引き続き市営住宅の活用や、入居保証人を必要としない民間賃貸住宅の提供について宅地建物取引業協会等へ協力依頼をしてまいります。

 いずれにいたしましても、ホームレスにつきましては、全国的な社会問題となっておりますので、今後も国・県・他市との連携のもと、ホームレスが起居する場所の管理者、関係機関、支援団体等の協力を得ながら、実態調査と並行して、個々の相談に応じる等の自立支援策を積極的に展開してまいりたいと考えております。


 【 平成15年  2月 定例会(第1回)-0304日−02号 】

                   P.31 ◎ 市長(北脇保之)

このほか、ホームレスの自立を支援するため、生活保護法に基づく対応を進めるとともに、宿所提供施設「希望寮」の改築整備に対して助成してまいります。


  平成14年  9月 定例会(第3回)-0918日−02号 】

P.43 ◆ 39番(丸井通晴)

質問の第2点目は、全国的な課題となっているが、さまざまな問題からなかなかそのその解決策が見えないホームレスの人たちへの本市としての取り組みについて、市長にお伺いをいたします。

 路上生活者あるいは野宿生活者などとも言われておりますけども、一般的に言われているホームレスという言い方をさせていただきますので、まず御承知おきを願いたいと思います。

 全国で3万人以上はいると想定をされているホームレスは、長引く不況による雇用環境の悪化に伴い失業が長期化し、急速に増加をいたしております。以前まではホームレスは、東京、大阪、名古屋、横浜、川崎といった大きな都市、これらの中でもとりわけ山谷、あいりん、笹島、寿等の特定地区にほぼ限定をされていた問題でありましたが、最近は政令指定都市は無論のこと、中規模市にまで広がりつつあり、もはや全国的に放置できない深刻な社会問題であると言えます。

 ホームレスの存在とその問題は、浜松市にとっても例外でなく、私が知る限りでも遠州鉄道高架下、バスターミナルのベンチ、JR浜松駅周辺の地下道、河川の橋の下などで多く見受けられ、犬を飼っているホームレスも見受けられます。また、市民からは、公共的な場所を占有しているが行政として打つ手はないのか、立ち小便されて臭くてしょうがない、行政は何もしてくれない、行政は怠慢ではないかといったような声が私のところへも入ってきております。

 ホームレスにとっては、中高年者が多く、仕事や住居の確保がままならず、加えて毎日の食事の確保、健康の維持に心身が疲弊してくる。そのために、ホームレスを多く抱える自治体では、人道的・倫理的な立場から、法外援助としての健康診断や緊急一時宿泊事業などを実施しているところもあり、またメディアが美談として時折取り上げておりますけども、主として食料などを支援するボランティア団体もあります。しかしながら、必ずしもこれらが抜本的な解決策とは言えないのが現状であります。さらに、限られた地域で手厚い対策を行えば、全国からその地域にホームレスが集まってくるという問題、いわゆる呼び寄せ効果といいますが、これも心配をされております。本市としても、来年の国民体育大会、再来年の浜名湖花博、これらが開催され、多くの人々が本市を訪れますし、また多くの市民からの苦情にもこたえるホームレス対策を早急に立てていくべきと考え、市長にお伺いいたすものであります。

 その一つ目は、庁内におけるホームレス対策会議についてであります。何もしていないと言われている市庁舎内でも、私が知る限りでは、関係した各課が集まって対策会議を開催されていると聞いております。ただ、それが市民の目には見えておりません。どのような対策会議であるのか、またその検討の内容についてまずお伺いをいたします。

 二つ目は、ホームレスの現状を市としてどうとらえているのか、ホームレスの居住場所、人数、男女の別、国籍など、詳しい現状把握をしているのかをお伺いをいたします。

 三つ目は、聞き取り調査についてであります。ホームレス各個人への聞き取り調査を実施しているのか。また、実施していなければ、プライベートのことなど人道上の問題を大切にしながら健康状態や就労の意思などの意向調査を実施し、ホームレスの自立支援の方策を検討すべきであると考えますが、いかがでしょう。

 四つ目は、本年8月7日に公布施行されたホームレス自立支援特別措置法の地方自治体の責務についての取り組みであります。この法案全部をこの場で申すわけにはまいりませんが、その中に地方自治体の責務というのが明記をされております。それは、要約すれば、自立の意思があるホームレスに対しての就労、住宅、健康、医療、その他生活相談等の施策を実施し、ホームレスを自立させることに努め、ホームレスに関する問題の解決を図ることであります。この法案の中でまず本市として何ができるかを早急に検討し、そしてできることから取り組んでいったらどうかと思いますが、いかがでしょうか。

 五つ目は、各都市や関係機関が一体となった取り組みについてであります。2年前に私は、外国人、とりわけブラジル人が多く居住する自治体の首長が集まり、各自治体が抱える外国人への対策について検討し、国などへの問題解決に向けての働きかけをしたらどうか、この議場の場で市長に提言をさせていただきました。そして、昨年秋に外国人集住都市会議とサミットが本市で開催をされ、大きな成果があったと伺っております。それと同じようにはまいらないかもしれませんが、まずホームレス対策でそれぞれ悩んでいる各都市−−中核市のレベル等で結構でございます−−の対策担当者の会議、これを開催していろんな悩みを打ち明け合う、そういったことからまず始めたり、警察などの行政各機関が一体となった取り組みが必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。

 以上、ホームレス対策について、人道上の問題もあり、その解決には困難さがあることは私も十分承知をいたしておりますが、市長の御所見をお伺いをいたします。

P.49 ◎ 市長(北脇保之)

次に、2番目のホームレス対策についてお答えいたします。

 1点目の庁内における対策会議についてでございますが、平成13年8月に保健福祉総務課を事務局として庁内ホームレス対策会議を設置し、以来今年度8月までに10回開催してまいりました。内容につきましては、情報の共有化、各課が抱える問題や支援団体などからの要望事項への対応、さらには生活に関する相談体制や生活保護の適用、住居の確保など、自立支援策について検討してまいりました。また、本市の実情といたしまして、わかふじ国体や浜名湖花博という大型イベントを控えJR浜松駅周辺の整備を進めていく中で、ホームレスへの緊急対策についても検討してまいりました。

 次に、2点目の現状把握についてお答えします。ホームレスの現状につきましては、直近の調査データでございますが、8月1日に公園管理課、土木管理課が管理所管するすべての施設について調査いたしましたところ、所在した跡があるということも含めまして 110人が把握できました。このうち、駅前バスターミナルや遠鉄高架下などの中心市街地に88人、うち女性が8人となっております。国籍については把握しておりませんが、遠鉄新浜松駅南側に七、八人の外国人ホームレスが集団所在している状況にあります。

 次に、3点目のホームレスの聞き取り調査についてお答えします。本市では、ホームレスがふえ始めた平成7年5月から安否確認、健康状態の聞き取りを主な目的として年3回生活福祉課が夜間実態調査を実施し、本年7月までに延べ22回実施いたしました。今後は、ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法が施行されましたので、ホームレス一人一人の意向を聞き取る調査を改めて近々のうちに実施し、自立の意思などを確認してまいります。

 次に、4点目のホームレス自立支援法の成立に伴う市としての取り組みについてお答えします。ホームレス対策といたしましては、今後、総合的な相談・自立支援体制の確立、住居の確保、安心・安全な地域環境の整備を施策の基本として進めてまいります。しかしながら、冒頭申し上げましたように、わかふじ国体や浜名湖花博開催を控え、JR浜松駅周辺の整備や新川モールの駐輪場整備などがあり、ホームレスへの対応が急務となっております。

 この具体的な対応の手順といたしましては、自立の意思のあるホームレスにつきましては生活保護の申請を行い、生活保護上の施設であります宿所提供施設へ入所していただきますそして、まず住民登録を行います。次に、市営住宅へ転居することにより安定的な住居を確保するとともに、生活保護ケースワーカーの指導により自立を支援してまいります。また、このほか住居の確保につきましては、入居保証人を必要としない民間賃貸住宅の情報を集め、その活用を図ってまいります。こうした対応を繰り返すことにより、ホームレス問題の解消に向け取り組んでまいります。

 次に、5点目の各都市や関係機関が一体となった取り組みについてお答えします。特別措置法が施行されましたことから今後各都市においてその実情に応じた施策が実施されることになりますので、施策の内容によりましてはホームレスが集まってくることも考えられます。こうしたことから、各都市との担当者会議などを開催し、連携を深めてまいります。また、地域安定のためには警察と、また就業機会の確保のためには公共職業安定所となど、それぞれ関係する機関との連携を図りながら施策を進めてまいります。

P.56 ◆ 39番(丸井通晴)

それから、ホームレス対策。早急に、いろんな課題はありますけども、取り組んでいただけるというお返事をいただきました。人道上的な立場からもいろいろあろうかと思いますし、この答えの中に市営住宅への転居等ということも含まれておりました。一番肝心なのは、ホームレスの皆さんに対するやっぱり一般市民の人の見方というのもいろいろ大切かと思っております。ホームレスの皆さんが市営住宅へ、よしんばですよ、来る。じゃ、どこの市営住宅へ来るんだろう。私んとこは嫌だ。そうすると、どっかの学校の統廃合と一緒で、断固反対と、こうなっちゃうかもしれません。その辺をひとついろいろと難しい面がある、困難だということを私、申し上げておきます。それを払拭しながらですね、ぜひ進めていってもらいたいなと。

P.162 ◆ 34番(酒井基寿)

最後の質問であります。市長にお尋ねいたします。

 ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法、いわゆるホームレス自立支援法がことし7月、第 154回通常国会で成立をいたしました。10年間の時限立法であります。昨年は民主党の9名の議員立法で試みましたが、継続審議となり不成立でした。今回は与党三党に民主、社民が加わり超党派の提案で成立したものであります。遅きに失した感があります。

 フランスでは特別法による対策はかえって差別を招くという理由から、ホームレスだけを対象にした特別法はありません。福祉、雇用、住宅、医療など各分野の一般対策で活用しております。急迫したホームレスには年中無休、24時間体制の巡回サービスや駅舎の夜間簡易ベッド、宿泊施設等さまざまな緊急援助策が用意されており、フランスには長期の野宿生活者はほとんどいないということが報告されております。

 イギリス、ブレア政権は、ホームレスを社会的排除の象徴的一形態と位置づけ、重点課題に挙げています。社会的排除とは失業、低所得、犯罪、非衛生、家族関係の崩壊などにより、必要な社会的サービスを受けられない状態を言います。1997年社会的排除対策室を設け、2002年までに路上生活者を3分の1にすることを目標にいたしました。2000年には、事実イギリス全体の路上生活者はわずかに1600人、そのうちロンドンは 620人に減りました。ホームレス対策の根拠となる法律は住宅法で、居住保障を基盤として雇用、教育、福祉、保健など包括的支援を国と自治体、民間ボランティア組織が連携して行っております。

 アメリカでは、ホームレスを支援する法律は1987年、スチュワート・マッキーニ法という法律が制定され、地方自治体の行う事業に連邦政府が補助金を出すという仕組みで出発をいたしました。自治体の施策はホームレスの人たちがサービスを受けるだけでなく、社会復帰に向けて主体的に自助努力することを条件にしております。ホームレスが自立回復プログラムに積極的に参加する責任があり、もし参加を拒否する場合は、支援サービスを受ける資格を全く失ってしまいます。つまり自立の意思のないホームレスにはつける薬も差し伸べる支援の手もないということであります。ニューヨークでは、民間団体NPOの活動が活発でありまして、市と民間企業の協力を得て都心の古い高層ホテルを買収して、ホームレス向けの低家賃住宅と働く場所を同時に確保したNPOがあります。名前はコモングラウンド・コミュニティといいますが、これが全米のNPOのモデルになっております。

 日本のホームレス自立支援法では国と自治体の責務を定め、1.ホームレスに安定した就業機会や住居を確保し、健康診断を実施、2.ホームレスになるおそれのある人の多い地域では、生活上の相談や指導を実施、3.宿泊場所の一時提供や日常生活に必要な物品の支給やホームレスの人権擁護を規定しております。実施方法としては、国はホームレスの全国実態調査を実施し、自立支援策の基本方針を策定。都道府県や市町村も実施計画をつくるよう義務づけられております。また、国や自治体に民間団体との連携を求め、国民の協力やホームレス自身の自立に努めることを規定しております。

 一方で、ホームレスのために公園や通路など公共施設の適正な利用が妨げられているときは、管理者が必要な措置をとると規定しています。法案審議の過程で強制排除につながる可能性が指摘されたので、必要な措置をとる場合は人権に十分配慮すると決議されております。今まではとかく排除の論理が先行し、自立を支援することを避けようとしてきた嫌いがあります。日本では1992年の暮れから路上生活者がふえ始め、全国には2万人から3万人いると言われています。このホームレスの問題は単に感傷主義、センチメンタルでは解決されることは一つもありません。

 そこで、浜松市では当法の施行に伴い市内のホームレスの実態調査から始まり、種々の具体策を講ずる時期に入りましたが、排除の論理から自立支援に向かってどのような計画で進むのか、その取り組みと決意のほどを伺いたいと思います。

◎市長(北脇保之)

次に、5番目のホームレス自立支援法に対する市の対応策についての御質問にお答えします。

 ホームレスの問題につきましては、庁内の関係各課が連携を図り、一体となって取り組む必要があることから、庁内ホームレス対策会議を設置し調査研究を進めてきたところでございます。

 御質問にもございましたように、ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法も施行されましたので、これまでの検討を踏まえ、総合的な相談・自立支援体制の確立、住居の確保、安心・安全な地域環境の整備を施策の基本として進めてまいります。具体的には、まず近々のうちにこの法律の支援対象となる自立の意思がある者を把握するための聞き取り調査を実施いたします。その上で自立意思がある者には宿所提供施設などの社会福祉施設の活用、市営住宅の活用、入居保証人を必要としない民間賃貸住宅の活用などにより住居の確保に努めます。安定した住居が定まった者には、自立できるまでの間、必要に応じ申請に基づく生活保護を適用してまいります。あわせてその者の自立に向けた努力をもとに、公共職業安定所などの関係機関とも連携し就業機会の確保に努め、ケースワーカーによる生活指導、就労指導などの自立支援を行ってまいります。また、高齢者、障害者や病気の者には、社会福祉施設への入所や緊急医療保護など必要な保護をしてまいります。

 また、法律の施行に伴いまして、今後ホームレス問題を抱える自治体において、その実情に応じた自立支援策が展開されることになりますので、担当者会議を開催し、施策の状況など情報交換に努め連携を深めてまいります。こうした自立支援策を進めましても、ホームレスの中には自立した社会生活を拒む方もいるかと思われます。このような方にはその人権にも配慮しながら、社会生活への適応を極力促してまいりますが、どうしても公共施設の適正な利用の確保に支障がある場合には、ホームレスの自立の支援等に関する施策等の連携を図りながら、人権に十分配慮しながら施設管理者としての指導等も行ってまいります。

34番(酒井基寿)

ホームレスの問題も待ったなしになりました。ホームレスは変わった人たち、困った人たちの問題としてとかくとられがちでしたけれども、ホームレスは一つの状態であって、特殊な人を指すわけではありませんという認識がこれから必要ではないでしょうか。これまでの排除の論理から脱却しつつあることは、これまた評価すべき一歩前進であります。国と自治体、民間団体が一体となって真剣に取り組んで初めてその効果があるものであります。そして、何よりもホームレス自身の自立の意思にかかわっている問題であります。事態の進展を注意深く見守ってまいりたいと思います。


 【 平成13年 11月 定例会(第4回)-1129日−03号 】

25番(中野三枝子)

最後に、野宿生活者への対策について市長にお伺いいたします。

 野宿生活者(ホームレス)は、長引く不況のもとで急増し、今や全国で3万人を超えると言われています。厳しい冬を迎え、食事も満足にとることもできず、野宿による体調の悪化、体力の低下と衰弱から凍死者さえ生まれるなど悲惨な状況のもとに置かれています。このような状態は憲法25条の生存権が侵害されていると言わざるを得ません。ボランティアによる炊き出しなど必死の援助が行われております。しかし、ホームレスの広がりの中、事態はますます深刻になっており、人道上、一刻も放置できない現状にあります。

 日本共産党国会議員団は、こうした事態に対し、厚生労働省にホームレスの生命と健康を守り、生活保障と仕事の確保を求める緊急申し入れをことし1月26日に行っています。

 浜松市内にはホームレスは支援グループの調べでわかっているだけでも 250人はいます。この多くの人たちは厳しい社会情勢の中で野宿を余儀なくされていますが、地域社会の中で自立した生活を望んでいます。この人たちは公園やガード下、駅構内など少しでも雨、風を防ぎ、少なくとも近くにトイレや水、食べ物が確保しやすいところを探して生活をしています。高齢の方も多く、中には80歳を超える方もおります。支援団体の調べでは県内で昨年路上死した方が66人、浜松市では4人の方が亡くなっています。入院、通院は県内 625件、浜松市では 192件となっています。ホームレスに対して生活保護の適用がされていなかった6年前には、浜松市では9人のホームレスが亡くなっています。その後ボランティアの皆さんの支援で生活保護が適用されてきましたが、ことしは元ホームレスの生活保護受給者に対しての保護廃止の影響から、4月以降住居契約がほとんどとれない状態になっています。このままではこの冬は6年前に戻り死亡者が多くの出るのではないかと心配もあります。

 そうした心配をよそに、9月市営駐輪場からの強制排除に続く追い出しが1023日の夜行われました。JR駅構内にいたホームレス約30人が排除されたのです。そして、市の土木管理課も遠鉄助信駅市営駐輪場と寺島町地下道にいたホームレスに退去の勧告を出しました。確かに駐輪場などで夜ホームレスの人たちがたむろしていれば一般市民にとっては異様に映り、怖いイメージもあることでしょう。

 市は福祉、公園、住宅、土木や河川の関係者で野宿者対策会議を持っているようですが、強制的な追い出しをする前にホームレスに対して有効な対策をとったでしょうか。何の対策もない排除はホームレスの何としても生き続けようとする権利さえ奪うことになるのです。次の生活の場の確保なくして排除のみでは対策にも解決にもなりません。行政は住居のないホームレスに対し、保証人なしでも住宅に入れるよう対策を取り、住居の確保をまず行わなければならないと思いますけれども、いかがでしょうか。

 次に、自立のための支援についてです。憲法第13条には個人の尊厳と幸福追求権、第25条は生存権の保障がうたわれています。このことは人間らしい生活の保障であり、どんな貧乏であっても日本では野宿を強いられることがないこと、そのための法律が生活保護法だといえます。

 ホームレスがやむにやまれず生活保護を申請しても、行政は住所不定を理由に事実上、生活保護の適用の拒否をしています。住所不定を理由に生活保護の適用を一律に拒否することは、現行の生活保護法を正しく運用しているとはいえません。また、稼働年齢を理由にした生活保護からの排除も現行法から逸脱しているものです。ホームレスの大半は働く意欲がありながら仕事につくことができない労働者です。今、雇用環境がますます悪くなっているもとで、働きたくても働けないのが現状だと私は思います。

 こうした実情を考慮し、最低限度の生活保障と地域社会の中で自立した生き方ができるよう職員の窓口での対応から就労指導まできめ細かな支援をすべきと思いますが、いかがでしょうか。

◎市長(北脇保之)

次に、第3番目の野宿生活者、ここでは行政上一般に用いられておりますホームレスという言葉を使わせていただきますが、その対策についての御質問にお答え申し上げます。

 まず、第1点目のホームレスの住居確保についてでございますが、市内におけるホームレスの状況は、近年の低成長下における経済・雇用情勢を背景として年々増加してきております。このような現状から市といたしましては、平成7年から年3回、夜間におけるホームレスの実態調査を行い、必要に応じて生活保護法に基づき対応してまいりました。

 御指摘のようにホームレスの自立には住居の確保が必要不可欠であります。公共施設からの退去を含めさまざまな事情により居どころを失ったホームレスに対し、本年4月より10月までの6カ月の間、救護施設へ5人、宿所提供施設へ4人の入所や民間アパートへ21人の入居を合わせ、30人の生活保護を実施しており、今後ともこれらの方法で住居の確保に努めてまいりたいと考えております。

 続いて、第2点目のホームレスの最低生活の保障につきましては、生活保護制度が基本となりますが、保護を適用するには住所要件以外に生活困窮者が利用し得る資産、能力、その他あらゆるものを活用することが要件となっており、ホームレスを一律に保護適用するには困難な点もございます。しかしながら、さまざまな原因からホームレス生活を強いられている現状を踏まえ、個々の事情に即した自立支援が必要であると考えております。

 緊急に医療の必要な方、施設入所が必要な方、職のあっせんが必要な方などさまざまな場合が想定されますので、医療機関、社会福祉施設、ハローワークなどの関係機関と十分に連携をとるとともに、他の自治体と積極的な情報交換をするなどより効果的なホームレス対策について研究してまいります

25番(中野三枝子) 

それから、ホームレスの問題ですけれども、実態調査をしていて今までも生活保護の対応はしている、そして住居の確保もしている、今までどおり敷金も出していただき確保していただくというそういう理解をまずいたしました。それはそれで本当に続けていっていただきたいと思います。

 あと具体的な支援の問題ですけれども、一つ例を挙げて言います。きのうのことですけれども、島田市の一人の男性、76歳の方が支援者と一緒にあの窓口におりました。私もちょうど通りかかりましたのでかかわったわけですけれども、その方は保護申請した後アパート契約をいたしました。そして、島田市にいたというそういう記録があっても明らかな住所の記録はないわけですね。そういう中で生活保護申請はしたものの、その後の適用が決定するまでの生活費というものが全然ないわけです。それを放置したらその方はどうなるのか、また野宿の生活に戻ってしまうという可能性もあるわけですね。そういう方についてどんな対応を市長だったらするのか、きのうは課長は考えてみるのでと、1年ぐらい考えてみますという同じ問題で答えているようですけれども、きょうまたその方が窓口に行きますけれども、市長としてはそういう方が来られた場合、そこでどう対応するのか、お聞きしたいと思います

P.96 ◎ 市長(北脇保之)

それから、三つ目のホームレスのことでございますが、ただいま具体例についてお尋ねがありましたので、このことについてはちょっと事前に伺っておりませんでしたので、具体例に即してのお答えということはちょっとできかねますが、一般的な考え方について申し上げますと、生活保護費の支給ということについては、生活保護の決定を得てから支給されるということになりますので、その決定までの生活費は通常手持ち金で対応してもらっております。ただ、手持ち金もなく切迫した状況にある方については、西山園などの救護施設の利用をしていく、こういう方針を持っているところでございます。