釜ヶ崎における高齢者就労問題の現状と課題

効力のある高齢者清掃事業のあり方についての提言

西成労働福祉センター労働組合 加美嘉文

高齢者の生活実態/高齢労働者の諸層・具体例/高齢者清掃の拡大のための政策案

司会 今大きな問題となっております、釜ヶ崎における高齢者就労問題の現状と課題と言うことで
全労連全国一般大阪府本部の西成労働福祉センター労働組合からご報告をお願いいたします。


加美 みなさんどうも、よろしくお願いします。一応、私今日は西成労働福祉センターの労働組合の方から来させていただきまして、

特にですね、高齢者の就労問題、

現在、清掃事業が二年前から始まっていますが、その清掃事業がですね、もっともっと拡大して、制度として確立していくにはどういうふうにしたらいいんだろうか、というようなことで、

いま、我々の組合で考えている、案をですね、ちょっと皆さんに報告させていただきたいと思います。

それで、皆さんの方から、そのことについて色々ご意見いただければ、ありがたいと思っております。あんまり、こういう高いところから話するのが、実はあまりなれておりませんので、心臓がバコバコしてるんですがよろしくお願いいたします。

そうですね、まず、お詫びさせていただけなければならないですけども、レジュメの方を準備してきたんですけどもね、ちょっと私の方の手違いというか連絡ミスでね、同じ様なのが二枚、入っているかも知れないんですね。正しい方というか、新しい方はですね、右側のほうが表として、書かれている方です。レジュメの右側が円グラフになつてる物が入ってたら、それは古い方の資料と言うことで、あんまりそちらの方にはもとずいて話はしませんので、ちょっと確認していただけますか。それから、いきなり間違ってるんですが、釜ヶ崎の崎が埼玉県の埼になっておりますが、たいへんすんませんがそういうことも含めて、またご指摘ください。

えぇと、それでですね、時間もありませんし、あんまし下手な話も言ってもあれですので、簡単に我々が考えていること、つまり清掃事業の拡大について考えていることについて報告させていただきたいと思います。

もう皆さんの方がよくご存じだと思うんですが、大変この地域の高齢化というのが急激なスピードで進んでいます。

今から30年ぐらい前、1965年ごろにはですね、30歳代が中心だった。

40パーセントもの人が30歳代だったのが、つい最近、96年の3月末現在の、雇用保険手帳の平均年齢を見ますと53.5歳というようになっています。しかもですね、55歳以上がそのうち7千名を占めるようになっています。

雇用保険手帳の所持者だけで7千名ということですから、雇用保険手帳を持っておられない方を含めればその倍、約1万4千人ぐらいはいるんじゃないだろうかと推定されるんです。

ほんとにもう高齢化が進んで来ているということがいえると思います。

特にですね、やはり、バブル経済が崩壊して、センターの仕事が少なくなってから、高齢者の方を中心にですね、大変なアブレ地獄が続いています。

震災がありまして一時的に求人が回復したように感じたんですが、実際のところは、やはり高齢者の方を中心にですね、求人は非常に厳しいまま、ずうっと続いております。

それでですね、皆さんよくご存じのように、仮に建設現場の方に就労行こうと思っても年齢制限というのがどんどんきつくなってきています。

我々のセンターの窓口なんかでも求人票に年齢制限何歳までとかね、そういうのがいまではどんどんきつくなつています。

センター3階のほうの求人窓口だけで、約8割ぐらいの求人がですね、何らかの年齢制限をしているという調べもありました。まぁ、そういう風にしてどんどん高齢者の人が建設現場で就労しにくくなって来ているのが実態だと思います。


高齢者の生活実態 (冒頭へ

そう言った中でですね、我々ほんとに毎日、窓口で見ている中で、僕ら自身も力不足のところが色々ありまして、皆さんからご指摘いただかなければならないこともたくさんあると思うんですけども、やはり、これはなんとかせなあかんと、いうことで、我々の組合でも何年か前から、色々な高齢者就労対策の要求運動とかを少しずつ始めてきています。

清掃事業が始まった以降も、高齢者の方から、窓口で色々な実態を聞いたりしています。

その結果ですね、ほんとに、僕たちが思っている以上に、非常に厳しい高齢者の就労の実態が、やはり明らかになってきていると思います。

たとえば、高齢者の方のうち、清掃事業の登録をされておられる方にですね、一ヶ月にどれくらい仕事に行けてるんやと聞いてみますと、まぁ、一ヶ月に一日やという人が、実に約40パーセントを占めてる。あるいはほかの方でも、一ヶ月に二日やとか三日やと言う方がほとんどだということなんかも、分かってきました。

それからですね、雇用保険をもっておられても、実際にはですね、認定の資格が得られるにはほど遠いほどしか働けない。

認定をもらえるためにはやはり二ヶ月で26枚印紙張らないとだめなんですけど、とてもじゃないけどそんなもん、現場なんか行けへんというようなことがですね、ほんとにはっきりしているんじゃないかと思います。

高齢者の方はですね、高齢者清掃以外ではもう働けへんのやと、言う方がほんとにたくさん、今おられると言うことが、我々聞いてる中でも、分かってきています。

高齢者清掃の方にですね、どういう風な生活をされているんなというようなこともお聞きしたところですね、

もう、一ヶ月間ずうっと野宿している。と言うのは毎日ですね、毎日ずうっと野宿しているという方が、40パーセントぐらいいるということなんかも分かりました。

それからですね、当然そう言うことですから、収入なんかもほんとに少ない状況になっていると思います。

生活保護基準というのがありまして、単身者の場合ですね、一人暮らしの場合、一ヶ月で11万から12万というのが生活保護基準なんですけども、その基準なんかを満たしておられる方なんかほとんど見あたりません。

もう、約90パーセントの人がですね、本当に少ない収入の中で、青カンしてあるいは段ボウルとか集めて、それからその間、高齢者清掃いつ回ってくるかわからへんような高齢者清掃の仕事にそれでも期待してですね、並んで待ってると、いうふうなことなんかも、はっきりしてきていると思います。


高齢労働者の諸層・具体例 (冒頭へ

それでですね、一応高齢者の方がどういう生活をされているか話をさせていただいたんですけど、ま、

一概に高齢者といっても、色々な方がおられるのも実際のところです。

たとえばですね、55歳以上の方でも、建設現場に、幾つか仕事に行かれてるかたも、そう言うグループの方もおられると思います。

軽作業、たとえば東大阪市のゴミの収集ですね、そう言うふうな仕事に行けてる方もいくらかおられるんですけど、割合としてはまだまだ少ない。これが二つ目のグループだと思います。

それから、三つ目のグループとしてですね、軽作業なんかの就労なんかもなかなか難しいのが実態やけど、何とか働きたいんやと、働く場所さえあればいけるんやと、働く気持ちとそれから一定の力を持っておられる方がですね、たくさんおられる。そう言う方が、三つ目のグループ、高齢者清掃で働いている労働者じゃないかと思います。

それから、仕事に行けなくなって、体も悪くなって生活保護をもらわなくてはならない高齢者の方のグループが四つ目のグループです。

やはり、こういう四つぐらいのグループ、まぁ、分けることができるんじゃないかと思うんですが、その中でもですね、やはり、特に厳しい状況に置かれているのが、やはり、二つ目、特に三つ目ですね、高齢者清掃以外では、働けない労働者の実態だと思います。

われわれですね、そういうなかで、高齢者清掃の方の話を一つ一つ聞いていく中で、何人かの労働者の実際の話をまとめてみましたので、参考になると思いますので、少し報告させていただきたいと思います。

これはAさんと言う方なんですが、ずうっと高齢者清掃に来られている方なんですけど、この方の声をちょっと聞いていただけますか。

「日雇い生活は神戸で五年、大阪で十年になります。61歳になりますが体力に自信がないので、一般の建設作業はもう無理です。

以前働いていた事業所で、時々交通警備のガードマンとして雇ってもらっていますが、最近は、月に一日か二日ですね、ほかの事業所ではほとんど相手にしてくれません。

後は高齢者清掃の輪番を待っていますが、一日十人の紹介ではねぇ。

睡眠不足になるし、体力も落とすので、やりたくないのですが、やはりほとんどは野宿です。

えぇ、H町駅の小さいホームで終電の後寝かせてもらいます。

たまに仕事があったときは、必ず宿に泊まって体調を整えます。一泊千円のところです。

私の場合は友達がいるので、食事はお互い助け合います。

健康と着るものだけはできるだけ清潔にするように気を付けています。」

これがAさんです。ほかにもたくさんおられるんですが、時間がありませんので、ちょっと後の話の続けていくということで、ほかの、後一人か二人だけ、報告させていただきます。Fさん、

「万博の4年前に山口県からでてきて、もう30年になります。62歳ですが体は丈夫で、若い人の8割ぐらいはやれると自分では思っています。

だから、毎日、朝4時半に起きて仕事のチャンスを待っているんです。しかし、とにかく声がかかりません。

年齢制限は本当に悔しい。一日おきなら、働く体力あるんです。

先月は大工手元とユンボ手元で行きましたが、単価はちゃんと1万3千5百円もらいました。でもねぇ、たった二日です。何とか、月十万は欲しい。

単価の問題やないのです。確実に働かしてくれる保障が欲しいんですわ。」

それから、最後になるんですけれど、Gさんってかたのお話、さしていただきます。

「60歳を超えると簡単には仕事に就けません。障害持っていたり、体力のはっきり落ちた人なら、特別清掃ぐらいしかあてにできないでしょう。

私もだいたいそうです。だから、月十万稼ごうと思えば、年金三万を計算に入れても、特別清掃で12回くらいは働かしてもらえなければ実現しないのです。月十万が贅沢でしょうかねぇ。

私見てて、特別清掃に来てる人しっかりしてると思います。それに、なんといってもね、仕事にやりがいを感じてますよ。

特別清掃の後は、センターの寄り場、ぴかぴかになって、食堂の人も、センターの職員さんも、にこにこしてるやないですか、今みたいに中断せずに、年中通してやるのが当たり前ちがうかって、みんな言うてますね。

道路の清掃も立派ですよ。地区のゴミがどんなにすごいか、よそからわざわざ大型ゴミを捨てに来るぐらいですからね。

警官から感謝状がでてませんか、町内会からはしょっちゅうお礼言われてるし、もっと範囲を広げて欲しいという注文もあるみたいですよ。」

まぁ、ほんとにこれは一部の方なんですけど、こういうふうなですね、本当に回ってこない高齢者清掃なんですけど、そう言ったものへの期待ですね、

それと同時に、こうした仕事で働けることでの誇りですね、そういったものが高齢者の方から、本当に伝わって来るんじゃないかと思います。

われわれそういったですね、高齢者の方の生身の声をですね、一人一人聞く中でですね、やはり高齢者清掃というのを事業としてきっちりと確立して、それから拡大さしていかなければならんじゃないだろうかと、ほんとに最近つくづく思っております。


高齢者清掃の拡大のための政策案 (冒頭へ)

そう言った中で、我々職場の組合が中心となりまして、現在、高齢者清掃の拡大のための政策案を作っております。

この高齢者清掃というのが、やはり高齢者にとって命の綱、ということなんですけど、

今の現状ではですね、月に2回あるいは1回という中でこれだけではとてもじゃないけど生活はできません。

そうした中でですね、やはり、きっちりとしたですね、就労対策案が必要じゃないかと考えております。

その案について少し話させていただきたいと思います。

今の高齢者清掃事業というのは、これは大阪府等の行政の方の考えなんですが、

これは求人の減少期の緊急避難的な事業という位置づけをしています。

それからですね、地区の環境衛生的な事業として位置づけをされています。

つまり、就労対策、最低限こんだけ保障するんやと、これで最低限の生活ができるだけの就労保障するんやというような事業の位置づけではありません。

そう言う中でですね、我々は高齢者が最低生活できるだけのほんとにぎりぎりの、ぎりぎりというか、ほんとにそうとしかいいようがないんですが、最低限の就労の保障が必要なんだと言うことを考えています。

つまり、高齢者本人の自助の努力だけでは就労が難しい、で、高齢者の自助と自立を支援するための最低限度の就労の保障がポイントになります。

そうした就労に支えられて、何日かの就労に支えられてですね、そのほかの日を軽作業であるとかあるいはもし可能であれば建設業であるとかの、就労を合わせて、雇用保険手帳の資格が得られるようになればですね、

やはり、最低限の自立した生活が可能になると考えております。

また、高齢者事業を拡大していく、それから確立させていくということは、高齢者の方の今の健康の状態、体力の状態から考えてもですね、やっぱり、もっとも適切な事業じゃないかと思っております。

まぁ、いずれにしても、せめて野宿をせんでええような就労のですね保障をしていかなければあかんと思っています。で、その案についてちょっと、話を簡単にさせていただきます。

レジュメの方のですね、右の方を見ていただければと思うんですが。2となっていますが、「効力のある高齢者事業のあり方についての提言」というところを、ちょっと見ていただけますか。

94年度から高齢者事業が始まっておりますが、94年度で940名の方が登録に来られてまして、95年度、昨年度でもですね、922名とほぼ同じ数の方が登録に来ておられます。

今年もですね、これはまだ秋の登録が始まっていないんですが、4月30日の段階で731名と言う形で、ほぼ毎年同じ様な、約千人弱の方が登録に来ておられます。

しかしですね、この高齢者清掃の対象と言うことはですね、まぁ、千人ということで、我々は案も考えているんですけれど、

やはり全国どこも、東京であろうが横浜であろうがね、高齢者就労対策としてはなにも対策は打たれておりませんので、もしこの高齢者政策案が実現できればですね、やはりたくさんの労働者の方が流れ込んでくると言うようなことも、考えられるんじゃないかと思います。

そう言った意味でですね、高齢者清掃事業案に加えてですね、

やはり軽作業の確保、

それからですね、たとえば東京都で行われているようなですね、公共事業に対してですね、一定の割合で日雇労働者を雇用するように義務づける、いわゆる吸収率制度の制定を同時に、

この高齢者清掃の拡大と同時に考えていかなければ、やはりいけないんじゃないかと思っております。

それから、図の方を見ていただけますか。この事業では対象となる労働者の規模をですね千人規模として考えているんですが、

この案では、やはり最低限の、就労日数を保障することだけを考えております。

この案での就労日数だけで、十分生活できるかといいますと、これで生活できるという実態ではありません。

行政の方がこの程度の事業ならなんとかやろうと、とにかく行政がこの案に乗って来るというかそういうようなこと、行政が乗ってくるような、規模、それから目的でですね、我々は案を考えています。

とにかく行政を動かさなければならないと思っております。

一年間を三つに分けてあります。たとえば、求人減少期、中間期、繁忙期というように、三つに分かれているんですが、

求人減少期といいますのは、4月から7月中旬ぐらいですね、それから12月から1月中旬ぐらいの五ヶ月間ぐらいの時期のことを言います。だいたい現金の求人数で言えばやはり、3千人ぐらいが一つのめどじゃないかと思っております。

それから中間期というのは、梅雨明けの7月中旬から11月までの四ヶ月半と言うことで、これも現金の数で行けば、まぁ、4千人ぐらいの数の時の状況じゃないかと思います。

それから繁忙期、求人の繁忙期ですけど、これは求人が地区で一番忙しい時期ということなんですが、1月の中旬から3月までの二ヶ月半と考えております。

これはやはり建設業の場合、非常に、求人に波(波動性)があるということで、その波動性に応じてですね、就労を保障する日数も変動させる方が適切であろうと言うことで考えております。

たとえば、求人が非常に少ない時期ですね、アブレの時期です、4月、5月、6月の時期ですね、やはり高齢者清掃での就労の日数もですね、やはり多めにするということで、一ヶ月で10日就労できるように保障するということで考えています。

中間期ですね、やや求人が回復してる時期ですね、そう言う時期には一ヶ月で8日間。

それから求人が一番忙しい時期ですね、この時期には一ヶ月に7日間の高齢者清掃の就労保障をしていかないかんと、言うような考えです。

こういうふうな案を考えていきますと、だいたい今の高齢者清掃が一日20人の時期とそれから現在では40人の規模なんです。

それがこの案では一日の紹介数がもっとも少ない時期でも、84名ぐらいのセンターでの紹介という形になります。つまり求人繁忙期では一日84名の紹介と言うことになります。

また、中間期では128名くらいの一日の紹介と言うことになります。

それから求人減少期、つまりもっとも求人が少ない時期では、一日あたり220人の紹介が必要じゃないだろうかというふうに我々は考えております。

この高齢者清掃事業案では、年間で4万7千150人の求人総数になると言うような計算ができます。

これをですね、現在の高齢者清掃の賃金は5千7百円が手取りですが、印紙代等を含めれば一人当たり6千円ぐらいだと考えられると思うんですが、やはり、

この事業案がですね、もし実現することができればですね、2億8千2百90万円ぐらいの予算にプラス諸経費という形で、だいたい三億ぐらいの規模になるんじゃないかと思っております。

これはあくまでもギリギリの就労日数で、本当に行政が何とかこれに乗って来るということを考えてですね、十分でないという就労保障日数であることは分かっておりますが、今の求人数よりも大きく増やしてせめて野宿しなくていいような就労保障日数ということで、こうした事業案を考えました。

それから、この事業を拡大し、確立していくには、やはり一定の事務費が必要となりますが、現在では大阪府、それから大阪市がですね、高齢者清掃の事業費を負担しています。

しかし、一つ大きなものがここで抜けておろうかと思います。

つまり、建設業団体ですね、具体的に言えば大建協とかそういうところが入ると思いますが、そう言ったような建設業団体がですね、地区の高齢者対策、とりわけここでいえば高齢者清掃事業費をですね、やはり負担するべきだと、考えます。

これは今まで長年に渡り、建設産業に貢献してきた、労働者の方にですね、やはり最低限の企業としての責任と社会的な貢献を果たすという意味で、そういうことをこれから求めていかなければならないと思います。

事業費の点でもう少し触れさせていただきたいんですけど、とはいってもなかなか建設業団体にしても、簡単に事業費を負担せいといって負担しないのが現状ではないかと思います。そう言った中でですね、たとえば、

建退共制度というのがありますが、つまり、「建設業退職金共済制度」というのが正式名称ですが、

ほとんど釜ヶ崎においては、高齢者の方であっても、何十年と建設業で働いていたとしても、建退共をもらえる方がほとんどいないというのが実態なんです。

実は建退共の証紙というのがありまして、それが、大量に余った状態で、ゼネコンとかそういったところに残っております。

これは今は不可能なんですけど、この証紙をお金に、換金することができればですね、膨大な金額になるんじゃないかと思います。

そう言った証紙の金額の一部を、この高齢者事業費の一部に、再利用することができれば、今の釜ヶ崎の高齢者に企業としての責任を果たしていくということになると思います。

これは一つのアイディアなんですが、企業が地区において責任を果たしていく一つの方法として考えられるんじゃないかなと思います。

それから我々の組合が考えている案での規模で就労対策が行われれば、やはり、就労先も大きく拡大していかなければならないと考えます。

現在ではセンター内とセンター周辺の生活道路のみなんですが、やはりエリアを拡大していくことが必要だと思います。

公共の施設、道路というところが、やはり中心になろうかと思いますが

具体的に言ってみても、まず大阪府の関係施設では、今宮工業高校、西成高校や府営の天下茶屋住宅などがあり、浪速区には今宮高校などの公共施設があります。

それからですね、あいりんセンターの方では今一回清掃を行っていますが、だいたい今、一日に1万人ぐらいの方が認定とかあるいは仕事を探してですね、センターを利用されていると思いますので、やはり、たくさんの方が利用されますので、一日一回の清掃だけでも十分にきれいにならないのが実態です。
そう言った中でですね、やはり、午前と午後に分けて、二回、清掃をおこなうようなことで就労先を確保していくということも、実態から考えていけば当然ではないかと思っています。

それから道路清掃の方に行きましたら、たとえば具体的に言いましたら、

山王町や太子町であるとかあるいは浪速区恵美須西などにもエリアを広げて行ってですね、道路清掃していくということがやはり必要だと思います。

なぜならば、これは行政の調査なんですが、それによりますと、実は、これ西成区では、区内の不法投棄というのが、大阪市内の中でもずば抜けて高いという実態があります。

不法投棄、ゴミを捨てるんですね、その反面ですね、生活道路の清掃なんかは徹底されていないのが実態だと思います。やはり、道路の清掃事業なんかも、このようにしてエリアを拡大していく必要があるんじゃないかと思います。

それから清掃事業をこれから拡大、確立していく上では、やはり、労働者の実態、地域の実情を分かった事業主が必要になってくると思います。

地域の実情をよく理解している事業主ということで、一つの考えなんですけど、たとえば、高齢者事業団方式というのが、今現在全国で行われております。

つまり、労働者が単に雇われると言うことじゃなしに、もっと主体的に関わっていくということです。つまり高齢者清掃事業団なんかも地域で必要とされているんじゃないかと考えております。

まぁ、そのほかにもですね、色々検討していかなければならないことがあろうかと思うんですが、こうした最低限の就労保障ということなんですけども、まずこれを、確立していくことがどうしても必要だと考えております。

しかしこれだけで高齢者の対策が、高齢者の就労保障が行われるのかといえば、それで十分でないことは、言うまでもないと思います。

やはり、高齢者清掃以外にも、高齢者向けの軽作業を確保していかなければなりませんし、

それから、先ほど言いました公共事業への吸収制度と言ったものも同時に制定していかなければいけない。

それから、現在では26枚の印紙を張らなければ認定がもらえませんが、やはり高齢者の今の実態から考えていけば、26枚貼るというのは大変なことですから、やはり雇用保険の受給資格を高齢者に対しては緩和していく措置が必要だと思います。

つまり、地区の特例的措置を、高齢者に対して行っていく必要があるんじゃないかと思います。

この四つぐらいを同時に進めていくということが必要じゃないかと思っています。四つがそろって初めて地域の高齢者就労対策というものが確立される。

こうしてはじめて高齢者の最低限の生活が保障されると言うことになるんじゃないかと思います。

いずれにしても、ほんとに、行政の方としては、「第二失対」につながるような就労対策は、失対事業的なものは決して行わないという強い考えがあります。

ですから、高齢者清掃事業の拡大のことを、実現していくことさえも、本当に大変じゃないかと思うんです。

しかしこういう実態を目の前にして、黙っているのか、それともやはりなんらかのアクションをおこして、運動をみんなと、色んな考え方も含めてですね、広く手を結んで運動していくのか。少々の考え方のちがいを乗り越えてですね、手を結んでいって、高齢者清掃の拡大と確立を、強く行政に求めていくということが必要だと考えています。

僕たちの労働組合としてもこの運動を、これから少しずつ、小さな力なんですがやっていきたいと思います。

今の話しでは不十分な点もあったと思うんですけど、皆さんの案に対する批判、あるいはご意見ありましたら、またセンターの方へ来て、おっしゃっていただきたいと思います。よろしくお願いします。以上です。


司会 仕事を紹介する窓口の労働者が、いわゆる上から来る仕事をトンネルとしてですね、扱って、足らないのですいませんと頭を下げるんじゃなしに、自らの労働の中からプランということをですね、今提起をした、

これが紙に書いた文字にせんためにはどうしたらいいか、言うことがこれからの課題であろうかと思いますが、一日に二回清掃であるとか、山王町までエリアを広げるとか、印紙を貼る資格を26枚からもっと緩和せいとか、具体的な要求がある、

こういう要求を参考にしながらですね、高齢者事業財団をつくって、いわゆる官が金を出して具体的な仕事はですね、事情によく通じている地元の代表者が、代表がですね、やはりみんなで運営していくという、高齢者事業財団が必要だと言うことを提起していただきました。

日頃なにかとですねぇ、窓口業務として、でてきている、実感からでてきたものでありますが、一つ、二、三ご意見があれば、質問なりあれば

それじゃあ、一番前の方

参加労働者 なるほど、分かったようなはなしでありますけどもねぇ、我々はこの前、センターで一週間闘争を続けました。

この内容見たらね、確かにやるんかと、思いますよ、これは、

内容はぴったりだ、理事長もこれはいわなんだ、大阪府の労働部もこういうことはいわなんだで、門前払いだ、

ようするに、しかし、お宅言うた通り、やれるかやれぬか、それはっきりしてくださいよ、なるほど、我々に必要やで、これでも不満やで、

たとえ道路清掃の特掃、仕事自身も、今20人30人いいましたけども、毎日、百人近く使ってもいいんじゃないかと思います、それは、違いますか、

それともう一つ、ありましが、これは、市の対策というものは、9月の決算で決まります、これは、府の予算で、我々は府の予算を待ってですな、高齢者がどれだけ仕事が増えるかと、これは、待ってますは、そこ、やっぱり勉強せなあかんで、以上であります。

司会 実行できるのかどうか、というですね、まさに切実な問題として提起されたわけですが、なにかお答えございますか。

加美 ーマイク不調ー我々としても、まだまだ不十分だと思いますが、この案はやっぱり実現していかなければならないと考えています。ですから、そのためにですね、いわゆる事業を実施していく主体としての行政に対しても、強く言っていかなければならないんじゃないかと思います。