風をとどめる試みー差別映像確認行動の報告ー
テレビの映像は、「放ち、送られる」。それは風に例えられるかも知れない。
風は、空気の流れであるが、その強弱や運ぶ香りなどで、吹かれる人に影響を与える。しかし、風が吹きさったあとで、それがどのようなものであったかを検証することは難しい。その風に吹かれなかった人に伝えることは、一層、困難なことである。
今、私たちが作ったこの小冊子は、流れさった風を記録しようとするものである。
テレビ東京が制作し、系列局をとおして全国に放送された映像を、痛みと憤りを持って受けとめた人々がいる。
電話での抗議にもかかわらず、風はやむことがなかった。放送局の予定によって、風はとまった。
だが、風の残した影響を、風をこれからも起こし続ける人たちの心根を、心配した人たちは、なんとか吹きさった風を呼び戻し、受ける側と送る側で検討をし、別な風を送ることで、影響の訂正をなさんとした。
テレビ東京も、映像の提供は拒んだものの、僅かにビデオに記録された風の痕跡に基づいての指摘については、話し合いに同意され、風を送り放しにしない姿勢を示された。
互いの主張のやり取りの後、影響の是正にも努められた。
一つの風が巻き起こした波乱は、一つの結末を得たと言える。
野宿者差別糾弾の報告であるとともに、風を送り出す立場にある人々が、常にその風の質を問い続ける姿勢に留意することへの喚起になればと考え、報告をまとめた。
| 風をとどめる試み |
| テレビ東京「ヒッピーはヤッピーになれるか」 |
| 〜差別映像糾弾の記録〜 |
| 発行日:1994年10月1日 |
| 編集:「ヒッピーはヤッピーになれるか」を考える会 |
| 編集責任者:松繁逸夫 |
| 発行:釜ヶ崎差別と闘う連絡会議 |
| 印刷製本:矢田解放塾 |
| 連絡先:大阪市西成区天下茶屋1−30−14 |
| 松繁逸夫 |